ファイナンス 2017年4月号 Vol.53 No.1
45/78

付の適正化などの観点から、医療・介護制度改革を着実に実行。⇒ 高額療養費・高額介護サービス費、後期高齢者の保険料軽減特例、入院時の光熱水費相当額の負担の見直し、高額薬剤(オプジーボ)の薬価引下げ、介護納付金の総報酬割の導入等により29年度の財政効果は国費▲1,079億円。あわせて、30年度についても一定の歳出削減効果が生じることを勘案して、昨年度と同様、協会けんぽ超過準備金分の国庫補助の臨時削減(▲321億円)を歳出削減効果として計上。〈医療・介護制度改革の具体的内容〉《29年度から施行するもの》※括弧書きは29年度歳出削減効果(国費)①高額療養費の見直し(▲224億円)- 世代間の負担の公平、負担能力に応じた公平な負担の観点から、70歳以上の高額療養費制度について、現役の水準を勘案して以下のとおり見直し。【現役並み所得者】・ 外来上限特例の上限額を44,400円から57,600円に引き上げる。【平成29年8月施行】・ 外来上限特例を撤廃した上で、所得区分を下記の通り細分化して負担上限額を引き上げる。【平成30年8月施行】年収約1,160万円~252,600円+(医療費-842,000円)×1%<140,100円>年収約770~1,160万円167,400円+(医療費-558,000円)×1%<93,000円>年収約370~770万円80,100円+(医療費-267,000円)×1%<44,400円>(注)<>内は多数回該当の場合【一般所得】・ 負担上限額を44,400円から57,600円に引き上げ、多数回該当(44,400円)を設ける。【平成29年8月施行】・ 外来上限特例の上限額について12,000円から14,000円に引き上げ、あわせて、144,000円の年間上限を設ける。【平成29年8月施行】・ 外来上限特例の上限額について14,000円から18,000円に引き上げる。【平成30年8月施行】②後期高齢者の保険料軽減特例の見直し(▲187億円)- 所得割の軽減特例及び元被扶養者に対する軽減特例について、世代間・世代内の負担の公平性の観点、制度の持続性を高める観点等から、以下のとおり段階的に本則に戻す。なお、均等割の軽減特例の見直しは、低所得者に対する介護保険料軽減の拡充や年金生活者支援給付金の支給とあわせて実施。また、元被扶養者に対する所得割については、賦課開始時期を引き続き検討。・ 所得割の軽減特例を2割軽減、元被扶養者に対する均等割の軽減特例を7割軽減。【平成29年4月施行】・ 所得割の軽減特例を廃止し、元被扶養者に対する均等割の軽減特例を5割軽減。【平成30年4月施行】・ 元被扶養者に対する均等割の軽減特例を廃止。【平成31年4月施行】③入院時の光熱水費相当額の見直し(▲17億円)- 入院時の光熱水費相当額の患者負担について、介護保険施設や在宅との負担の公平性の観点から、以下のとおり見直す。・ 65歳以上の医療療養病床に入院する患者(医療区分Ⅰ)に係る光熱水費相当額について、日額320円から370円に引き上げる。【平成29年10月施行】・ 65歳以上の医療療養病床に入院する患者(医療区分ⅡⅢ)について、光熱水費相当額として平成29年10月から日額200円、平成30年4月から日額370円の負担を求める(難病患者を除く)。④高額薬剤(オプジーボ)の薬価引下げ(▲196億円)- 高額薬剤(オプジーボ)について、緊急的な対応として、平成29年2月から薬価を▲50%引き下げる。ファイナンス 2017.441平成29年度予算特集②平成29年度社会保障関係予算のポイント 特集

元のページ  ../index.html#45

このブックを見る