ファイナンス 2017年4月号 Vol.53 No.1
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は既に国公立12万9,700円、私立13万8,000円となっている)。(6)学校を核とした地域力強化プラン(68億円⇒69億円(+1.5%))まち全体で地域の将来を担う子供たちを育成する観点から、学校を核として地域住民等の参画や地域の特色を活かした事業を展開するための支援を行う。特に、地域住民等による小学校での放課後の学習支援、体験機会の提供及び居場所づくりを行う「放課後子供教室」を1万5,500箇所から1万7,750箇所へと+15%拡充。また、学習が遅れがちな中高生等の無料の学習支援を行う「地域未来塾」を3,100箇所から3,700箇所へと+19%拡充。(7)公立学校施設整備(災害復旧費除く)(709億円⇒690億円(▲2.6%))28年度までに公立小中学校の施設の耐震化対策は概ね完了(98%以上)。そのため、吊り天井の落下防止などの非構造部材の耐震化、トイレ、空調設備等の老朽化対策などを中心に学校施設整備を推進。28年度補正予算(第2号)(1,387億円)と合わせて合計約2,100億円と、前年度(27年度補正予算と28年度当初予算で合計約1,100億円)を上回る予算を確保。2-2.教育環境の整備・質の向上教職員定数については、少子化の進展や学校統廃合の進展を適切に反映しつつ、発達障害等を持つ児童生徒に対する通級指導や外国人児童生徒に対する日本語指導のための教職員の安定的な配置等を図るため、加配定数の一部について基礎定数への移行を行う。一方、外部人材を有効に活用するため、「チーム学校」「学校を核とした地域力強化プラン」に関する施策の拡充を行う。また、教育の「質の向上」の観点から、教員研修のための予算を拡充しつつ、教育効果等に関しエビデンスに基づくPDCAサイクルを徹底するため、教育政策に関する実証研究を推進する。(1)教職員定数の適正化(15,271億円⇒15,248億円(▲0.15%))・「基礎定数」(義務標準法に基づき、学校数や学級数に応じて算定されるもの)については、少子化の進展を反映。また、学校統廃合の更なる進展による定数減も反映。・「加配定数」(教育上の特別な配慮などの目的で配置するもの)のうち、児童生徒数等に連動する以下の区分について、学校現場の抱える諸課題への安定的な対応等のため、基礎定数化する。①発達障害等を持つ児童生徒への通級指導(+452人)②外国人児童生徒等に対する日本語指導(+47図表3 29年度予算における加配措置の概要加配事項人数(増)考え方専科指導の充実等+175人・専科(音楽、図工、体育等)の加配定数は全国で1,134人。現状では担任外教員等が担当。・29年度は小学校英語の教科化等に向けた体制整備のために必要な加配定数を措置(+165人)。・その他、アクティブ・ラーニングによる授業改善のための加配定数を措置(+10人)。貧困による教育格差の解消+50人・要保護・準要保護世帯の児童・生徒数は近年、高い割合(約15%)で推移。・家庭訪問などきめ細かい対応を行う観点から要保護、準要保護世帯の割合が多い学校へ重点的に加配措置。いじめ・不登校等への対応+25人・増加傾向にあるいじめや不登校問題などへのきめ細かい対応を行うため加配定数を措置。学校統廃合、小規模校に係る支援+75人・毎年全公立小学校の1%程度、中学校の0.5%程度が統廃合しているが、現在でも小学校の46%、中学校の51%が法令上の適正規模(12~18学級)に達していない状況。そうした中、27年1月の「適正規模・配置の手引」を踏まえ、今後も統廃合が進んでいく見込み。・それを踏まえ、統合前の業務量の増や、統合後の児童生徒へのきめ細かな指導に対応する加配定数を措置。養護教諭・栄養教諭・学校事務職員の充実+70人・教師がより授業や生徒指導に専念できる環境を整備する観点から、学校の事務職員等(+70人)の拡充による学校マネジメント機能の強化等を実施。ファイナンス 2017.433平成29年度予算特集②平成29年度文教及び科学振興費について 特集

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