ファイナンス 2017年4月号 Vol.53 No.1
23/78

3,177億円〔+24億円〕を計上している。裁判官・書記官等を含む裁判所職員の人件費は、予算の8割以上を占め、2,666億円〔+18億円〕となっている。全国の裁判所において裁判を運営するために必要な経費141億円〔▲2億円〕、裁判所施設の整備に必要な経費159億円〔+13億円〕等を計上したほか、法曹人材確保の充実・強化の推進等を図ることを目的として、平成29年度以降に採用予定の司法修習生に対して修習給付金を支給することとしている(参考2)。(2)定員定員については、大型化、複雑困難化した民事事件を適切・迅速に処理するための合議体による審理の促進、増大する家事事件の処理に対応するための人的体制の整備として、裁判官(+27人)、書記官(+24人)等について新規増員を行うことにより、新規増、合理化減等をあわせた裁判所の定員は25,724人〔▲8人〕となっている。(参考1)【出入国審査体制の充実強化】観光立国推進の政府方針の下、訪日外国人旅行客数は大幅な増加を続けており、28年には 2403万人を記録している。こうした中、法務省は、円滑かつ厳格な出入国審査体制を実現させるため、入国審査官の増員を継続して行っており、28年度は、当初増員として入国審査官147人の増員を行ったほか、28年8月に、入国審査官40人の緊急増員を実施している。さらに29年度においては、入国審査官202人の増員を行うこととしている。(注)この他、各年度において、定員合理化減がある。(参考)入国管理局職員数の推移(単位:人)年度入国審査官入国警備官等合計訪日外国人数(暦年)262,2041,7653,9691341万人272,4711,7314,2021911万人282,6801,7304,4102403万人292,8821,7324,614-(参考2)【司法修習生に対する経済的支援】法曹の活動領域の伸び悩みや司法試験の合格率の低下等から、昨今、法曹志望者数が減少する状況となっており、「骨太方針2016」や「未来への投資を実現する経済対策」では「司法修習生に対する経済的支援を含む法曹人材確保の充実・強化等を推進する」こととされた。こうした中、法務省、最高裁、日弁連間の検討作業の結果、①司法修習制度の在り方を見直し、司法修習の確実な履践を担保するとともに修習の成果の社会還元を推進するための手当を講じるとともに、②司法修習生に対する経済的支援に関して、従来の貸与制から給付(「修習給付金」)と貸与を併用する新たな仕組みに移行することが合意され、これらにより司法修習に専念できる環境を整備することとした。○修習給付金の概要①基本給付金(一律支給):月額13.5万円②住居給付金(住宅を借り受け、家賃を支払っている場合):月額3.5万円③移転給付金(修習に伴い住所・居所を移転する必要が認められる場合):旅費法の移転料基準に準拠して支給ファイナンス 2017.419平成29年度予算特集②平成29年度司法・警察、経済産業、環境予算について 特集

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る