ファイナンス 2017年4月号 Vol.53 No.1
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子力損害の賠償の迅速かつ適切な実施を確保するための財政上の措置に必要な経費として、平成29年度の経済産業省予算では469億円〔+335億円〕を計上している。原子力損害賠償・廃炉等支援機構に交付する交付国債の発行限度額の引上げ(+4.5兆円、総額は9兆円⇒13.5兆円)に併せ、使用された交付国債に係る金利負担に対応するため、原子力損害賠償支援資金への繰入れとして400億円〔皆増〕を計上している。4 復興関係被災地の復旧・復興状況を踏まえ、引き続き、被災事業者の自立等支援、福島イノベーション・コースト構想の実現等に必要な予算を計上している。具体的には、岩手県、宮城県及び福島県の3県の被災中小企業・小規模事業者の復旧を支援するため、中小企業組合等共同施設等災害復旧事業(いわゆるグループ補助金)に210億円〔▲80億円〕を計上している。また、原子力災害による被災中小企業・小規模事業者の自立等に向けて、事業再開に向けた初期投資等の支援、販路開拓支援、商工会議所・商工会の連携強化等を実施するために54億円〔+41億円〕、福島県12市町村(避難指示区域等)の産業復興・雇用創出に向けて、これらの地域を対象とした自立・帰還支援雇用創出企業立地補助金に185億円〔▲135億円〕を計上している。さらに、福島県浜通り地域において、イノベーション・コースト構想の実現に向けて、ロボットテストフィールド及び隣接する共同利用施設等を整備するとともに、同地域の産業振興に資する技術開発・実用化開発を支援するため、98億円〔▲46億円〕を計上している。Ⅱ 環境省予算1 概観平成29年度予算では、環境省一般会計予算として3,267億円〔+34億円〕を計上しており、そのうちエネルギー対策特別会計エネルギー需給勘定への繰入れが1,354億円〔▲14億円〕、原子力規制委員会関係(エネルギー対策特別会計電源開発促進勘定繰入等)で428億円〔+16億円〕となっている。また、東日本大震災復興特別会計において環境省関係予算として7,199億円〔▲1,991億円〕を計上している。その中で、老朽化が進行している一般廃棄物処理施設の適切な更新等の安全・安心な環境の確保、地球温暖化対策の更なる推進、原子力災害からの福島復興の加速化、原子力規制・原子力防災対策等を着実に実施することとしている。(表2)環境省関連予算の概要(単位:億円)項 目28年度当初①29年度予算②対28年度当初②-①一般会計(環境省計上) 3,2333,267 34 1.1%エネ特繰入(エネ需勘定) 1,368 1,354 ▲14 ▲1.0%公共事業関係費474444▲30▲6.4%原子力規制委員会413 428 16 3.9%うちエネ特繰入(電促勘定)31832682.5%復興特会(環境省関連)9,1907,199▲1,991 ▲21.7%エネ特歳出(エネ需勘定)1,5641,535▲30▲1.9%エネ特歳出(電促勘定)467433▲34▲7.3%14ファイナンス 2017.4特集

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