このページの本文へ移動

鈴木財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(令和6年4月5日(金曜日))

【質疑応答】

問)先日、経済財政諮問会議で2060年度までの財政と社会保障に関する長期試算が示されました。持続的な財政、安定的に進めるには、1%の成長の下で医療・介護の改革を進めるという内容でした。またそれとは別に昨日、財政審の分科会で骨太の方針に向けて議論が本格的に行われることになりました。金利のある世界を踏まえた内容になるとのことですが、大臣の受け止めをお聞かせください。

答)先日4月2日に開かれました経済財政諮問会議におきまして公表された内閣府の試算において、経済・財政・社会保障の長期的安定性を確保するためには、実質経済成長率を1%以上に引き上げるとともに、医療・介護給付費対GDP比の上昇基調に対する改革に取り組み、財政健全化を推進することが必要であると示されたものと承知しております。
 経済成長率の引き上げにつきましては、潜在成長率の押し下げ要因であります少子高齢化・人口減少、これを克服するため、官民を挙げて、これまで以上の様々な改革努力を積み重ねて、民間主導の持続的な成長を実現していくことが不可欠と考えております。
 また同時に、今後の財政運営においては、物価や金利が上昇に転じる中で、歳出改革の取組を継続することなどを通じて、財政の持続可能性に対する市場の信認を引き続き確保していくことが重要と考えております。引き続き経済あっての財政という方針の下、経済成長と財政健全化の両立に向けてしっかり取り組んでまいります。
 そして財政制度等審議会についてでありますが、昨日、財政総論等をテーマに開催され、今後の建議の策定に向けた議論がスタートしたところであります。
 現時点で、次の骨太方針に関して何かを申し上げる段階ではありませんが、私としては、今後、物価と賃金の好循環の実現を目指していく中で、金利動向も含め、日本の経済環境が転換点を迎えつつあると認識しておりまして、財政審の委員の方々には、例えば、今後、財政の持続可能性に対する市場の信認をどのように確保していくかといった点について、大所高所からの議論をしていただくことを期待しております。

問)日銀の植田総裁が今朝の記事で、物価上昇率2%の目標に近づく確度が更に高まっていけば、夏から秋にかけて更に追加の利上げを検討するというふうなお考えを示されていますけれども、これについての大臣の受け止め、お考えをお願いいたします。

答)金融政策、それはタイミングも含めて、日銀の独立性にお任せしなければならないと思います。植田総裁からは折々いろいろなお話がありますけれども、いずれにしましても政府としては、これからも日銀とよく連携をしながら、安定的な物価目標を目指して共に努力をしたいと思っております。
 いずれにしましても植田総裁のお話については、日銀総裁としての話でありますので、私共として何かそれにコメントはいたしません。

問)為替の状況ですけれども、152円をにらんでのらりくらりとした動きを見せておりますけれども、それに関しての大臣の受け止めをお聞かせください。

答)常々申しておりますけれども、為替の水準は市場を通じて基本的にファンダメンタルズを反映して決まっていくということであって、安定的な動きが重要であって、過度な動きというものは望ましくないと、こう思っております。
 私共も今、高い緊張感を持って市場の動きを見ております。行き過ぎた動きがあるとするならば、あらゆるオプションを排除することなしに適切に対応していきたいという従来のスタンスは変わりありません。

(以上)