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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(平成29年1月6日(金曜日))

 
 
【質疑応答】
問)

 新年の抱負についてお伺いいたします。第2次安倍政権が発足して5年目を迎え、デフレ脱却に向けてアベノミクスは正念場にあるというふうに指摘をされています。海外では米国でトランプ氏が大統領に就任するなど情勢が目まぐるしく変化しそうです。こうした政策課題にどう取り組んでいくおつもりか、お考えをお聞かせください。

答)

 昨年の12月26日で丸4年ということになります。そのときに我々はデフレ不況からの脱却というのを言って政権を奪還しました。目的はデフレ不況からの脱却、これが優先順位の政策としての1番ですという話を申し上げて選挙を戦い、実際そういう政策をやってきたと思っています。その上で結果としてまだ地域間格差、産業間格差、企業間格差、世代間格差等、まだまだ課題が残っているのは当然ですけれども、そういったものを総じてマクロで見る立場から言えば名目GDPは40兆円を超えて伸び、税収も消費税を除いても大幅に増えましたし、企業の経常利益は史上最高です。中でも一番の問題は雇用、その雇用が高知の幹事長だったと思いますが、「高知県の新聞に求人広告が載りました、高知で始まって以来のことです」と言って電話してきたのが印象的でしたけれども、有効求人倍率が全国47都道府県の全てで1を超えたということは、100人の学生が就職するに当たって、野田内閣では81ぐらいの企業からの求人だったのに対して、今それが130、140という企業からの求人があるということは、就職するという立場に立ったら非常に大きな変化です。ベースアップも3年連続できていますし、そういった意味で全体としてできていますので、我々のやってきた経済政策に間違いはなかったと、そう自信を持ってやっていかなければいけないのだと思っています。国際金融で見ても、リーマンブラザーズの破綻が起きたときから考えて、80円前後まで円が上がっていった中、我々はそれに耐え、しかし結果として我々としてはデフレ不況からの脱却は成功しなかったことははっきりしています。したがって我々が政権を奪還した暁には政策は変えますということで、金融政策は変えるということを申し上げて、結果として円は100円を超えて、110何円というところまで円安という方向になり、2008年の額というところまで戻ってきているような感じにしています。株価も8,000円ぐらいだったものが今1万9,000円台まで上ってきていますので、総じていい形になってきていますので、政策に基本的な間違いはないと、そう思っています。細かいところをやっていかなければいけないところが幾つもあるとは思いますけれども、デフレ不況からの脱却をやって、財政健全化についてもプライマリーバランスを2020年度までにという話の手前の段階でプライマリーバランスの赤字対GDP比半減というのは達成できる見込みでありますし、残りの時間をかけてチャラまで持っていきたいということで、来年度は「経済・財政再生計画」の2年目になりますけれども、目安のラインに沿って今確実にやれつつあるということだとは思っています。景気を冷やし過ぎることなく経済成長をきちんと図りながら財政もきちんと安定したものにしていきたいという二兎を追っているわけですけれども、それを曲がりなりに今少しずつ達成しつつあると思っています。この背景は政権の安定というのが一番大きかったと思っています。政権安定のもとでこういった政策は継続的にできていますので、ほかの国は経済のバックになる政権というものが先行きが不安定みたいに見えるようなところがありますけれども、日本はその点違いますので、我々としてはきちんとそういう背景をもとに経済政策をやり続けていかなければいけないところだと思います。今年の抱負と聞かれれば、まずは何といっても20日から始まる通常国会で予算の早期成立というのが一番の景気対策になると確信していますので、予算の成立に全力を挙げたい。今の段階で聞かれればそういうところです。

問)

 世界経済の見通しについて伺います。アメリカのトランプ大統領が今月就任をすることになっておりまして、いろいろ経済への影響が言われています。安倍総理は昨日の政府与党だったと思いますけれども、世界経済は全体的に上向きつつあるということを述べられました。大臣はどう見通されているかということを伺いたいと思います。為替とか株価とかいろいろな影響があり、加えてヨーロッパでは重要な選挙が幾つか控えております。そういったことも含めて御所見をお願いいたします。

答)

 トランプ氏という新しいタイプの大統領が出てきた、それによってどういう話が出るかというのがよく去年の後半から話題になっていましたけれども、分析、予想をみんな間違えたのではないでしょうか。1980年代にロナルド・レーガンという人が大統領になったときも同じように書いてありました。しかし結果として歴代、戦後のアメリカ大統領で名大統領になったのはレーガン氏。そう思ってトランプという人をもう1回見直してみるというようなつもりでやらないと、固定概念で見てしまうと間違えるとずっと言い続けてきたのですけれども、今選んでいる閣僚、問題はその下の、次官とか次官補とか、そういったレベルがはっきりしてこないとよく見えません。3,000人からの人が代わるのですから時間がかかると思いますけれども、そういったところが見えてくるまではまだ何とも言える段階にはないとは思います。今出てきている閣僚の中でこれまでの経歴から推察すれば、経済というものはアクセルを踏む方になっていると思いますので、我々としてはどういう具合にこれからリードしていくかという話にはなるのだと思っていますけれども、間違いなく景気を好転させる方にハンドルを切ろうということを考えているように見えます。
 ヨーロッパの場合は日本のように、97年、98年の金融危機のときに多くの銀行が倒産した、もしくは合併した。しかし同じような状況に2008年、リーマンブラザーズのときにももっと騒ぎになった。日本の場合に比べてヨーロッパの方がもっと、サブプライムローンなる怪しげな商品、金融派生商品を買った比率が高かったので、痛みも大きかったのだと思います。その整理は終わったかと言えば終わっていないがゆえにマイナス金利をやり、いろいろしているのだと思いますけれども、先行きはいま一つ、ドイツ銀行ですら騒ぎになるということですから、いろいろなものがまだまだ日本みたいに処理が終わっていないという状況で銀行は、金を貸せない。投資をするなんていうことはなかなかできない状況にあるだろうなというのは想像にかたくないところだと思います。
 アジアの場合は中国が発表する数値が本当ですかと言いたくなるような数字しか出ませんし、簡単に言えば月例報告のようなものが、約1億2,000万人の日本でも、指標によっては2か月前の数値がやっと最新値というものがあるのに、中国は翌月には出て、約13億人いるのが翌月に出せるというのはすごいコンピュータシステムがあるか、最初から数字をつくってあるか、どっちかだと考える方が常識的なのだと思います。数字をこっちから予想して当てるのは極めて難しいのだと思いますけれども、外貨準備が減り始めているという形になってきているのは事実ですから、海外から投資が減ってきているということを意味しているのでしょうし、利益も出ていないということなのだろうとは思いますけれども、よく読めません。いろいろなものが今から流動的になるので、NAFTAのあの話にしても、例えばメキシコに移ろうとしたフォードの移転を止めて国内でつくれというふうな話を次期大統領が言い、フォードはそれに従って工場移転は中止、代わりに国内に投資し、雇用が700人増えますというような形で、いろいろやろうとしているのでしょうけれども、メキシコにとっては、工場ができて車が売れれば利益になるし、雇用も増えて都合のいい話だったのでしょうけれども、それがなくなったということがメキシコにとってどういうことになるのかという計算は、今から時間をかけないとその答えは見えてこないのだと思います。先行きについても、大きな地域だけ見てもなかなか簡単な、まだ見通しが立てられるところまで来ていないように思いますので、日本はそれらの被害を最小限にとどめるようにうまく対応していかなければいけないのだと思いますけれども、ドルがこのまま上がっていくと、金利をちょっと上げる、0.25%上げただけでドルが移って、海外からキャピタルフライトが起きて、ドルが新興国から出ていってアメリカに集まる、当然ドルは強くなるということになります。強くなった結果、キャッシュがそこに集まると、マーケットからキャッシュがなくなることも十分考えておかなければいけない話なので、日本としてはそういったところも十分考えながらやっていかなければいけないところだと思います。まだ見えていないところがいっぱいありますから、今の段階でこれですというような段階にはないのではないでしょうか。

問)

 今、トランプ大統領のフォードのメキシコ工場の建設についてのお話もあったかと思うのですけれども、トランプ次期大統領はトヨタのメキシコの工場建設についても自身のツイッターに書き込まれまして、アメリカに工場を建設しないのであれば高い関税を支払うべきだという内容でしたけれども、これについて大臣の受け止めというのはいかがでしょうか。

答)

 それはNAFTAのアグリーメントの中での話ですから、トヨタに直接関係する話ではなくて、メキシコ・アメリカ・カナダという3つの間、ノース・アメリカン・フリー・トレード・アグリーメントという中での話なので、それをどう言われてもこちらとしてはどうしようもありません。メキシコとアメリカ、カナダの間の話であって、トヨタは現実問題としてケンタッキーとか、ああいったところには雇用として大きな雇用をやっていますし、トヨタがアメリカ国内でつくっている車両の数というものがどれくらいなのか、アメリカの次期大統領の頭の中によく入っているかどうか疑問だとは思います。

問)

 日韓通貨スワップについてお伺いします。先程の官房長官会見で釜山市への少女像の設置を受けて日韓通貨スワップを中断するという発表がありました。この協議の現在の状況と再開の可能性を含めて今後の方針について教えてください。

答)

 日韓のスワップというのは昔からの経緯というのを思い出していただかないといけない。日韓の間は700億ドル近くのスワップが立っていたはずです。それが民主党政権の間にどんどん減って、そして今の政権になった時130億ドルになっていました。こちらから大丈夫ですかと聞いたら、大丈夫だという話だったので、残り130億ドルのうち日銀の30億ドルも失効しました。残り100億ドルになったので、大丈夫ですかと2回も3回も念を押したけれども、ゼロになった。韓国と中国との間には500億ドルぐらいのスワップがあるはずですが、それが今年切れるはずです。今言ったようにドルが新興国市場からなくなっていくと、韓国としては厳しいことになると思って、向こうから要請がありましたので、議論をスタートすることを考えました。その際、自分でスワップに関する協議の再開を頼むということを正式に示してほしいと要請したところ、昨年8月の日韓財務対話のプレスガイドラインが出ました。それで交渉してみたら、まずは100億ドルとか、そうではなくてまずは500億ドルみたいな話が出て、水準がはなから違っていましたので、時間をかけて交渉しましょうという話をしている途中でした。今言われたように官房長官から談話が出ていると思います。信頼関係というものをきちんとつくった上でやらないと、こういったようなものはなかなか安定したことになりませんので、今般は当面の措置としてということで官房長官からの発表があったんだというように理解していますけれども、中断するということにしたという事実は間違いありません。

 

(以上)

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