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麻生大臣、黒田総裁共同記者会見の概要(平成28年2月27日(土曜日))

 
 
【冒頭発言】
大臣)

 今回のG20では、世界経済について、金融市場の変動と不確実性の高まりに対応して、各国の政策課題への取組をどのように打ち出していくか、といった点を中心に議論を行いました。私からは、コミュニケに沿って、重要な合意内容を御紹介させていただければと思います。
 まず、「最近の市場の変動の規模は、その根底にある世界経済の現在のファンダメンタルズを反映したものではないと判断している」との認識で一致しております。「多くの先進国では、経済活動の緩やかな拡大が続き、主要な新興国の成長は引き続き強いと予想される」との認識も盛り込まれました。その上で、世界経済の強固で持続可能かつ均衡のある成長を実現するため、金融、財政、構造政策の全ての政策手段を、個別にそして総合的に用いることに合意しました。
 為替の関係については、「為替市場における過度な変動や無秩序な動きは経済及び金融の安定に対して悪影響を与え得る」と明記されております。これは、為替レートの安定が重要という認識を示したものです。
 また、政策に関する不確実性を軽減し、負の波及効果を最小化し、透明性を向上させるために、マクロ経済及び構造問題に関する我々の政策行動を注意深く測定し、明確にコミュニケーションを行うことでも一致しました。
 全体を通じて、世界経済を巡る市場の懸念をしっかり受け止めつつも、世界経済のファンダメンタルズは市場の変動が示唆するよりも良好であること、下方リスクが顕在化した場合はG20各国がこれに対処する意思と能力を持ち合わせていることを明確にしよう、というのがG20の共通認識であったと思います。
 2日目の討議ですが、本日行われたセッションについては、私の発言内容について御紹介します。
 投資とインフラについては、日本が推進している「質の高いインフラ・パートナーシップ」に関連して、「質の高いインフラ投資」の重要性を改めて指摘するとともに、引き続き世界銀行等の国際開発金融機関(MDBs)においても、インフラの質に着目した投資を進めていくことが重要であると申し上げました。
 国際金融アーキテクチャについては、資本フローに対処する政策手段と枠組みの活用の有効性について、G20の作業部会で検討することを改めて促しました。
 金融規制については、これまでに合意された規制改革の実施が重要であるということを確認しました。私からは、規制に対する市場の懸念を払拭するために、これまでの規制の複合的な影響を評価すべきと主張しました。また、今後、銀行への資本賦課の全体水準を大きく引き上げることは意図していないことを明確化すべきと申し上げ、その旨コミュニケに反映されております。
 国際課税については、実施段階に移ったBEPSプロジェクトについて、OECDから報告された合意実施のための枠組みの立上げを歓迎し、同枠組みへ途上国が参加するよう働きかけていくことの重要性について指摘しました。

【質疑応答】
問)

 今回、あらゆる措置をとるということを示されたわけなのですけれども、これを受けて、日本政府としてはどういう政策をとっていくのか考えをお聞かせください。

大臣)

 安倍内閣においては、機動的な財政政策を含む「三本の矢」による経済成長と財政健全化を同時に進めているのは御存じのとおりです。これはもともとどちらかという話だったのですが、我々は両方やるということを申し上げており、これは一見、二律背反するような政策に見えますが、そういったところを我々としては同時に進めてきたことによって、これまで御存じのように景気は回復し、税収は伸び、そして国債の新規発行は10兆円くらい減っています。実際、そういったことをやってきています。2016年度においても、過去最大規模の当初予算、96.7兆円を予定していますけれども、2016年度予算を国会で審議中ですから、まずはこれをきっちり上げないといけないわけです。2015年度補正予算を迅速かつ着実に実施するとともに、現在審議中である2016年度の予算を早期成立することが景気対策に一番だと、まずはこれだと思っております。

問)

 総裁は日銀のマイナス金利政策を説明したと思いますが、それについての懸念を示す国もあるようで、先ほどのオランダの財務大臣とユーログループの議長を務めるダイゼルブルームのコメントでは、「正直に言うと、日本についての議論はあった。1つの国が通貨安政策を始めると他国が追随し、通貨安競争に突入するリスクはとても大きい」といっています。総裁はどのように説明され、それがどのように受け止められたと思いますか。この政策が通貨安競争をもたらす可能性があると発言した国はあるのでしょうか。

総裁)

 まず、G20では、従来から「通貨の競争的な切り下げを回避し、あらゆる形態の保護主義に対抗する」との考え方が共有されており、この点は、今回のコミュニケにおいても明確に示されています。日本銀行の「量的・質的金融緩和」は、従来から2%の「物価安定の目標」の早期実現を目的としたものでありまして、そのために必要があれば追加的な政策対応を行うという考え方は、これまでのG20において十分に理解されていると思います。今回のG20では、私から「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」について、あくまでも「物価安定の目標」の早期実現のために、「量的・質的金融緩和」を強化し、実質金利を一段と低下させることを狙ったものであること、そして、既に国債のイールドカーブは大幅に低下しており、金融機関の貸出金利も低下するなど、金利面では政策効果は現れていること、などの説明をしました。こうした説明に対しては、参加国の十分な理解が得られたものと考えています。

問) 

 債務の国と債権の国が集まっているパリクラブに中国と韓国を含める可能性があるという話があるのですが、それについてどう思いますか。その事実確認と大臣の意見をお願いします。

大臣)

 中国と韓国がパリクラブにという話は、入るという意思なりが示されるのは大いに歓迎すべきことなのだと思います。債権国の会議ですから良いことだと思いますが、だからと言って条件を引き下げるのではなくて、今の条件のままというのが基本的なところだと思います。

問) 

 今回のG20はかなり世界的にも注目が集まっていたと思うのですが、今回の会議の全般的な成果を大臣はどう考えるのかということと、構造改革の表現が少し、一歩前進したようなところがあると思うのですけれども、指標を含めて監視を続けていくとありますが、この実効性についてはどういうふうにお考えでしょうか。

大臣)

 先ほど申し上げましたように、日本として主張し、こだわったところのほとんどは最終的にコミュニケに取り入れられておりますので、少なくとも最初に申し上げましたように、今回のG20において、市場が悲観的になりすぎているということに関して、その必要はなく、実際の経済のファンダメンタルズは極めて良好であり、新興国も同様というところです。もし何かあった時は対応する、G20みんなでやる、きっちりやるということが確認されたということがコミュニケに盛り込まれたということは良いことだと思っております。構造改革の実効性については、主に中国の方からの話がよく出てきていましたけれども、きちんと実行していくと明確に態度で出てきたように見受けましたし、そういった意味では、構造改革というものにきちんと取り組んでいくということなのだと思います。構造改革をやるにあたっては、急激にやるとまたマイナスの面が出てくる可能性がありますので、こういったものはゆっくり確実に構造改革をしていく、GDPの伸びにこだわるより、国内の消費の比率が高くなってきています。この消費がGDPに占める率は、最近間違いなく中国は高くなってきていますから。そういったものは引き続き、そういった方向で消費主導になっていくというのは歓迎すべきものだと思っていますし、事実そういった方向で動かそうという意思があるのは確かであるというふうに見受けられました。

問)

 マイナス金利政策について、参加国の理解が十分に得られたとおっしゃっていましたが、特に異論や意見はなかったのでしょうか。総裁が参加国の理解を得られたと思われた根拠はなんでしょうか。

総裁)

 異論や意見は全くありませんでした。根拠は、先ほど申し上げた説明に対して、反論や意見がなかったことです。そもそも全体の議論が、コミュニケにも出ていますように、経済のファンダメンタルズはしっかりしているけれども、市場がかなり不安定な動きをしていました。そういうものに対して政策当局としてしっかりとしたコミュニケーションを行い、必要に応じて、金融政策、財政政策、構造改革を、個別あるいは総合的に援用していくという姿勢をきっちりと示したということで、そういう方向での議論が中心だったと思います。その意味でコミュニケが全体の議論とその方向や結論を正確に示していると思いました。

問)

 今日のコミュニケで為替レートについて、2つ再確認するという文言が並んでいます。私は今朝、早起きをしました。麻生大臣も会議よりずっと早くに起きられて御出発され、その後シャングリラホテルでは主要国の面々の方々も早起きされたのを知りました。映像で再確認しました。これは何を示すのかと思い、普段ですと財務大臣にG7があったのですか、とお尋ねした場合は、いつもあったとも無いとも言えない、というお答えが来るのは分かっております。ただ、今年日本はG7の議長国ですので、こうした為替レートの変動に対して、G7の議長がG20の開催期間中にG7としてメッセージを出すことは適当か適当でないかという御判断は、議長国に委ねられていることもあるかと思います。その面から、今回議長国として、麻生大臣はどのような判断があったのでしょうか。

大臣)

 今回のような各国の政策当局者が集まるというような国際会議の場では、時間の許す限り多くの人達と意見交換を行うように努めているので、そうした中で映像が捉えられたものと思います。意見交換は食事の機会とか、パーティーや休憩の際の立ち話とかいろいろ例がいっぱいありますので、また内容も非常に様々ですから、そういった意味でひとつひとつにコメントするのは適切でないとそう思っております。

 

(以上)

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