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麻生大臣、黒田総裁共同記者会見の概要(平成27年10月9日(金曜日))

 
 
【冒頭発言】
大臣)

 本日は、IMFC導入セッション、気候資金に関する閣僚級会合に参加したほか、いくつかのバイ面会を行いました。
 午前中のIMFC導入セッションでは、IMF事務局からのプレゼンテーションに引き続き、世界経済状況等について議論が行われました。私からは、世界経済の伸び悩みの背景にある構造的要因への対処に当たっては、マクロ経済政策による需要の下支えと構造改革による潜在成長率の引き上げが重要であること、上海株式市場に端を発した国際金融市場における変動の上昇が、市場のリスクセンチメントを急激に悪化させる可能性がある中、政策の実施に当たっては、市場とのより注意深いコミュニケーションが求められること、IMFによるグローバルな金融安定のためのセーフティ・ネット強化が重要であること、を指摘しました。
 また、チェンマイ・イニシアティブなどの地域的なセーフティ・ネットを強化するにあたっては、グローバル・セーフティー・ネットと地域的なセーフティ・ネットとが、互いに連携した補完的なものとなるようにすることが重要であると申し上げました。
 なお、本日公表されたIMFCコミュニケにおいても、「政策スタンスを注意深く測定し、明確かつ効果的にコミュニケーションをとることは、過度な金融市場の変動や負の波及効果を抑制するために不可欠である」との記述が盛り込まれているところです。
 また、COP(気候変動枠組条約)の新旧議長国である仏とペルーが共催する、気候資金に関する閣僚級会合に参加し、日本の貢献などについて説明しております。12月に開催されるCOP21の成功に向け、MDBsや各国の取組みの説明がありました。私からは、日本の資金動員や、イノベーションの促進、防災を通じた適応への支援などについて説明するとともに、石炭火力の効率化によりCO2排出削減を着実に進めるべきとの立場を説明しました。
 バイ面会については、イランのアリ経済財政大臣、世界銀行のキム総裁、アフリカ開発銀行のアデシナ総裁、米州開発銀行のモレノ総裁及び欧州委員会のモスコヴィッシ委員との会談を行いました。イランのアリ経済財政大臣には、7月の包括的共同作業計画(JCPOA)の合意を受け、同計画の着実な履行を期待している旨伝えました。世界銀行のキム総裁とは、来年のG7に向けて、グローバル・ヘルスと質の高いインフラ分野での協力を特に強化することを確認しました。また、今年9月に就任したアフリカ開発銀行アデシナ新総裁と、先般三期目に入った米州開発銀行モレノ総裁と面会し、それぞれ就任と再任のお祝いを申し上げた上で、今後の協力関係強化を確認した。

【質疑応答】
問)

 先程のIMFCのコミュニケの中で、世界経済のリスクが増大していると、新興国の経済の減速を懸念していると書かれている中身ですけれども、新興国経済の現状についての認識、世界経済の現状についての認識、それらが日本経済に与える影響についてどのようにとらえていらっしゃるでしょうか。

大臣)

 新興国経済の話は、特に新興国からアメリカの金融政策の関係で新興国からドル等のお金が流出するキャピタルフライトが起きるであろうとの予測から、かなり気持ちが縮んでいたというところはありましたけれども、少なくとも、過日のFRBの決定は、そういったことがないということになっておりますので、当面そこのところは落ち着いていると思っております。大国の中にあって日本の経済というのは、きちんと進んでいるところで、急激に回復するということではありませんが、急激に回復すれば急激に落ちる可能性があることなので着実に伸びているということの方が私たちにとっては良いことだと思っています。そういった意味でアメリカの景気も雇用等が良くなってきていますし、安定しているのだと思っています。ドイツを含めたヨーロッパの方が、その中ではかなりいろいろな上がり下がりにあるところに、中国への輸出比率の高い国ですから、中国の具合が悪くなってきて、そこにフォルクスワーゲンと2つ重なってきていますので、あそこの分だけのマイナスだけれどもずいぶん大きいだろうなという予測もしますし、みんなそう思っていますから、みんな一様にその点に関しては黙っていますけれども、バイで会えばみんなその話は気になっているところだと思っています。

総裁)

 確かにIMFCのコミュニケでも、新興国では特に一次産品価格の下落もあって、成長が減速しているということが指摘されていますし、先程、麻生副総理も触れられたように、資本の流入が減るとか、あるいは通貨安の圧力に見舞われている国もあるということが指摘されています。もっとも、IMFCのコミュニケの中にもありますように、多くの国では経済のファンダメンタルズはしっかりしていると、さらには外貨準備も潤沢であって、アジア通貨危機の頃に比べると、厳しい環境に対する備えはできていると思います。その上で、日本を含む先進国の金融政策等の運営についても、既にG20等でもずっと共有されていましたし、IMFCのコミュニケでも触れられておりますけれども、各国の中央銀行は物価の安定をはじめとする国内の政策目的のために金融政策運営を行うわけです。その際、マーケットにおける過度な変動や負の波及効果を抑制するために、政策のあり方について注意深く測定し、明確で効果的なコミュニケーションを行うことが重要だと考えています。これはG20でも重ねて言われていたことですけれども、今回のIMFCでもそのように言われているということでありまして、従来の考え方と変わっていないということだと思います。

問)

 昨日、中国の財政部長との会談で日中金融協力の推進について、RQFIIの枠の付与とかクリアリングバンクの設置について要請されたとのことですが、実現に向けた手ごたえをどのようにお感じでしょうか。

大臣)

 これは今そういった話を申し込んだばかりですし、今から開始するというところです。

問) 

 昨日、今日と全体の一連の会合を踏まえてお伺いします。今回のG20ではコミュニケは出されませんでしたけれども、米国、新興国、中国の減速懸念などの中、各国として協調していく姿勢、あるいはマーケットとコミュニケーションをとっていく姿勢というのをどの程度明確に示せたと考えていらっしゃいますか。

大臣)

 中国とかそういった国の個別のものに関して、今、協同で対処しなければいけないという判断はなされていないということだと思います。また、それを中国が期待しているかといえば、それもないと思いますので、そういった話は出なかったのだと思っています。

総裁)

 今回、ご承知のようにG20はワーキングディナーであり、ほとんどBEPS(税源浸食と利益移転)の話でした。むしろIMFCにおいて、世界経済の話とか、先程申し上げたような新興国の経済の状況であるとか、先進国の政策運営についての議論が行われて、コミュニケが出ているわけです。その内容は先程ご紹介したとおりでして、従来のG20やIMFCの考え方と整合的なものであり、特別に何か従来と違ったことは述べていないと思います。

問)

 1点目は、IMFCの声明の中で、先進国のインフレ率は総じて中央銀行の目標を下回ったままであるとありますが、その背景と日本の物価への影響について、教えてください。2点目は、声明の2.なのですが、多くの先進国では主要なリスクとして、世界の需要が失速し、供給制約が取り除かれなかった場合の、成長率のさらなる下落というところなのですが、こうしたことが起こった場合の処方箋ですとか、適切な政策対応について、どうお考えかお願いします。

総裁)

 両者は相互に関係していると思いますけれども、1点目については、最近の先進国における物価上昇率が、それぞれの中央銀行が目標にしている、ほとんどの先進国の中央銀行が2%の「物価安定の目標」を持っているわけですが、それに及んでいないということは事実であります。そのかなり大きな理由が、原油をはじめとする一次産品の価格が、昨年の夏以来かなり大きく下落していることの影響だと思います。もちろん、IMFCのコミュニケにも示されている通り、米国の景気回復は非常にしっかりしており、ユーロ圏と日本の経済の回復はより緩やかでありますけれども、一番回復のしっかりしている米国も、それから、ユーロ圏も日本も消費者物価の上昇率が非常に低い、2%にはるかに及ばないゼロ近傍のところにいることは、やはりこの世界的なコモディティ価格の下落が大きく影響していると思います。世界的なコモディティ価格の下落がなぜ起こったのかというのは、いろいろな理由があると思いますけれども、供給側の理由もありますし、需要側としては中国をはじめとする新興国の成長がかなり減速してきたということも影響しているのではないかと思われます。いずれにせよ、先進国の物価上昇率が物価安定目標に達していないということから、コミュニケでも緩和的な金融政策を継続するのは望ましいと言われていますし、日本銀行も、もちろん現在の「量的・質的金融緩和」を、2%の「物価安定の目標」を目指して、それが安定的に持続するようになるまで継続すると言っているわけです。
 2点目については、当然ですけれども、需要を支えるような様々な政策を考えなくてはならないと思いますが、現在のメインシナリオは今回のIMFの見通しにあるように、今年の成長見通しは前の見通しよりも、0.2ポイントくらい下がっていますけれども、来年にかけて成長が加速していく姿は変わっておりませんので、今の時点であわてて何かしなくてはならないということではないと思います。それぞれの経済の実情あるいは政策の余地というものを勘案して、必要に応じて適切な政策をとるということに尽きると思います。

問)

 軽減税率についてお伺いします。今回の軽減税率制度を議論する自民党の税制調査会の会長が野田毅先生から宮沢先生に代わる見通しということです。財務省案を支持してきた野田先生が代わるということで、EU型軽減税率制度の議論が本格化するかとも思いますけれども、今後どのような議論になるとお考えでしょうか。

大臣)

 その種の仮定の話に対して答えるつもりはありません。いつもの答えですから。

 

(以上)

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