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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(平成26年6月13日(金曜日))

 
 
【質疑応答】
問)

 先ほど甘利大臣と法人税改革について、御協議されたかと思いますけれども、現時点での合意内容について御説明できるものがあればお願いできますでしょうか。

答)

 甘利大臣との話は今の段階、まだ調整中ですのでお話しできる段階ではないということです。

問)

 関連で法人税改革についてですけれども、今まさに実効税率の引下げ、骨太の方針でどのように表現するのかということを、その議論がまさに大詰めの段階にあるかと思います。ただ、そもそも法人減税の狙いですとか、その効果をどのように見定めるのでしょうか。11日に自民党の政調全体の会議が開かれまして、そこではこれから一体改革を仕上げていかなければいけないのに企業負担を下げるのはおかしいという声もありました。先日に公表された骨太方針の骨子には、対日直接投資の促進といった観点も明記されておりますけれども、大臣は法人減税の狙いですとか効果についてはどのようにお考えでしょうか。

答)

 法人税の実効税率を下げるという話は国際競争力を考えますと、国際標準に比べて日本の法人実効税率は高い、大体そういう話が報道されている、皆さん大体そういう意識でしょう。法人実効税率の中で一番問題なのは、日本で法人税を払っているのは日本の全企業の3割しか払っておらず、残りの7割は払っていません。稼げる企業は法人税を納めていて、一方、残りの7割の企業も道路等を使用して、いろいろな利益を得ているわけですけれども、欠損金の繰越控除等で何も法人税を払っていないというのが日本の今の実態です。そういった意味からいきますと、いわゆる法人税の課税ベースを拡大しつつ、法人実効税率を下げるということなのでしょう。これは基本的には課税ベースを広く薄くということで、今収益を上げている企業の国際競争力を更に高めるということになると思いますが、同時にその企業にとって大事なことは、今までと違って、企業が法人実効税率が下がったことによって得た収益を、今、いわゆる内部留保が24 年度で約304兆円ですが、更に内部留保を厚くすることに使うのではなく、少なくとも給料を上げるとか、配当を増やすとか、そういったようなことにしてもらわないと意味がないので、そういった意味でのコーポレートガバナンスをきちんと上げなければいけないということになるのだと思います。いわゆる企業所得を上げることに前向きな企業の税負担を軽減する代わりに、これまで払ってきておられない企業に、それなりの応益負担はしていただこうという話なのであって、法人実効税率を一方的に下げるのではなく、払うものは払ってもらわなければいけません。これまでとは違って、経済を成長志向型の経済構造に変えていくということですから、形としては企業構造の在り方を変えていってもらわなくてはいけないということにもなるのだと思います。法人実効税率の引下げによって、企業の行動なりというものをある程度変えていってもらわなければいけないということにつながるということだと思います。日本は長い間、デフレを経験していますから、そんな簡単には直らないのです。なぜなら、お金をためておいてじっとしておけば、何もしなくても物価が下がった分だけ儲かったわけでしょう。ためておいた金をじっと持っていたら、物価が下がってお金の値打ちは上がったわけです。これから物価が2%上がるという方向で、日本銀行は事を進めておられますから、今度はじっと持っていても2%下がるということを意味します。企業の中にあるお金を何らかの形で2%以上の収益を生むものに変えていかない限りは、企業の収益が出ないということを意味していますので、そういった効果が出てくることを期待しているということでしょうか。

問)

 11日の自民党の会議で議論になりました薬価改定についてですが、骨太方針の骨子には薬価改定の適正化が明記されており、9日の経済財政諮問会議後の記者会見で、甘利大臣から2年に1度の薬価改定を毎年実施することに取り組むという意向が表明されております。しかし、11日の自民党の会議では反対論も出ておりました。他方で、財政制度等審議会においては、毎年実施ということを大臣に御提言されていますけれども、どのように受け止めて、今後、政府としてどのように取り組むお考えでしょうか。

答)

 社会保障費が毎年1兆円伸びていくという事態においては、今後とも財政に著しい影響を与えることがはっきりしています。薬価というものもそのうちの伸びていく大きな理由の1つですから、先日、財政制度等審議会から是非この問題をきちんと対応すべきということで、取引価格の実勢を考えますと毎年1回行うべきであり、患者負担や国民負担が下がるのではないかというお話をいただいております。我々としては、財政制度等審議会からの提言ですから、それを真摯に受け止めて実施していかなくてはいけないと思いますが、過去、毎年やるというのを3年ぐらい続けて、結果的にうまくいかなかったという例がありますから、どうしてそれが3年間続けてやってうまくいかなかったかというのをきちんと学習した上でかかりませんと、また失敗するというのでは何の意味もありません。消費税を上げるというタイミングという意味では、これができて薬価が下がれば、消費税の値上げとは逆に下げる効果があると思います。ただ、これはこれまでの経緯もありますから、よくよく、過去はどうしてうまくいかなかったのかを調べておきませんと、これは迂闊にはできないところでしょう、そんな気がします。

問)

 昨日、金融・資本市場活性化に向けた新たな提言が出されましたが、その提言の中に企業統治の強化、コーポレートガバナンス・コードの検討や、機関投資家、受託者の意識改革を促すといった内容が含まれています。我々の受け止めとしては、本来、企業が、自ら経営者が判断すべき内容にも踏み込んで盛り込まれていると理解しています。そこに政府が関与することの意義と、そこまで踏み込まないといけないということでまとめられた問題意識をどうお持ちでいらっしゃるか、大臣のお考えをお聞かせいただきたい。

答)

 日本は、全体主義国家ではないですからね。自由主義国家をやっていますから、給与を上げる、上げないというのは労使間の交渉で決まるものを、政府が介入して、結果的に労働組合はストライキの一発も打たずに給与値上げに成功したわけでしょう、今回。上がった分の給与は、どこに消えたのでしょう。組合費を上げたのですか。その組合費は、どこかに使ったのかな。少なくとも、連合からは、選挙の応援はしてもらっていません。してもらっていない私達が、何で値上げの交渉をするのかね。少なくとも、これまで信託会社がお金を預かって、その信託で元本保証みたいなことを言っておいて、高利回りの話をして、売上げを上げるたびに、手数料が入る。だから、売上げを上げるためには、自分の手数料を増やすためには、何回も何回も切り換えた方が、手数料が儲かる、大体そういう仕組みでしょう。それで儲けた人がいるわけです。問題は、預けた人の資産は増えたかといえば、元本割れしたとかという例が相次いだではないですか。そういうことをやっていれば、どう考えてもおかしいではないかと言われるような気になって、気がついてみたら、1,600兆円の個人金融資産がたまりにたまって、そのうち880兆円を超える金が現預金です。世界中のどこで880兆円もの規模で、約5割以上の金を現預金で持っているという先進国はないですよ。日本だけです。どうしてそのようになったのか。それは、株屋が信用されなかった、信託会社が信用されなかったということでしょう。たぶん、今まで信用されないような行動だったのです。だから信用されない、しなかったということだと思いますよ。だから、そういった意味では、こういったような答申が、そういった背景があるから出てきたのだと思います。いずれにしても、コーポレートガバナンス・コードの検討をするとか、そういったような話をやっていって、いわゆるこういったものをやっている業者、信託をやっている会社の担当者の意識改革から始めてもらわないと、どうにもなりませんよということを、あの話はしています。金融資産がたまっている話を、NISAとかいろいろやっているけれども、この寝ているお金、タンス預金を含めて寝ているお金が、成長産業にお金を回す可能性のある金融機関を経由して、いわゆる信託を経由して振り向けられる。成長産業にお金が振り向けられる、経済成長に資するようなものに振り向けられるというところが大事なのだと、私はそう思います。けれども、役所だけで対応できるものではありませんから、そういった意味では、関係者と連絡をよくした上で取り組んでいかないと、またぞろ政府が出ていかなければならないというのは、みっともいい話ではないです。みっともいいと思っていない程度の意識改革なのかどうか知りません。政府にここまでやられて恥ずかしいと思っている人がいるかどうか、私はそこのところはよく分かりません。実態としては、そういった経緯がありますから、今回、金融・資本市場活性化有識者会合からこういうことを言われたのだと思いますけれども、日本では、GDPが約500兆円、政府の借入金、地方を合わせて約1,000兆円という話で、大変だ大変だとしか書いていないけれども、では個人金融資産は幾らとか、会社の金融を含めて幾らとか、そういったものを足せば約3,000兆円ぐらいになるでしょう、海外のファンドとか投資家から見て、そう思っていますよ。そのお金がじっとしているところが問題です。金利が幾らだ、10年ものの国債で0.5%とか0.6%とかというわけでしょう。昔は回ったわけですから。仮に、そのお金が、0.6%の金利が1%増えただけで3,000兆円で30兆円増えることになります。そのお金に回るようなことを考えたら大きいなと。そういうお金が回るようなルール改定になるだろうということを期待しているのが、ヘッジファンドとか、ファンドというのはそうやって物を見ているのだと思います。私が投資する側だったら、そうやって物を見ますから。こういったような話が、有識者会合から出されるというのは、あの方達にしてみれば、政府がやりなさいということ、こういったことに政府が関与するのはおかしいと思っていますよ。それでも、やらざるを得ないということになるほど、じっと寝たままになった状況が十数年続いた結果、ますます萎縮したのをとにかく投資に回る方向にということを考えたら、こういったようなことなのではないかということを言っておられるのだというように、昨日の話からは理解はしているのですけれども、これは政府だけで強制的にやる話ではないですから、よくよくお話し合いをしなければいけないところだろうと思います。

問)

 自民党の日本再生ビジョンに盛り込まれていました、地方銀行再編とスーパー・リージョナルバンクの創設についてですが、6月10日に産業競争力会議において示された成長戦略の骨子には含まれておらず、成長戦略の最終案にも盛り込まれない方向と聞いております。これについて、大臣の評価、お考えを聞かせてください。

答)

 基本的に地方というのは、この間の増田レポートではないけれども、人口減少が偏って、偏在して起きるから、間違いなく人口が減ります。その人口が減った状況に合わせて、貸出先がなくなれば、地方銀行は成り立ちません。当たり前のことですけれども。従って、そういった意味では、地方銀行の吸収とか合併とかというのが行われるというのは、かつて銀行経営者の、経営者判断によるものではないですか。それを合併しろというようなことを金融庁が偉そうに言って、やりますか。そういった意味では、金融の仲介機能というのを、是非積極的に果たしていくという必要はあるのだと、私は思います。目利きとか。しかし、その目利きというのは、今、現実問題として、主に商社金融にやられているのではないですか。それでも、みんな大きな企業の合併やら何やら、全部、商社の情報と商社の金融によってやっているのではないですか。銀行は、国際的には何をしているのでしょう、本当に。是非聞きたいですね。この間もある銀行の人に言ったら、「いや、情報の収集能力が…。」と言うけれども、情報の収集能力がそれだけドメスティックに偏ったのは、間違いなく日本の銀行の責任ですね。そういった意味では、さらに情報収集能力を高めようと思ったら、ある程度の規模というものは必要なものだとは思います。それをするかしないかというのは、経営者の責任だと、私は思います。

問)

 法人実効税率についてですが、最終調整段階で残っているのは財源の部分だと思いますけれども、甘利大臣はこれまで予算の見込みを上回った税収の活用ということを主張してこられました。麻生大臣はこれには否定的な考え方をとられてきたと思いますけれども、この最終調整段階でもこれまでの考えに変わりがないのでしょうか。また、今日の協議で麻生大臣と甘利大臣の財源に対する考え方の違いというのは、溝は埋まったという御認識でしょうか。

答)

 基本的には上振れの話というものは、これは下振れもありますから。例えば2年後に下振れしたら、その時は法人税を上げるのですねと言いましたら、1回決めらたらそれはできないでしょう。そうしますと何を意味するかと言いますと、2020年度までにプライマリーバランスを黒字化させるということを目標にしているのですが、先日、内閣府が出した中期財政計画を見ましても、マイナス12兆円です。例えば今回の法人実効税率の引下げを、5%なら5%にしますと、1%は約4,700億円ありますから、2兆5,000億円近いものが増える、すなわち12兆円が14兆5,000億円に増えますということです。その増えた分を埋めるものを新たに探さなければいけません。プラス2兆5,000億円です。それが恒久減税というものではなく、上振れで2兆5,000億円を補うということは、減税の方は恒久的に毎年それだけ減るわけですけれども、それに代わる税収入というものは、上がるかもしれない、下がるかもしれない。そのようなものを当てにして税制、財政は組めません。そういった意味では、私共としてはその点に関しまして、しかるべく財源を探していただきたいというお話をしております。今日の協議で話がどうなったかと言いますと、先ほど申し上げたように、今、話し合いをしている最中でして、書きぶりや内容として今はまだ詰めていますが、最終的には総理が決められて判断をされることになるのだと、私はそう思っています。企業が法人実効税率を下げた分をどう使うかということは、先ほど申し上げたとおり、どう使うかということを考えてやらないとなかなか理解が得られないということになります。そういったことも考えて、これは行いませんと、先日の国会における質問ではないですが、法人税が下がった分を消費税で補ったとか、あれは本当に数字を知っていておっしゃっているのでしょうが、ああいったような話に、ねじ曲げられて使われてしまう可能性がありますので、慎重にやらなければいけないと、私はそう思っています。

問)

 薬の公定価格の薬価についてですが、骨太の方針の骨子では薬価の適正化と明記されていまして、骨太の方針の素案にどのように盛り込まれるかということが、1つのポイントになっていると思われます。大臣は、先ほど財政制度等審議会の報告書の話はきちんと受け止めたいということをおっしゃっていましたけれども、過去連続して、毎年1回の調査と改定を行われたという過去の経緯をきちんと検証すれば、毎年調査をして改定すべきとお考えだということでしょうか。

答)

 何で失敗したのか、毎年きっと同じような発想であの改定をしようと思われた方が当時おられたのだと思いますけれども、その方達がやられて、結果としてうまくいかなかったということですから、そういった意味ではその内容、どうしてうまくいかなかったのかという分析をせずしてこれをやっても、また失敗するわけです。そういった意味では、そこをよく見た上で行わなければいけないところです。その内容が一番問題なのであって、その内容が今なら対応できるというようなものなのであれば、それはまた考えなければいけないでしょうけれども、これは無理ではないかということであれば、物理的に全ての薬価は調べられませんとか、それを行うなら人を増やしてやらなければできませんとか、薬の数は多いですから、そういった意味では難しいということになりかねません。そのために大量に人を増やさないといけないとかというようなことになりますと、それはとてもじゃない、こっちはできませんからということになりかねませんが、今のところは内容をよく聞いていませんので、そこのところは答えられません。ただ、同じ状況でまた行っても、また同じことになるなら馬鹿らしいと思います。

問)

 今日の甘利大臣との協議についてですが、まだ合意していない、協議中、あるいは表現を詰めているというお話でしたけれども、決まっていない、あるいは合意していないと合意の間には、実質合意や基本的合意というようなフェーズもあるかと思います。よく言われる何合目とかということも含めて、大臣の御認識をお伺いさせてください。これについては、切り口が2つありまして、1つ目は2015年度からの法人実効税率の引下げについて、総理からの指示もございましたが、二人の協議の中での結論について差があるのでしょうか。また、先ほどの質問にもありましたけれども、財源についてのお二人の距離の差について、ざっくり言えばゴールに向けて何合目なのか、例えば9合目とか8合目なのかというところと、基本合意、もしくは実質合意という言葉があるのかどうか分かりませんけれども、その辺りについての大臣の御認識をお伺いさせてください。

答)

 来年度から法人実効税率を引き下げるということに関しましては、これは基本的に、幾ら引き下げるかは別の話ですが、それほど差がないと思います。それから、財源に関しましては、いわゆる恒久財源がないとできないのですという話は、私はずっと一貫して言っていますので、恒久財源でやりますということに関しての差はないと私共はそう思っています。基本的には、税金という話はみんなが負担する話ですから、これはすごく影響の大きい話です。私共としては、こういったものは、きちんとした財源をもとにしてやっていきませんと、おかしなことになると思っていますので、最後までこの話に関しては、きちんと慎重に、言葉も間違えないようにして詰めて、最終的に総理の御決断を仰ぎたいと思っています。

 

(以上)

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