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麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(平成25年11月8日(金曜日))

 
 
【質疑応答】
問)

 与党税制協議会の軽減税率制度調査委員会の関係者のヒアリングが終わりまして、近く中間報告がまとまります。また、与党の税制改正大綱では消費税率の10%の引上げの時に軽減税率を導入するということになっております。大臣は10%の引き上げは、来年末までに判断されると仰っておりますが、一方で軽減税率のルールを決めるのは簡単ではないと先日の会見では仰っていたのですけれども、軽減税率の判断は早目にすべきだとお考えでしょうか。

答)

 与党の税制調査会で、消費税率の10%への引き上げ時に、軽減税率を導入することをめざすという言葉でまとめたというのが、私の記憶です。したがって、軽減税率をまず最初に決めるとするならば、それは猛烈な勢いで1つの物に価格が2種類できるということになります。消費税を払っていない事業者が今どれぐらいになっているのか知りませんけれども、一千万円以下の売り上げの事業者、消費税の納税が免除される事業者からはインボイスが出ないということになりますと、そこから物を買っている事業者は、おそらくそういうところから物は買いません。なぜなら、インボイスが出ないということになる可能性がありますとか、インボイスをつける手間が大変かかりますとか、それから、インボイスという制度を入れますと、一物二価になりますから、それによって全部システムを作り直さなければいかないですとかあります。そういったようなことを考えていきますと、仮に10%上げるというのを予定どおり、法律に書いてあるとおり、消費税が来年4月から上がった後の1年半後に上げますということになりますと、再来年の4月位にと皆さん考えている方も多いですけれども、現実問題は、再来年の予算編成は来年の12月末に仕上げてくることになりますので、予算編成を行う時に、消費税率や軽減税率がどうなっているかということを考えれば、来年の12月末までにはその種の話を決めることになります。そうするといきなり12月から、来年の何月とか1年後になりますよと仮に言ったとしても、今までの5%を8%に上げますとか、3%を5%に上げますという時の話と違い、新たにインボイスという全く別のシステムがそこに入ってくるということになりますと、それに併せてコンピュータの組みかえから何からいろいろやらなければいけません。当然経費もかかります。インボイスというものの講習等々を考えますと、なるべく早い時期に決めておきませんと、何月までに決めなければいけないというわけではないでしょうけれども、決めておくことをしませんと結構手間暇がかかりますので、物理的な問題が起きてくる可能性があると思えば、早いうちに軽減税率を導入するかしないかは決めておかないと、多くの人に迷惑がかかるということになります。常識的なことを言えばそういうことになります。

問)

 そうしますと、10%への引上げは年末ということになるのですけれども、それよりは早目に決めないといけないということなのでしょうか。

答)

 10%への引上げを決める段階が予算編成にかかってくることを考えれば、来年の12月までに決めていただかないと、今年は10月でしたから半年前だったということで、同様に再来年の4月に決まって10月からというようなことになりますと、10月からは下期の予算がかかってきますので、そこで10%で計算するのか、どうやって計算するのかということで話が分かれます。それによって予算の歳入が変わりますから、その意味では再来年の10月から入りますという計算を出すのか、決まっておらずまだ不安定な状況というのですと、予算の編成が事務手続上、事務上の話ですよ、政治的な話ではなくて、事務手続上は甚だ手間暇がかかる面倒なことになりかねないという懸念はあるということです。

問)

 そうしますと、軽減税率を10%段階で導入するか否かというのは、今年の末には必ずしも決めなくても良いということになりますでしょうか。

答)

 そうですね。ただ、今度は逆に事務手続の話ではなく、政治的な話で今年末に決めると、この間与党の税制調査会でお決めになったと記憶していますから、そちらの方の関係で決めなければいけないということになるのではないでしょうか。

問)

 事務的には必ずしも必要ではないですけれども、そういう政治的な状況によって決めることもあり得るということでしょうか。

答)

 事務的には私共としては、それがどういう形で決められようとその後予算編成を行う来年12月までにきちんとしておいていただければ、それなりの対応はできるということだと思います。

問)

 診療報酬についてお聞きしますが、先日、医療経済実態調査が発表されまして、国公立病院では赤字だったのですけれども、一般病院では民間病院と一般診療所が黒字ということで、全体としてはやや改善しました。大臣は、こうした結果について、来年度の診療報酬の改定、方向性についてどのようにお考えでしょうか。

答)

 消費税が3%上がる分の全額が、いわゆる社会保障関係に回るということになっていますから、そういった意味では、医療関係では診療報酬の値上げに期待しておられる方が多いというのは分かりますけれども、診療報酬が1%上がると4,000億円ぐらいの負担増になるのだと記憶しております。今、毎年約1兆円の社会保障関係費が年々増額されているという状況を放っておきますと、今回の5%の値上げというのはあっという間に消える話になります。そういった意味では、社会保障の中に占める比率といいますのは、全予算の総額の中に占める比率も非常に大きな額になっています。その意味では、診療報酬は消費税が上がるので、それの全額が社会保障関係に回りますが、自動的に診療報酬を1%上げるというような簡単な図式でいくものではありません。その他のものに手を入れていく話ですとか、いわゆるレセプトの話ですとか、その他のいろいろな経費を削減していただかなければいけないところが多くありますので、そういったもののバランス等々をいろいろ考えませんと、なかなか簡単な話ではないと思います。

問)

 今の診療報酬に関して関連ですけれども、厚労省をはじめ田村大臣も診療報酬に関しては引き上げたい、引き上げる方向で検討したいという感じになっています。そういった中で、厚生労働委員会における社会保障のプログラム法案等の審議の中でも質問等が出てくると思いますが、一方で今年度末の予算編成においても大きな議論の焦点になってくるのではないかと考えるのですけれども、大臣はいかがお考えでしょうか。

答)

 診療報酬は1%で4,000億円負担増ということになりますので、来年度予算においては総額で、歳入・歳出合わせて約4兆円のプライマリーバランスの改善を、歳入が増えて歳出が減ってということで去年に比べて4兆円のプライマリーバランスの改善をしなければいけないということになっています。4,000億円の中には、もちろん保険料も入っているのですよ。ですから、そういった意味では、国庫負担の増というのは、それだけでいけば1%で1,000億円ぐらいになるのだと思いますけれども、いずれにしましても、この種の話は今、2015年までのプライマリーバランスの赤字半減、財政均衡というのを目指していくという方向で事を進めています。中期財政計画等々でもそれを明言していますから、そういった意味では、私共は財政を預かる立場としましては、歳入・歳出で約4兆円去年より改善しなければいけないということになっていますので、今の部分でいきますと社会保障審議会の医療保険部会等々いろいろ言われる動きに当たっては、診療報酬で1,000億円増えるなら、その他の部分はどうしていただけるのでしょうか。あと、IT化すればこれだけ安くなりますとか、いろいろな提言がなされていますし、事実行った結果、どういうことになったかと言いますと、例を挙げれば1人当たりの医療費が一番安いのが長野県、一人当たりの医療費が一番高いのは福岡県、公表されている数字ですけれども、その福岡県がいきなりIT化やレセプトのオンライン化など、いろいろなことをやって、どんと下がってきているという実態がもう数字で出てきていますから、そういったものをやっていただければ、それが条件で、やっていただければ、それは非常に考えられますけれどもということで、いろいろな形でみんなでこういった努力をしませんと、税金を3%上げていただくわけですから、その意味では、診療報酬1%増ということに簡単に結びつくような話ではないと思います。

問)

 そうしますと、単純に引上げに賛成・反対ではなくて、もう少し議論をしてということになるのでしょうか。

答)

 そうですね。

問)

 財政制度等審議会は、一方で否定的ではあったのですが、それについては大臣はどのようにお考えでしょうか。

答)

 私共としましては、お医者さんの能力に応じて、腕の良い医者、腕の悪い医者、皆一律同じということに対して御不満がおありになるのはよく知っていますから、そういった意味では、お医者さんについて、そこのところに差ができるというのは、別に競争の原理から言いましたら、少しもおかしくないと私自身はそう思います。ですが、現実問題として、医療機関のない無医村があったり、いわゆる都会の方にお医者さんが集中している問題ですとか、いろいろやっていただかなければいけません。国全体で考えると、やっていただかなければいけない話は数多くありますので、そういったものも含めて社会保障とか医療とか、そういったもの全体をどうやって改善して、結果として医療費全体の総額が効率化されることによって下がる、ジェネリックを使っていただけることによって下がる、いろいろIT化されることによって更に下がる、いろいろなものがありますので、今からそういったものを含めてよく議論していかなければいけないところなのではないでしょうか。

問)

 個人消費のことについてお伺いしたいのですが、直近の全国財務局長会議における報告では、個人消費の回復が地方にも波及しつつあるといった内容だったのですが、内閣府が出した地域の経済2013では、個人消費の改善、大都市が先行し、大都市に偏っているという内容だったのですけれども、こうした傾向は、公平性ということだけではなくて、国全体の経済成長とか成長の持続性とか、そういう点でも問題があるのかということについて大臣のお考えをお聞かせください。また、昨日の国会で輸出には頼れないと、内需を伸ばさないといけないという御発言がございました。昨日、ECBも政策金利を0.25%に値下げして、非常に欧州は悪いという状況なのですが、こういう状況では、これは3本目の矢をしっかり行って、新しい分野を日本で伸ばしていく必要があるということなのか、大臣のお考えをお聞かせください。

答)

 もともと日本のマスコミは、今でも貿易立国とよく書いているでしょう。貿易がGDPの中に占める比率は、このところ15%以下でしょう。ドイツは約50%、中国は30%ぐらい、韓国は50%超ぐらい、そういったところと全然違いますので、日本の場合はGDPの中に占める内需の比率が非常に高いのです。日本より内需の比率が高いのはアメリカとブラジルぐらいですかね、G20では。基本的には、その部分を増やす、いわゆる景気を良くする、やはり内需を良くしないと経済は大きくならないと、もちろん、輸出の占める比率はありますし、外貨やら何やらいろいろありますけれども、今、外貨は物を売って入ってくる貿易収支の所得より、配当とか利子とか特許料とかそういった所得収支の方が大きくなっているのではないですかね。最近そういう傾向が顕著だと思っていますので、その意味からいきますと、ヨーロッパが0.5%に下げたのは5月ぐらいでしたかね。5月に0.75%を0.5%に下げて、今度は0.25%、ただ、あそこはまだデフレではなくて、それでも物価上昇率は0.7%のプラスですから、インフレが収まってきたがゆえに金利を下げてきているのは、はっきりしているのだと思いますけれども、あそこは日本と置かれている状況が全く違うと思います。ですから、その意味ではヨーロッパは金利を下げ、いわゆる企業に物をもっとということになっているのだと思います。日本の場合はもうずっとデフレですから、金利はほとんどない形で、0.58%に下がったなんていうのは最近聞いたことがあまりなく、半年ぶりですから。これだけ下がってきて、金利差が大きくなってきますと、いろいろなものが上がり下がり、あちらこちらに波及すると思いますので、私共としては、ここのところはヨーロッパの動きですとか、アメリカの動きですとかを総合的に見た上で判断していきませんと、なかなか今の状況というのは、よほど注意深くマーケットを見ておきませんと、対応を間違えるかなという気がします。
 また、地方との格差につきましても今の話と同じで、基本的に日本の場合は都市部の人口というものの比率が70%ぐらいまで高くなってきており、町民とか村民というのは極めて数が少なくなってきています。そういった状況にありますので、数と核としては間違いなく都市に集中していっているという傾向だと思いますけど、基本的には地域と言いますか、そういったところは人口で言いますと若年労働者の減少、もしくは少子化の面から言いますと、少子化による高齢化が非常に問題だと思いますので、やはり、少子化の部分がきっちりしないとなかなか難しいという点が1つあります。それから、労働人口という面から言いますと、これはまた全然別の意味で労働人口が若年化していく必要があります。若年でないとできないというのも、日本の場合、それほど急激に来ていない理由は高齢者が働く、労働というものに対する価値観がヨーロッパと違いますからよく働きます。そういった意味で、日本の場合は、働くということに関する勤労意欲というものが全然違いますので、そういうものを計算しなければいけないとは言いつつも、田舎に人が住まなくなる状況というのは、山が荒れたり、田んぼが荒れたり、いろいろな意味で離島の人が減るようになってきたりというようなことが起きるというのは、日本の国土の発展という意味から、また国家の繁栄とかそういうことを考えていった時には、望ましい話ではありません。そういったものがもっと顕著になってくるのであれば、田舎に住む人に対しては特別の対応を考えるとか、いろいろなことを考えていく必要が、今後日本という国を経営していくという観点として必要なことになってくるのだと思います。

問)

 金融機関での反社会的勢力の排除に向けた取組みで教えていただきたいのですけれども、これから警察当局に対して、どういう協力を求めていくのかということですが、今、日本証券業協会を通じて証券会社に対しては反社会的勢力の情報の照合に関して、警察から御協力をいただいていると思いますけれども、銀行に関しても同じような情報の提供、照合作業への協力を求めるということでよろしいのか、この点を教えてください。

答)

 誰が、誰に協力を求めるということですか。

問)

 金融庁が、警察庁にです。

答)

 金融庁が、警察庁に協力を求める場合、警察が言うことは1つですよ。銀行協会というのは、法人化されていますか。

問)

 法人格はありますけれども、法律によっての定めはないと思います。

答)

 証券業界はどうですか。

問)

 金商法で定めがあります。

答)

 そうすると責任があるわけですね。証券の方がはっきりしている。その点は、銀行より進んでいるんですよ。従って、そちらに仰いだ守秘義務とかをきちんと守ってもらえるという保証がある。銀行協会はありますか。そこのところをしっかりしないと、それは、警察としては情報を渡した時の責任を新聞に突っ込まれるだけ馬鹿らしいじゃないですか。そこのところをきちんとすべきだと思うのだったら、そこのところは、銀行協会の方もきちんとしたものを作らない限りは、同じような情報をなかなか得にくいということになろうと思います。

問)

 そうしますと、例えば、全国銀行協会は銀行法などに基づいて何か法律的に位置付けるとか、そういうことを考える必要が出てくるということでしょうか。あるいは、全銀協以外のところを使うとか。

答)

 今の話は、全銀協が自分で、これは自分たちも被害者だから、銀行は加害者みたいに書いてある新聞もあったけどね、銀行だって、これはある意味で被害者ですよ。その意味では、銀行もきちんと自己防衛のためには、きちんと情報を得られるような態勢を作らないと、警察が悪いとか、警察は証券業者だけというような、妙にひがんだ言い方とか、いかにも警察が悪いとか、協力しないみたいな言い方を書いてあるけど、あれは間違っているね。そういった意味では、きちんとした対応を銀行協会も自己防衛のためにも、反社会的勢力との関わり合いを未然に防ぐためにも、きちんとした対応がとれるように努めるべきなんだと思います。

問)

 都市と地方の税収の格差の問題でお尋ねしたいのですが、先日の財政制度等審議会でも消費税を8%に上げますと、東京都はかなり過剰な税収になるのではないかという資料が出たりですとか、あるいは地方の法人住民税を格差是正に使うというような案も練られているようですが、東京都はそれに対して非常に強く反発しているという状況ですけれども、この格差是正の問題についての大臣の御所見をお聞かせください。

答)

 やはり、東京に過度に、消費税にかぎりませんけど、法人税が集中しているというのは事実だと思います。そして、そういったものをある程度地方にということを、これまでもやってきたこともありますし、今後そういったものを考えないと、例えば、たばこ税、たばこを私の住んでいる市で買えば、市にたばこ税の半分、たばこ税は今、総額2兆円ぐらいだと思いますけれども、1兆円分ぐらいのものが地方に入ります。しかし、コンビニで買うと、それが場合によっては、そのコンビニの本社のあるところに落ちます。したがって、たばこ税は東京に集まる、もしくは大都会に集中するというような、これは1つの例ですよ。そういった意味で、都市に集中し過ぎる、もしくは地方にお金が全然いかなくなるというのを避けないと、国全体としてなかなか底上げとか、地域格差といったような問題を助長することになりますので、今言ったようなことを考えて、税調の方でいろいろ考えておられるのだと思いますけれども、参考にしておかなければいけない大事な観点だと思います。

 

(以上)

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