現在位置 : トップページ > 広報・報道 > 大臣等記者会見 > 麻生大臣、黒田総裁共同記者会見の概要(平成25年7月20日(土曜日))

麻生大臣、黒田総裁共同記者会見の概要(平成25年7月20日(土曜日))

 
 
【冒頭発言】
大臣)  それでは合意されたコミュニケの内容に沿って、G20の主な成果について報告をさせていただきます。
 まず、コミュニケでは、世界経済が引き続き弱い状況である一方で、米国と日本では、経済活動が強まる兆しがあるとの認識が示されております。昨日のセッションで、私の方からは、アベノミクスの効果が実体経済の数字に着実に現れ始めていることを具体的に説明しております。こうした点について、国際社会の理解を得られたものと考えています。
 次に財政については、私からは、経済成長と財政健全化を両立させることが重要であることを指摘しました。合意されたコミュニケでも、財政の持続可能性を確保しつつ、より強固で持続可能な回復を達成することは引き続き重要とされております。また、私の方からは、財政健全化目標の達成に向けた中期財政計画の策定に取り組んでいることを説明しております。コミュニケでは、信頼に足る中期的な財政戦略の策定に対するコミットメントが確認されております。日本としては、9月のサンクトベテルブルクサミットまでに、国際社会の期待に応えられるような、信頼に足る中期財政計画を策定すべく、しっかりと取り組んでいきたいと考えております。
 税については、今回のG20では、OECD租税委員会がとりまとめたBEPS行動計画について、他のG20諸国からも全面的な支持を得ております。私からは、各国が、他国からの産業誘致を狙った底なしの税負担引下げ競争を避け、協調して各国の税制の調和を図ることが不可欠と発言したところであり、日本としても、今後、積極的に作業に貢献していきたいと思っています。これは今年5月のイギリスにおけるサミットで日本が最初に提案したのがこれの始まりです。
 また、金融規制改革につきましては、日本から、既に日本ではバーゼルVの実施や破綻処理制度の整備等、金融規制改革を着実に実施してきていること、また、金融規制の域外適用等に関する国際的な調整が重要であること、を発言しております。
 バイの会談もしております。本日、会議の合間にオーストラリアのボーウェン財務大臣と、インドネシアのバスリ財務大臣と、また会議後にアメリカのジェイコブ・ルー財務長官と会談を行っております。ボーウェン財務大臣及びバスリ財務大臣とは就任挨拶ということで短時間の面談をしたところです。ルー財務長官との会談では、世界経済や日米両国の経済・財政等について意見交換を行い、今後とも日米で緊密に連携していくことを確認しております。
【質疑応答】
問)

 今回コミュニケの中に金融政策の変更に対する影響について、良くコミュニケーションすべきという趣旨の文言が入っていると思います。これはアメリカのテーパリングに対する懸念なども配慮したと思える文言ですが、この辺の議論をどのように今回のG20で受け止めて、こういった文言がコミュニケに入ったということを大臣はどのようにお感じでしょうか。

大臣)

 基本的には良い方向だと思います。市場とコミュニケーションということは非常に重要なことですし、これまでも各国金融当局ずっと努めてきたところですので、そういう認識が共有されたということだと思います。

問)

 黒田総裁にお伺いします。先程の質問のフォローアップですが、FRBだけでなく、日銀も、いずれは「出口」に向かっていくということで、今回の議論を踏まえて、コミュニケーション、日銀としての金融政策に関する市場との対話、あるいはG20、当局間の対話、をどのように進めていくか、どのようなスケジュールで、どのようなツール建てがあるのか、等についても、これから説明していくのかどうか、その辺りの考え方をお伺いします。

総裁)

 先程麻生大臣から説明があったように、基本的には、米国を念頭に置いて、先進国の金融緩和が今後縮小していくという観測が出て、それが金融市場のボラティリティを高めたり、金融環境のタイト化という影響を新興国に与えているのではないか、という議論が中心になったということです。先程説明があった通り、コミュニケで適切な表現になっているということです。
 翻って、日本については、4月4 日、いわゆる「量的・質的金融緩和」を導入し、まだ3か月程度が経った段階です。そもそも、「量的・質的金融緩和」は、2%の「物価安定の目標」を2年程度の期間を念頭に置いて投入したわけであり、まだ、そうした具体的な「出口」の議論は、やはり時期尚早だろうと思っています。

問) 

 出国前の記者会見で中国経済について、若干バブルがはじけかけているのではないか、不透明な部分が多いのではないかと言及されていましたが、それを踏まえて中国経済について、どのような議論があったのか、経済の減速とか、あるいは金融システムにかなり不透明な部分があるのではないかといった懸念、各国からの議論を教えていただけますでしょうか。

大臣)

 シャドーバンキングを含めて、その種の話はなかったと記憶しています。

問)

 いくつかの情報によると日本の成長戦略についての詳細が、具体性がまだ欠けているのではないかといった批判があったという声があったという報道が見られるのですが、それについてお願いします。

大臣)

 日本の政策は基本的には8月に中期財政計画と合わせて出てきますので、まだ、第3の矢としてまとめて出しているわけではありません。ただ前から申し上げているように出来上がっているものからパラパラ出していきますということで、これまでもいろいろな話が出てきています。たとえばTPPもその一つかもしれませんが、少なくとも今、企業で溜まっている内部留保が約280兆円の資金が、設備投資等々に回るのであれば、それに関しては特別償却や減税というものを考えます。また、医療制度に関して薬事法等の改正をやって、いろいろな話がありますので、そういった医療関係の話をやります。レセプト等々をやります。今いろいろ出てきている話をもう少しまとまった段階で出しますけれども、今決まっているところはこんなところという話をして、経済政策に関してそれなりの理解を日本としては為替だけでやっているわけではありませんということを申し上げております。

問)

 黒田総裁にお伺いします。4月の時点では、まだ、日銀として金融緩和の効果がどうか、という点には疑問があったと思いますが、麻生大臣もおっしゃったように、数字に表れてきており、G20の中で、「日銀の金融緩和は効いている」という認識が深まっているというのは感じられたのか。それから、総裁自身も、緩和効果が実体経済に影響として表れてきているというお考えをお持ちなのか、あるいは、自信を深められているのか、その点をお願いします。

総裁)

 冒頭で麻生大臣がおっしゃった通りです。日本銀行の「量的・質的金融緩和」については、既に、十分理解されており、特に、私からまとまった追加的な説明は行いませんでしたが、理解は更に深まっていると感じました。私も最近の金融政策決定会合後の記者会見で申し上げたように、金融市場の動きや実体経済の動向など、4月4日に「量的・質的金融緩和」を導入したとき、さらに、その後の金融政策決定会合で経済動向を議論した内容に概ね沿って動いているということで、着実に効果を上げていると思います。ただし、あくまでも、「物価安定の目標」である2%を達成するには、もっと時間がかかると思っています。

問)

 今回の大きなテーマとして、やはりFRBの量的緩和策の縮小が、世界、特に新興国ですとか、経済に与える影響、それと、その縮小していくときのコミュニケーションの問題があったと思うのですが、先程もあったように、このコミュニケの中で、「引き続き注意深く測定され明確なコミュニケーションが行われるであろう」というところに集約されたのだとは思うのですが、全体として、改めて総括して頂き、麻生大臣から、全体の議論をご覧になって、緩和を縮小していくことそのものの影響に対する色々な懸念ですとか、そういうことに力点があって、色々な話し合いとか、各国、色々なそれが核となって議論がされたのか、あるいは、そのコミュニケーションが上手くいっていないという意味で、FRBに対して、もう少し上手くやって欲しいというということだったのか、議論の全体の雰囲気というか、総括されて、どのような感じだったかを伺います。

大臣)

 正直言ってこの前のG20の時には、金融緩和によって大量の外資が流れ込んでくるのが問題だと言っていたのが、今度は引き上げるのは問題だと。どちらが問題なのかとみんな思ってはいると思います。しかし、現実問題としてそういう声を荒げて質問するなどということは誰もしないから。そう思っている人はいるだろうけれども、少なくとも出口戦略として新興国側の立場に立てば大国の都合で自国の金融がアップ・ダウンというのは困ると考えた上で、FRBとして今引き上げるということではなく、来年引き上げるという話をあらかじめ丁寧に言ったにもかかわらずお金が動いたという話なので、その意味では新興国側の立場に立てば、そういうことを言わずにやった方が良いのではないかとか、いろいろなコミュニケーションというものをやらなければということを思っていますし、いつの日か日本も景気が良くなってくれば、そういう時期が来るはずですから、今のFRBを良く参考に日本銀行がなさるんだと、そう思っています。

総裁)

 私から追加的に申し上げると、米国側からは、非常に詳しくFRBの出口戦略の話がありましたが、基本的に、バーナンキ議長が繰り返し述べられていることと全く同じです。すなわち、いわゆる資産買入れ計画については、経済が、FRBが考えている見通し通りに改善していけば、本年後半にかけて、少しずつ買入れペースを減速させる可能性がある。経済の状況が予想通りに進んでいけば、来年後半には、新たな資産買入れを行わなくなる可能性がある。それは、あくまでも、経済の動向次第であり、経済が予想通りに改善していかなければ、買入れペースの減速もより後になるか、あるいは、むしろ資産買入れを増額することもあるかもしれない。一方、経済が予想以上にどんどん強く回復していけば、買入れペースの減速も早めになるかも知れないということです。要するに、従来から、バーナンキ議長がおっしゃっていたことについて、より詳細な説明があったということです。

問)

 今回の声明で短期的には成長と雇用を優先に置いていくということと、中期的な財政再建計画の策定と実行が重要であるということになりました。それを踏まえて改めてお伺いしたいのですけれども、日本が予定しております消費税の引き上げについて、今回の議論・声明を踏まえましてどのように考えていらっしゃいますでしょうか。

大臣)

 基本的には日本のたとえば円安、少なくとも79円だったものが、約100円になっていますという今の現状の円安については、日本は本来は副次的に起きたものであって、日本の経済をデフレ状態からの脱却を目的とした金融緩和なんですということを言って、それによって副次的に今起きている話ですということを申し上げております。これは第1回目から最初からこの話をしています。そう意味ではこういった形で今結果として日本の経済はうまくいっていますが、これは財政出動によってある程度賄われている部分がありますから、その分は当然財政の状況としては悪くなってきているわけですから、その財政をいつまでずっと出動させるかというのは限度がありますから、私たちはそういったことを延々とするつもりはありません。したがって、私どもはそのことを考えて、昨年自民党が野党だった時に与野党が一緒になって消費税というおよそ選挙には向かない政策を与野党合意をしてやっているというところが、日本という国の民主主義の成熟度合が進んでいるという話をしております。今回も中期的なところが必要だと言っていますけれども、当然誰もが同じことを言うのであって、私どもとしては、少なくとも今年の2月に最初のG20やった時に比べて今置かれている状況は、経済状況としては前の時よりも悪くなっている点はほとんどありませんから。良くなっている点はあります。GDPが1−3で4.1%になったり、明らかに良い数字が上がってきてますから、私どもは10月、その他いろいろ4−6の指標が出たりしますが、そういった指標を考えて来年の4月を目指して私どもとしては10月頃までに答えを出したい。消費税を上げる方向で予定どおりやりたいとそう思っています。

 

(以上)

財務省の政策
予算・決算
税制
関税制度
国債
財政投融資

国庫

通貨

国有財産

たばこ塩


国際政策
政策金融・金融危機管理
財務総合政策研究所