麻生大臣、黒田総裁共同記者会見の概要(平成25年5月3日(金曜日))
| 【冒頭発言】 | |
| 大臣) | 本日は、午前中、アジア開発銀行の総務セミナーに参加し、午後は、ASEAN+3財務大臣・中央銀行総裁会議に出席、続いて、日−ASEAN財務大臣・中央銀行総裁会議を主催しました。 これらの会議を通じて、アジアをはじめとした各国の財務大臣、中央銀行総裁等の方々と直接話をすることができたり、聞けたりしたことは大変有意義であったと考えます。 今回のアジア開発銀行の総会に先立ち、加盟各国からの力強い支持を得て、全会一致で日本の財務官だった中尾総裁を選出することになりました。アジアの持続的な成長に向けて、中尾総裁の下、アジア開発銀行が一段と大きな役割を果たすことを心から期待しているものです。 午前の総務セミナーでは、アジアがこれまでと同様、引き続き力強い成長を続けていくためには、イノベーションの振興など、新たな取組みが必要になる。また、こうした新しい課題に直面するアジアに対して、日本はADB、アジア開発銀行と共に、全面的に協力していく旨私から述べております。 ASEAN+3中央銀行総裁会議では、域内経済の監視・分析を行うAMRO、ASEAN+3マクロ経済リサーチオフィス、略してAMROという名前の組織の機能強化の一環として、AMROを国際機関化する協定に合意しております。日本の根本所長をトップとして国際機関化されるAMROが地域の金融セーフティネットの要として一層その役割を果たすことを期待しているものです。 先ほど、日−ASEAN財務大臣・中央銀行総裁会議を開催しました。日本は既に中国や韓国との間で政策対話や金融協力を実施してきており、一定の成果を収めているのはご存じのとおりです。ASEAN各国との間でも対話や協力を強化することを目的とし、今回、この会議を開催し、今後、金融市場の発展しているASEAN諸国、すなわち、インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイとの二国間金融協力を進めていくこととしました。 具体的な協力の内容としては、二国間の通貨スワップの取極の締結・拡充、進出日系企業のASEAN通貨の利用拡大、ASEAN国債の上場投資信託を外為特会で購入、イスラム金融の発展支援、ASEAN連結性も踏まえたインフラ整備支援、そして、金融市場発展のための技術支援等々であります。これは、日本の企業、金融機関等のニーズと相手国のニーズを踏まえて、日本とASEAN諸国は共に経済成長を遂げていくウィン−ウィンの関係を築いていくものであり、アジア全体の成長と発展に貢献をしていくだろうと期待しています。私のほうからは以上です。 |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 日−ASEANの会議について、会議の冒頭の麻生大臣のあいさつで、政権としてASEAN重視を推進していくことを述べられました。この政権として、そして麻生副総理としてこのリーダシップをとって今回まとめたという意識を改めて教えて下さい。 |
| 大臣) | いや、安倍総理の最初の海外訪問としてASEANを選んでおられますし、また、岸田外務大臣も同様に、ASEANを訪問しておられますし、私自身はミャンマーに1月の2日に参りましたんで、そういった点では、ASEANというのは、日本が今後どんどん大事にしていかなければならない、一番経済成長やら何やらの面を考えても、やっぱりASEANというのは最も大事にしていかなければならない地域、国々だと私自身もそう思いますね。 |
| 問) | 黒田総裁にお伺いします。ASEAN+3の声明には、「世界的な金融緩和から地域に生じる意図せざる負の副作用にも引き続き警戒」という下りが入ったわけなのですが、今回の会合で、世界的な金融緩和の副作用、特にアジアの新興国に対する副作用について、どのような議論がなされたのか。それから、それに対する政策対応について、各国からどういう話があったのか、お伺いしたいと思います。 |
| 総裁) | 今、ご指摘があったように、ASEAN+3の財務大臣・中央銀行総裁会議後のコミュニケの中でも、最近の経済・金融の状況について、かなり詳しく記されてあります。私からは、ちょうど1カ月前に、日本銀行の政策委員会が金融政策決定会合で決めた「量的・質的金融緩和」の内容、その目的、そして、今後、見通される経済、特に物価の動向等について詳しく説明しました。この金融緩和が、15年続いたデフレからの脱却を目指していることを強く主張し、この点については理解が得られたと思います。また、世界の先進国における大幅な金融緩和は、それぞれの国の経済に必要なことをしているわけです。そうした先進国の金融緩和が新興国市場等に思わぬ副作用を与えないか、十分注視していく必要があることについて、G20でも、今回のASEAN+3の財務大臣・中央銀行総裁会議でも、同様の話が出たということです。 |
| 問) | 日−ASEANの件ですね、会議に関してなんですけれども、まぁご自身やられて、充実したものになったのではないかと思うんですけれども、これは今後定例化というか、定期的に行おうと思われるのか。それともう一つ、ASEAN+3に比べて、日系企業の支援というビジネス的な色彩が強くなっているのかなというか、そういうワーキンググループを中心として、日本の成長戦略の中にある取組みを支援とかですね、そういった技術的な支援の話し合いの場という位置づけになっているのかといったことについて、お聞きします。 |
| 大臣)
| これはちょっと相手のある話で、相手がどう問うてくるかについてはわかりませんが、少なくとも今回の会議の中で、発言された方々はそれぞれ、日本との関係で、今日の我が国の経済的発展はあの時からスタートしたとか、また、みんな海外で教育を受けた人が多いのですが、ヨーロッパの国々と、アジアASEANの経済の発展の面で比べてみた場合に、ASEANの中に進出してきた企業というのを、我々ASEANは、最初に日本の企業が出てきたときには、ほとんど単純作業でやってきた。しかし我々のレベルが上がったら、日本が我々に協力を求めてきている内容のレベルが上がる、更に上がるといって、特定の企業の名前を出して、この企業は最初はここからスタートして、今はこんな難しいことまで、全部、俺たちの技術のレベル、資金のレベルに合わせてやってくるというところがヨーロッパの国々と違うといったように、非常に具体的な話をみなしていましたから、そういった意味では非常に具体的な話が聞かれるくらいみな知っているんだと思いました。だからといってこれはビジネスというより、むしろ金融の関係がやっぱり、各財務大臣とか中央銀行の人ですから、金融関係において双方でウィン−ウィンの関係になっていく。金融がさらに日−ASEAN関係を発展させるものになって行くのではないかというような話が、多かったと、それがほとんどの主流だった思います。あの、次にやるのか別に決めているわけではありませんので、また毎年、1年にいっぺんこのADBの総会とかそういったときにそういう雰囲気になれば、やります。そういうことだと思います。別に決めてやりますとか、次回とかそういったことを決めたわけではありません。 |
| 問) | 日−ASEANとは別にですね、ASEAN+3の方の会合に、今回の中国と韓国の大臣が欠席されておりまして、先ほどの中国の副部長が議長国会見に出ておられまして、国内の事情だというような説明があったのですが、異例の対応だと思うのですが、日本と中国や韓国との関係にどのように影響を与えるとお考えですか。 |
| 大臣) | そういう関係じゃなかったと思うんですが。ロウ財政部長の方もとにかくそうだし、ヒョンさんもこっちは国会対応でしたけれども、いずれもそもそもデリーに来ていないという話でしたけれども。あの、そういった意味で、日中韓の財務大臣会合に関しても、議長国の中国から、いわゆる日中韓で事前に調整するような大きな争点は今回全くないんで、そういった意味では、ADBの総会の期間中に会議をするということはしないという話があったのであって、別にそれがというような感じではなかったと思います。韓国の人、隣にいましたけれども、我々とも普通にしゃべっていましたから。中国の議長席の隣に座っておられた方も、私の秘書官とIMFにいた際に一緒だったということで、普通にしゃべっていましたから。 |
| 問) | 日中韓の会合が今回はなかったわけですけれども、この会合っていうのは必要になっていくとお考えなんでしょうか。それから、中国、韓国の二国間対話の必要性について、どのようにお考えかお答えください。 |
| 大臣) | この会議の意味っていうのは、だいたいテーブル向き合ってこうお互いに「それではそちらのご意見を」なんていう記者会見と同じであまり意味がない。やっぱり記者会見っていうのは、二人で横に座って話をしないとまともな記事なんかとれないでしょう、はっきりいって。そういった意味では、普通に話ができてる間には、会議をしなくちゃいかんということはあまり必要ないものだと、僕は基本的にそう思ってますし、会社のあまり会議ばかりやっている会社はあまりもうかってない会社ですよ。僕はいつもそう思いますから。だからそういった意味では、日中韓で普通に話ができている間、それは全然会話が全くなくなっているというなら話は違いますけれど、そんなことはまったくないと思いますね、今の段階では。したがって、それをことさら事を構えるつもりはないですし、むこうもそんなつもりもないと思います。 |
| 問) | 黒田総裁にお伺いします。今回、いわば「古巣」に戻ってきたわけですが、その率直なお気持ちを伺いたいのと、後任である中尾総裁の仕事振りをご覧になって、如何でしょうか。 |
| 総裁) | 確かに、私は、ADBの総裁として、総会に8回出席しましたし、ASEAN+3財務大臣会議――今は財務大臣・中央銀行総裁会議ですが――にも出席しました。そういう意味では、メンバーの方々もよく存じ上げていますし、ある意味で懐かしいという思いもあります。一方、今は立場が全く違っており、国際機関の長ではなく、日本の中央銀行の総裁ですので、そうした違った立場から議論に参加でき、非常に興味深いし、意義があったと思っています。 中尾総裁の働き振り云々ですが、まだ、ほとんど話もしていません。今は彼も忙しいですから、今後、機会があれば、彼あるいはADBのスタッフや理事の方から、色々とお話を伺いたいと思っています。 |
| (以上) | |
