安住財務大臣閣議後記者会見の概要(平成24年8月31日(金曜日))
| 【冒頭発言】 | |
| 本日の閣議におきまして、私の方から9月以降の一般会計予算の執行について発言をいたしましたので、発言の内容につきましてご紹介を申し上げます。まず現下の厳しい財政状況の下では、特例公債なしに財政運営を行うことは不可能であります。会期末まで残り少ないんですけれども、ぎりぎりまで特例公債法案の成立を何とかお願いしたいということを申し上げました。特にこれから与野党の国会の各党各会派に対して、私も含めて働きかけをしていきたいと思っております。しかし仮に会期中の成立が見込めない場合、一般会計の財源が枯渇する懸念が現実のものとなりかねません。このため、関連法令の規定や国民生活・経済活動への影響を踏まえつつ、一般会計の各経費の支払いの緊要性を再点検し、可能な限り執行を後ろ倒すことにより財源の枯渇時期を少しでも遅らせることを検討する必要があることも申し上げました。まず第1に、基本的に全経費を対象としつつ、関連法令の規定との整合性や国民生活・経済活動への影響を踏まえていくつかの例外を設けるものとし、第2として国の行政経費、独立行政法人等向け支出、地方公共団体向け支出、民間等向け支出のそれぞれについて、具体的な対応方針を定めるものとし、第3として、一方で支払予定先の資金繰りには配慮するものとすることを考えております。こうした内容につきまして、会期末の状況次第で、財政法の規定に基づく閣議決定を予定しており、また会期中の、明日から9月になりますけれども来週、9月第1週の予算執行についても、これに準じて慎重に行っていただきたい旨、申し上げまして、私の後、官房長官からも財務大臣からの話を踏まえて各大臣に協力をお願いするという旨の発言もしていただきました。 | |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 予算執行を抑制する異例の事態に陥る可能性が高くなりましたけれども、法案を成立させる責任は一義的には政府・与党にもあると思います。その責任は、今回の責任は政府・民主党にあるんでしょうか、それとも野党にあるんでしょうか、大臣のお考えをお願いします。 |
| 答) | 財務大臣として申し上げれば、成立をしない責任をなすり合っている、またそれを言い合っても財源が確保されるわけではありませんから、とにかくこの1週間で何とか、本当に土下座してでもよろしくお願いしますという気持ちであります。なぜかと言えば、これは架空の話ではなくて財源が枯渇するのは現実の話であるからであります。日々の国民の皆さんの暮らしに予算は大変浸透しております。様々な暮らし、様々な地方が行う事業、それらの隅々にも実は国の予算というのは浸透しているわけであります。しかしこのまま行けば、そうした財源の枯渇は現実のものとなりかねませんので、国民の皆さんの生活、またそれを支える地方自治体の行政運営、国の行う事業等に対して万般にわたって支障が出てくるおそれがあるということであります。ですから何とか、いろいろな政治的な難しい状況であることは十分認識はしておりますけれども、何とか国民の生活を守るためにもこの法案だけは与野党の合意で成立を図っていただければと私は思っております。 |
| 問) | 来週、地方交付税の交付というのが9月4日にあるわけなんですが、具体的にこの時には4.1兆円をどうするかという対応が数字として必要かと思うんですが、その辺りのお考えをお願いいたします。 |
| 答) | 確かに通例では9月分の地方交付税の交付は、例年9月の初めということになっているわけであります。しかし現時点では特例公債法は成立をしておりませんので、通例行っている9月初旬に交付をするということについては現実的には延期をさせていただくことになるのではないかと思います。 |
| 問) | 交付税については4兆円、道府県分・市町村分は若干半々ありますが、全額を延期するということが基本的な今後のスタンスというような理解でよろしいでしょうか。 |
| 答) | 正式な対処方針を閣議決定いたしますので、それまでの間少し遅れると思っていただければと思います。対処方針を決定いたしまして、昨日、山田全国知事会長含め地方6団体からも切実な要望を受けておりますから、十分工夫と配慮を我々もいたしまして、それに基づいて計画を立てて、それが決まり次第振込をさせていただくことになると思います。いろいろ新聞では、るる書かれておりますけれども、まだ正式に決定したことではありません。近くお話しできるとは思います。 |
| 問) | 10月の支出額は例年5兆円強ということですけれども、それを今回の抑制でどれぐらいまで抑制したいとお考えか教えてください。 |
| 答) | とにかくこの先の政治状況がちょっとあんまりよくないけれども一寸先が見えない霧の中なので、成立の見通しがいつぐらいの時期になるか、来週中であれば一番ベストでありますけれども、どういう状況でこれを本当に与野党で合意していただけるかまだ分からないとなると、私共財政当局としては、今のまま毎年の状況をそのまま踏襲して使えば、10月に5兆円そのままなくなるということになれば、残りは11月の早い時点でお金が本当に国からなくなるという事態になります。ですからできるだけそれを後ろ倒しにするために予算執行抑制ということをやるんですけれども、まだ確たることは申し上げられるところには至っておりません。見通しが立たなければ、できるだけ後ろに後ろへと延ばさざるを得なくなると思います。何とか一日でも後ろに延ばしていかざるを得ないかなと思っております。 |
| 問) | 資金繰りですけれども、財務省証券が20兆円枠があると思うのですが、それを使ってしのいでいけばいいのではないかという声もあると思うんですけれども、それについてのご見解を。 |
| 答) | 財務省証券は財政法上その年度の歳入をもって償還されなければならないとなっています。ということはあくまでその年度の歳入による税収、公債発行収入等が国庫に入ってくるまでの一時的な資金繰りの手段なんです。ということは歳出の財源ではないということです。また財政法では各会計年度における経費はその年度の歳入をもってこれを支弁しなければならないと定められておりますから、特例公債法案の成立が見込めないような状況下において、歳入とならない財務省証券を財源調達の手段として発行して予算執行を続けていくということは、財政法の規定に照らすとこれは許容できるものにはならないと我々は考えています。 |
| 問) | 今回の、まだ決まったわけではありませんが、このままいくと抑制をせざるを得ないという異例の事態、これの市場への影響を、かなり国際的にも悪いメッセージを発することになると思うんですが、その辺の見方はいかがでしょうか。 |
| 答) | これがいいメッセージになるとはとても思えないわけです。ですからバーチャルなことではなくリアルな、現実の問題だということを皆さんに自覚していただかざるを得ないと思うんです。社会保障と税一体改革が成立をして、財政再建への取組みの姿勢というのは、日本に対して世界は高い評価をしてくれていると思います。しかし年度年度の予算執行に、これはどの政党がとっても現実には大量の赤字公債、国債を発行せざるを得ない状態ですから、それをいろいろな理由があったとしても国会で否決をされるというか、成立のできない状況というのは不安定な財政運営を強いられている国だと見られる可能性はあると思います。決してそうならないように、この1週間何とか与野党で知恵を出していただければというのが私共の考えです。それから念のため言っておきますけれども、国債の元利払いについては、国債整理基金特会からの支払いは支障のないように責任を持ってやりますから、私共としてはそのことについては、世界にそのメッセージは発していきたいと思っています。 |
| 問) | 前回の閣議後会見で、今回の特例公債法案をめぐる国会運営なんですけれども、現時点で衆議院から参議院に送る与党の判断は、財務大臣としてはやむを得ない判断だったとおっしゃったんですが、財務大臣としてではなく国対的な視点から見るとちょっと問題があったということなんでしょうか。また、先程財政法の話がありましたけれども、例えば10月に臨時国会を開いて、そこで解散と引換えに成立するというような確約というか、そういう合意ができた場合には問題がなくなるんでしょうか。2点お願いします。 |
| 答) | 特例公債法の審議というのは大体通例20時間前後の、参考人聴取も含めて質疑時間が必要です。残りの会期を計算して、定例日主義でやっている現状を考えれば、衆議院の段階はある時点で通さなきゃいけないという判断はやむを得ない部分はあったと思います。今参議院に送られているわけですから、是非そこでご審議をいただいて、成立をさせていただければありがたいと思っております。その時点での与党の判断でこういう衆議院採決ということになりましたけれども、それはそれでやむを得なかったと私は思っております。 10月に解散と引換えにという質問ですけれども、そもそも国民生活にとって国の財政運営にとって不可欠な財源確保の調達の絶対的に必要な手段です。これを政争の具にしないのが、私は本来のあるべき姿だと思います。これを人質に何かを勝ち取るということは、国民の皆さんから見た時に決して政治のあり方として好ましいものではないのではないかなと思っています。 |
| 問) | 問責が参院で可決されまして、それを受けて初めての閣議だと思うんですけれども、閣僚懇談会などで総理や出席した大臣から何か発言はありましたでしょうか。 |
| 答) | 閣議の話は私の方から申し上げることはありません、中身については。ただ問責を受けたことについては、それは参議院の多数で意思としてそうなったことは残念だと思います。ただ一方で、社会保障・税一体改革を一緒にやって、消費税も一緒にやった自民党の皆さんが、それが否定されているような内容の提案理由のある問責に賛成したのは残念だなと私は思っています。 |
| 問) | 国民生活への影響なんですけれども、この対応方針のこの執行抑制の範囲で十分配慮されているかと思うんですけれども、この執行抑制を続けていった時に例えばどんなところに、さっきのお話で予算というのは国民生活の隅々に浸透しているというお話でしたけれども、この水準の執行抑制をずっと続けていった時にどんな影響が出てくることが懸念されるのか、その辺りを教えてもらっていいですか。 |
| 答) | 9月の時点ではまだそういう意味では抑制という言葉で済むかもしれませんけれども、10月、11月に入ってもし状況の好転やこの法案の成立が見込めない場合は、お金を国からそれぞれの関係する団体等に、自治体も含めてですよ、予定どおり送ることができなくなることは現実だと思います。何に影響がするのかという質問ですが、もっと簡単に答えると影響しないものはないと思っていただいた方がいいかもしれません。 |
| (以上) | |
