安住財務大臣閣議後記者会見の概要(平成24年7月6日(金曜日))
| 【冒頭発言】 | |
| 特例公債法案については、残念ながら未成立の状態が続いております。このため年度当初より復興関係予算については速やかな執行を図りつつ、その他の予算につきましては一般会計から特別会計等への繰り入れ時期を延期するなど、きめ細かな執行管理を行ってまいりました。 昨年もこの時期に予算の執行状況等について説明いたしましたが、今般、一般会計予算の本年度第1四半期4−6月の支出実績、及び第2四半期7−9月の各省要求ベースの支出見込額が判明いたしましたのでご報告を申し上げます。まず、第1四半期の支出実績の速報値は約20.4兆円でございました。第2四半期の支出見込額は各省要求ベースで23.5兆円となっておりまして、これを前提にしますと9月末の累積の支出額は約43.9兆円となる見込みであります。このうち建設国債を財源とする事業等の予算執行分を除くと約39.3兆円となる見込みです。 他方、歳入については特例公債法案の成立が見込めない場合でございますが、建設国債対象経費以外の経費に充てられる財源としては46.1兆円しか確保されておらず、このまま予算執行を続けていくと10月には財源がほぼ枯渇する見通しであることが判明いたしております。このため、仮に会期内に法案成立が見込めないという事態になった場合には、9月以降の予算執行については例外なく厳しい抑制を含めた対応を迫られることになると思っております。 社会保障・税一体改革については、ご存じのとおり先般3党合意がなされ、関連法案がいよいよ参議院でご審議をいただくことになります。是非、今私がご説明したような状況でございますので、特例公債法案についても与野党間で合意をしていただくことを大変心から期待をしております。私共としても何とか、9月以降これは万般にわたって影響が出ると思います。地方に行くお金、更に普段の国民の皆さんの生活の中で国の財政の支出が伴うものも含めて予算の執行について抑制をするということになりますので、国民生活にも影響を与えかねませんので、財務大臣としてはこうした事態を是非国会の先生方にもご理解いただきまして、法案の成立に向けて全力を尽くしてまいる所存であります。 | |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 特例公債法案についてですが、自民・公明というのは反対の姿勢を崩していませんけれども、今後どういう形で進めていけばその態度が軟化するといいますか、変わることが実現出来ると見られますでしょうか。10月中ということになると、臨時国会ではなく今国会中が成立の時期的なリミットと見られていますでしょうか。 |
| 答) | いかなる政党が政権を取っても、我が国の財政状況で特例公債法が成立しなければ予算が成り立たないことは、特に自民党・公明党の先生方は一番認識なさっておられると思いますから、私は賛成していただけるのではないかと思います。何か噂で、噂ですよ、もっとずるずる後ろに行っても大丈夫じゃないかというような噂が蔓延していたように見えます。しかし厳密に、私共としてこうして今お話をさせていただいたように、10月いっぱいでほぼ財源が枯渇することが明らかになりましたから、ご指摘のように今国会で何とか成立をさせていただかないと、政治日程の話を私が云々する立場ではございませんけれども、9月の第1週ですか、今度の国会が終わるというのは。その時点までに成立の見込みが立たない場合は、本当に予算の執行はかなり厳しい抑制をせざるを得ないと思っておりますので、是非ご理解をいただくことに全力を挙げたいと思っております。 |
| 問) | 欧州中央銀行と中国人民銀行が5日に利下げを決めました。これに対する評価と、効果は大きいと見るか限定的と見るかお聞かせください。 |
| 答) | まだドラギさんの記者会見の内容を私自身が直接見ているわけではありませんけれども、結果的にそれが世界経済や日本経済にとって好ましい状況を、そういう影響をもたらしてくれることを望んでおります。色々な取るべきオプションの1つではあるんだろうとは思いますが、引き続きやはり世界に安心感を持ってもらうような努力というものを様々やっていただければと思っております。 |
| 問) | ラガルド専務理事が来日されていて昨夜お会いになったようですが、どういったお話をされたか可能な範囲でお聞かせ願いたいというのが1つと、ちょっと先の話で恐縮ですが、東京で総会が開かれる際に欧州当局の取組みですとか市場の動向にもよると思うのですが、G7なりG20なりを東京で開催する必要性について現段階でどのようにお考えかお聞かせください。 |
| 答) | ラガルド専務理事とは毎月会っているんですね、ここのところ。2月以降ほぼ毎月会っていますので、そんなに目新しく何かということではなくて、昨日は本当にゆっくりと限られた人数で色々な話をさせていただきました。内容は申し上げられません。1つだけ申し上げるとすれば今日、記念フォーラムでお互い講演をしますので、多少そういう中身の話とか。あとは今ご指摘のあった2つ目の質問ですけれども、やっぱりヨーロッパの様々な努力を重ねた上で東京でもう1回会う時には明るい話が出来ればいいねと。それから日本に対しては非常に、消費税の問題で本当にこんな難しい法案を3党で合意が出来て衆議院を通過したというのは大変すばらしいと。是非参議院での成立をお祈り申し上げますというお話はいただきました。あと多少オリンピックの話もしました。 |
| 問) | ラガルドさんとの話の中身についてというよりは、この間色々な各国の方と話もされていると思いますけれども、この前欧州の首脳会談で色々な対策が出ていますけれども、それも踏まえてその後の市場の反応等もあるわけですが、今の欧州の対策の現状というか、どういうところは評価出来て、どういうところはもう少し今後の道筋が見えた方がいいのかといったところ、その辺どういうふうにご覧になっていますか。 |
| 答) | 景気の減速をさせないために利下げをしたということは、1つ前向きだとは思うんですね。問題は、これはアメリカも我々も言っているわけですけれども、金融監視機能の強化ですね。例えばしっかり一元化をしていってくださいよと。それからもう1つ言えばやっぱり財政の統合の問題というものに対して大きな宿題をまだ解決出来ていないのではないでしょうかと。これはなかなか難しい問題だとは思いますが、そうした残された対立点がまだある課題について何らかの方向性や結論を頑張って出していただかないと、最終的な市場が収束感を感じないところは否めないと思います。ですから、特に金融監視機能の一元化ですね、それから財政統合というのはどういう形でするのかというのは我々が口を挟む立場じゃないですけれども、透明性を持ってしっかりとした工程管理をお互いしてもらうというようなことでユーロという通貨の価値を下げないやり方というものをそろそろ具体な形で見せてもらって、出来れば東京で10月に行われるような、IMF・世銀の会合というものを1つの目標にしてやっていただくのはいいんじゃないかなと、私は個人的にはそう思っております。 |
| 問) | その意味では、この前G20ではかなりコミュニケにも書き込まれていて、ただその後のユーロの、欧州の首脳会談では今後議論すると。銀行同盟にしても財政統合にしても議論するというところにとどまっていて、その点の、工程表というお話がありましたけれども、工程表なり道筋などをもう少し明確化する必要、そこに課題が残っているというお考えですか。 |
| 答) | 結局そのことを強く今言っているのはアメリカと日本ですね。IMFも似たような立場かもしれません。それからイギリスとかですね。つまり当事国の中でそちらに向かって具体的にどんどん走っていこうという機運が多少生まれつつはあるんですけれども、今ご指摘のように当事国の間でそれに向かってとにかくまず大きく前進をしたというところまでは行き切れないところがあると思うんですね。ですから我々としては、アメリカと我々でとにかくそこをしっかりやって市場の安定感、安心感を取り戻してくれということは、引き続き私とガイトナー長官で訴えたいということです。動いてくれるとは思いますけれども。 |
| 問) | これまで官民格差が指摘されてきた公務員の年金の職域加算なんですが、昨日の有識者会議でこの制度を廃止して新たな上乗せ年金の創設というものが提言されたと思うんですけれども、ただこの新たな制度についても公務員の優遇がまだ温存されているのではないかと指摘も出ているんですが、これで年金の官民格差というのは解消されることになるのかどうか大臣の考えをお聞かせください。 |
| 答) | 額はぐんと下げますからそこはいいんですけれども、3階建てというところをどうするかというのはまだ議論がしっかり政府の中で決まったわけでなくて有識者の方でということですね。私なんかもこれは、報告の内容は真摯に受け止めてやっていきたいと思っております。それで民間の例をよく見ると、退職金の一部を年金化して有限の期限の中でそれをもらうような仕組みもあるんですよ、会社のほとんどは。だからまるっきり退職金でぼんともらっていいと言う人もいれば、その分を年金の部分でやるとか、それは公務員のやり方の中にも私はそういうことは選択肢の中で、それを増やすというんじゃなくて、トータルとしては額は変わらないけれども、そういうオプションもあってしかるべきではないかという意見については、それは議論の余地はあるのではないかなと思っているわけでございます。ですからこれから有識者会議の結果を受けて、岡田副総理の下でこの問題については政府案を絞り込んでいきたいと思っております。形よりも、官民格差を減らすということはお金を減らすということだと思いますから、そこを何か3階建てを残したら全部けしからんとかという話じゃなくて、そういう民間のやり方も真似ながらそれも考えていくということだと理解しております。 |
| 問) | 財源枯渇の点で、10月いっぱいで枯渇という話でしたけれども、これは11月に入ったらもうなくなるという理解でいいんでしょうか。というのは先程も、この間色々噂があってみんなお金はあるんじゃないかと思っている人がいるという話がありましたけれども、その背景というのは去年、夏まで特例公債の法案がずれ込んだ時に当初は、財政当局としては春には、年度入って割と早くなくなるような感じの話をしていたのに、どんどんその状態が続いていったので恐らく財務省が色々その辺の調整をしているんだろうという認識が広がった点があると思うんですけれども、通常他国であれば、例えば11月1日にはなくなるとか非常にはっきりした言い方をアメリカなんかはしていまして、そういったことが日本では出来ないのかというのと、厳しい執行抑制という話もありましたけれども、その場合の抑制というのは国民生活にどういう影響が出るんでしょうか。 |
| 答) | 10月に財源がほぼ枯渇する見通しの根拠ということだと思うんですけれども、実は9月末の累積想定額は建設国債分を除くと39.3兆円になる見込みです。そして近年の10月1カ月の平均的な支出額はおおむね5兆円でございます。ですからこれを足しますと、ほぼ10月末には累積の支出額は約45兆円に達することになりますから、先程申し上げましたように残りは11月に入った時点ではあと1兆円前後かなと思います。これは昨年そういう話があったので正直に正確に申し上げております。ですから10月の時点で間違いなく財源は枯渇をする可能性があると。そこで今の話で言えば、ではどういうふうにするのかということですから、10月の時点でここまでお金がスコンとなくなるわけですね。全くここから来年3月まではゼロということになったらこれは大変なことになりますので、9月の時点で思い切った執行抑制をして、この9月、10月分を少しでも後ろに延ばしていかざるを得ません、やり方としては。そうなれば、本来地方自治体にあらかじめ定められている額も思い切って削減せざるを得なくなると思います。行政経費があります、それから法律で定められた義務的経費もありますが、例えば生活保護のような、これも義務的経費については一部には法律改正せざるを得ない部分がありますけれども、ない袖は振れませんから、こうしたことにもかなりめり込むような形にせざるを得ないかもしれません。そうしたことがどういう影響を与えるのかについては、これから省内と各省庁にお話をさせていただきながらある程度早い段階で国民の皆さんにはお示しをしないといけないと思いますが、率直に申し上げまして、地方交付税等についても9月辺りに振込の時期を迎える可能性はあるんですが、予定額は行かない可能性はやはり出てくるんじゃないでしょうか。ですから何とか8月中に、出来れば特例公債法を通していただいて、そうでなければ国民の生活や地方自治体の行政運営等々に重大な支障が及ばざるを得なくなってくると思っております。 |
| (以上) | |
