安住財務大臣閣議後記者会見の概要(平成24年5月18日(金曜日))
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 欧州問題ですけれども、ギリシャの再選挙が決まって市場が不安定になっていて、あとギリシャがユーロ圏を離脱する可能性も出ています。こうした欧州危機の現状に対する認識と、実際にギリシャがユーロを離脱した場合、日本経済、世界経済にどのような影響があると見ていらっしゃいますか。 |
| 答) | とにかく再選挙になったことは残念です。6月にもう一度選挙をやるということですから、その結果を注視したいと思います。この問題の解決に向けて歩速を早めてもらえば、世界経済の回復基調によりスピード感が出るのではないかなと期待をしておりましたけれども、ここで6月の半ばまでギリシャの選挙結果が出ないとなると、やはり欧州における今のようなマインドはそのままになって当面様子見ということになると思いますので、そうしたことが実体経済全体に影響が及ぶようになってくると世界経済にとっても我が国経済にとっても決してプラスな材料ではないと思っています。 現時点でユーロ圏からの離脱について私の方から何かコメントすることはありません。ただ、イングランド銀行のキング総裁なんかの昨日のBBC放送を見ていますとそうしたリスクを貿易が非常に多い国は色々な意味で考えなければならないというような話はしておりましたけれども、我が方としては現時点では6月の時点での総選挙の結果を見守りたいと思いますし、そう離脱が簡単だとも思いませんし、離脱した後の先に何が待っているのかということも冷静に考えてもらえば、ギリシャ国民にとっては大変辛い選択かもしれませんけれども、ユーロでこれまで積み上げてきた財政再建策をしっかりと実行していくということが私は第一だと思っております。 |
| 問) | 消費税ですけれども、昨日の衆院の特別委員会で総理が軽減税率も検討課題だという認識を示しました。財務省は軽減税率に反対の立場だと思いますが、昨日の総理の発言はどのように受け止めていらっしゃいますでしょうか。 |
| 答) | それは基本線が何も変わったわけではなくて、軽減税率をこれから立法府の中で議論が出てくれば、その幅、範囲、対象、総額どれぐらいかかるのかということを政府案とは別にそういう案が出てくるのであれば、それは同じテーブルに載せて議論をしたいと思います。また逆に言えば昨日の議論では社会保障政策全体の中で低所得者対策というのはやっているので、確かあれは下地さんでしたか、むしろそういう対策というのは10%の段階ではもう必要ないのではないかという議論もありましたので、様々な議論がある中に対して総理がお答えになっただけで、その方向に向かって何かアクセルを踏むという段階ではないと思います。 |
| 問) | 財務省が本紙(東京新聞)報道に対して事実ではないとする抗議文をホームページに掲載しました。財務省は同様に朝日新聞の記事についても抗議文を掲載しています。このような行為は報道の自由の制約につながる恐れもあると考えますが、報道記者を経験された大臣としてどうお考えになりますか。 |
| 答) | 事実と違うことを書いたら訂正を求めるのは当然なんです。事実に対して色々な角度からあれがいいとかこれが悪いとかということに対して我々は口を挟んでいるわけではなくて、朝日の報道も御社の報道も事実が違うから言っているので。事実が違うんだけれども、事実だということを証明できないわけでしょう。例えば朝日の記事だって、あれは確かうちの次官が副長官とは大学時代から同級生だなんて、全く同級生でもないわけで、事実でないから訂正を求めているわけ。おたくの記事もそうなんだけれども、働きかけは一切行っていません、再稼働について。それは政治部長さんにも直接お話をさせていただいたようだけれども、それに対して確たる証拠があるとは言うけれども何の証拠だか示していない。間接的に聞いているというだけだから、それは立証する責任もあるんじゃないかと思うんだね。だからファクトについてははっきり言わせてもらいます。ファクトに対してどういうふうに、それぞれの社が色々な角度からアプローチをして記事を書くことは、これは全然問題ないし尊重しないといけませんが、事実と違うことをもってドキュメンタリー風に書くことがはやっているんだけれども、細部にわたっては名誉棄損に近いような嘘が多いですから、それに対してはしっかりとこちらとしては言わせてもらいます。 |
| 問) | 抗議文では直接取材の有無を強調されています。事前取材がなければ全部駄目というのは非公式な事前検閲につながるという指摘もあるんですが、大臣はいかがお考えでしょうか。 |
| 答) | それは東京新聞の一方的な考え方じゃないですか。問題は事実かどうかということが問題であって、我々は事実でないと言っているんだから、事実であるということに対して間接的に聞いている聞いていると言うだけでは駄目ですよ。だってそれはうちの次官のようなことをおたくの社長がやられたらやはりそうやるだろうから。事実関係さえちゃんとそうであれば何も別に抗議はしないと思います、組織として。事実に対して、何度も言うけれども色々な角度から批評するのは当然あっていいんだし、だから私も思うんだけれども、最近ウラの取り方をちゃんと、こんなことは口幅ったいけれども、携帯とかメールの時代になってちょっとぬるいんじゃないかと思うのね。僕の時はそんなの全くなかったから、とにかく会って、家を探して、ぶつけてウラを取らないといけないと。そういう取材が何か最近ちょっとぬるいかなと。だからそういう意味では事実を追及するのは大変エネルギーも要るし時間もかかるし大変だと思いますけれども、事実を積み上げてこそ真実はあるのであって、何か一方的な方向に記事を捏造するために事実でもないことを事実のように見せかけるのであれば、それはやはり違いますよということは言わせていただくということだと思います。 |
| 問) | うちの取材では、きちんと取材して事実と確認して記事にしたのを、本来なら財務省の政策とかを訴えるべきホームページで一方的に抗議文という形で載せるのはいかがなものかというのはメディア論の識者からも出ているんですけれども。 |
| 答) | どういう識者か知らないけれども、その人は東京新聞のファンかもしれませんが、まず東京新聞本社に対してしっかりそういうことは申し上げたつもりですけれども、こちらとしては事実関係に自信があるというだけの答えだったということですから、それは全く反論にはなっていないというふうにこちらとしては思っているわけですよ。 |
| 問) | 日本時間の明日からG8サミットがワシントンで開かれまして野田総理も出席されると思います。先程のギリシャ問題ですとか欧州危機の話も当然議論になると思いますが、特に各国の財政再建策についてどういう議論が深まることを大臣としては期待されるか、その点お伺い出来ますでしょうか。 |
| 答) | このところは、言葉が適切かどうか分からないですけれども、経済的なレスキュー対策というのは中央銀行間でも、それから我々G7、更にG20でもIMFを通したり様々なことはやってきました。しかしそれでもなかなか変動が治まらないというか、危機が進行中なその大きな原因というのは、あえて言えば政治リスクだと思うんですよね。ギリシャは再選挙ですけれども、フランスは新しい体制になりましたから、オランド大統領を初め新しい内閣の中で、これまでヨーロッパの中で、また世界の中で、G7の中で、IMFの中で、積み上げてきたものを守っていただかないと、それはやはり不安感を市場に与えるのではないかと思うんです。ただ一方で財政規律だけでなくて雇用の確保等それぞれ課題が非常に多いと思うんですね、政治的に。だからそこは私共も予算編成で皆さんから色々お叱りを受けたり批判は受けていますが、成長させながら財政再建に道筋をつけるというのはとても大変なことだと思います。ナローパスをどういうふうにそこをくぐり抜けていくかということが問われますから、やはり指導者には英知を出してその解決の方法と同時に、今一国でそういう政策が簡単に出来るわけではないので、協調しながら世界中の人達の雇用や生活を守りながら財政再建をしっかりやっていくという、その道筋はつけていくんだという決意を示してもらいたいと私は思っています。 |
| 問) | 日本経済の今の現状認識をお伺いしたいんですけれども、今日の月例で緩やかな回復と9カ月ぶりに謳ってはいるものの、現状を見ると対ドルでも対ユーロでも円高の方が進行していて株価も一時8,700円割れを現在起こしているという状況なんですが、今現在の日本経済をどのように認識されているのかというのが1つと、あとドル・ユーロでそれぞれ円高が進行していますけれども、これについてどうご覧になっているか、そのご意見をお聞かせいただけますでしょうか。 |
| 答) | 私はこの場で何度も我が国の経済はいいですよということを言ってきましたけれども、数字でそれは証明されたと思います。特に復興需要の、公共の部分もようやく数字にあらわれるような状況になってきましたし、また今年に入ってから各地区の財務局長などから報告を受けていますとどうも消費はよさそうだということですが、それも数字にしっかり現れてきたと。それから言えば日本の経済というのはやはり回復傾向に一歩を踏み出したなという手応えは感じております。もちろんご指摘のような円高、それから夏場の電力供給がうまくいくかどうか、更に世界経済がどうなるかと。いわば株式市場は残念ながら日本の経済の実態から言うと非常に低く評価されていて残念だと思いますよ。みんな収益もいいし、日本の国内もいいけれども、アメリカの市場を見ながら反射的な対応をしているのかなと思うと私はこれは実力じゃないと思います。為替については私共としては非常にそういう点では注視をしております。特に昨晩から為替市場では短時間のうちに、1ドル80円台前半から79円台前半まで急激に円高が進むなど荒い値動きが見られております。こうした動きについては昨晩発表されたアメリカの経済指標の1つを捉えて投機勢がやや過剰に反応しているのではないかと考えております。為替市場における過度の変動が望ましくないことは、私はG7等においても何度も述べておりますし、このことはG7全体でも繰り返し確認をされております。当局としては為替市場の動向を一層の緊張感を持って注視し適時適切に対応してまいりたいと思います。日本の経済は大変にそういう意味では苦しかった昨年の大震災以降、またタイでのサプライチェーン以降、ようやく回復軌道に乗ったと思っております。アジアでの需要もタイも含めて持ち直ってきているなという手応えはあります。やや中国は減速ぎみだという声も聞かれますけれども、是非この欧州問題等々、それから安定通貨、安定債券として長期金利等を見ていると日本にお金が流れてきておりますけれども、私としては経済の成長というものを何とか世界の成長につなげていきたいと思いますので、出来るだけ下振れリスクを回避するような対応というものは取っていきたいと思っています。 |
| 問) | 三菱東京UFJ銀行がニューヨーク地裁からイラン支社の凍結を指示されて実際止まっている状況なんですが、昨日財務省や関係省庁で対応も協議されたと思いますが、そのことの受け止めと今後の政府としての対応をどういうふうに考えているかお聞かせください。 |
| 答) | 事実関係は十分承知しております。ただ申し訳ありませんけれども、あえてコメントは差し控えておきます。今とにかく政府部内でも色々対応しておりますけれども、裁判に関わることでございますのでそういう点では私の方からのコメントは差し控えます。 |
| 問) | 特例公債法の進行というか、進捗に関してはどのような見通しでいらっしゃいますでしょうか。 |
| 答) | 消費税の委員会がようやく動きましたので、来週以降本格的な審議が始まりますけれども、そうした中で是非この特例公債法も、早い段階で与野党の合意を得られるよう政党間での話し合いというものを是非進めていただければありがたいと思っております。 |
| 問) | 長期国債の金利、10年物の金利がおよそ9年ぶりの低水準ということで先程のお話とも絡むかもしれませんが、いわゆる日本買いになっているのかなという傾向だと思うんですが、この点についてはどう分析されていますでしょうか。 |
| 答) | 相対的に見れば安全資産だということだと思いますので、そのこと自体はいいんですけれども、一方で為替等については投機的な傾向というのがやや見られるというのは残念だなと思っています。いずれにしたって財政再建をしっかり進めて、日本の場合は震災復興が内需の土台を作っていると思いますけれども、これはやはり単に国債を発行したんじゃなくて財源手当てをしっかりした上でこれを復興の、いわば財源確保をした上での予算執行だったので、そうした点では成長と財政再建を図る時の1つの考え方じゃないかなということを、実は初めて言いますけれどもG7でこの間私申し上げたんですね。だからそういう点では日本のような、今回のように財源をきちんと、それはご批判もありましたけれども復興の財源を確保した上で、単に国債を発行して孫・子にツケを残しながら経済対策をやるんじゃなくて、ターゲットを絞った財源を確保して、それを使って経済の波及効果を及ぼしていくということはヨーロッパなんかにも参考になればと思っています。 |
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