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安住財務大臣、白川日本銀行総裁共同記者会見の概要(平成24年2月25日(土曜日))

 
 
【冒頭発言】

大臣)

 今年初めてのG20でありましたので、私と白川総裁から、各地域、ヨーロッパ・アメリカ・アジアからの報告ということで、日本からアジア全体を含めて経済の今年の見通し等について報告いたしました。
 私の方からは、震災復興の予算が成立して、その執行状況をご報告して、内需の動きというのが昨年よりはかなり堅調になるのではないかと。それからタイの洪水等の被害がありましたから、サプライチェーンも回復しますので、成長が見込める環境というものが整ってきたと。アジア全体でも、先週王副総理と日中の会談をいたしましたので、その会談の中でも、アジア経済が減速しないように日中間で協力してやっていこうという話をいたしましたので、そのことについても報告をいたしました。
 私の方から、日本として、欧州に対してどのような考えを持っているのかということについて、最後に申し上げました。2月21日のギリシャの第2次支援策については、大枠の合意ということで、我々としては歓迎をしているということは申し上げました。しかし、現在の所謂ファイアーウォールでは、EFSF債の強化と、ESM、これ上限で5,000億ユーロに引き上げたわけですけれども、更にこれを強化すべきではないかと申し上げました。これは期待しているということです。同時に日本としては、これまでEFSF債の購入について、安定的に購入を行ってきました。アベレージでは、約15%の購入率になっているわけですけれども、今後もその協力というものは続けていきたいと。同時に欧州自身の一段の努力の結果を踏まえた上で、IMFの資金基盤強化や我が国の貢献について具体的に検討したいと思っていると申し上げました。4月に行われるワシントンのG20までに欧州の債務危機問題に区切りをつけられる前提に、IMFの資金基盤強化の議論が進んでいくことを期待していると申し上げました。

総裁)

 本日は、世界経済について議論を行いました。私からは、個人消費などの内需の底堅い動きや、海外経済の減速や円高の影響などに言及しつつ、わが国経済の現状と先行きについて丁寧に説明しました。
 金融政策運営に関しては、先行きの不確実性がなお大きい中で、最近みられる前向きの動きを金融面から後押しすることを狙って、日本銀行の政策姿勢をより明確化するとともに、金融緩和を一段と強化したことを説明しました。内容は既にご存じだと思いますが、第1に、「中長期的な物価安定の目途」を示すこととしたこと、第2に、時間軸政策を使った日本銀行の金融緩和姿勢を明確化したこと、第3に、資産買入等の基金を増額したことを述べました。
 このほか、欧州債務問題に関しては、ECBによる潤沢な資金供給やギリシャに対する第2次支援の合意などにより、市場は幾分落ち着きを取り戻していますが、こうした政策対応によって買われた時間には限りがあることを指摘したうえで、問題の解決に向けた明確な道筋をつけるための努力を継続することを要請しました。

大臣)

 それから、アメリカ・ヨーロッパ・我々とももう一つの課題である財政再建についても、それぞれ報告がありましたので、私から税と社会保障の一体改革について、今の状況を説明いたしました。消費税を現在の5%から2015年までに10%に引き上げる大綱を2月17日に閣議決定したと。近くこれを国会に法律として出す準備をやっている最中ですと。カンヌ・アクションプランでコミットした財政健全化目標の達成を目指していますということを報告いたしました。各国からもそれぞれ財政再建の取り組みについて報告があった次第です。
【質疑応答】

問)

 原油高を受けて、世界経済の下振れリスクになっているということが言われているんですけれども、今回の会議で現状の原油高について懸念の表明、各国からどのような反応があったでしょうか。

大臣)

 IMFの方から、世界的に原油高になりつつあるという状況の説明がありまして、産油国側からの現状について説明がありました。これは明日引き続き議論になるかもしれませんけれども、今日の段階では、産油国としては十分な供給はしているんだと。それはアベレージを出して話しておられましたので、その他状況以外にどういうふうにするかという議論までは行きませんでした。

問)

 産油国と仰っていたのは、サウジアラビアのことですか。

大臣)

 サウジです。

問)

 大臣から今回、原油高について言及はあったのでしょうか。

大臣)

 私の方からは、原油そのものについては発言はしておりません。

問)

 今の原油高の状況なんですが、背景としては世界的な金融緩和が進んで市中に資金が流れ込んで、その結果景気を下支えするはずの金融緩和が逆に副作用として原油高を生んでいるということも言われているのですが、その点について大臣のご認識はいかがでしょうか。

大臣)

 そういう指摘をした首脳はいました。しかし、金融緩和を進めなければ、なかなか景気を下支えをするのは難しいわけですから、そういう点では、副作用と仰いましたけれども、そういう傾向は無きにしも非ずであると。それからイランを取り巻く状況等もあるわけですから、今後これについてはG20全体でも注意深く見ていかなければならないと思います。

問)

 原油高の原因として世界的な金融緩和が背景にあるという指摘については、どのように思われますか。

総裁)

 足もとの原油価格の上昇については、地政学リスクの高まりに加え、年明け後、先進国経済について多少明るい動きも出てきていることが背景にあると思います。もちろん、ベースとなる背景として世界的な金融緩和は続いていますが、ここにきて金融緩和が原油価格の上昇の主因になっているとは思っていません。いずれにせよ、金融緩和に関しても、その効果とその副作用について注意深く見ていく必要があることは、一般論としてはその通りだと思います。

問)

 2点お願いします。1点目は欧州対応ですが、4月のワシントンでの会合までに様子を見て決めたいとのことでしたが、これについて、ヨーロッパ側の対応を見て、それがなされた段階で更にIMFへの増強について考えるということは、これは全体の流れとして反論が無かったとか、全体としてそれはほぼ一致できるという状況であったということでよろしいでしょうか。
 2点目は、ヨーロッパの状況について、一般論としてどのように議論されたかと。小康状態、一服した状態というような言い方をしている他の首脳もいたようですけれども、どのような発言があって、どのような認識でほぼ固まったのかについて教えてください。

大臣)

 勿論、今日のG20本会議の議題の主要な部分については、欧州状況に集中するわけですけれども、やはり全体の流れとして見れば、昨年11月のカンヌの状況より4か月経って、状況はその時よりは好転しているという認識は一致していると思います。そして、2月の段階で、ギリシャへの支援策は大筋で合意をしましたので、これから3月に具体的にEUでの会合が続きますので、そこでどれだけの具体的なファイアーウォールを詰めるかということになると思います。それに対する期待感というのは、それぞれの国から出ておりましたし、ヨーロッパも、この危機を解消していくというか、安心感を与えるための、しっかりやっていくんだということはヨーロッパの閣僚からもお話はありましたし、IMFのことについては、4月にならなければ議論をしないということではありません。やはりそうしたヨーロッパの動きを見ながら、IMFの枠組みの中で果たしてどういう貢献ができて、具体的にそれはどれくらいのお金がかかるものなのかということは、当然来月以降に議論が出てくる可能性はあると思います。私共が思っているのは、4月のワシントンでの会合というものは、一つのゴールになれば世界経済にとっては一番いいのではないかということだと思います。

問)

 ヨーロッパの対応を見た上でIMFの増強が必要だということについては一致しているんでしょうか。

大臣)

 今日特別そのことについて議論になったわけではありません。私も注意深く発言をしたつもりですけれども、しかしIMFをどのように活用していくかについては、アメリカはアメリカなりの考えがあるようですし、これから更に関係国の中で協議をしないといけない問題が横たわっているというのが現状だと思います。しかしそういう障害を取り除いていくためにも、欧州の一段の努力というものが現実的に見えてくれば、障害を越えていく可能性はあるんではないかと思っています。

問)

 全体の見方として、ドイツが欧州の支援能力の強化に反対しているとか、あるいは軟化しているとか、色々な見方が出ていますけれども、そういった点で、今回の会議でIMFの支援を強化する前提となる部分に関しては、何らかの前進が見られたのか、あるいはその点はまだはっきりしないのか、それと2ステップ目のIMFの資金強化の段階で、障害と仰っていましたけれども、欧州がクリアすればかなりの問題がクリアされるのか、あるいは次のステップでIMFの強化を具体的にどうするかということについてもまた、色々な国際交渉があるのか、その辺りはいかがでしょうか。また、日米のバイですけれども、イラン制裁の関連で除外適用に関して何らかの前向きな感触が得られたのかについてお願いします。

大臣)

 ドイツの問題について、具体的にドイツという国名を出して何か議論があったわけではありません。しかし、私の感じでは、決してネガティブな対応ではないのではないかという感じは持っています。ショイブレさんもご発言はありましたが、決してこれについて踏み込んだ発言をしたわけではありませんけれども、欧州全体としての責任は十分世界に対して果たしていくんだというご発言はあったと思いますので、私は前向きに捉えております。
 ガイトナー長官とは、15分から20分ぐらいの短い時間でありましたが、会談をいたしました。イランの問題については、東京でも話はしましたけれども、引き続き事務当局で、ワシントンでの交渉を続けておりますので、それは事務方で今交渉している話は、お互いに同じレベルで話は聞いているということを確認はできましたので、今後とも詰めた事務当局での話ができるなと、合意ができればいいという話はしました。何か明確に決まったわけではないですけれども、そういう点では対立点が浮き上がっているわけではなくて、どちらかというと合意に向かっていい話になっているという感じでございました。

問)

 IMFの融資枠の話ですが、アメリカとしては、既存の財源で十分だという考えなんですが、こういう中でコミュニケの段階でIMFの融資枠の拡大の必要性について、きちんと決めることができるのかということと、明日の朝日本にお帰りになるということですが、こういう局面で後半を欠席せざるを得ないということについてご所感をお願いします。

大臣)

 申し訳ないですけど、日本の国会の状況をよくわかった上で質問してもらえれば、後半の部分について私からコメントすることではありません。
 明日のコミュニケに向けて、事務当局で話はしておりますので、明日明らかになると思いますが、申し上げたとおり、IMFが何もしないで済むわけがないので、それはそれでやるにしても、どういう協力の仕方をするかということは非常に重要なことだと思います。しかし、アメリカ側の考えもありますので、欧州自らが世界に向かってこれだけ貢献したというか、自分達でやりましたというのを見せてもらうということが、次のステップに行きやすいということを私は申し上げているんで、そういう方向については、何らかの形で明日のコミュニケに入る可能性はあると思います。明日も充実した議論をしたいと思いましたが、東京でお話したとおりでございますので、残念ながら私は途中で戻りますけれども、バイの会談も十分やりましたので、白川総裁や中尾財務官に任すと。今日そのために基調演説はやらせてもらったつもりです。

問)

 社会保障と税の一体改革についての説明をされた際に、日本の財政健全化の取り組みについて、各国から何かしらの反応がありましたでしょうか。
 それとG20と直接関係が無くて恐縮ですが、日本で、企業年金運用会社のAIJ投資顧問が企業から受託した約2,000億円の資金の大半を消失したということが話題になっております。この件について報告を受けてらっしゃるかという点と、今後の対応についてお考えがあったらお願いします。

大臣)

 今日は基調演説をそれぞれの地域を代表してやった話であって、質疑応答があったわけではないので、反応はありません。
 それから、先ほどの話は金融庁の話ですから、自見大臣に聞いてください。国会の質疑では十分取り上げられていると思っております。

問)

 IMFの資金基盤の強化の話ですが、本日の安住大臣のご発言というのは、欧州の一段の努力という結果を踏まえて、日本としてはIMFの更なる資金供給について協力をするという意思を表明したという受け止め方でよろしいんでしょうか。

大臣)

 私が先ほど話したとおりです。それはあなたの考え方で、私が話したことについてどう思ったかということであって、こちらは肯定も否定もしませんが、私が先ほど話した以上でも以下でもありません。

問)

 先日、日中共色々な面で協力していくという話をされましたけれども、今後IMFに対する協力という面で、他の国との協力関係を含めて、どのようにリーダーシップを取っていくおつもりでしょうか。

大臣)

 十分日本と中国の立場は分かっておりますから、立場にあった対応はしていかなければいけないと思っております。ですからラガルドさんとも今日お会いしているわけで、別にラガルドさんの考えは考えで、私の考えはあるわけですから、決してIMFが期待している日本に対する、中国に対する考え方と、私や王副総理の考え方が全く一致しているわけではないと思いますから、これから話し合いをしていかなければいけないと思います。

問)

 税と社会保障の一体改革について基調演説したということで、閣議決定以降初めての国際公約というか、国際的な場でお約束をしたということになると思います。欧州が財政危機で喘ぐ中、それから国内に翻って見れば国会に法案を出して、通していく大変な道のりがあるかと思います。改めて、国際会議の場で披露した上での気持ちに変化があるか、または決意をいただければと思います。

大臣)

 私は事実関係を報告したんです。2月17日に閣議決定をしたと。今国会に法案を出す準備をしていると。宣言したとかそういう話とは違い、今の進捗状況の報告をしているのです。アメリカはアメリカなりに報告しているのであって、意見発表会ではないわけですね。

問)

 進捗状況を国際的な場で、大臣から触れたということは、一つ大きなステップだと考えたのですが。

大臣)

 11月もしていますよ。事実を述べているわけです。カンヌ・アクションプランということを申し上げましたけれども、野田総理が申し上げたとおり、閣議決定をして、法案作成準備をしていると。これができたならば、閣議決定をして、国会に出すというプロセスを今踏んでますという報告をしたということです。

問)

 先ほどラガルド専務理事と考え方、IMFが期待している日本と中国へのリクエストに対して完全に合意しているわけではないとのことですが、今日のラガルド専務理事とのバイ会談について、可能な限り教えていただけますでしょうか。

大臣)

 ラガルドさんとは、意見交換というより、今年初めてだったものですから、お互い今のヨーロッパの状況をどう見ているかについて意見交換しました。今後4月のワシントンでの会合に向けて、事務レベルを含めて色々話し合いをしていかなければいけませんねというだけで、具体的な話はする段階に至っていません。
 

(以上)

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