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日米財務大臣共同記者会見の概要(平成24年1月12日(木曜日))

 

安住財務大臣と訪日中のガイトナー財務長官による共同記者会見の概要(同時通訳)は以下の通り。

 

【冒頭発言】
大臣)  今日はガイトナー長官を日本にお迎えいたしまして、1時間ほど多岐にわたって日米の問題についてお話し合いをさせていただきました。特に私の方からは昨年来、大震災を受けて復興に関係する様々な補正予算を編成し、また財政的にも非常に厳しい中でありますけれども、所得税、法人税等をお願いして、国債の累積を、国債の発行を事実上増やさないでこれを賄えたと。こうしたことから今年は内需については非常に順調な回復を見せ得る可能性は高いというふうな我が国の経済見通しについてまずお話をさせていただいた後、欧州、そしてイランの問題等についても長官とお話し合いをさせていただきました。これからの1年、世界経済にとりましても非常に重要な1年になると私は思っております。この会談を機会に日米でしっかりと協力出来るところは連携を組みながら、欧州経済はもとより世界経済の牽引役として、共に世界経済を引っ張っていきたいと思っております。
長官)  大臣ありがとうございます。再び訪日がかなって大変うれしく思います。この由緒ある財務省の建物にやってくることが出来て大変うれしく思います。多くの方がご存知のとおり、私、個人的にも職務としてもここに色々な思い出があります。昨年は世界経済にとって大変厳しい年であり、日本にとっても大変な悲劇がありました。今年は経済成長という意味ではかなり有望な兆しで年が始まりまして、日本が復興の礎を築き、またアメリカの景気回復の足どりもしっかりしてきました。しかし、勿論、アメリカではまだ金融危機のダメージからの回復に当たり、かなり色々な課題が残っております。北京に行ってきましたけれども、中国の経済成長はより持続可能なペースまで緩やかになってきていますが、まだまだかなり高い経済成長です。ヨーロッパの指導者も危機の封じ込めに向けて進展を見せているようです。安住大臣と私は、日本及び世界の経済成長と回復の見通しについて、非常に生産的な議論を行いました。安住大臣の方から復興に向けた取組みの現状、そして野田政権の財政改革と経済成長に関する政策の説明を受けました。我々はこうした日本の取組みを支持します。またヨーロッパの危機についても話し合い、進展を見せる金融安定化及びより持続可能な通貨体制の構築に関するヨーロッパの戦略をどう日米が共同で支えられるかという話をしました。貿易と投資をアジア太平洋地域でどうやって拡大していくかということも話し合いました。アメリカはここアジアにおいて大きな経済的なプレゼンスを持っております。この地域の経済成長というのはアメリカ経済の強さの源であり、11月にオバマ大統領がAPECと東アジアサミットで言ったように、このアジア太平洋地域でのアメリカのプレゼンスを高め、金融と経済の結び付きをより緊密にしていくことを計画しています。また大臣と私は、日米協力のあり方ということでイラン中央銀行を国際金融システムから切り離し、石油収入を減らすといった方法を含め、イランの政府に国際義務遵守をどう働きかけていくかということについて、日米がどう協力できるか、その方策を検討しました。日本は、この最もダイナミックな地域において、安全保障や経済の面で、アメリカにとっての最大の同盟国です。日本は、我々が直面するあらゆるグローバルな経済・金融の重要課題について、非常に重要なプレーヤーです。日本の財務省、そして日本の経済当局とは、とても緊密な協力関係を持っています。この長い伝統を持つパートナーシップと協力を、アメリカとして非常に重視しております。改めて、安住大臣とこうしてご一緒できたことをうれしく思います。いくつか質問に答えたいと思います。
【質疑応答】
米側記者)  安住財務大臣へ質問させていただきます。中国の当局は、日本円がアメリカの圧力の下で80年代に急激な円高があったことが過ちだったということで、中国はそれを繰り返すことはないと述べています。中国は日本から教訓をきちんと学んでいるでしょうか。そして円高について懸念されていることを考えると、中国の人民元ももっと速いペースで増価するべきでしょうか。そのペースは対円対ドルレートでどの程度であるべきでしょうか。
 またガイトナー長官に伺いたいと思います。ヨーロッパの債務危機が世界経済の足を引っ張っています。ドイツは景気が下振れておりますし、ギリシャの状況も想定より悪いです。ギリシャの債務のリストラクチャリングに関し、債権者が60%以上の債務削減を受ける案を支持しますか。それとも、ヨーロッパ、IMFの、ギリシャに対するより大型の救済、あるいはこれらの組み合わせを支持しますか。ヨーロッパ、そのほかの国々の融資のために、IMFの資金基盤強化を大幅に行うべき時期ではないでしょうか。
大臣)  中国については我が国を教訓にしているというお話ですけれども、経済体制が基本的には違いますので、我が国が中国にとって教訓になるとは必ずしも言えないと思います。中国の実体経済を反映した人民元の柔軟化ということを私としても求めていきたいと思っております。実体的な経済がベースにあって、そのことが為替に反映することが一番適切だと思いますので、過度な投機的な動きや変動に対する監視は必要ですけれども、中国の場合は、国際社会の要求に基づいて、より柔軟な為替レートの対応というものをこれからも私はアメリカと一緒に求めていきたいと思っております。
長官)  ヨーロッパの問題ですけれども、我々は思い起こさなければいけません。ヨーロッパは大変厳しい道のりが控えていて、かなりこれから取り組まなければいけない仕事が残されています。しかし、彼らは進展も見せています。より強固な財政協定の成立、金融システムの強化、財政改革、経済成長強化のための改革、これらに向けて進展を見せており、これら全てを達成させることがまさにヨーロッパをより強くすることの必要条件です。しかしそのためには、ヨーロッパがより強力な金融面でのファイアーウォールを構築することによって、ヨーロッパの国々の改革を下支えすることが必要です。このような金融面でのバックストップを強化し、マーケットに対して信頼の置けるものにしていくということが非常に重要です。IMFは大きな役割というのをヨーロッパの多くの国々の戦略について果たしてきました。それがIMFにとっての任務です。そして我々は、より強力なヨーロッパの対応を支援し補完するという文脈において、IMFがより大きな役割を果たすことを完全に支持します。ギリシャの対応に関する個別の質問については、ヨーロッパ当局に委ねたいと思います。
日本側記者)  まずガイトナー長官にお伺いします。イランへの経済制裁で日本とどう協調していくお考えか。イランからの原油の輸入について、日本に対しては全面的に停止を求めるのか、それとも段階的停止なのか。それからイラン中央銀行と取引のある外国の金融機関を制裁対象にする方針ということですけれども、日本の金融機関を除外するお考えはあるのかお答えください。それと日本が昨年、8月と10月に実施した単独での円売り介入についての評価についても併せてお聞かせください。
 次に安住大臣への質問ですけれども、欧州危機への対応やイラン制裁について、米国とどう歩調を合わせることを確認したのか、それから為替について長官にお話しされたことがあるのか、この辺りについて会談での具体的なやりとりについても可能な限りお聞かせください。
長官)  まずイランですけれども、先程申し上げましたしご存知だと思いますけれども、ヨーロッパと日本、世界中の国々と緊密に協力することによってイランに対する圧力というのを大幅に高めています。イランの中央銀行を国際金融システムからどうやって切り離すか、そしてまたイランの石油輸出収入をどうやって削減出来るかについての方策を模索しています。我々はまだ、これらの目標達成に向けた方策に関する、ヨーロッパ、日本、そして世界中の同盟国との協議の初期段階にありますが、我々は非常に緊密に協力をしています。また日本がアメリカと国際社会と共に立ち、この重要な戦略的な目標を支援してくださっていることをとても感謝しています。
 為替レート、為替市場については、コメントはないのですけれども、次のことだけは言えます。アメリカは、より柔軟な為替レートへの移行に関する、G20の新興諸国のより強力なコミットメントについて、日本と重要な利害を共有しています。これが重要なのは、新興国通貨で現在過小評価である通貨が、今後、主要国通貨、つまり、対ドルレート、対円レート、そして対ユーロレートで増価し続けることを我々が望んでいるからです。
大臣)  欧州につきましては、欧州自身がまずファーストステップとしてファイアーウォールを強めていくと。そして、世界に対して、市場に対して安定感を、きちっと安心感を持ってもらうようにすべきであるということの認識で、私と長官で一致いたしました。今後、そのファーストステップをしっかりと踏んだ次の問題として、そのほかの国々の協調体制をどういうふうにしていくかということについてIMFを含めて議論を、貢献のあり方についてですね、議論をするというのは次の段階ではありますけれども、しかしまず今は、当面求められているのはIMFの問題というよりは、欧州自身が自らやはり安心感のあるだけの規模をしっかりと持ってこの危機に対応してもらいたいということでございます。
 イランにつきましては、我が国の原油輸入の10%が今イランからの輸入でございます。私が長官に説明申し上げましたのは、この5年間で40%の輸入量を削減しております。核開発の問題は世界にとって看過出来ない問題でありますから、そうした点ではアメリカの行動について我々は十分理解をしております。この10%ある今のシェアを出来るだけ早い段階で計画的に更に減らしていく、その行動というものを私としては具体的にとっていきたいと思っております。しかし一方で、非原油部分での対応についてはやはり時間が必要なので、そうした点ではそれぞれ、特に日本の国情に合った対応というものを私の方からは長官にお願いを申し上げました。このことについては両国間で十分話し合っていきましょうという理解は得られたと思っております。
 為替の問題については有益な議論が出来ましたし、今長官からのご指摘のことについては私も同じような考えでございます。具体的なことについては、コメントは差し控えさせていただきたいと思っております。
 

(以上)

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