五十嵐財務副大臣記者会見の概要(平成23年11月7日(月曜日))
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 先週末のG20ですけれども、G20自体はギリシャ騒動に翻弄されたり、ギリシャに続いて今度はイタリアも巨額な債務を抱えて、IMFの監視を受け入れることを決めました。これらのヨーロッパの信用不安に対する副大臣の受け止めというのがまず1点と、G20のアクションプランの中で、日本が2010年代半ばまでに消費税率を段階的に10%まで引き上げるというその成案を実行する方針というのが明記されたわけですけれども、今後年末にかけてどのように議論を進めていくのか、この2点をお願いします。 |
| 答) | G20そのものより、その裏で行われていたギリシャの国民投票がどうなるか、イタリアがIMFの四半期毎の監視を受け入れるかということに焦点が集まって、G20はそれを確認するという場になったのかと。もう1つはアクションプランを決定出来たということが成果だと思いますけれども、やはり金融不安が世界同時不況の引き金になるということで、各国政府の財政事情を健全化の方向に持っていくということが大事だという認識が非常に強まったと思っておりまして、我が国も例外ではないと。特にイタリアの累積債務の状況を見れば、数字的には日本の方が悪いという状況でありますから、やはり日本もきちんとした財政運営をしていかなければいけないということを改めて認識いたしました。 そして、アクションプランの中で、日本のかねてからの方針でありますけれども、それが書き込まれたということによって、退路を断って、もう既に決まった路線でありますけれども、改めて具体化を図らなければいけないということになっていくと承知をいたしております。これから年末にかけてこの議論を法案化という形で深めていかなければいけないわけですから、税制改正大綱に盛り込めるような内容を固めていかなければいけないということで、大変タイトな時間の中ですけれども、連日のように議論をして、これを与党とともに決定していくということをしていかなければならないだろうと。12月は、政府全体としても、政府税調としても忙しい時期になるということを覚悟いたしております。 |
| 問) | 来年度の税制改正ですけれども、明日から総会で各項目の議論というのが始まって本格化していくかと思うのですけれども、そのうちの検討項目の1つである車体課税をめぐっては、今日、自動車メーカーの社長が自動車取得税と自動車重量税の廃止を求める記者会見を開いています。車体課税を含めて24年度改正、今後どのように議論を進めていくのかというところをお願いします。 |
| 答) | 明日から本格的な議論が始まるということは確かでございます。その中で自動車業界が車体課税の大幅な軽減を求めているということは承知をいたしておりますし、政府税調としても、多重に重なっている自動車への課税というものについては、国民負担の軽減も図りながら整理をしていく。一方でグリーン化という観点を含めて整理をしていく。車体課税と燃料課税は、特に国と地方との配分を含めて複雑化しておりますので、これを簡素化していくという方向性を出しておりますので、これを議論していかなければいけないと考えておりますが、一方で、これに関連する地球温暖化対策税などの扱いがまだ定まっておりませんので、不確定要素がかなりある、こう思っております。 |
| 問) | TPPに関してなんですが、12日からのAPECを前に、TPPの交渉の参加の是非については今週半ばというのが山場になると思うのですけれども、与野党でもこの賛否というのは二分していますが、副大臣の見解をお願いします。 |
| 答) | 私は、実は、FTAAP・EPAの閣僚会合の下にある副大臣級の幹事会のメンバーで、昨年の11月以降ずっとこの会合に出ておりましたし、かなりの回数を重ねて検討を進めてまいりました。そして、それには政府内にも慎重論と積極論と両論がありましたけれども、国民にこの問題の論点がどこにあるかということを広く知っていただこうということで、いわゆる開国フォーラムというのをやっていこうということで、私がおります埼玉県が最初に選ばれて、私がパネラーとなりまして開国フォーラムの1回目をさいたま市でやりました。そして、その後も引き続いてやりましょうということで、もう2カ所実施したかと思いますが、私はそれには参加しておりませんが、その後も私、参加予定が幾つかありました。 ところが、そこで東日本大震災が起きまして、それどころではないということで一旦中止された形になっていて、このTPPへの交渉参加の問題についても6月に判断をしよう、そういうお約束だったと思いますが、それを延ばさざるを得ないと。また、9月が次の区切りの時期だというのがあったわけですが、それも実は、今TPPの交渉に参加している9カ国の方でも議論が少し延びているということもあって、9月も表明をせずに通過したということで、いよいよこのAPECの機会が大きな山場になってきているということで今に至っているのですが、そういう意味では、私共はずっとこれにかかわってきて、経済を初めとするグローバル化は避けられないんだ、こう思っています。そして、TPPにたとえ最終的に参加せずとも、高いレベルの経済連携ということを進めていく必要があるんだと。日本は貿易立国で来ましたから、そういう意味ではこれを避けて通ることは出来ないということに政府としては傾いておりますが、ただ、交渉参加については色々な見方が当然ながらある。政府内にも慎重な省庁がございます。その時に問題は、2つのことを混同してはいけないと思っておりまして、要するに、ただグローバル化がいけないというのは、これは先ほど申しましたように日本の立場からしてあり得ないのではないかなと思うのですが、いわゆる新自由主義あるいは市場原理主義、別の言葉で言うと一昔前のアメリカ的な経済のあり方、経済理論的に言えばハイエク流と言えるかもしれませんが、そういったものにTPPが染まっていくものなのかどうかということはグローバル化とは別の問題だと私は思っておりまして、それは区別して考えるべきである。つまり、交渉に参加をした上で、アメリカ流のあるいはハイエク流の新自由主義的な考え方は日本の方からはやらない。むしろ秩序立った自由化、経済連携というものを模索していく、そういう立場に立って交渉していくべきだという考え方を私は持っております。 |
| 問) | 今日から財源確保法の審議も始まりましたけれども、復興財源を巡ってはまだ与野党の調整というのが済んでいません。これに対して副大臣のお考えをお願いします。 |
| 答) | とにかく早く決着をしていただきたい。私が地元でも申し上げているのは、将来世代の立場に立って考えていただきたいということです。つまり、赤字国債をたくさんため込んで将来世代に送っていないのであれば、60年かけて建設国債で償還していくということもありだと思いますけれども、さんざん食べ尽くしてしまった、現役世代で浪費を、浪費とは言いませんけれども、使ってしまったものを残しておきながら、一方でこれは将来世代にも裨益するのだから負担を分担しなさいというのは、将来世代から見たら現役世代が身勝手と思われるのではないかという指摘をさせていただきたいと思っています。 もう1つは、ではなぜ10年を基本とするのかということです。今の政府・政権、今の政治家が責任を持てるのはやはりその程度のものではないかと。将来世代まで責任を持たなきゃいけないのですけれども、以前から例えば政府の中長期計画というものが事業別にたくさんあります。ほとんどが8年とか7年とか10年という計画で、中には10年を飛び出すものも若干あったかと思いますけれども、殆どは10年までです。それは10年単位で物を考えていこうという考え方がやはり政治の世界、行政の世界にはあるからであって、ですから、10年というのは根拠がないのではないかというのではなくて、今の政府、今の政治家で責任を持てるのは、やはり1つのメドとして10年ではないかというのが基本としてあるべきだと私は思っております。ただ、それはさまざまな政治的な観点がありますから、絶対にだめだと固執するものではないということは総理も言われているわけですから、私共も三役のもとでの折衝に従うということだと思います。いずれにしても早く決着をしていただかないと、来年度以降の予算編成や税制改正にも影響がございますし、それは国民にとって、例えば越年ということになりますと大変悪影響がございます。それは避けていただきたいというのが最大のことなので、早く決着を見ていただきたい、そう思っております。 |
| 問) | 自動車業界のトップが今日は5人集まって税の見直しについて会見を行いました。これはかなり異例なことだと思うのですけれども、いま一度この会見に対するご意見と、あとは、今のお話を伺っていまして、車体課税の見直しというのは一筋縄ではいかないと思うのですが、来年度の税制改正で結論を出すのか、来年3月、4月には少なくともエコカー減税は切れて業界の中ではかなり危機感が広がっているかと思うのですが、来年度税制で結論を出すのかどうか、その2点をお願いいたします。 |
| 答) | それを含めてこれからまさに政府税調で論議をしていただくことでございますが、私が申し上げているのは、客観情勢として、議論が煮詰まる条件がなかなか難しい面があるということを申し上げました。まず、方向としては、先ほど言ったように整理をしなければいけないという方向ですけれども、減税をするには財源が必要になりますが、その財源がどこにも現れておりません。しかも、その減税規模は大きくなります。従って、代わりの何らかの財源を見つけださなければ難しいという面があります。それから、地方に絡んでまいりますので、根本的な全体像、整理の全体像が出てこないと、この部分だけ取り上げて車体課税を大幅に減じるということは客観的な条件として難しいのではないかということが1つ言えると思います。 それから、グリーン化という点でも、車体課税だけでは不十分なので、燃料課税との関係を考えなければいけない。そうすると、温対税はどうなのかということがやはり大きく絡んできますので、それを考えなければいけないということでございます。そして、それにはエコカー減税も絡んでくるということだと思いますが、もう少しよく情勢を見極めながら審議を尽くしていかなければいけない、こう思っております。 |
| 問) | 復興の償還期間の関係で、60年というのは将来世代に対して無責任であるというようなお話もあったかと思うのですが、自民党の方では30年ぐらいであればというような話を、週末、谷垣総裁がお話しされたかと思うんですけれども、その谷垣さんの30年ぐらいのレベルというところに関しては副大臣いかがお考えでしょうか。 |
| 答) | 将来世代には色々なリスクが考えられます。出来るだけリスクを減らしてバトンタッチをして差し上げるということが私は政治の取るべき道だと思いますので、何年がいいとは申しませんけれども、私の立場としては10年を基本とするという考え方が正しいと思っております。何もほかになければそれはいいのかもしれませんが、世界的な不況の引き金となり得るだけの累積赤字を日本はもう既に残してしまっているということに留意すべきだということだと思います。 |
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