安住財務大臣、白川日本銀行総裁共同記者会見の概要(平成23年10月15日(土曜日))
| 【冒頭発言】 | |
| 安住大臣) | ワシントンでのG20から3週間、パリでもう一回集まりまして、コミュニケを発表することが出来ました。今回のG20は、ご存知のように欧州での資金調達等について一つの区切りがついた中で行われたということで、昨日の基調演説といいますか、最初のところで私のほうからそのことについては日本政府としても歓迎すると申し上げたわけです。この先緊急に23日から欧州の首脳会議もありますので、我々としては欧州の力強い結束と、それに伴ってギリシャの問題等の解決に向けて、具体的な取り組みを更に促したいということを今回のG20では申し上げました。 |
| 白川総裁) | 欧州に関しては、債務問題の解決に取り組むことが、欧州経済はもとより、日本の円高の問題も含めて、世界経済の安定に寄与するということを申し上げ、欧州がしっかりと問題の解決に取り組むことについて要請をしました。 それから、先ほど大臣からもご説明がありましたが、今回のG20では国際商品市況の変動に関するスタディグループの報告が中曽理事から行われました。これは国際商品市況が近年大きく変動する中で、その原因について分析的に明らかにしようということで、日本銀行に対し議長を出して取り組んで欲しいという要請がありました。日本銀行としても、国際金融をめぐる議論に貢献したいという思いで、かなりの人的資源を割いてこのスタディグループに議長として参加した訳ですが、高い評価を受けて、私としても嬉しく感じたところです。 |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 日本としては今回のG20で、日本として主張したのは、主に為替とヨーロッパに対して迅速で具体的な対応を、というその2点が大きいところだったのでしょうか。 |
| 安住大臣) | ヨーロッパに対する私達の考え方というのは、17カ国が最後合意をして、新たな段階に入ったことは歓迎するということで、そこは評価をしております。それからもう一つは先進国の今後の役割の中で、一番最初に財政健全化をやらなければ駄目だということを盛り込むことが出来たということが非常に大きかったのではないかと思っております。私共がアジアの代表として来ているわけでもありますけれども、特にここは新興国の景気の下振れリスク、このことについてもきちっと我々の懸念というものを盛り込むことが出来たのではないかと思っています。つまり、欧州の危機をしっかり止めないと、そのことが結果的には高い成長を誇っている新興国の経済にも波及していくというか伝播していく恐れがあるので、ここは何とか欧州に頑張っていただいて、この危機を止めるべきであるという認識を示したのがそのままコミュニケに盛り込まれたということだと思います。それから、為替のリスクについては、白川総裁の方からしっかりと、これは日本にとって非常に大きなリスクになっているということを申し上げましたが、それがきちっと盛り込まれたというこの3点だと思っております。 |
| 問) | 為替でお伺いしたいのですが、為替について主張が盛り込まれたということですが、これまでのG20の違いというか、各国の受け止めでこれまでと違いがあったどうか伺えますか。 |
| 安住大臣) | 基本的な認識は変わらないかもしれません。しかし、言葉でこれをしっかり盛り込んで、更に「為替レートの過度の変動や無秩序な動きは、経済及び金融の安定に対して悪影響を与えることを再確認する」というところをしっかり入れましたので、この悪影響という言葉はそのまま我が国の主張が受け入れられたものだと思っております。 |
| 問) | 財政再建の部分が盛り込まれたということで、日本も問題を抱えているのですけれども、専門家の中では欧州の問題がある程度落ち着きを取り戻して市場が冷静になった際に、次に日本が狙われるのではないかという意見をおっしゃる方もいます。この欧州の危機を受けて、大臣が教訓として得られたものが何かございましたら教えていただきたいのが一つ、それから総裁に聞きたいのは、流動性を必要に応じて供給するという中央銀行の取り組みは声明の中にも書かれています。おそらくドル資金供給に関する部分が現在進行形であると思いますが、今後さらに中央銀行が採るべきものとして、今回の会合の中で話が出ていれば、可能な範囲で教えてください。 |
| 安住大臣) | 私がというよりも、世界の主要な財務大臣も中央銀行総裁もですね、多分こういう認識だと思うんです。我が国で言えば不良債権問題がありました。これ金融機関といういわば一つの業態というか業種の問題であったと。サブプライムも、そういう意味では一つの、住宅に関係する債権を扱った会社の問題、一企業や一産業が今まで世界の経済の危機を招いたというところがあると思うのですけれども、今回の欧州の問題というのは、日本もそうですけれども国家の債権そのものがリスクになるといういわば究極のリスクといえると思うんですね。そういう中にあって、国が発行する債権が安定してなおかつ信頼が保てなければ、世界の経済秩序にとってとてつもない悪影響を及ぼすということを今回自覚をせざるを得なかったと思っております。翻って今ご指摘の我が国はどうかといえば、確かに国債の消化ということに関していえば、今現在、順調に消化はされております。しかし、累積債務、そして一年間における国債の消化量を考えますと、これ以上やはり財政の悪化を招いた場合、日本とて大変な、国債そのものが、つまり国の信用を失いかねないような状況にあるんだということを私は財務大臣として認識しました。そのことは私に限らずヨーロッパにおいてもやはり同じようなことを皆さん認識をなさったからこそ、このパラグラフの一番最初にこの問題が取り上げられたということだと思います。問題なのは、今後財政再建について、私達の国もそうですけれども、言葉だけではなくて、より具体的にどう行動して実行に移すかということだと思います。なおかつ言えば、そのことと、出来れば大変難しい話ではありますけれども、経済成長というものをどう両立させていくかということが、今世紀前半の世界の大きな課題ではないかと思っております。逆に言えばピンチをチャンスと捉えて日本は先駆的な取り組みをすることで、野田内閣として財政の健全化と同時に成長を新たな分野で図っていくと、この二つを成し遂げなければならないんだと思います。 |
| 白川総裁) | 今回の会議で中央銀行のドル資金供給について具体的な議論があった訳ではありません。ただ、この声明文にも書かれているとおり、流動性の供給を通じて金融システムの安定を図ることは、中央銀行にとって最も大事な課題です。振り返ってみると、この過去1か月の間にも、中央銀行の総裁レベルでの直接顔を合わせての会合が3回ありました。また、様々な実務責任者も含めた電話での密接な意見交換・情報交換は常日頃から行っています。中央銀行は、その時々の情勢の中で最適な方法を追求していくという姿勢で臨んでいますし、流動性面での協力もこうした中央銀行間の非常に迅速かつフレシキブルな体制が最大のメリットだと言えます。こうしたことを活かして、中央銀行としての責任をしっかり果たしていくということです。 |
| (以上) | |
