安住財務大臣閣議後記者会見の概要(平成23年9月30日(金曜日))
| 【冒頭発言】 | |
| 冒頭、円高の関連についてお話があります。8月24日に円高対策緊急パッケージの一環として発表したとおり、主要な金融機関からは、外為法第55条の8に基づき当面9月末までということで為替トレーダーが保有する外国為替持高報告を求めてきたのは皆さんご存じの通りだと思います。しかし、足元で一方的に偏った円高の動きが続いているということも事実ですので、この報告を、9月末を12月末まで継続することといたしました。 | |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 今お話しいただいた円高対策の方ですけれども、先程9月末までの為替トレーダーの持高報告延長という話がありましたが、まず今日時点まででこの報告を受けて、例えばこちらの方から過度な動きがあるとか為替相場に偏った動きがあるのではないかと何か指摘したとか、あるいは問題点を把握したとか、そういうことはあったんでしょうか。 |
| 答) | 過去1カ月間、持高報告を実施してきましたが、国内所在の主要金融機関における取引の実態を把握することにかなり効果がありました。事務方が日々の為替市場のモニタリングを行う上で極めて有益な1つの情報であったと聞いております。中身について詳しくは申し上げませんが、しかし投機的な動きの監視を今後もさせていただくということについては、やはり今後も必要であろうと。極めて重要な時期に差しかかっておりますので、12月までこれは延期をすると私の方で判断いたしました。 |
| 問) | その極めて重要な時期というのは欧州の債務危機を中心に考えていらっしゃるということでいいのでしょうか。お考えをお聞かせください。 |
| 答) | このところの70円台後半という日本の経済の上昇指向に本当に冷や水を浴びせかねないようなレートになっておりますので、ここに投機的な動きがいわばさらに加わっていくような流れになるということは私達としては何としてもこれは防がなければならないと思っております。そうした点では十分な余力をしっかり持って、財政当局として為替に責任を持っている私としては機動的に断固たる措置をとるに十分な対応をするためにこうした措置を事務方に指示したということです。 |
| 問) | 今日締め切りの概算要求のことでお話をお伺いします。過去最大規模に膨れ上がりそうな見通しですけれども、現状把握している金額と、あと財源、復興財源などでも税外収入など様々な財源、苦労されているかと思うのですが、これをどう補って、どう絞り込んでいこうか、現時点での財務大臣のお考えをお聞かせください。 |
| 答) | 規模は報道で、今朝ニュースで見ましたけれども、まだ精査をして正式にご報告するには来週になると思います。皆さんご存じの通り要求段階ですから、それぞれの役所にしてみれば、これもそれもということでありますけれども、中期財政フレームをしっかり守って、国債の発行額を抑える中で、これから知恵と工夫で効果的な予算編成というものをやっていきたいと思っております。概算の正式な数字については来週の半ばぐらいまでにはご報告が出来ると思っておりますが、今の段階で正式な数値についてご報告する段階ではございません。 |
| 問) | 復興財源、復興増税のことですけれども、政府と党で認識の違いが、見解が分かれたところがあるかと思うのですが、その時のプロセスをどのようにお考えか、つまり1日にせよ見解が分かれ、現時点で政調会長と政府の各閣僚の言っていることに食い違いがあるようにも見えるんですけれども、財務大臣としてそれをどのようにご覧になって、財務大臣の認識はどのようなものなのか、この点をお聞かせください。 |
| 答) | 別に食い違っているわけではなくて、説明の仕方が誤解を与えたのかもしれないと思いますけれども、私からもう1回正式に申し上げますと、政府・与党の合意においては税外収入等による財源確保に努め、財源確保額が確定した場合にはそれ以降の時点における復興の財源フレームの見直しの際にその財源額の確保額を織り込むとなっていますよね。ですから10年間トータルでの税外収入は段階を経て7兆円になり、結果としては増税額は9.2兆になるということになります。ただし10年と今私申し上げましたが、これを5年の集中復興期間で歳出削減及び税外収入による財源確保となりますと、やはり5兆円程度であるということになりますので、それを前提に時限的な税制措置を講じるということになりますから、とりあえずスタートの、つまり発車時点では今国会に提出する税制措置の法案の規模というのは11.2兆になります。ですから現実にはやっぱりたばこも、まず最初に3分の1と。これを全額というふうに10年でやっていきましょうということになると思いますので、別にそういう点では説明の仕方が、誤解を招いたかもしれませんけれども、政調会長のおっしゃっていることと私共の言っていることに違いがあるわけではありません。 |
| 問) | 沖縄密約のことについてお話をお伺いします。東京高裁で判決が出て、財務大臣としてまず受け止め、どのようにお考えになっているか聞かせてください。 |
| 答) | 密約の文書訴訟について国側の主張が認められたということでございます。そのこと自体については昨日の時点で私も確認をいたしました。予算委員会もありましたものですから速読をいたしましたが、私が申し上げたいことは、財務省の中で菅元財務大臣、野田前財務大臣も、これは財務省挙げてこの文書の保存、あるのではないかということで必死に探したわけですね。しかし結果的には保存されているということを確認出来なかったと。一生懸命探したということは裁判でも認めていただいております。アメリカの公文書でこれがはっきりしたわけですから、そういう点では、広義の意味で柏木ジューリック文書の中にあるいわば密約というのはあったということは、それはもう事実だと思いますけれども、問われているのは多分、公文書をしっかり保管していくという文化を当時から持ち得なかったということに対しての反省というのはしなければならないのではないかなと思いますので、今後とにかく経年を経てしっかりと国民の皆さんにそうしたものが保管も、また開示もされていくような努力というものをしていきたいと思っております。 |
| 問) | 復興財源の与党合意に位置付けられた税外収入としての郵政株式の売却についてのご見解を改めてお願いします。 |
| 答) | 凍結法案が出ていますから今の時点で見込みというのは難しいというよりも無理なわけですけれども、今、法案が継続案件になっているものが成立すれば、株式の売却、また組織再編等出来るようになります。3分の1の政府保有ということですから、残りの3分の2については売却の準備は整うと思います。その時点で会社が理想的には3社体制になって、収益性がかなり見込まれて優良株になっていれば十分、数兆円の捻出というものは我々としては当て込むことは出来るのかなと思っておりますけれども、もしそうなれば、という希望的観測を私が言うのも何ですが、その時点で十分国の財政状況の今の厳しい中で、これを国民の皆様から逆に言えばお預かりして、有効に復興等も踏まえて使わせていただくというのがいいのではないかと思っています。 |
| 問) | 復興財源のことですけれども、これから与野党協議、色々と難航するような話も出ていますけれども、これについて大臣の見解を伺いたいと思います。 |
| 答) | 相当大変だと思います、やってきた身で分かりますから。ですが、自民党の皆さんも公明党の皆さんも、まず政府・与党でしっかりまとめてこいということでございましたので、大変、藤井先生、また前原政調会長にもご苦労をかけましたけれども、今私が言ったことが正式な我が党の認識でございますので、それに基づいて提案をさせていただいて、あとは自民党、それから公明党の皆さんのお話、ほかの党も含めてと幹事長おっしゃっていましたので聞かせていただいて、合意に至ればそれはそれでいいし、また合意に仮に至らない場合は、1次補正も2次補正も予算の提出時までに完全合意したわけではないんですね。ですから、そういうところのプロセスは今後党と相談しますけれども、出来るだけ速やかに国会に出して成案を得ていきたいと。増税をお願いするというのは本当に大変なことですから、しかしこれは、つらいけれども与党の責任としてお示しをして、決めていかなければならないという大仕事だったと思うんですが、そういう点では民主党、非常に苦労はしましたけれども、色々皆様からもご批判もいただきましたが、こうした透明性の高いところで賛否、何日かに分かれて大議論の中で集約をしてきたということについては、私は1つの成果ではなかったかなと思いますので、これを受けて党間協議をしっかりやっていただければありがたいと思っております。 |
| 問) | 今日、概算要求の締め切りで、今年度の概算要求時点よりかなり上回るようですけれども、政府として概算要求基準を決めた中で、財政が厳しい中でこれだけ上回るというのは基準を決めた意味は何だったのかという気もするのですが、そもそもこの大震災を受けて今までとは違う基準の決め方をするべきではなかったかという声もあると思いますがいかがでしょうか。 |
| 答) | 第3次補正に盛り込めなかった分の震災復興関連を多分各省積み上げてきたのでそうなったのではないかなとは思いますので、そこは総理もまず案を出してくれという指示でしたから、これが膨らむというのは多少やむを得ない部分はあると思います。通常とは全く違う要素がここに存在するわけですから。ただそうはいっても、とにかく出せるものは出せますけれども、出せないものは出せませんから、これから12月にかけて鬼となって頑張りたいと思います。 |
| 問) | 為替のモニタリングに関連して2点お願いします。一定の効果があったというお話でしたけれども、実際に投機的な動きを防ぐためには主要な金融機関のみではなく対象をより広げるとか、より深めるとか、そういったお考えをお持ちでしょうかというのが1点目と、先程重要な時期に差しかかっているというご発言がありましたけれども、それは具体的にはどういったことでしょうか。 |
| 答) | 国内に本店というか、本社を置く邦銀に限らず、国内に所在する金融機関ということを幅として持っているということです。内容については申し上げられませんが出来るだけフォローアップをして、その中で変わった動きがあるかないかということはチェックさせてもらいますということですから、それで酌み取っていただければと思います。もう1つは。 |
| 問) | 重要な時期に差しかかっているという。 |
| 答) | それは昨日ドイツでようやくメルケル首相も大変ご苦労なさいましたけれども、EFSFに対する資金の追加というのが出てきまして、フィンランドもそうであると。随時そういう意味ではギリシャ救済のスキームが固まってきたかなと思うんですよね。G20がパリで開かれるまでの間に市場に安心感を欧州自体が頑張って持ってもらうというか、そういうことが非常に為替の適正化に大きく役立っていくのではないかと思うんです。今はギリシャに対する見方というのは市場の皆さん大変厳しくて、言い方は適切かどうか分かりませんが、本当に底の抜けたバケツのような状態じゃないかという不信感があると思うんですね。そういうことに対してどういう救済スキームを欧州としてしっかり持つかと。それに対して私共なり、日米といいますか、またこれに対して支援体制を組めるのかというのも問われているかもしれませんが、まず一義的にはやはりG20までの間にしっかりとそのスキームを作ることで欧州の金融不安を安定させていくと。そのことをしっかりやらないと世界の金融、また財政状況に非常に不安定な要因を増していくということですから、私が申し上げた重要なというのは、その分岐点に差しかかっているという意識を持っているということでございます。 |
| (以上) | |
