野田財務大臣閣議後記者会見の概要(平成23年7月5日(火曜日))
| 【冒頭発言】 | |
| 今日、閣議の冒頭、松本復興大臣から辞表の提出があったので、この閣議には欠席しているという官房長官のご報告がございました。その後、閣僚懇で総理からご説明がございまして、松本大臣からは一連の発言によりまして被災地の皆様にご迷惑をおかけしたこと、そして国会運営上、内閣にもご迷惑をおかけする可能性があること、そのことが一日も早く急がなければならない復興に支障を来す可能性があるということ等々によって、大変強い思いでの辞任の申し出があったということでございます。それを踏まえて総理が辞表を受理されたというご報告がございました。 財務省関連で幾つかご報告させていただきたいと思います。まずは先程の閣議で、東日本大震災の直近の復旧状況等を踏まえ、当面の復旧対策に万全を期すための平成23年度第2次補正予算1兆9,988億円の概算決定をいたしました。今回の補正予算は、先般の総理のご指示を踏まえまして原子力損害賠償法等関係経費、被災者支援関係経費、東日本大震災復興対策本部運営経費、東日本大震災復旧・復興予備費、地方交付税交付金を計上したものであります。また財源については、追加の国債を発行せず、平成22年度決算剰余金により賄うこととしております。国会提出に向け所要の作業を進めてまいりたいと考えております。 次に、特例公債法案の未成立下の予算執行についてご説明させていただきたいというふうに思います。特例公債法案については、残念ながらいまだ成立しておりません。本年度予算の歳入の4割を確保出来ていない状況が続いております。このため、年度当初より予算の執行に当たっては、震災対応に万全を期す一方、一般会計から特別会計等に繰り入れる時期を延期するなど、きめ細かな執行管理を行ってまいりました。こうした中、今般、一般会計予算の本年度の第1四半期、4月から6月の執行状況及び第2四半期、7月から9月の各省要求ベースの支出見込額が判明いたしました。第1四半期の支出実績は約22.3兆円となりました。第2四半期の支出見込額は各省要求ベースで約24.4兆円となっており、従って9月末の累積の支出額は約46.7兆円となる見込みであります。このうち、特例公債法案の成立如何にかかわらず、見合いの財源の裏付けがある建設公債を財源とする事業等の執行分を除くと約42.2兆円となる見込みであります。 他方、歳入については特例公債法案が成立しない場合、第1次補正予算後予算の総額から特例公債発行額を除く55.7兆円しか確保されません。このうち建設公債発行額7.3兆円を除く48.4兆円が、建設公債を財源としない経費に充てられる財源として見込まれる額となり、これが歳出の許容額と考えられます。 先程申し上げた9月末の支出見込額を前提に、過去の支出実績等を勘案すると、早ければ10月中、遅くとも11月中には、建設公債を財源とする事業等を除く累積の支出額がこの48.4兆円に到達する見込みであります。 国庫を預かる財務省としては、今後もきめ細かな執行管理を継続してまいりますが、仮に今国会の会期末までに特例公債法案が成立しないという事態になった場合には、9月以降、円滑な予算執行を続けていくことは困難となり、政府としては予算執行の抑制という苦渋の決断を迫られることとなります。 そのような事態を避けるため、財務大臣として国会のご理解をいただけるよう背水の陣を敷く思いで全力を尽くしてまいる所存でございます。 | |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 先程ありました閣議決定された2次補正ですが、大臣からちょっと説明いただいたのですけれども、改めまして被災地へのメッセージも含めて、今回の補正の意義と今後の国会提出、国会審議に向けた意気込み等あれば、大臣の思いをお聞かせください。 |
| 答) | 基本的には復旧のための予算は、5月2日に成立した第1次補正がございます。約4兆円規模、これを着実に執行していくということが大事だと思いますが、そこでまだ盛り込め切れなかった部分で急がなければいけないものを今回第2次補正としてまとめさせていただきました。二重ローンの問題等、大変喫緊の課題についての少なくとも3党で合意したものを含む等々の工夫をしながらの内容でございますので、1次に続いて、この2次補正を速やかに成立させていただくことがまさに復旧に万全を期していき、復興の環境整備につながる予算だというふうに思っておりますので、なるべく早く国会に提出をし、一日も早く成立を期していきたいというふうに思います。 |
| 問) | 先程ご報告いただきました松本復興担当相の辞任の件ですけれども、就任からわずか1週間あまりでの退任という形になりましたけれども、改めまして大臣の受け止めと今後の政権運営等に与える影響等お考えがありましたらお願いします。 |
| 答) | 極めて残念です。復興基本法が成立し、それを踏まえてこれからいよいよ本格的な復興をしていこうという中で、復興を実行していくまさに組織のトップでございました。防災担当大臣の時から、本当に一生懸命、被災地の復旧・復興のために汗をかいてきた人でありますので、大変発言は残念だったなと思います。真意が伝わらなかったことはまことに残念に思います。もともと親分肌で、一方でシャイな人で、よく知っている人は知っているのですが、なかなかその思いが被災地には伝わらなかったのかなというふうに思います。早く後任を決めていただかないと、国会の審議、あるいは実務の復興に支障が出てくると思いますので、早く後任を選んでいただければなというふうに思います。 |
| 問) | 先程おっしゃった特例公債法案の関連の執行状況のことですけれども、これは閣議か閣僚懇かで何かご報告されたということでしょうか。 |
| 答) | 特に閣僚懇ではお話はしていません。事実関係が明らかになってきましたので、ご心配をされている国民の皆様も多くいらっしゃると思いますので、状況のご説明をこの会見を通じてさせていただいたということであります。 |
| 問) | 先程背水の陣でというお話もありましたけれども、何度もこの会見の場でも質問させていただいていますけれども、依然として成立のメドが立っていない中で、今回の松本担当大臣の辞任のような野党との関係が相変わらずぎくしゃくとしている中でどうやって理解を得ていこう、どうやって法案の成立を図っていこうとお考えなのか改めてお聞かせください。 |
| 答) | 今申し上げた2次、まさにこれから印刷をし、速やかに国会提出をしようとしています。復興の構想会議から出てきた提言等を踏まえて、今月中に復興に向けての基本方針をまとめながら、復興財源の議論もしながら第3次の準備もしていきます。幾つもの予算を編成してはいるのですが、何よりも今執行中の平成23年度の当初予算の歳入の欠陥を早くなくしていくということがこれまた復興のために大事なことでございますので、その必要性というものをしっかり野党の皆様にご説明をしながら、まさにご協力を求めていかなければいけないというふうに思います。 |
| 問) | 特例公債法の関係ですけれども、実際に予算が底を突いた後、国民への行政サービスというのは具体的にどういう支障が出てくると考えていらっしゃいますでしょうか。 |
| 答) | 今は執行管理で、例えば特別会計の繰入れ等々を先に延ばしている。例えば4−6月の間では4.数兆円やりました。上半期だけでも7.数兆円、そういう形で工夫をしながらやってきておりますけれども、工夫をする限界が出てくるということは執行管理というよりも、むしろ抑制というスタンスにならざるを得なくなっていくということでございますので、特に何を抑制するかというのはまだ決めている話ではありませんが、そうなればどこかの分野から支障が出てくることは間違いありませんので、そうならないようにしなければいけないというふうに思います。 |
| 問) | 2次補正についてですけれども、改めてお伺いしたいのですけれども、当初は復興構想会議の青写真が出て、それから被災地の復興計画が出てから本格的な復興予算にするという計画だったと思います。それが今回この時期に小規模で編成ということになりましたけれども、その意義と意味について改めて教えてください。 |
| 答) | 本格的な復興予算というのは、その財源もしっかりと与野党で合意をしながらご指摘があった通り復興構想会議の提言とか被災地の復興計画を踏まえたものを本格的に作るということでございます。本来はそれを2次と考えていましたけれども、順番で言うと今度はそれが3次補正になるかと思います。本格的な復興予算に入る前に、先程申し上げた通り第1次で相当規模の4兆円で組んでいる復旧ですが、なお足りない部分が出てきている。特に二重ローンの問題であるとか、あるいは被災者生活支援のところもこれまでの従来の100万円、加算分の200万円が入っていなかったとか、そういうところの復旧に万全を期すための第2次補正予算という位置づけでございます。 |
| 問) | 6月頭の菅総理の不信任案提出後に急遽今回2次補正が前倒しされたというふうに記憶しているのですけれども、ある意味それは総理の延命のための編成というような批判が野党からもあるのですが、その点どういうふうにお考えでしょうか。 |
| 答) | これは、二重ローンの問題を急いだ方がいいとか、原発対応が当然出てくるとか、総理の云々というよりも必要な基本的な事業実施のための予算だというふうに思います。 |
| 問) | 松本大臣の辞任の関係ですが、わずか1週間での辞任となりましたが、菅総理の任命責任についていかがお考えですか。 |
| 答) | 防災担当大臣としての実績を踏まえて、その延長線上で頑張ってほしいと。実務もよく分かっているという意味だったので、私は、任命自体は妥当だったと思うのですが、ああいうご発言が出るとは誰も予想しなかったというふうに思います。 |
| 問) | 2次補正の関係で確認ですが、国会提出の日付と成立時期、いつ頃をメドにお考えかをお聞かせください。 |
| 答) | 提出はなるべく早くということでありますが、国対委員長辺りは大体日付をもうおっしゃっていますよね。その線だということでございますが、成立はこれは一日も早く、これは審議によるというふうに思いますが、一日も早い成立をお願いしたいというふうに思います。 |
| 問) | 国会提出は15日というふうにありますが。 |
| 答) | という説はありますね。 |
| 問) | 松本大臣の関連ですが、親分肌でシャイな方で真意が伝わらなかったのではないかと大臣はおっしゃるのですが、発言そのものというのは適切だったのか不適切だったのか、大臣はどのようにお考えでしょうか。 |
| 答) | 復興に向けてものすごくやる気まんまんでした。被災地の皆さんに寄り添いという言葉をおっしゃっていましたけれども、例えば基本法が提出されたり通った時なんかは、まめにそれぞれの自治体の長の皆さんにお電話したりとか、非常にきめ細やかに仕事をされていた人なんです。言葉遣いについては違和感を感じる方がいらっしゃったとは思いますけれども、彼の真意は本当にとことん復興のためにやってやろうと。逆に被災地の皆さんにも言いにくいことも含めて、問題意識を共有しながら一緒に復興していこうという、そういうお気持ちをピュアに持っていた方だと私は思っています。ただしこれは、被災地の皆さんというのは様々な感情がありますので、寄り添うというなら言葉ももうちょっと寄り添う工夫が必要だったのかなと、いうふうに思います。 |
| 問) | 先程の特例公債法、成立しない場合の執行状況ですが、先程の質問でもあったんですけれども、アメリカのようなガバメントシャットダウンというのはなかなか日本では起こりにくいと思うんですけれども、このまま成立しない場合に住民生活、住民にとって本当に困る場面というのも出てくる可能性があるというふうに大臣はお考えなのでしょうか。 |
| 答) | もちろんそうですね。 |
| 問) | 具体的にどういったところで。 |
| 答) | 具体的に言うとブラフみたいに聞こえますから現時点では言えませんが、それは色々出てきます。何を執行抑制するかによって色々な影響が出てきますよね。 |
| 問) | 被災者生活再建支援金についてですが、8対2で国が負担するということが決まりましたが、今後起こり得る大災害についても国が全面的に支援するお考えはありますか。 |
| 答) | 当面の対策は今そういうことです。 |
| 問) | 特例公債法案の絡みですけれども、もし政府短期証券の発行等々でお金が足りなくなるリミットを先延ばしするということは可能なのでしょうか。それともこれが、今お話になったところが最終的なリミットになるのでしょうか。 |
| 答) | 財務省証券は平年度ベースよりも毎月残高が、4兆円ぐらいですかね、数兆円多めになっています。ただ財務省証券というのはその年度内に償還の予定があるというか、財源の予定があるということが前提ですので、当面の穴埋め的には使えますけれども、本質的な解決にはならないです。そこは是非ご理解をいただきたいというふうに思います。 |
| 問) | 特例公債法の見通しで、これは1次補正後の見通しですけれども、2次補正予算が成立した場合もそれほど変わらないということですか。 |
| 答) | 基本的にはそんなに変わらないと思います。 |
| (以上) | |
