五十嵐財務副大臣記者会見の概要(平成23年5月30日(月曜日))
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 本日開かれる政府の社会保障に関する集中検討会議で、与謝野大臣の指示を受けて財務省と内閣府がそれぞれ取りまとめていた消費税に関する幾つかの論点について、それぞれ報告書が上がってくる見通しとなっています。このうち幾つかの論点について、いわゆる消費税の逆進性の問題、また税率引上げがマクロ経済に与える影響についてという問題がありますけれども、改めてということになってしまいますが、この2点について副大臣のお考えを聞かせて下さい。 |
| 答) | 逆進性について言えば、今までも税調の専門家委員会等で言われてきたことをおまとめになったもので、これは税調の専門家の先生方の意見を披露するという形になっていると思います。それで、逆進性について言えば、生涯で見ると必ずしも逆進的だとは言えないということであるということと、それから、色々な方法によってこれを税制というか、いわゆる括弧付きの逆進性ですけれども、逆進性については是正することが出来るので、歳出の面も含めて検討すべきであるということと、一定の税率に達するまではかえって副作用が大きいというようなことがまとめられていると思っていまして、これは何も目新しいことではなくて、これまでも議論されてきたことだというふうに考えております。それから、その逆進性対策の中でも、これはEUでもそうなのですが、いわゆる複数税率については副作用が強くて好ましくないということが言われているということを改めて述べられている。従って、それ以外の手段を幅広く検討した方がいいのではないかというようなことで、私もその専門家の見解は尊重すべきだと思っているところであります。 それから、マクロ経済への影響でございますけれど、ミクロの方は内閣府の方が別途やっているかと思いますが、このマクロ経済への影響についてもこれまで言われてきたことをおまとめになったと思っておりまして、消費税の引上げが必ずしも経済の足を引っ張るとは言えないということだというふうに考えておられるということで、これについてもこれまで言われてきたことと変わりがないと思っています。私自身も予算委員会の中で、橋本内閣当時の消費税率の引上げが景気の腰折れを招いたという評価があることについて、それはそうではなくて、実は社会保険料の引上げを半年遅れでしたけれども、10月から極端に上げてから、それ以降景気が落ち込んだのではないかという認識を予算委員会で述べたことがあり、当時の宮澤大蔵大臣もそのように考えているというような答弁があったことを記憶しておりまして、消費税引上げ即景気への悪影響ということではないという考え方を私自身も持っております。ただ、打撃が全くないかというと、一時的には物価の引上げになりますから、消費が抑えられるということもあると思いますが、これについては配慮をしなければいけない。そこで、専門家の皆さんも一遍に上げるより何段階かで上げるという方法もあるという認識を示されていると思いますが、その中で、ただ1%ずつというのはかえってコストがかかって好ましくないという認識かと思いますが、私も同様だと思います。 |
| 問) | 仮に今後、今回まとめた論点に基づいて消費税率を引き上げることになった場合に、引上げの時期と引上げ幅については国民の関心が最も高い点だと思いますけれども、この点についてはどのようなイメージをお持ちでしょうか。 |
| 答) | これはまだ、これからどれだけ、一体安定的な社会保障システムを作るのに、どれ位財源が必要なのかということを精査し、かつそれが税以外の方法でどれだけ補えるのか。公務員人件費の引下げ等も議論されておりますけれども、人件費の水準の引下げだけではなくて、これは人数の削減ということも関係してまいりますので、それらを見て一体どれ位カバー出来るところがあるのか、あるいはその他のシステムの改革によって歳出がどれだけ構造的に抑えられるのかというのを見た上で、それが出来ない場合にどういう税での考え方があるのかと、まさにこれから検討されるところですので、今の時点で消費税率に限って時期とその幅をあらかじめ想定することは出来ないと、こう思っております。 |
| 問) | これまでの消費税の財源としての位置付けですけれども、社会保障の財源としてこれまで議論されてきたわけですけれども、一方で東日本大震災が発生して復興財源をどうするかという議論も持ち上がってきている中で、この復興財源を増税によって賄う必要が今後出てきた場合に、その増税対象となる税目として消費税も検討してはどうかというような話も浮上しているようですが、この点についてのお考えも聞かせて下さい。 |
| 答) | 私は前から皆さんにもお話をしておりますけれども、東日本大震災による復旧、復興の経費というのは、これは一時的な歳出です、期間はかなり長く歳出される、出ていく、支出されることでしょうし、また、額も相当に上ると思いますが、しかし恒久的なものではない。ですから、恒久財源をいきなり考えるということは、少し乱暴なことだろう。それからもう1つは、消費税というのは全ての人に例外なく、薄く広く分担をしていただくという基本的な仕組みを伴っておりますから、被災者、被災地域にも消費税は影響が及ぶことになりますので、私は消費税をこれに充てることは好ましくないということを、私自身の考えとして表明をしております。従って、ここで消費税を考えるべきではなくて、消費税については、これはあくまでも長い、遠い将来まで見渡した恒久的な制度としての社会保障の構造的な財源として検討すべきものと考えていて、逆に復興財源としてこれを考えることによって、恒久的な対策がやりにくくなるということが好ましくないということでございます。 |
| 問) | 6月2日に集中検討会議の方で社会保障に必要な財源の試算が出るということですけれども、それを受けて政府税調では6月いっぱいにどのような議論をして、どういうところまで結論を出したいとお考えか、現時点での副大臣のお考えをお聞かせ下さい。 |
| 答) | 集中検討会議で、まず試案が作られ出てくるのだと思います。その試案が恐らく原案というものになっていく。その過程で、税の観点から政府税調は検討を加えるということになると思います。ですから、その試案を見てから税調として、それがいきなり肯定すべきものなのか、それともしっかりと注文をつけなければいけないものなのかということ、まずそこから、見るところから始まりますので、何回にわたってやるとか、すぐに結論を出すとかということが出来ない状況ですので、これは見てから検討させていただきたいというふうに思います。 |
| 問) | 民主党の、与党の中にもそもそも増税に対してかなり否定的、また慎重なお考えの方が多いと思うのですけれども、そういった方たちも含めて、つまり政府・与党としてそういう合意した案というのが出来る見通しというのはどの程度お考えなのでしょうか。 |
| 答) | 私は、先送りをすればするほど後世代での負担増が大きくなってくるということを考えておりますので、これは先送りをこれ以上することなく、しっかりとした結論を出していくべきだと、こう考えております。 |
| 問) | 23年度の税制改正法案について、現時点ではまだ見通しが立っていないと思いますけれども、新年度始まって2カ月たって、なお決まっていないという事態について、つまり反対している野党に責任があるのか、出した政府側に責任があるのか、そこら辺どのようにお考えでしょうか。 |
| 答) | 私共は税制改正についてはベストの、長期的な視点に立った税制改正の大きな方向に合致をしたベストの案を作らせていただいた、国会に提出したと考えております。そこで野党の皆様にも出来る限り原案の形で認めていただきたいということを申し上げておりまして、これに対して野党側の皆さんは幾つかのお考えがあると伺っておりますけれども、それは決して絶対に克服不可能なご意見だとは、解決不可能なご意見だとは思っておりませんので、妥協の余地はあると思っておりまして、悲観はいたしておりません。ただ、政局絡みに今なっている部分もございますので、慎重に野党のご意見を伺いながら、どういう解決策があるのか今模索をしているところと承知をいたしております。 |
| 問) | 一体改革の成案について、与謝野大臣が20日までには決めたいということをおっしゃっているのですが、このスケジュール感というのは税調としても共有しているという理解でよろしいのでしょうか。 |
| 答) | なるべく早めにまとめたいというご意向だと思います。今国会の会期中に方向性を出したいというご意向ではないかなと仄聞しておりますけれども、税調としてもそのことは意識をいたしております。 |
| 問) | そうすると、2日に試案か原案か出てきて、それから20日前までにとなるとかなり時間が限られた中での検討になると思うのですが、こういう方向性の大きな議論をする上で時間としては十分なものだとお考えでしょうか。 |
| 答) | 例えば先程のペーパーについても、特に目新しいものではないと申し上げました。もう既に税調としては基本的な方向性をかなり打ち出しておりますので、それと大きく齟齬しない限り、そんなに検討時間が足りないということにはならない。今まで検討してきた原則や考え方に沿って、具体的な案についてコメントをしていく、修正を求めるなら修正を求めていくということになると思いますので、原則がしっかりしていれば、時間が足りなくて中身についてばらばらになってしまうというようなことはなくて、まとまったお答えが出せると考えております。 |
| 問) | そうなると、一体改革と消費税についての議論は6月20日までに一旦終えるとして、復興財源については、先程消費税は違うものだという話でしたけれども、やはり7月以降にそれと切り分けて議論に入るという理解でしょうか、税調としては。 |
| 答) | 復興財源については、復興会議の方針が出されてから税調として検討するということなると思います。7月も税調はお休みがないと思っていただきたいと思います。 |
| 問) | 税制の抜本改革という括りで言うと、社会保障の財源論以外にも国と地方の税源配分をどうするかという、色々抜本的なお話は他にもあろうかと思うのですが、その辺も含めての締め切りというのはどういうふうにお考えなのでしょうか。 |
| 答) | まず案がどのような形で出てくるのかを見ないといけないと思いますが、これが一挙動で全部まとまった案として出てくるのか、それとも何段階かに分けてやるという方向が出てくるのかまだ分かりませんので、それも見てからということになると思いますが、国と地方の問題も深刻に考えないといけない。地方の6団体、そして総務大臣からは、地方における社会保障の役割を当然含めて財源論を考えてほしいということを言われているのは承知しておりますので、それは大きな議論にその中でなると思いますが、すぐに結論が出るのかどうかは、まだやってみないと分からないということだと思います。 |
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