野田財務大臣閣議後記者会見の概要(平成23年3月15日(火曜日))
| (平成23年3月15日(火曜日)) | |
| 【冒頭発言】 | |
| 3点ご報告をさせていただきたいと思います。まずは昨日14日、被災者に対する緊急支援に平成22年度予備費を活用することを、昨日夕方ですが持ち回りで閣議決定いたしました。支援の具体的な内容は、被災者に当面必要な食料品、飲料水、毛布等の防寒用品、医薬品、日用生活品を緊急に調達するものであり、活用される予備費の金額は302億円でございます。救援物資の調達に当たっては、本来であれば災害救助法のスキームがあり、そこでは自治体の自助がベースでございます。しかし、今回は前例のない大規模な地震災害であり、その特徴として地方自治体のその機能が著しく低下している、機能不全に陥っているケースが多々ございます。したがって、災害救助法の枠組みだけで今回の災害に対応することは出来ないと、こういう考えのもとに被災された方々が飢えをしのぎ、暖をとるために国として全面的に被災状況を把握し、地方負担ではなくて直接的に支援するということが大切であり、今回の例外的な状況を踏まえまして財務省としても全面的に協力をしたものであります。今後とも必要な対策については関係省庁とも連携し、予備費や補正予算の活用も含め、必要な対応を行っていきたいと考えます。 2つ目でございますけれども、個人向け国債の中途換金についてでございます。個人向け国債については、中途換金が出来ない期間があります。変動10年、固定3年は発行から1年間、そして固定5年は発行から2年間、中途換金が出来ないのですが、災害救助法の対象となった災害にかかった時は罹災証明書等を提出すれば中途換金が出来ることになっています。ただ、今回の地震では一部の市町村役場が直接被害を受けるなどの状況もありまして、罹災証明書等をもらえないような方についても円滑に中途換金が行えるよう必要書類の軽減措置を講ずることとさせていただきました。これについては、詳細については事務方から説明をさせていただきたいというふうに思います。 続いてですが、指定寄付金の指定についてでございます。今般の大規模地震によって、これは東北地方太平洋沖地震及び長野県北部の地震に関し、寄付金に関する税務上の措置を行うこととさせていただきます。NPO法人や民間ボランティア団体等の被災者救援活動の資金に充てるため、中央共同募金会が募集する寄付金について、指定寄付金として本日付で指定する旨の告示をさせていただきます。指定寄付金として対象となった場合でありますが、個人が寄付した場合は寄付金控除の対象に、法人が寄付した場合は全額損金算入することが出来るようになります。寄付金募集の詳細については、厚生労働省または中央共同募金会のホームページ等をご参照いただきたいと思います。 財務省としましては、引き続き今回の災害に対して出来ることに全力で取り組んでまいりたいと思います。私からは以上です。 | |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 冒頭でご紹介いただきました緊急対応ですが302億円、おおむねの項目とか算定根拠、これはどれぐらい当面の措置としてみなしたものなのか、教えていただけますか。 |
| 答) | これはあくまで当面でございまして、被災地から強くご要望いただいているもの、食料品、衣料品、防寒用品、医薬品等々、そしてその数の割り出しをさせていただいて、対象県が特に自治体機能が著しく低下している地域ということで、岩手、宮城、福島を対象にさせていただいています。そういう形の割り出し方をさせていただいております。 |
| 問) | そうしますと、必要に応じて第2弾というものを検討していく余地があるということですか。 |
| 答) | 必要があれば当然のことながら対応させていただきたいと思います。これは当面ということでございます。 |
| 問) | 予算措置の件ですけれども、23年度予算に関して緊急性の高いものを優先すべきだということで、マニフェスト施策を含めて予算措置の見直しをしていくべきだというふうな話が内外でも出ております。その辺りの大臣のお考えをお聞かせください。 |
| 答) | まず財源論に入る前に、基本的には被災地域の状況をしっかり把握し、まだ余震も続いている、原発の方も依然として進行形でありますので、その進行形の時ですから、まずはどれぐらいお金がこれからかかるのかということを的確に把握することが大事であって、財源論はその後だと思います。財源論からいきなり入って、政策論をやっている場合では今ないと思います。 |
| 問) | 今お話にもありましたが原発ですけれども、福島第一原発と同時に首都圏の方でも計画停電等で色々影響が出ておりますが、これら電力にかかわる経済や生活への影響というのは大臣としてはどうご覧になっていますでしょうか。 |
| 答) | 早く事態が鎮静化をして固定化をするということを、まずは望みたいと思います。当然のことながら電力の受給によって経済活動に支障が出る、あるいは生活に支障が出ることは明らかでありますので、早く事態がおさまることを強く期待したいと思いますし、政府を挙げて今全力で取り組んでいるところでございます。 |
| 問) | 市場関係ですが、株価が半年ぶりに一時9,000円を割れるというふうな事態にもなりました。為替も含めてこの辺りの市場のことをどういうふうにご覧になっているかお伺いします。 |
| 答) | 株については一時的なこういう要因で下がっています。引き続きマーケットの状況を注視していきたいと思います。為替、そして国債金利については比較的落ち着いているのではないかと思います。 |
| 問) | 今、財源論の議論をするべきではないというふうなお話だったと思うのですが、一方で谷垣自民党総裁が3月13日に復興財源で復興税制みたいなものを考えてはどうかとか、特別立法みたいなものを考えてはどうかという話を総理の前でされておられるようですが、既にそういう質問は何度かあったのかもしれませんが、大臣としてはその自民党サイドからのそうした提言についてはどのようにお考えになられていますでしょうか。 |
| 答) | 野党から色々とこれからもご提起をいただき、一緒にこの日本のためにどうするかということをお知恵をいただくことはとても大事なことだと思いますが、先程申し上げた通り今財源云々ではなく、いかに被災状況を把握し、そしてそれに的確にお金を充てていくかということが大事であって、今はその全容の解明と、そして被害がこれ以上増えないように努力することが一義的には一番大事だというふうに思いますし、当面かかるお金については先程予備費302億円のお話をさせていただきました。平成22年度の予備費2,038億円あったわけですから、まだそれを使えます。そして平成23年度予算が成立すれば、これは経済予備費8,100億円、通常の予備費3,500億円ございますので、資金的には当面のものは使えるものはあると思います。あとはきちっと補正、どういう規模のものが必要なのかという議論は次の段階だと思います。 |
| 問) | 事務方で何か増税について検討しているとか、そういうことはないわけですか。 |
| 答) | 検討していません。 |
| 問) | 今の補正予算の件ですけれども、財源論からではないというのはおっしゃる通りだとは思うのですけれども、野党の側から要は減額補正とか子ども手当を見直すことを条件に、例えば特例公債法なども賛成してもいいのではないかという意見も出ているようですけれども、そういう意味で議論の順番というか、より実務的に予算を成立させるために今何が必要なのかということを改めて教えていただきたいのですけれども。 |
| 答) | 政党間の協議には直接携わっていないので、どこまでそういうご意見が強いのかどうか分かりませんのでコメント出来ません。 |
| 問) | 先程マーケットのところで、一時的な要因で下がっていると今日の9,000円割れのことをおっしゃいましたけれども、この一時的なというのは地震の災害そのものというよりも、原発のリスクみたいなことをおっしゃっているのでしょうか。もう少し詳しくあれば。 |
| 答) | もろもろあります。 |
| 問) | 国有財産の情報提供というのはされていると思うのですけれども、現段階では東北とか関東財務局管内というところですけれども、これだけ被害が多いと、もう少し全国的に提供されてもいいのではないかと思うのですが、そこのご対応はどうでしょうか。 |
| 答) | 本日の朝までの集計で、財務省所管未利用国有地622件、合同宿舎72住宅743戸、これが明らかになっていまして、このうち昨日ですが東北財務局管内の宿舎4戸の無償提供が行われました。ご指摘のように、今後さらに広域な対応が必要になると考えられますので、昨日私の方からこれらのリストを官邸対策室にも提供すると同時に、東北・関東・北海道以外の財務局においてもリスト作成を開始することを指示させていただきました。いずれにしても迅速に対応していきたいと思います。 |
| 問) | 大臣は従来から23年度予算についてベストなものを作ったというふうにおっしゃっておられますが、今回の震災で大きな前提が異なってしまったと思うのですが、それでも今なおもベストなものを作ったとお考えでしょうか。それとも、状況の変化に対して柔軟に対応する必要があるとお考えでしょうか。 |
| 答) | 状況の変化に対応するのは補正予算だと思います。 |
| 問) | 株価の9,000円割れですけれども、先程一時的な要因ということでおっしゃられましたけれども、これだけ被害が大きくなってきて色々なところに影響を与えていて、経済に与える影響は心配されているのだと思うのですが、基本的には日本経済の今の力というのは着実に持ち直していっているんだということが続くであろうということのもとに、一時的とおっしゃっているのでしょうか。 |
| 答) | ベースとしては昨年末に一時的には足踏み状態、踊り場状態に陥りましたけれども、今年に入ってから着実に景気は持ち直してきて、緩やかではありますけれども改善に向かってきているという状況が全体だと思います。でも残念ながらこういう自然災害という事態が起こっているということでありますので、それに対してはきちっと政府が対応することによって少なくとも先程予備費の対応も申し上げさせていただきました。激甚対策も速やかに対応いたしました。日銀においても昨日15兆の即日資金供給オペを行い、今日も引き続き行い、流動性の確保に対して万全を期している。資産の買取りについても基金を倍増する等々、政府も日銀も全力を挙げているという状況でございますので、そういうメッセージをしっかりと出していくことが大事だと思います。 |
| 問) | 東京電力の原発の事故、それから計画停電に関して、政府と東電の間で情報的な連携ですとか、あるいは国民に対する説明とか、非常にそこら辺があまりうまくいっていないのかなと見られるのですが、そこについては大臣どのように見られていますでしょうか。 |
| 答) | 政府と東京電力と、これは異例でありますけれども、民間企業とは異例でありますけれども、統合の本部を作るということで対応するということになると思います。もうなったと思います。 |
| 問) | それで上手くまわるでしょうか。 |
| 答) | やるしかないですね。ちぐはぐ感が出ないように、一体的に取り組んでメッセージを出すということが大事だと思います。 |
| 問) | ちぐはぐ感とおっしゃいましたけれども、これまで要するにちぐはぐだったという認識でしょうか。停電の対応に対してかなり批判が出ていますけれども、東電の対応を含めてちぐはぐ感があったということでよろしいでしょうか。 |
| 答) | そういう指摘がありますので、それに対する答えを出さなければいけないということだと思います。 |
| 問) | 大臣はちぐはぐだったと思っていらっしゃいましたか。 |
| 答) | 全力を尽くしたと思います、お互いに。 |
| 問) | 今後の財政運営に関して、現時点での大臣のお考えをお聞きしたいのですけれども、今後この復興の予算というのは当然兆円単位でかかってくると思うのですけれども、その際に財政運営戦略というのをどういうふうに考えるのか、この未曽有の災害を前にいったん棚上げすることになるのか、それともあくまで堅持していくのか、現時点でのお考えをお聞かせください。 |
| 答) | 被害がどれぐらいの規模になり、それに対する予算的な手当がどうなるのか、その財源はどうするのかという順序立った議論の中で判断をしていくことになると思いますが、基本的には財政健全化の道筋をこの国がどうするかというふうにしっかり見ている向きも内外ともにあるし、マーケットもありますので、そのことの意識は忘れてはいけないというふうに思います。 |
| (以上) | |
