野田財務大臣記者会見の概要(平成23年3月12日(土曜日))
| (平成23年3月12日(土曜日)) | |
| 【冒頭発言】 | |
| 今般の東北地方・太平洋沖地震関係で、財務省の対応についてご説明申し上げたいというふうに思います。政府としては、国の総力を挙げて被災をされている皆様の救出と支援に全力を尽くすことになっておりますけれども、財務省としても出先機関を含めて7万人の人員がおります。総力を挙げて、まさに国民の皆様を守るために全力を尽くしていきたいと思います。 まず第一に、大体このような災害対応の場合、地元からの要請があって国が動くという建てつけが多いのですが、現状を見ていると県の知事が市町村の状況を把握できていないということがたくさん見られます。要請を待っていては、なかなか的確な対応、迅速な対応ができないという向きがありますので、政府から直接現地に調査団を派遣して、国とのパイプを作ろうとしています。宮城県においては、すでに防災副大臣が宮城県に行っておりますが、私ども財務省からも副大臣の櫻井さんが現地に明るいということもありまして、防災副大臣のサブとして交通手段を確保した暁には現地に出向くことになります。加えて、手薄なのが福島県と岩手県でございまして、福島県についは吉田泉政務官をヘッドとして、本日の朝20数名のチームが福島県に派遣されました。同様に岩手県については、平野達男副大臣をヘッドに20数名のチームが派遣されたと承知しています。当面、政務三役は私と五十嵐副大臣、尾立政務官という体制で財務省のほうの仕事は担っていきたいと思います。 国有財産の有効活用ということで、被災をされている地方公共団体に土地、建物を提供することができるかどうか、いわゆる未利用国有地、宿舎等の被害状況の点検をさせていただいております。使えるものについては、例えば土地については資材置き場にするとか、あるいは仮設住宅を作るとか、当然のことながら無償貸付でございますが、確認をされたもの、使えるものについては地元の自治体に情報を提供していきたいと思いますし、空いている宿舎についても有効利用できるように情報提供を行っていきたいと思っております。 それから確定申告が3月15日まででございます。期限が迫っております。大体例年、14、15日に多くの皆様が申告されるというのが常でございますけれども、今般の被災の広がりを考えますと、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県の納税者に対して国税に関する申告・納付等の期限の延長をするという措置をとらせていただきたいと思います。今申し上げた対象地域ですが、当然のことながら状況によっては見直しをすることもあります。また、このほかの地域に居住をされている場合でも、申告等が困難な納税者についても、これはしっかりと税務署にご相談いただきながら、個別に申告・納付等の期限の延長もさせていただきたいと考えております。 同様の措置を、関税についても行わせていただきます。青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、先程申し上げたのと同じ地域でございますが、こちらにお住まいの被災者に対しては、関税に関する申請等の期限の延長、そして証明書交付手数料の軽減などの措置をとらせていただきたいと思います。 今の国税、関税ですが、いつまで期限延長なのかということですが、これはまだ期限を定めていません。被災の状況などを勘案しながら、別途期日については詰めていきたいと思います。 次に、税制上の対応策でございますけれども、税制においても可及的速やかに緊急対応策を検討し、所要の措置を講じなければいけないと思っています。まずは住宅家財等の損失に係る雑損控除及び災害減免法による減免を、平成22年分所得で適用できるようにするということ、そして事業用資産の損失について平成22年分の事業所得の計算上、必要経費に算入することが可能とするようにすること。すでに申告納付を済ませた場合についても、適切に対応していきたいというふうに思います。 それから政策金融面での対応でありますけれども、昨日、日本政策金融公庫、日本政策投資銀行、商工組合中央金庫において相談窓口を設置させていただきました。基本的には、土曜、日曜も電話で応対ができるように措置をさせていただいております。そして、今申し上げた日本政策金融公庫、日本政策投資銀行、商工組合中央金庫を通じた今般の地震の被害にかかわるものについても危機対応融資の対象へ追加させていただきたいと思います。これは3月14日から実施予定ということでございます。 さらに、国の地震再保険特会において民間損保より請求があれば、概算払い制度を用いて迅速に対応するということも措置として行いたいと思います。私からは以上です。 | |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 国税、関税に対する措置ですけれども、具体的な地域、延長の見直し方はどのようにされていくのでしょうか。 |
| 答) | 今は報道等を含めて、あるいは政府の中で色々とモニタリングしておりますけれども、被災状況が大変厳しい、大きいと思われる地域をまず選ばせていただいています。それが、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県ということでございますが、状況によって、また余震も続いたり色々しておりますので、その地域の見直し、追加ということはあり得る。申し上げたように期限についてはまだ定めていません。とりあえず延ばすということでございますが、この被災の状況がどういう状況になるかということを勘案しながらそこは判断していきたいと思います。 |
| 問) | 近日中に官報で告示されるということですが、目途としては。 |
| 答) | ホームページにはアップします。 |
| 事務方) | 本日中にホームページにアップしまして、来週中には官報に公示したいと思います。その場合には遡及します。 |
| 問) | 税制についても支援措置をとられるということですが、概算で支援額として今のところどのような数字をお持ちでしょうか。 |
| 答) | まだ概算はできるような状況にないと思います。 |
| 問) | 昨日、財政面の制約で災害対策に滞りがあってはいけないというふうな考えをおっしゃられました。色々と措置としては、予備費の活用や補正予算の編成等あると思いますが、その当たり現在の大臣のお考えをお聞かせください。 |
| 答) | 基本的には、財政が制約になって被災をされている皆さんがご苦労されるとか、人命の救出が遅れるとか、生活に困難をきたすということがないようにしていきたいと思います。 |
| 問) | 今、救出活動が続いている最中ですが、実際に足下で対応できる財源としてはどのような数字を大臣としては頭の中に入れられているでしょうか。 |
| 答) | まずは、特に今日はまさに人命救助が最優先だと思います。この1日が大事だと思います。明日も大事ですが、その後に、いわゆる生活支援的なものを含めて、あるいは災害復旧的なものも含めてどれぐらいの被害が出ているかを掌握した後に具体的には検討していかなければなりませんけれども、現実的にはすぐ活用できるとすると予備費だというふうに思います。 |
| 問) | 対象地域ですけれども、ここに東北5県ありますが、午前4時に地震のありました長野県であるとか新潟県であるとかそちらにも結構被害が出ているようですけれども、そこはどのように扱いをされる予定ですか。 |
| 答) | ちょっとまだ被災の状況とか全容を把握しながらの判断で、先程申し上げたのはもうすでにかなり大きな被害が出ているという地域を選びました。今後の余震であるとか、余震と言えるのかどうか分かりませんが上越の方でも地震が出てきましたので、そういう被災状況を見ながらの判断で随時行っていくということになります。 |
| 問) | 追加で対象になるという可能性はあるということでしょうか。 |
| 答) | 被災状況を見ながらの判断です。 |
| 問) | 先程ご説明のあった国有財産の、例えばスペースの活用であるとか、空いている物件というか部屋というのは、当該地域で実際現状どのくらいのものを持っていらっしゃるのか、最大どれくらい活用可能なのかという数字はありますか。 |
| 答) | 昨日までは、私どもの出先のところの業務執行体制ができるかどうかというチェック、私どものところで例えば水没した地域があるとか、そういう確認をしました。今日は、いわゆる国有財産のチェックが始まっています。始まって確認できたものから、随時地元の自治体に周知をしていく情報提供していくという現状でございまして、今事業がスタートしているところです。 |
| 事務方) | 東北財務局については、去年の12月の時点ですでに現場で情報提供しています。現在、北海道209件、東北財務局が青森の数字は分かりませんが、青森を除いて130件、それから千葉財務事務所が76件、合計今時点で415件の未利用国有地があります。これについてはすでに現場で情報提供しているということでございます。 |
| 問) | それは最終の数字ではなく、まだ増える可能性があるということですか。 |
| 答) | はい。あくまで未利用の国有地で今申し上げた地域の数字だけでございまして、他の地域でございますとか、これから公務員宿舎などもチェックしてまいりますので、数字は増えていくと思います。 |
| 問) | これまでの被害状況を見ると、予備費では足りないという事態も十分想定できるかと思うのですが、その場合補正予算のスケジュールとしては最短でどのくらい見込んでいらっしゃるかを教えてください。 |
| 答) | 少なくともすぐに例えば計算をするという場合に、実際に救援をしたりしている実務をやっている皆さんが、予算編成の実務に入らなければなりません。それを考えると、年度内に作るということは困難ではないかと思います。少なくともそれは無理だろうと思います、もう3月の半ば近くになっているわけですから。 |
| 問) | 申告納付等の延長の件ですけれども、法律で申告納付等の延長の件は確か2ヶ月と決まっていると思うのですが、今回の被害のケースを考えるとそれでは短いのではないかということも予想されますが、その場合の対応はどうされるのでしょうか。 |
| 事務方) | 法律上、災害の止んだ日から2ヶ月以内ということで、具体的な日を告示で示すということになっていますが、現在分かりませんので、別途告示をする日までということにすることによりまして、被害状況を見ながら今後の対応をしていきたいということでございます。 |
| 問) | 税制の方ですけれども、雑損控除などの特例の対象も同じ5県なのでしょうか、対象になる方は。災害減免法の適用を受ける方というのはどの地域の方なのでしょうか。 |
| 事務方) | 阪神淡路大震災の際の例になりますけれども、そのときには阪神淡路大震災によって被害を受けた者等が対象となっているわけです。ですから地域という形で制度はそのときは作られておりません。 |
| 問) | すでにある災害減免法ではなくて、今回の地震の特例法を作るという意味なのでしょうか。 |
| 事務方) | すでにある災害減免法ですと、平成23年に生じた災害による損失でございますから、23年の申告でもって対応することになるのですが、現在申告期間中ということもございますので、納税者の選択に拠りますけれども、22年分で処理することもできるということが、ひとつ考えられるかなと思います。阪神淡路大震災の際の対応に倣えばそうなるということです。 |
| 問) | 政策投資銀行などは現地に支店とかがあると思うのですが、その窓口対応というのはどうなっているのでしょうか。 |
| 事務方) | 政策投資銀行は東北地方に仙台支店だけございまして、これは今普通に業務が出来る状態になっていますので、月曜日から通常業務が展開できるということでございます。他方、国民公庫のように非常に支店数が多いところ、ここは今まさに被害状況を確認するという時点でございまして、ただかなりの店舗で月曜日には普通に営業できるのではないかと。ただ停電がございまして、停電が復旧することが条件となってくるということはございます。 |
| 問) | 民間の地方の銀行などは今日も窓口を開けたりしているところもありますが、基本的には月曜からの対応ということでよろしいですか。 |
| 事務方) | 相談窓口というのは開けておりまして、電話において色々とご相談にのるということは、この土日もやっております。 |
| 問) | 地震再保険特会ですが、去年の事業仕分けでも1.2兆円積立金があって、それでは足りないのではないかという議論があったのですが、今回の災害で積立金でカバーできそうな額になりそうなのか、あるいは足りなければどういったところから財源をとるのか見通しがあれば教えてください。 |
| 事務方) | この災害がどれほどの保険金支払いになるかということは、まず損保業界で現地対策本部をつくって現地の損害査定の体制を整えております。それから損害保険料率算出機構という団体がありまして、そこでシミュレーションのモデルを持っておりまして、震源モデルからマクロ的に大体これくらいの損害保険金支払いが保有契約件数等からシュミレーションします。両方のアプローチで、マクロのシミュレーションのアプローチとミクロの現地の損害査定のアプローチ、両方でこれから数字を見込んでいくことになります。したがいまして、現時点においてはまだ何とも見通せないわけですけれども、特会には1.2兆円の積立金がありますし、また民間の負担分もありますので、相当の規模の地震には対応できるということであります。また、積立金で足りない部分につきましては特会で借入れ、あるいは一般会計からの繰入等で迅速に対応できることになります。 |
| 問) | 野党が今回の地震を受けまして、政府に全面的に協力するというふうな話を各党党首がおっしゃっていますがそれに対する感想と、そこまで野党が協力姿勢を示しているわけですから、政府として新年度の予算、その後補正なども考えられると思いますが、どういうスケジュールでどういうふうにやればいいと考えていらっしゃるでしょうか。 |
| 答) | そういう協力の姿勢を前面に出していただいたということは、大変ありがたいことだと思います。政府だけの取組みではなくて、国を挙げての取組みということは野党の皆さんにもお力添えをいただいて、お知恵をいただきながら対応していくことだと思います。本当にありがたい申し出だと思います。今後の段取りの話は、今日も与野党の党首会談、あるいは幹事長レベルの色々な協議があると思いますので、そういう対応をまずは見守っていきたいというふうに思います。 |
| 問) | 週明けから金融のマーケットが開いていくと思います。為替であれ債券であれ株式のマーケットが開いていくと思いますが、その市場の安定に向けてどういった対応をとっていかれるのか、もしくはどういったメッセージを発せられるのか教えてください。 |
| 答) | やはりマーケットの状況、この災害をどのように受け止めるかも含めて、よく注視をしていかなければいけないと思います。 |
| 問) | 状況は刻々と変わっておりますが、今後財務省としての対策本部など、現時点で分かっている今日明日のスケジュール等を教えてください。 |
| 答) | 今日、もう1回官邸で場合によっては会議があるかもしれません。それを踏まえて、必要に応じてまた財務省の中で伝達しなければいけないこともありますし、先程申し上げたようなことも含めて省を挙げて何ができるのか様々な取組みを今やっております。そういう意味では、今日も明日も緊張感を持った対応をしていきたいと思います。 |
| (以上) | |
