野田財務大臣閣議後記者会見の概要(1月21日(金曜日))
| 野田財務大臣閣議後記者会見の概要 | |
| (平成23年1月21日(金曜日)) | |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 今日は閣議の前に政府・与党の社会保障改革検討本部が改造後初めてということで、そこで改めて総理からどういうご指示が財務大臣にあったかということと、それについてどのように対応されるかについてまずお伺いいたします。 |
| 答) | 関係大臣に直接口頭で指示という形ではなくて、文書として総理指示というペーパーが置かれてございました。私に関するところは、財務大臣には次のことをお願いしたいということで、与党の検討と歩調を合わせながら政府税調での検討を開始すること、この1点です。 |
| 問) | 税調については今、社会保障の方を先行させて改革案をまとめてという形のことをどの閣僚もおっしゃられている中で、税調を先に動かし始めるとなかなか負担という話になってしまうのではないかということを懸念する人もいますが、具体的なスケジュールについて大臣の頭の中に何かありますか。 |
| 答) | 基本はやはり社会保障の安定強化のための制度改革案と、それを支えるためのいわゆる消費税も含めた税制の抜本改革ということですので、前提はやはり年金をどうする、介護をどうする、それから保険と税はどうするというような全体像が出てきてから政府税調だと思っていますので、それをなくして政府税調から先に走るということはあり得ません。社会保障のあり方から議論するのが順番だと思います。 |
| 問) | そうすると社会保障は4月頃までにというふうに厚生労働大臣には指示があったかと思いますが、税調は本格化するにしてもその辺りからというご認識ですか。 |
| 答) | 本格化はそうでしょう。ただ、税調自体はそうでしょうけれども、例えば財審の皆さんとかも含めて専門家の色々なご意見は色々な機会にちょうだいをするということはやっていきたいとは思います。勉強は色々なレベルでしておきたいというふうに思います。 |
| 問) | 今日の検討本部では集中検討会議というのを設置しようということが決まったと思いますが、この会議の果たす役割というか機能というか、どういった有識者の方を加えるかも含めて大臣はどんなイメージをお持ちでしょうか。 |
| 答) | 現時点では議長が総理で、議長補佐が与謝野大臣、あとは主要閣僚と有識者という構成までしか今日は聞いていません。どういう有識者が入るのか、どれぐらいの規模でやるのか含めてはこれからのことだと思います。 |
| 問) | 例えば昔タウンミーティングとかありましたが、東京だけではなくて全国を回るとか色々なイメージがあると思いますが、どういうふうに活用していったらいいのかという点について大臣、何かお考えですか。 |
| 答) | 例えば国会の中でも、中央公聴会とか地方公聴会とかといって国民の声をお聞きしながら意見集約をしていくという試みをしますので、同じように社会保障についてもそれを支える税財政のあり方についても、これは国民の関心事だと思います。色々な機会に出来るだけ多くの皆さんのご議論を受けていく、ということが大事ではないかと思います。 |
| 問) | 自民党などは来週の通常国会冒頭から対決姿勢を強めている中で与野党協議についてなかなか道筋が見えないのですが、一部では自民党が出している今の財政健全化法案、これについて審議入りとか本格的な審議に入るとか、もっとうまくいけば成立も目指して動くべきではないかという考え方は政府・与党内にもあるかと思いますが、それについて大臣いかがお考えでしょうか。 |
| 答) | 基本的には与野党の協議の窓口は幹事長なり、あるいは政調会長がやられることなので、また法案に対する対応はこれまた国対マターなので、私がどうのとはいえませんが、あらゆる機会に出来るだけ協議をするということをお伝えしながらご理解を求めていくということは、いつから始めるのではなくて常に心がけた方がいいのではないかとは思います。 |
| 問) | そういう意味では、この法案もそれに資するものの1つではないかという認識はお持ちですか。 |
| 答) | それは去年色々な機会でご質問いただきました。総理も含めてでありますが、中身を見ると財政健全化の道筋をしっかりと決めていこうであるとか、かなり一致出来るものもあると思います。もちろんちょっと少し違うものもありますけれども、中身としては私は真摯に受け止めて議論出来る内容ではないかというふうには思います。 |
| 問) | 今日の閣議で例の基礎的財政収支の試算、試みの計算が報告されました。去年6月時点に比べてさらに1兆5,000億ぐらい赤字幅が拡大している。これについてのご認識と、そこを改善するためにまさに税と社会保障の一体改革ということですが、これを踏まえた上でどう改革に臨まなければいけないかという点について今一度ご見解をお願いします。 |
| 答) | 財政運営戦略としてそれぞれ2015年、2020年という目標を持っております。その中で今回のご報告を受けた数字を見ると、より一層の収支改善をしなければいけないということが改めて分かったと思いますし、それを踏まえて中期財政フレームの見直しがちょうど今年の半ばになります。税と社会保障の一体的な議論とも重なってくるとは思いますけれども、財政健全化に向けてより一層の収支改善、それは歳出改革もあり、歳入改革もありということで改めてそれをインプット出来たというふうに思います。 |
| 問) | 改めてやっぱり非常に厳しい数字だというふうに受け止められましたか。 |
| 答) | 去年6月に比べての状況変化の中での対応で、ある程度予測は出来た数字だとは思います。 |
| 問) | 今日の一体改革の総理指示の中に、国民的な合意を得た上で実現を図るとありますけれども、大臣がお考えになる国民的合意というのはどういうものなのか、まずお聞かせいただけますか。 |
| 答) | 国民的な合意というのは、やはり社会保障のあり方に将来に対して不安を持っていらっしゃる方が多くいらっしゃると思います。これは間違いのない事実だと思います。その不安を払拭出来るような制度改革のプランを国民の声もしっかり踏まえながら作っていくということ、それは当然のことながらタダで出来る話ではないので、どういう形で負担をしていただくのか、保険料はどういう形にするのか、税金はどういうものをどういう形で充てるのか、そういうコンセンサスを丁寧に得ていくということが大事だということだと思います。 |
| 問) | その際に社会保障自体の歳出の見直しとか、全体の歳出の見直しみたいなものと合わせないと、なかなか消費増税分が自分のところに戻ってくるという確信みたいなものが得られないのではないかなという気もするのですけれども、そこら辺はセットで見せる必要はないのでしょうか。要は歳入の部分、社会保障の部分だけではなくて、野党などがばらまき予算と指摘している中で全体の財政をどうするのかいうのと一緒になって見せる必要はないのかどうかという点ですが。 |
| 答) | ばらまき云々ということに対して無駄遣いをなくしていく努力は、これは別に社会保障と税の一体議論とは別に常にやっておくべきだと思います。常に、これからも不断の努力をする。併せて、でも今回はあくまで社会保障のいわゆる安定強化のためにどういう形で財政的に裏付けをとっていくのかということがメインだと思います。もちろん当然のことながら、それは財政の健全化ということも頭に入れながらの一緒の対応にはなりますけれども、無駄遣いとかばらまきへの対応というのは、常にこの社会保障だけではなくてやらなければいけないテーマだというふうに思います。 |
| 問) | 税制の抜本改革という時、特に過去に消費税を入れた時や、あるいは税率を引き上げた時というのは基本的に所得税などの減税とセットでの改革をしていますけれども、今回の抜本改革をやるに当たってほかの減税とセットにするというお考えは今のところ大臣におありでしょうか。 |
| 答) | 税制の抜本改革を政府税調でいざ議論する時というのは、当然のことながら消費課税だけではなくて、資産、法人、所得それぞれのあり方をしっかり議論しながら整合性のある全体像を作るということだと思います。 |
| 問) | ただ、先程もおっしゃったように一層の収支改善が必要という中で、ほかの減税とセットにするというのは現実的には難しいのかなというふうに思いますけれども。 |
| 答) | それは税調でしっかり議論します。 |
| 問) | 先程の中長期試算についての直近の24年度と25年度の中期フレームの間の議論ですが、試算を見てみますと歳出と税収との差額が44.3兆円から46.7兆円などに広がっていて、早くも24年度予算でもかなり44.3兆円を守るのが厳しいというような数字が出ております。先程大臣の方からも中期フレームの見直しというお話がありましたけれども、この辺やはり中期フレームを見直す上でも、かなり予算編成のあり方を見直していく必要があるのではないかと思うのですが、大臣のご認識をお聞かせ願えますでしょうか。 |
| 答) | いずれにしても財政運営戦略自体は国際公約でもあるわけでありますので、しっかりと、単年度の予算編成をその都度するということは年間の色々な事情はありますが、その戦略からはみ出ないようにするためにはあらゆる努力をしなければいけないと思います。 |
| 問) | 税調に関する質問も先程ありましたけれども、消費税を議論する上で地方消費税を今後どうしていくのかというのも非常に重要な観点かと思うんですが、社会保障目的税に関連させた時に地方消費税というのもかなりの争点になるのではないかと思うのですが、その辺の税調会長としてのご認識をお聞かせください。 |
| 答) | まずは社会保障のあり方から順番だと思います。いきなり国と地方の話に行くと議論が混乱するのではないでしょうか。社会保障を支える意味で地方が何をやるかということも含めて、社会保障のあり方から入るべきだと思います。 |
| 問) | 先程の中長期試算に関してですけれども、大臣がおっしゃるようにプライマリーバランスの黒字化というのが国際公約になっている中で、成長戦略を達成したとしてもまだ黒字化が達成出来ない、赤字がかなり残ってしまうという試算になっていると思うのですけれども、黒字化への道筋を示していないということについてはどういうふうにお考えですか。 |
| 答) | だからローリングしながら毎年毎年中期財政フレームを見直して、2015年にはちゃんと半分にするとか、2020年に黒字化すると、単年度ごとにこうやって見直しをするということの意義はそういうことだと思っています。 |
| 問) | 税と社会保障の議論にも絡んで、社会保障の財源確保と財政健全化を同時達成するということを政府は言っているわけですけれども、そうすると財政健全化の道筋も今年6月に決める改革案で示すということになるのでしょうか。 |
| 答) | 社会保障と税財政の一体議論は当然やります。その議論を踏まえて、踏まえた上で、ではどういう形で中期財政フレームを整合的にとれるかということになると思います。時期はほとんど同時でしょうけれども、にらみながらで、社会保障と税財政の一体議論の中の同じ1つの文章に、例えば中期財政フレームが出てくるという形ではないということだと思います。 |
| 問) | B型肝炎の件ですが、30年間で約3.2兆円でしたか、今後5年間で1兆数千億円というぐらいではないかと言われておりますけれども、この財源のメドというか、どういうふうに捻出しようと今のところ財務省として考えていらっしゃるのでしょうか。 |
| 答) | 現時点でどうしようというのはまだありません。最終的に和解協議成立に向けて我々はとにかく誠実に対応していく、前向きに対応していくということまで決めました。最大だとおっしゃったように向こう30年間で3.2兆円、5年間で多分1兆を少し超えるぐらいだと思います。なかなか大きな救済フレームになると思います。そのフレームがしっかりまとまった中で財源確保策も含めて、これは与党のみならず野党の皆さんにもこういう現実をお伝えしながら、あるいは国民的な合意が得られるような形でどうやって軟着陸が出来るかということを含めて、その際に財源も併せて検討していくことだと思います。現時点でどうするこうするとまでは考えていません。 |
| 問) | その時にもちろん増税とかというのは選択肢の中に入るのでしょうか。 |
| 答) | 前もこれで随分参議院の予算委員会で厳しくやりましたけれども、いずれにしても兆単位のいわゆる救済フレームになるわけです。そうするとどっちにしても税金か国債かしかないわけで、その中でどういう判断をするかだと思います。 |
| 問) | 子ども手当で、今週に入ってから川崎市と横浜市が、来年度からの地方負担分を拒否する方針を相次いで表明しているのですけれども、このことに関してはどのようにお考えでしょうか。 |
| 答) | それは地方のご判断ですが、そういうことが広がらないように極力していくことが大事だと思います。 |
| 問) | 国としては制度設計の変更等を考えることは現時点ではありますか。 |
| 答) | 現時点の既定の方針で進めていきたいと思います。 |
| 問) | 今日の中長期の試算を受けて、これから財政運営戦略なり公約を修正するという可能性、修正する必要性についてどうお考えでしょうか。 |
| 答) | 財政運営戦略自体は変わりません。変わらないです。先程言ったように財政運営戦略で定めている2015年とか2020年の目標に向けて中期財政フレームの見直しは毎年、年の半ばにやっていくということです。運営戦略自体は変わらないということです。公約の見直しについては党のお話なので、マニフェストについては党の政調でのご判断になると思います。 |
| 問) | 中期フレームを見直す、収支改善に向けて見直すということは、やはりより一層歳出を削減しなければいけない、つまりフレームを、71兆というのはもっと下げなければいけないという方向で考えていかなければならない、というご認識だということでよろしいでしょうか。 |
| 答) | 現時点では歳出の大枠71兆以内に、それから財政縮減の原則のもとに更にという感覚です。だから歳出と歳入を両方一体に見ながら、どういう形で年央に見直すかということだと思います。 |
| 問) | 歳入の方で言いますと、今の社会保障と税の議論ですと社会保障を支えるための財源という形の議論が進んでいますけれども、財政再建を進めていくための、健全化を進めていくための税制のあり方ということの議論というのはどのように進めるべきだとお考えでしょうか。 |
| 答) | 社会保障と一体となった議論と、一方で政府税調としてあらゆる、先程言ったような消費だけではなくて、資産、法人、所得、色々な課税についてのあり方論はこれからもずっと議論していくということです。 |
| (以上) | |
