7月27日 野田財務大臣臨時閣議後記者会見の概要
野田財務大臣臨時閣議後記者会見の概要 | |
(平成22年7月27日(火曜日)) | |
| 【冒頭発言】 | |
| 23年度予算の概算要求組替え基準について総理の指示を受けまして、仙谷官房長官、玄葉大臣、そして私の3大臣が中心となって調整を行ってきたところでありますが、党からの提言や閣僚懇の場などにおける検討を受けて、本日取りまとめに至り閣議の決定を先程いただいたところでございます。組替え基準については、ちょうど今官房長官の記者会見も行われていると承知していますが、新成長戦略の目標とする経済成長や、国民生活の質の向上を実現するため、歳出の大枠71兆円の範囲内で新たな政策効果の高い政策に重点配分する元気な日本復活特別枠を設け、その財源確保のため無駄遣いの根絶の徹底や、不要不急な事務事業の大胆な見直しを行うことを基本的な考え方として取りまとめられています。歳出の大枠約71兆円には年金、医療等や地方交付税も含まれています。具体的な内容はお手元にお配りをしている閣議決定文の通りでありますが、年金、医療等については自然増を加算して要求することとしつつ、出来る限り合理化、効率化に努めることとしています。地方交付税等については中期財政フレームと整合性に留意しつつ要求することとしています。その他の経費については、1.デフレ脱却を含めた経済成長の実現、国民生活の安定・安全、新しい公共の推進など元気な日本を復活させるための施策に予算の重点配分を行う仕組みとして元気な日本復活特別枠を設定する。2.この特別枠を活用して府省を超えて重点的・戦略的に予算を組替えるための土台作りとして人件費や義務的経費も含め幅広い経費を対象に90%の割合で要求枠を絞り込む。3.この90%要求に加え、前年度当初予算との差額の10%分は要望を行えるようにする。4.さらに自発的削減に取り組んだ場合には3倍要望も行うことが出来るようにして、前年度当初予算額以上の要求要望を行えるようにするといった仕組みとしています。 マニフェストや中期財政フレームにおいて23年度の新規国債発行額は、22年度の水準、約44兆円を上回らないよう全力を上げることとされており、これはその第一歩でもあります。8月末の概算要求提出期限に向けて抜本的な予算の組み替えを実現するため、政府一丸となって取り組んでまいりたいと思います。 | |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 従来の自民党政権のもとでのいわゆるシーリングと比べて、今回の概算要求組替え基準の最大の違いという点はどこなのか、ポイントを教えてください。 |
| 答) | 前もお話し申し上げたと思いますが、シーリングといういわゆるカサは、既に中期財政フレームで歳出の枠71兆円と決まっています。その中で今回作ったルールというのは、その中での組替えの基準というのが基本的な考え方であります。この組替えを実施していくに当たっては、先程の9割要求のお話もさせていただきました通り、まずは各大臣、各閣僚がご自身のご判断でしっかり優先順位をつけて、メリハリのきいた予算の要求をするということと、加えて特別枠を先程ご説明しましたけれども、府省横断的な大胆な組替えをするという、そういう特別枠という仕掛けを設けているということは今までにない特徴的なところだというふうに思っていますし、加えてこの特別枠が、後で色々ご質問があるかもしれませんけれども、恐らくこういう枠では一番近いのは平成21年度の重点課題推進枠だったですか、福田政権の3,300億ですが、それに比べるとやはり桁も違うというふうに思っております。大胆な組替えを是非していきたいと思います。 |
| 問) | 各省1割の削減の部分についてですが、人件費の比率の高い省庁などからはそれをかなり困難視するような声も出ております。こういった省庁ごとの特性、事情などはどのような形で勘案されるのか、その点を教えてください。 |
| 答) | だから全て一律で1割削減ではなくて、まだ誤解されている節もあるのですけれども、71兆の中で地方交付税、それから年金・医療等、これらは外しています。それからマニフェスト事項の中で高校の実質無償化、農家の戸別所得補償、高速道路の無料化、これも9割要求ではありません。今言った3つについては当初予算の額で要求が出来るようにしているということでありますので、それ以外の部分が対象で、額で言うと約24兆になると思います。そこだけがいわゆる9割要求のルールを適用するというところです。確かに各省庁ごとに色々特徴はあると思いますけれども、9割要求をするという中で1割削減ではなくて、下げた分は要望も出来るわけでございますので、だからそこはいわゆる裁量的経費のみならず、人件費や義務的経費も含めて聖域なく9割要求の中でご努力をいただくというようなことでございます。 |
| 問) | 要望枠に関してですが、今回要望の内容というところでマニフェストの実現に加えてデフレ脱却とか雇用拡大、人材育成、安全・安定といったかなり幅広い対象が含まれるということで、実際1割を削減したとしてもこの要望枠のところで結局は従来の予算が入るという形になって、ほとんど組替えが進まないのではないか、そういう懸念を感じるのですが、その点はどうお考えでしょうか。 |
| 答) | そういう視点から特別枠の配分を決めていくということですから、やり方については政策コンテストを実施するなど、最終的には総理主導の判断、配分ということになりますけれども、そのご心配は逆にないだろうと。単に従来通りにおさまるということではなくて、だからこそ府省横断の枠にしたということであります。 |
| 問) | 今日の午前中の会見の段階で、若干案文修正をした上で夕方というか閣議決定しますということでしたが、この内容の部分で修正点というか、特にその修正点の中でも閣僚から特に要望があった点で反映したところがあればご紹介ください。 |
| 答) | まず資料の2ページ目です。ムダづかい根絶・総予算の組替えというところがありますよね。下から3行目、「今後、マニフェストの工程を管理しながら政治行政の信頼を回復し」ての、「マニフェストの工程を管理しながら」ということが文章として入りました。その意図はもちろん23年度の予算編成でありますけれども、マニフェストの工程表というのは頭に入れながらどうしたらいいかという中期的な判断も必要だという心であります。 それから3ページ目で、「ムダづかい根絶と総予算の組替えにあらためて全力で取り組むこととする」以下で、「○」が6つありますよね。その中の6つ目の「地域主権戦略大綱に則った一括交付金化・出先機関改革の推進」と、こういう文章が入ったということです。 |
| 問) | 今のお答えで1点だけ確認です。ここで出てくるマニフェストというのは、09年の民主党衆院選マニフェストなのか、今般の参議院選挙の方のマニフェストなのか、そこら辺の理解はどうなっているのでしょうか。 |
| 答) | どこのマニフェストですか。 |
| 問) | 2ページ目の部分で、マニフェストを管理しながらというのは。 |
| 答) | 工程が出ているのは、要は9.1兆円のところですね、あれはマニフェストの1つの参考ですが、その工程を頭に入れながらこれから作業しようということです。 |
| 問) | 今回のこの組替え基準枠で削減の対象外となりました年金・医療の自然増や地方交付税、あとマニフェストの実施済み案件が対象外となっておりますが、これを対象外とした理由についてお聞かせ願えますでしょうか。結局これを対象外とすることで、非常に限られた予算の中での1割削減ということで、かなり各省庁にとっては厳しい内容ではないかと思うのですが、その点のご認識についてお聞きいたします。 |
| 答) | 地方交付税については中期財政フレームとの整合性に則ってということで出してもらうということで、これは中期財政フレームの中で基本的にはそういう方向性が出ていますので、それを踏まえているということです。年金・医療等でありますけれども、これは自然増にかかわる話です。自然増は大体1兆2,500億ぐらいですが、自然増部分だけじゃなくて、それは本体、根っこの部分も合わせて慎重な検討をしなければならないということなので、一元的な、一律的な削減の要求という性質にはなじまないだろうと。特に自然増の部分については、衆議院選挙のマニフェストでは2,200億円、これまで削減してきたことを廃止すると書いてございました。参議院選挙のマニフェストはそれを実績として書いてございますので、そういうことも勘案すると一律削減にはなじまないということでございます。マニフェストの事項については、まずはベースとしては当初予算と同様に出せるということにしているということですね。マニフェストの後退ということではないということです。 |
| 問) | 1割削り込んだ部分の特別枠の財源という面が強調されているわけですけれども、社会保障の今言った1兆円余りという財源に持っていくことも想定されているのかどうか、その辺はいかがでしょうか。 |
| 答) | 浮いた分が、やっぱりどうしても1兆2,500億は飲んでいかなければいけない数字になると思います。 |
| 問) | 各省の削減部分の一部はそちらに割り当てられる可能性もある。 |
| 答) | そうですね、その浮いた分、24兆で1割削減だといわゆる2兆4,000億ぐらい、計算上は出てきます。その中で1兆3,000億、1兆2,500億ぐらいはやっぱり飲み込んでいく数字になります。だから、その9割ルールだけだったらそうですから、より自発的に深掘りをした分ですと、例えば85%の要求だったという場合には、いわゆる10%、ほかのところと同じように要望出来ると同時に、下がっている5%は3倍分の15%、25%要望を出せるということです。要望・要求で合わせると25%と85%ですから110%の予算の要求・要望が出来る、そういうことです。そういうことを試みながら1兆円を超える相当程度の額を出していけるように努力していくということですし、加えてそういう削減努力というのは、予算編成過程でも行政刷新会議と連携して行っていきますので、そういうもので特別枠の枠が1兆円を超える相当程度の額という位置付けになっているということです。 |
| 問) | 努力評価制度の導入の中で、22年度当初予算における削減努力なんかも勘案するということになっておりますけれども、恐らく2割近く削減、削られた公共事業なんかも念頭に置いておられると思うのですけれども、この辺り具体的にもう少しどのような仕組みで配慮するようになるのか、ちょっとイメージが分かるようにご説明願えれば。 |
| 答) | これは、これまでの削減努力もあるし、租特の改革の取組みとか、あるいは規制緩和の推進とか、そういうものを勘案しながらですので、具体的にはこれから検討することになります。 |
| 問) | つまり、一応要望の段階では1割カット、要望を合わすと100%になると思いますけれども、その後、予算をつけるに当たって何らかの仕組みで配慮する、そういうふうな理解ですか。 |
| 答) | そうですね、特別枠の配分の時にこういう努力をされてきたところに対してどういう配慮をするかということです。 |
| 問) | 国民目線の予算構造に改めという表現がありますけれども、大臣からお考えになって一番国民が求めている予算というのはどういうものなのかというのを改めてお伺いしたいのが1点です。それに関連して、今回の組替え基準の中で一番国民目線に立ってこういうものを入れたと、1つだけ挙げるとすればどこなのかというのを教えてください。 |
| 答) | 1つというよりも、去年も事業仕分け等で予算編成、かなり透明化したと思います。その感覚はやっぱり大事にしていきたいという思いに立って、政策コンテストの話も1つのアイデアとしてはそういう発想から出てきているということです。もう1つの国民目線というのは、従来型の予算というのは薄切りに経費を切っていくというやつでしたよね。大胆な組替えにはなっていないのです。やはり府省横断的にこういう既存の構造を切り込んでいくということは、私は国民の期待だと思っていますので、そういう期待に応えていく予算編成をしていきたいと思います。 |
| 問) | 政策コンテストの話ですけれども、こちらの文書にも出てはいるのですけれども、具体的にもう少し、どのような形であるとか、あるいは有識者等々、どのような形で、誰がどういうふうに見守ってとか、そういうイメージがあれば教えていただきたいと思います。 |
| 答) | これはまさにこれからの検討です。 |
| 問) | 先程の大臣のご説明ですと、1割削減で捻出出来る2.4兆円のうち、社会保障の自然増で1.3兆円分吸収しますと残り1兆円ぐらいになると思うのですが、党が特別枠で2兆円程度というのを求めていると思うのですけれども、そうすると単純に計算すると1割削減じゃなくて2割ぐらい削減しないと2兆円は確保出来ないという計算になると思うのですが、その辺りはどういうふうにお考えでしょうか。 |
| 答) | さきほど少し申し上げましたけれども、自発的に深掘りをした場合に3倍要望が出来る、そういう努力をすることによって予算の要求段階で1.1兆円以上の、1.1兆というのはさっきの2.4から1.3引くという意味です、1.1兆以上の枠を作っていくことが1つ出来ます。これはやはり努力すれば出てくる。それと、その要求段階だけではなくて予算編成の段階でも、行政刷新会議等と連携してさらに削減をしていくということによって枠はまた広がっていくということで、これは最終的に数字が出てくる話だと思いますので、そういう数字を実現出来るようにみんな政府を挙げて、全力を挙げるということです。 |
| 問) | 2兆円を確保するためにはさらに1割以上の削減を大臣としては。 |
| 答) | 1兆円を相当程度超える額で、どこまでみんなが努力出来るかということです。 |
| 問) | マニフェストの工程を管理しながらということですけれども、これは具体的にはどのタイミングでどういうことをするというようなこと、イメージがあったら教えていただきたいのですが。 |
| 答) | 予算の要求を出していただく段階の中でもこの工程管理をどういう形でやっていくかという議論が続くと思いますし、編成段階でも続いていくと思います。要は具体的なこういう予算要求、あるいは編成作業と同時に、こういうマニフェストの、これはマニフェストの検証にもつながる話だろうとは思いますが、そういうことを頭に置きながら作業していくという意味です。 |
| 問) | 予算要求の時に併せて国民にも分かる形でマニフェストに掲げられているこういうものを、例えば無駄の削減をこの省庁はこれぐらいしましたとか、そういうことではなくてですか。 |
| 答) | やり方は色々あると思います。やり方はこれからです。ただ、例えば公務員の人件費とか庁費だとか色々項目があるじゃないですか。そういうものをこれからどうやって削減していくかということをやっぱり中期的な展望を持ちながら判断していきながら23年度の編成にも生かしていくということだと思います。 |
| 問) | 今後のことと、これまでの結果も両方合わせてということですか。 |
| 答) | この1年間での実績はもちろんあります。残る3年の間にどれぐらい出来るのかということを頭に入れながら検証していこうということです。 |
| 問) | 特別枠の要望内容の中に、マニフェストの実現以外にも経済成長とか雇用拡大とか様々な要素が入ってきます。そうなってきますと、1兆円を相当程度超えるとはいえ、マニフェストの完全実施などに向けた財源というのが限られてきまして、子ども手当とか農業者の戸別所得補償の完全実施なども財源がかなり限られてくると思うのですが、この辺大臣のお考えとしてはいかがでしょうか。かなりハードルは高いのではないかと思うのですが、マニフェストの実現に対する。 |
| 答) | それは、基本的に上乗せをしていく場合にはペイ・アズ・ユー・ゴーでどうやって財源を確保していくかということを同時に考えていくということです。それはやはり予算要求、予算編成過程の中でどういう知恵を出していくかということだと思います。 |
| 問) | 概括的なお尋ねになってしまうのですが、特別枠の部分について政策コンテストであるとか、最終的には総理の判断でというふうになっていますけれども。 |
| 答) | 基本は総理主導ですから。 |
| 問) | つまりこの概算要求組替え基準をもって来年度予算を編成するわけですけれども、菅内閣としての予算のカラーというのか、当然この予算編成のどういうところを重点配分するかによって我々の日本を、どういう社会を作っていくのか、今後の菅内閣のカラーにつながるものだと思います。財務大臣の立場で今回のこの組替え基準で菅内閣としてそのカラーを発揮する時に、どこが特にポイントになるのか、あるいは今の組替え基準を見ていますと、やはりマニフェストだけじゃなくて色々な要素が入っていて、ある種これは予算のしようがないところなのかもしれませんけれども、総花的なところもどうしてもあると思うのですね。どこに、どういう分野にウエートを置いていくべきか、特別枠の重点配分していく時にどういうところにウエートを置いていくべきかというところも含めて、大臣のお考えを伺えればと思うのですが。 |
| 答) | 要求を出していただく段階で、例えば成長戦略に資するような工夫をしてもらうとか、あるいは雇用につながるとか、そういうことは勘案しながら各大臣にはやってもらうのです。その上でさらに府省横断的に、それはまさに特色になると思いますが、成長戦略の分野であるとか雇用の分野とか人材とか、そういうところに配分をしていくということです。カラーというのは最後、出来上がった時にカラーが出来ると思います。 |
| 問) | 公務員人件費のことですが、聖域化しないということですけれども、今人事院勧告制度がありますが、制度上の絡みもありますがそういったことも改革しながら大胆なカットをするという意味なのか、その辺を教えてください。 |
| 答) | これは予算編成過程の中で人勧を踏まえた対応が基本です。それはあると思います。ただし、例えば各省によって採用を手控えることに、一定の基準は総務省が出していますが、それ以上に手控えをしながら、例えば定員を変えていくとか、そういうことをしながら、色々な各省で工夫をしてほしいという意味です。本格的に公務員の人件費の話というのは、本来は労働基本権の問題を含めて、まずスケジュールから持っていかなければいけないだろうとは思います。 |
| 問) | そうしますと、全体の経費としては90%ですけれども、どちらかというと裁量的な経費の方でかなり工夫しないと90%というのはなかなか難しいのかなと思うのですが。 |
| 答) | これは各省一様ではないので、それぞれの役所の中で知恵を出してもらうということだと思います。 |
| (以上) | |
