6月22日 野田財務大臣閣議後記者会見の概要
野田財務大臣閣議後記者会見の概要 | |
(平成22年6月22日(火曜日)) | |
| 【冒頭発言】 | |
| 先ほど閣議で財政運営戦略が決定されました。この財政運営戦略に基づいて、新規の国債発行枠を来年度については約44兆円以下に抑えるということ、それから歳出の大枠として71兆円という枠に沿いながら、これから各省ごとに、各閣僚に概算要求をしていただくわけでありますけれども、その要求の仕方については早急に詰めていきたいというふうに思っております。いずれにしましても財政運営戦略、中期財政フレームに沿った整合性のある予算編成をこれからしていきたいというふうに考えています。私の方からは以上です。 | |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 今お触れになられました財政運営戦略と中期財政フレーム、あわせて閣議決定されたわけですけれども、それぞれの内容について大臣の評価を伺いたいと思います。 |
| 答) | 2015年までに対GDP比でプライマリーバランスですが、今の赤字分の半分にすると。2020年にはプライマリーバランスの黒字化を図っていって、最終的にはストックベースで債務残高が安定的に縮減に入っていくような、そういう道筋を描いた内容でございますので、間もなくG20、トロントのサミットもございますけれども、こうした日本の取り組みというものをきっちりとご説明いたしまして、マーケットの信認あるいは各国から信認される、そういう努力をしていきたいというふうに思っています。 |
| 問) | 昨日内閣府の方で事前のレクチャーがありまして、財政運営戦略と先般決められた政府の新成長戦略に基づく中長期の財政の試算が出されたわけですが、政府のそういったシナリオ通りに試算を回しても2020年度の国・地方のプライマリーバランスの黒字化は達成出来ていないというような試算が出ております。それだと2020年度のプライマリーバランスの赤字幅が13.7兆円発生しているような状態で、あくまでも税制は現在のままということが前提なんですけれども、今のままでいけば、その成長シナリオをとった場合でも2020年度の国・地方のプライマリーバランスの黒字化は達成出来ていないと。これは財政運営戦略のいわゆる目標に達していないということなものですから、じゃあそのギャップをどのように埋めるべきかという、そこら辺、大臣のご認識というか、どのようにお考えになっていらっしゃるんでしょうか。 |
| 答) | 内閣府の場合は、特に制度改正を行わない、自然体で行った場合の見通しのお話だと思いますが、財政運営戦略、閣議決定した内容はまさに政府としてその線に沿って取り組むということでございますので、当然それに必要な歳出改革、歳入改革を行っていきながら、財政運営戦略のゴールに向かっていきたいというふうに思います。 |
| 問) | 先ほど税調が開かれまして、神野委員長からいわゆる専門家委員会における中間的整理をお受けになられました。この内容についてのご所見と、今後税調で来年度の税制改正に向けた論議が、参議院選挙後だと思います、始まると思いますけれども、今回の神野委員長から出されました整理をどこまで税調本体として尊重するというのか、拘束性を持たせるのか、そこら辺税調会長としてのお考えを伺いたいと思います。 |
| 答) | 神野委員長中心に専門家委員会の皆さんに大変精力的にご議論をいただいて、まだ1つ1つ結論を出しているものではなくて中間的な整理でございますけれども、それぞれの税目あるいは全体像について、かなり網羅的にご議論をされて、論点が明確になってきていると思いますので、こういう専門家委員会の方向性というか、議論の整理を参考にしながら、これから政府税調で、ご指摘の通り参議院選挙後になると思いますが、議論を進めていきたいというふうに思います。 |
| 問) | 旧政権、自民党政権で決められた骨太の方針では、歳出を抑制するために分野ごと、例えば公共事業とか社会保障とか、例えば社会保障は2,200億円自然増を抑えるとか、そういう分野ごとの目標を決めたんですけれども、菅政権で今後そういう分野ごとにキャップをはめることを検討していくということなんでしょうか。先ほどの予算編成の方針を早急に詰めたいとおっしゃったのは、そういうことも含めてということなんでしょうか。 |
| 答) | 歳出の大枠は中期財政フレームで決めました。その枠に沿う形でそれぞれ要求をしていただく段階で、査定大臣というつもりで、優先順位を決めて要求を出していただくと。その要求の出し方は先ほど申し上げたように早急に詰めたいと思いますが、分野別にどうのというよりはむしろ、予算編成段階でしっかりと議論しながらまとめていきたいというふうに思います。 |
| 問) | その場合、省庁間の利害が対立することもあると思うんですが、その辺は総理、官房長官で仕切ってもらうと、そういうことになるんでしょうか。 |
| 答) | これからの話ですから、どういう利害が出るのかどうか分かりませんが、どの大臣も財政に対する認識としては厳しいものを持っていらっしゃると思いますので、基本的にはご理解をいただきながら進めることが出来ると思います。いずれにしても政治のリーダーシップで最後はまとめていくということになると思います。 |
| 問) | しつこくで恐縮なんですけれども、民主党のマニフェストとかを見ていると、なかなか削減する分野というのが限られている、社会保障費は自然体でも伸びてしまうし、例えば農業の戸別所得補償は拡大していくとか書かれているわけですけれども、なかなか削減する道のりは厳しいと思うんですけれども、その辺の調整というか、党との調整、どのように進めていくか、今の時点でお考えがあれば伺いたいんですが。 |
| 答) | せっかく向こう10年間の財政運営戦略を決めておいて、初年度からその枠からはみ出るということはあってはならないと思いますので、しっかり対応していきたいと思います。 |
| 問) | 先ほどの税調の報告について2点ほど聞きたいんですが、内容を見ますと大分負担増を求めるような、要は増収が必要だとか、所得税も含めて高所得の人にも負担を、消費税も重要税目ですとあって負担増を求めるようにも読めるんですけれども、そこら辺は大臣としてはどういうふうにお読みになっていらっしゃるんでしょうか。 |
| 答) | もちろんそれぞれ税目によっては負担増になるものもあるかもしれませんし、逆に負担を減らす方向になるものもあるかもしれませんが、いずれにしても所得課税、消費課税、資産課税、法人課税、それぞれ抜本的な見直しをやっていくということです。 |
| 問) | 基本的には全体でネットで見た時には増税になるという方向なのでしょうか。 |
| 答) | これからの議論ですから、まさに政治家の議論はこれからですから。 |
| 問) | 財政運営戦略についてのお尋ねですが、先ほどの質問にもありましたように、この財政運営戦略を見ていても20年度に黒字化するというシナリオが具体的に示されておりません。こうした財政再建策をG8、G20に持っていった時に国際的な信認というのが得られるのかどうかということについて大臣はどのようにお考えになっていますでしょうか。 |
| 答) | 経済成長と両立をさせながら財政健全化を図っていくと。当然強い社会保障も念頭に置いてという対応でございますので、私はその財政健全化の道筋を作りながら日本の成長戦略も含めてご説明をすればご理解をいただけると思います。どの国も財政再建と成長の両立をどう図るかというのが、今、国際的なテーマになっています。私は日本の取り組みというのは1つの参考としていただける要素は十分にあるというふうに思います。 |
| 問) | 重ねてですが、経済成長と財政再建の両立ということですけれども、経済成長戦略に沿ってやったとしても20年度にまだ赤字が残っているということで、そうなるとやはり増税というものがセットになってくるのではないかと思うんですが、その点についてはいかがでしょうか。両立がし切れていないと思うんですが。 |
| 答) | 最終的には歳出と歳入改革でしっかりと描いているシナリオ通りに持っていくというのが、これは政治の役割だと思います。 |
| 問) | G20の関連でお伺いしたいんですけれども、カナダの首相がG20のサミットの参加国に2013年までに財政赤字を半減させるという目標を書簡の中で提案したということなんですが、大臣、これは日本にとって厳しい目標だと思うんですけれども、これについてどのように受け止めていらっしゃるか教えていただければと思います。 |
| 答) | 基本的には財政健全化と経済成長、どの国も図っていかなくてはいけないという中で、たまたまカナダからそういうご提起があるとは聞いていますが、それぞれの各国の事情があるというふうに思いますので、それぞれの国の取り組みがしっかり説明されて理解されるかという、私はそういうことになるだろうと思います。日本の立場はちゃんとしてきたいと思います。 |
| 問) | つまりリーマンショック後の対応で、財政出動が一時的に膨らんだ国と日本のように構造的に財政出動してきた国とは違うというようなお考えでしょうか。 |
| 答) | 財政赤字の原因がリーマンショック後のあの状況の中で生まれた国と、おっしゃるように構造的な側面を持っている国とではやはり違いがあるというふうに思いますので、そのスピード感であるとかやり方というのは自ずと差が出てくるというふうに思います。 |
| 問) | そもそも論なんですけれども、足元の23年度予算編成に当たって歳出の大枠が71兆円で、国債発行を44兆円以下に抑えるとすると、税外収入が相当下がると見込まれる中で、税収は一方で大きく伸びるというふうにはなかなか見込めないわけですけれども、23年度予算をする時に基本的にどうやって予算を編成するつもりなのか、その考え方を聞かせてもらえますか。 |
| 答) | 税収見通しはまだどうなるか分かりませんけれども、妥当な時期に税収見通しをしっかり立てながら、税外収入も出来るだけ探していくということです。その上でやるしかないです。 |
| 問) | つまり歳出の大枠が今年度並みということになると、やはりどうしても税外収入をひねり出すしかないのかなというふうに思わざるを得ないんですけれども、力点としてそういう探し方になるのか、それとも71兆円以下に抑えるというのは相当切り込むというつもりなのか、どういう考えなんでしょうか。 |
| 答) | やはり歳出の中での無駄への切り込みというのは不断の努力でやっていくことで、これは菅総理も以前、逆立ちして鼻血も出ないぐらいというご覚悟を言ったことがございました。その精神はもちろん引き継いでいく、これはやはり民主党の一丁目一番地だというふうに思います。その上で税外収入、もちろん恒久的財源があれば良いのですが、可能な限り、去年の10兆6,000億までいくかどうかは分かりませんが、これはベストを尽くして、特に行政刷新会議がこれから特別会計の改革もやると思いますので、そこと連携をしながら対応していきたいというふうに思います。 |
| 問) | 中期財政フレームと財政運営戦略なんですが、大臣以前、法案にして提出したいというふうなお考えを示されていましたが、色々超党派の議論なども出ていますが、今どういうお考えでしょうか。 |
| 答) | 参議院選挙後に税制の抜本改革について超党派の議論をしていく、そのテーブルの作り方は野党のお考えもよく聞きながら判断をしていくことになると思います。その際に法案を提出した方が土俵を作りやすいのかどうかというのは今後の検討課題だというふうに思います。 |
| 問) | 歳出をどれだけ削減するかという点では具体的な目標なりは全く示されていないんですけれども、示せなかった理由は何なんでしょうか。 |
| 答) | まず要求を出してもらうというところから予算編成は始まります。その要求を出してもらう時の工夫に、ある程度やはり枠を設けるということになりますので、そこからが具体的な作業の始まりになります。最初から予断を持って切るというやり方ではありません。むしろ各府省ごとに成長戦略に資する予算を作るためにはどういう予算を組むのか、そのために何を削るのかという姿勢の中で判断をしてもらっていくということになります。ペイ・アズ・ユー・ゴーの原則など書いています。ですから、あれは1つの枠というか、考え方になるというふうに思います。 |
| 問) | 専門家委員会の中間的な論点の中で、消費税について目的税化をしないまでも社会保障に重点的にという考え方を示しているんですけれども、消費税の使い道については大臣どのような受け止めでいらっしゃいますでしょうか。 |
| 答) | 予算総則で出てくる部分でも、基礎年金であるとか高齢者医療とか介護という分野でも、事実上赤字国債で結局補っているということは明確であります。そういう意味ではやはり社会保障は大変重要な使途になってくるということは、方向性としてはやはり専門家委員会のご主張というのは理解出来るというふうに思います。 |
| 問) | 財政運営戦略の関連でお尋ねですけれども、歳出削減に当たっては去年の衆院選でマニフェストに書いてありました無駄の削減の16.8兆でしたか、あの数字というのは前提として織り込んだ上でこの10年間の財政運営戦略というのは達成していくというふうなことでよろしいんでしょうか。 |
| 答) | 去年出た数字はやはり実際与党になってみての感触とはちょっと違うところがありますので、その数字をベースに置いているわけではありませんが、ただ歳出削減というのは可能な限りチャレンジをするということです。 |
| 問) | その削減の数字的なものというのはどの程度を見込んでいらっしゃるのですか。 |
| 答) | これからの努力です。まだ予算の嵩の話の段階ではないものですから。 |
| 問) | 単年度の予算というのはそうかもしれませんけれども、中長期な取り組みとしてはある程度の削減の目安を立てないと、なかなか中長期な計画というのは見えないような気がするんですけれども。 |
| 答) | 歳出削減と歳入改革と一体でやりますので、歳出だけ今決めるという状況ではないというふうに思います。 |
| 問) | 20年度までにプライマリーバランスを黒字化させるということは、可能性として20年度まで政府債務残高が増え続けていく可能性があるという理解でよろしいんでしょうか。 |
| 答) | 縮減が20年度以降を目指しているわけですけれども、可能性としては膨らんでいる可能性はあります。ただ、その伸びをなるべくなだらかにしながら20年度以降は縮減に入っていくというのが描いているコースです。 |
| 問) | 概算要求ですけれども、法律上8月末ということになっているんですが、これは今年も例年通り出されるおつもりかどうかというのが1点と、あと2カ月あまりということですけれども、その中では先ほど示されたシーリングに変わる考え方、今考案中ということですが、その時点には示して、そこではその考え方に則ってやられるおつもりがあるのかどうか、この2点を伺わせてください。 |
| 答) | 早急に要求の出し方については、考え方を整理させていただいて、その上で通年通りのやり方で概算要求を出してもらうということになると思います。スケジュール感としてはです。 |
| 問) | 関連して、国家戦略の方から話を聞くと、歳出の抑制策であったり、歳入の方についても今回具体的な策を盛り込めなかったということが聞こえてきて、まさに今後の検討課題ということで向こうからは受けるんですが、来年度予算を編成する財務大臣として2カ月後の概算要求に向けて、まだ基準が明確に決まっていないということについてどのようにお考えか、お考えを聞かせていただけますか。 |
| 答) | 頭の中にはあるのですが、あとは調整事項があるということです。 |
| (以上) | |
