6月8日 野田財務大臣初閣議後記者会見の概要
野田財務大臣初閣議後記者会見の概要 | |
(平成22年6月8日(火曜日)) | |
| 【冒頭発言】 | |
| このたび財務大臣を拝命いたしました野田佳彦でございます。副大臣の折りにも皆様にはお世話になりました。より一層ご指導いただきますようによろしくお願いいたします。 | |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 野田大臣は副大臣から新たに大臣になられるということですけれども、改めまして大臣になられるということで、今後力を入れていきたいテーマや抱負について、改めてこの場でお願い出来ますでしょうか。 |
| 答) | これは国家戦略室が中心になりますが、この6月中に中期財政フレームと財政運営戦略をまとめることになっています。それを踏まえてG20サミットに出るわけでありますが、これが内外から、またマーケットからきちっと信認の得るようなものであるように、それを踏まえた平成23年度の予算編成になると思います。こういう厳しい財政状況の折りでございますので、緊張感を持ってこの種の作業に当たっていきたいと思います。もうここにいらっしゃる皆さんよくご存じの通りでありますけれども、国家財政の状況というのは先の大戦で敗れて、産業も国民生活もぼろぼろになった昭和21年と類似をした構造であります。そういう中でのかじ取りというのは大変厳しいものがあると思いますが、その意味からも財政運営戦略は10年後をにらんでいます。国家百年の大計とまでは言いませんが、国家十年の計に沿った、そういうスタートをするという年にしていきたいというふうに思います。 |
| 問) | 大臣、先ほどの官邸での会見で、前任の菅総理大臣が23年度予算の新規国債発行44.3兆円につきまして、基本的にはその方向で野田さんもやっていきたいということでしたけれども、一方で23年度予算に関しましては、社会保障が1兆円増えたり、マニフェストの新規施策などを実行すると92兆円の歳出自体膨らむという見方もあります。そういう厳しい中で44.3兆円以下でやるためにはどのように具体的に23年度予算を編成されるお考えなのか、お聞かせ願えますか。 |
| 答) | 具体的な編成はまさにこれからですので、今から定まったことを申し上げるという段階ではないと思いますが、行政刷新会議、事業仕分けなどを中心に色々チェックも行われてまいりました。無駄遣いを徹底してなくすということは言うまでもないと思います。徹底してやっていくと。加えて、やはり限られた財源でありますので、必要なものもやめるということはあり得るだろうと思います。それはやはり優先順位をきちっとつけていくということです。必要なものもやめながら、加えてしっかりとした成長を果たしていかなければいけないわけですから、生きたお金をどう使うかと。そういう国の資源配分をしっかりしていくということが大事だと思います。 |
| 問) | 消費増税の必要性などについて、前任の鳩山政権下では任期中4年間の引き上げはしないという方向でやってこられましたけれども、新たに政調会長に就任された玄葉さんなどは、4年間やらないまでも、それ以前に制度設計の必要性などについて必要じゃないかという指摘もなされております。大臣の方で消費増税も含めた抜本的な税制の制度改定について、その時期も含めてどのように進められるお考えか、聞かせてください。 |
| 答) | 政権担当中は消費税を引き上げないというのは鳩山総理のお言葉でございました。そういう形で選挙もいたしました。引き上げないということと、議論をしないということはイコールではありません。持続可能な社会保障制度を作る際にそれを裏付ける財源はどうするかとか、そういう議論は大いにこれから行うべきだろうというふうに思っていますし、先ほどの会見でも申し上げましたが、これは消費税だけが今特筆して言われていますけれども、法人税、所得税、資産課税含めて税制改正、抜本的な改革を行っていくと、議論をしていくということで、消費税も当然入っているということであります。 |
| 問) | 菅首相は最近、強い経済、財政、社会保障の一体改革というようなことを言っておられまして、第三の道というようなことも繰り返し言っておられます。財務大臣として、この菅首相の主張されていることをどのように評価されているのかということと、財務大臣としてどういう役割がその中で出来るのかというところについて、大臣のお考えをお聞かせ願えますでしょうか。 |
| 答) | 成長と財政再建と持続可能な社会保障というこの3つを一体的に改革すべく取り組んでいくというのが菅内閣の大きな命題だというふうに思います。その中で、特に財政の部分を担当するということでございますので、成長戦略やあるいは社会保障のテーマを横ににらみながら、きちっとした財政立て直しの役割を果たしていきたいと思います。 |
| 問) | 来年度の予算編成のことですが、シーリングについては大臣どうお考えになっているのかということと、シーリングを設けるのであれば選挙もありますが、いつ頃をメドにそういったものを作っていきたいと思っておられます。 |
| 答) | 予算の編成方針というのは、それこそ国家戦略などとも連携をする話になると思いますが、去年、藤井大臣のもとで予算編成をした経験からしますと、やはり95兆円と概算要求が出てきて、加えて事項要求もあるという中で、そこから削っていくという編成作業はなかなか大変でございました。今回はやはり要求の段階から相当に工夫を要するというふうに思います。もちろん編成の段階でも色々な工夫は必要ですが、要求の段階から、シーリングという形をとるかどうか、これはまたこれからよく検討したいと思いますが、要求を出していただく段階からかなりしっかりとした資源配分をそれぞれの省の中でもしていただくという工夫を考えてくべきではないかなというふうに思っています。いずれにしても、これは参議院選挙直後からスタートするわけですから、そのやり方についてはこれから早急に詰めていきたいというふうに思います。 |
| 問) | 菅総理が財務大臣の時に財政健全化法の今国会での提出にかなり意欲を燃やされていたんですが、野田財務大臣として、今国会は無理にしても次の臨時国会で同じようなものを提出されるのか、それとも改めて考え直すのか、お考えをお聞かせください。 |
| 答) | おっしゃる通り今国会は中期財政フレームなどが出てきた中で、もう国会は終盤になっているという中でございますので、延長があるかないかこれはまた別の対応ですが、現段階ではやはり困難だというふうに思いますが、また仕切り直しをする中で、せっかくもう法文自体は大体まとめてきています。次の機会に、与野党が同じ土俵に乗って、財政の健全化というのはどの政党も、またどういう政権も、国民のために真剣に考えなければいけないと思いますので、共通の土俵で議論をするという上では、私はやはり大事な法律ではないかなというふうに思っていますので、あきらめずに、出す方向を目指していきたいと思います。 |
| 問) | 44.3兆円の件ですが、総理もこの目標だけじゃ財政再建出来ないというふうにお考えを示されていましたが、この基準、レベルについて、44.3兆円というのはどういう目標なのかという基本的なお考え方をお聞かせください。 |
| 答) | 44.3であってももちろんそれは借金は借金で、大変なわけでありますが、これはせめて前年度よりは抑える努力を最低限はすべきだというお考えだろうというふうに思います。その規模というか額が、どれぐらいが適正かというのは、これはまさにこれから編成過程でありますけれども、アメリカの第3代大統領のトーマス・ジェファーソンは子孫に借金を残すようなやり方は詐欺と同じだと喝破されています。その意味では、日本だけではありませんけれども、ある種大がかりな作業をずっと続けてきたのかもしれません。そういう気持ちを込めながら、やはりなるべく国債発行は抑制をしていくというマインドを常に持っていくべきではないかと思います。 |
| 問) | 為替の問題なんですが、前任の菅大臣は円安が非常に日本の輸出産業や経済にとってプラスの面があるというようにお考えを示されていましたが、大臣の基本的な為替に関するお考えをお聞かせください。 |
| 答) | 為替については財務大臣の専権事項だと思っていますから、逆にこれはあまり相場観とかを言うことは適切ではないと思っています。これも一般論で申し上げるしかないと思うのですが、為替の過度な変動、あるいは無秩序な動きということは、これは経済や金融の安定化にとって悪影響を及ぼすという認識のもとで、常にマーケットを注視していくというのが基本的な考え方です。 |
| 問) | 先ほど官邸での会見で、税制について公平、透明、納得でというお話がありましたけれども、具体的にどのようなイメージなのかということ、それから菅総理は野党も含めて色々議論したいと、税制についてもというお話をされましたけれども、具体的にはどのように進めようとされているのか、まず教えてください。 |
| 答) | まずは専門家委員会でその方向性については当時というか、前任の菅税調会長と会長代行のお二人にはご説明をされているというふうに承知をしていますので、私も改めてその中身についてよく把握をさせていただいた上で、どこかで、税調の議論の中で中間報告をしていただきたいと思いますが、そういう議論を踏まえながら公平とか透明とか納得という理念の中で何が出来るかということを検討していくということになると思います。 |
| 問) | 野党との話というのはその後に何か場を作るみたいなイメージなんでしょうか。 |
| 答) | まずは政府内、与党内で認識を共有するということが大事だと思います。 |
| 問) | 民主党はマニフェストで租特の見直しというのを掲げていますけれども、これについてのお考えを改めて教えてください。 |
| 答) | 租特透明化法も法案としては成立をいたしました。それを踏まえて適用の把握がこれから入ります。そういう状況を見ながら一層の租特の見直しをやっていくということになります。 |
| 問) | 財政再建についてお聞きしたいんですが、ドイツがこの4年間で戦後最大の歳出削減案を表明したということを受けまして、その中で失業手当も含めた社会保障もかなり切り込んで徹底するという意見を表明していますけれども、菅総理、社会保障もかなり手厚くしていきたいというようなことを述べられていますけれども、そういった聖域なき削減をもって財政再建ということは進めていく考えはあるのか、どこまで徹底出来るのかというのを今どの程度考えていらっしゃるのか教えてください。もう1点ですが、先ほどG20に10年間の財政再建の道筋を示すということをおっしゃっておりますけれども、そこで消費税の増税ということはその案の中で示していくお考えはあるんでしょうか。もしそこに案を示さないとすると、国際社会の信認を得られるのか、そこをどのように考えていらっしゃるのか教えてください。 |
| 答) | 主要先進国はどこも財政再建化の道筋というものは作っています。例えば、フローで対GDP比1%の赤字削減を毎年していくとか、それぞれの国で大体方針があると思います。主要先進国の中では、ストックレベルでは一番最悪と言われている日本にそれがないということですから、まずはその道筋を作るということです。その中身は今まさに議論の途中でございますけれども、最終的にやはり10年後には安定的にストックベースで縮減に入っていくという流れを作り出すことが必要だろうと思います。中間的に何をやるかということは、個別の税を上げるとか上げないとかということではなくて、歳出改革、歳入改革の流れを導き出すという、そういうものであろうと思います。 |
| 問) | 今年度の予算編成においては、各省庁からの大臣からの要求が、前年度までの積み増しというのが、いわゆる要求大臣になっていたのではないかというような指摘があったかと思うんですけれども、23年度の予算編成に当たって各省大臣のいわゆる要求大臣化を防ぐためにはどうしたら良いかと。そのアイデアというか、お考えがあれば伺いたいと思うんですが。 |
| 答) | 去年は意識して要求大臣になったとは私は思っていません。やはり政権交代をして鳩山内閣が発足したのが9月の中旬でした。その最初にやったのは既存の補正予算の見直し、そこは相当皆さん力を尽くしました。その後に10月15日までに要求を出してくださいということで、ちょっと時間が足りなかった部分があると思うので、要求大臣にみんながなったとは私は思っていません。今年はそういう意味からすると、要求段階からまだ時間がありますから、色々な工夫もあるし、それぞれの大臣が工夫を持って対応していただけることは可能だというふうに思います。 |
| 問) | 菅新総理が財務大臣の時に、消費税の増税と経済成長は両立出来るというふうにおっしゃっていますけれども、そういった発言というのは野田大臣も現時点で両立出来ると思っていらっしゃるのかということと、具体的にどうすればそういったものが両立出来るのかというのを教えていただきたいというのが1点。もう1点、先ほど10年後のストックベースで安定的にとおっしゃっていましたけれども、具体的に10年後にどういうような姿を見ていらっしゃるのか、こちらも具体的に教えていただきたいんですけれども。 |
| 答) | 後段のお話はまさに今これから公表する段階のものを今具体的に申し上げることは出来ませんが、ストックベースで安定的に縮減の方向に入るということであります。 前段の方は、菅大臣の消費税増税が成長に結びつくというお話、これは財政審の中でそういう理論の勉強会を繰り返してきたというふうに思います。これからは、逆に批判的に見ていらっしゃる方もいらっしゃると思うので、そういう面からも私は財政審の中でも議論をしていきたいと思います。菅大臣の思いとしては、例えば社会保障の中でも、介護の分野では介護難民という言葉があるように人手不足があったりすると。需要も雇用も作れるはずだと。保育所だって足りない、足りないと言っているわけで、需要と雇用も作れるはずだと。そういうところにお金を使うことが生きたお金の使い方であり、成長につながるはずだという、そういうお話であると思います。そういう分野は確かにあると思います。そういう分野に要は生きたお金をどうやって使っていくかという観点の中で、社会保障の中でも色々あるよということは私もそれはその通りだというふうに思っております。ただ、増税イコール成長につながるかどうかということは、これは色々な理論があると思いますので、私自身は1つの理論とか、1つの学説にこだわるという立場ではありません。現実対応をしっかりしていくということにしていきたいと思います。菅大臣の先ほどの社会保障の分野で生きたお金の使い方という、これは間違いないというふうに思います。 |
| 問) | それも含めて具体論は、何月中とか期限は大臣の中であるんでしょうか。 |
| 答) | それは、成長戦略は成長戦略でやっている分野があります。財務省の中でも成長戦略で寄与するものがあるかどうか、例えば国有財産でどうのということをやっています。自分の省の中でやれることはそういう形でやっていきたいというふうに思いますけれども、その後は予算編成の段階で検討することだと思います。 |
| 問) | 特別会計の改革についてなんですが、大臣の著書でも特別会計の改革については結構触れられておりましたけれども、なかなか各省の取り組みもちょっと見えてこない中で、11年度予算編成を考えるとやはり特別会計の切り込みも重要かと思うんですが、ここにつきまして改革を加速させていこうというようなお考えについてはいかがでしょうか。 |
| 答) | 枝野行政刷新担当大臣の時に、たしか5月だったですか、特別会計改革についての基本的な方針というものを示されました。それを踏まえて、行政刷新会議とも連携をしながら、特別会計改革というものに進んでいくということになると思います。それはやはり来年度の予算編成に活かせるものは大いに活かしていくべきだろうと思います。 |
| 問) | 先ほど予算編成に関連して、必要なものもやめるというか、優先順位をつけていくべきだというお話がありましたが、必要なものもやめるというのはどういったイメージでお考えになっていらっしゃるんでしょうか。 |
| 答) | 優先順位をつけていく中で、財源に限りがある中では、場合によってはその分野については後に回すというような判断というのはあるだろうと。それは無駄ではないと思います。財源が潤沢にあるならば何でも出来るかもしれませんけれども、財源が厳しい中では優先順位を決めていく。それは不必要なものばかりではないというふうに思いますので、将来には投資として、チャンスとして見ていく分野もあるかもしれません。そういう意味で申し上げた次第です。 |
| 問) | 現在、衆院選のマニフェストの中で2013年に16.8兆円の財源を作って政策を行うというのを出していらっしゃいます。そのマニフェストの最終年度に当たっては、あくまで政策を実行していくのか。つまり、政策を実行するために、例えば無駄削減で財源を生み出さなければ、場合によっては増税というものを考えるのか、それとも歳出の方をむしろ圧縮して、マニフェストを修正するという方向でそれをやっていくのか、今のところどういうようなお考えを持っていらっしゃいますか。 |
| 答) | マニフェストについては今それこそ企画委員会から、これから政権公約会議で参議院選挙向けのマニフェスト作りの最終局面だと思います。ですから、どういうものになるかというのは、その中身をよく判断をしてからだと思いますが、いずれにしてもやはり安定した財源を確保する中で政策は実施をしていくものであり、歳出削減もそうです、歳入改革もそうだというふうに思います。 |
| 問) | 先ほど、政策に優先順位をつけるというお話があったかと思いますが、それに絡んで、来年度子ども手当の満額というかなり巨額な財源が必要な政策が予定されていると思うんですが、現時点でこれはどのようにお考えになっているんでしょうか。 |
| 答) | 最終的にまだ決着していないですから、どういう形になるかによると思いますけれども、基本的には満額現金で支給という世論なのかどうかだと思うのです。私が知る限りにおいては、1万3,000円より額が上がったとしても、現金ではなくて現物を望む声もあるというふうに思いますので、その辺のバランスをどうとるかということがポイントになってくると思います。 |
| 問) | 先ほどから消費税の質問ばかりで恐縮ですが1点お伺いさせていただきます。消費税の議論をすることは、4年間は上げないけれども議論するのは大いに進めていくべきだというお話があったと思います。ただ、次の参議院選挙のマニフェストの中で消費税を載せる、載せないというところも1つ議論の中にあるかと思いますけれども、国民にあるべき姿を示すという意味では何らかの形で記述をした方が良いのかどうか、財務大臣としてどのようにお考えなのかというのをお聞かせください。 |
| 答) | 消費税見直しの観点は、税制改正大綱の中には既に1つ出ています。抜本的な社会保障の見直しと併せて、逆進性対策であるとか、より一層の課税の適正化を図るかとか、そういう観点からの見直しというのはもう出ています。という意味では、議論としては一定のものはもう出ているわけで、上げるとか上げないことばかりが今出ていますが、消費税の見直し議論というのはもう既に始まってきているし、その中で何か書き込む部分があるかどうかだというふうに思います。 |
| 問) | 菅総理、財務大臣だった時もそうなんですけれども、日本の経済界の意思を引用して、日本の経済にとっては円安の方が好ましいという趣旨の発言をされているように思います。野田財務大臣はどういったご見解をお持ちでしょうか。 |
| 答) | これは先ほどお答えをしたというふうに思います。同じご質問ではないかと思います。 |
| (以上) | |
