5月20日 峰崎財務副大臣記者会見の概要
峰崎財務副大臣記者会見の概要 | |
(平成22年5月20日(木曜日)) | |
| 【冒頭発言】 | |
| 私の方からは政務三役の関係では色々、IMFが、対日審査終了を受けて日本の財政に対してIMFから指摘を受けていたなという話がございますが、いつもこういうことをレビューして、対日勧告と言うのですか、そういうのをやっているようでございます。これはかなり機械的に計算しているのではないだろうかという議論がちょっとございました。それからQEの速報値が発表されましたけれども、順調に景気は回復しているということなのでしょうけれども、私は個人的に言うとあまりこの速報値というのは信用していないというか、マイナスだったものがプラスだったり、プラスだったものがマイナスになったりするという、本当に日本のGDP速報値というのは、もう少し何か、多少のぶれはあったとしても速報値と確定値がこんなに差が開くというのはあまり良いことではないのではないかなというふうに思ったりしますが、底を打って上向きかけてきていることは間違いないなというふうに思っているところでございます。私の方からは以上でございます。 | |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 今お話しありましたIMFの話なんですが、昨日声明が出た中で会見では消費税率15%ぐらいまで段階的に引き上げても良いのではないかという話もあったということですが、この評価について副大臣ご自身のご見解をまずお願いいたします。 |
| 答) | IMFは多分色々な日本のデータを使って、これは多分GDP比で調べてみると、日本円にして50兆円ぐらいの財政収支差額を埋めなくてはいけないということで計算をしているのではないでしょうか。数字をちょっと見た限り、かなり機械的な計算をしているわけです。もちろん日本の歳入歳出の差額というのは非常に大きいということははっきりしているわけですから、それをどうするのかという時に、当然財政再建を図っていかなくてはいけませんねと、こういうふうにおっしゃっているわけですけれども、我々からすると財政再建はもちろん重要な課題ですけれども、1つは、出口戦略は本当に必要なのかということを議論しなくてはいけません。つまりもう本当に世界の経済も日本の経済も順調にこれから行くのかなといっても、EUのああいう状況は非常に下振れ要因になってくるわけですし、危機的な状況というのはそれほど簡単にはなくならないだろうというふうに見ていますから。それから当然、日本の財政固有の問題として非常に小さい政府と私はよく呼ぶのですけれども、国民の分担率、国民負担率と言いますけれども、アメリカと並んで非常に低いわけです。これは高齢化比率が2割を超えて世界で最も高くなっている国として、これで本当に社会保障が十分やっていけると思えない。そうすると、その社会保障の充実というところにこれからの財源というものを投入しなくはいけませんね、というような課題までも含めて我々考えなくてはいけないわけですから、非常にそういう国内的な要因を捨象してかなり機械的に必要とされている財政再建の課題というところで出てきているのではないかと思っています。こういったことは、私自身はもう既に頭の中に入って、我々としては今後の財政改革、歳入歳出の改革というのをきちんとやっていけばよいのかなと。大変重たい仕事ですけれども、そういうふうに思っております。 |
| 問) | 先日経産省の産構審のビジョンの中で法人税の実効税率を11年度から5%ぐらい下げた方がいいというお話が出ていましたけれども、実際税制を決める財務省としてはその実現性をどう考えていらっしゃるのか教えてください。 |
| 答) | 私ども産構審の資料を取り寄せて、ちょっと私も見た段階でございますので、経産省の責任者から聞いてみなくてはいけない点がたくさんあると思っておりますが、我々昨年の税制改正大綱をまとめた時に、課税ベースを拡大しながら税率を引き下げていくという、そういう大きなレーガン税制第2期の改革の考え方が正しいというふうに思っていまして、当然のことながら5%引き下げるとなると今の税の水準からしても恐らく1兆円は超えるのでしょう、平時であれば。ひょっとすると2兆円ぐらい減るかもしれません。そういう金額をペイ・アズ・ユー・ゴーの原則からすると当然どこかから見つけてこなくてはいけないと、こういう話になります。租税特別措置の中には皆さんご存じのようにナフサの減税というのが3.7兆円ぐらいあるわけですけれども、こういうものも含めて課税ベースを拡げていくのかということも1つの論点ですし、更に課税ベースで言えばご存じのように減価償却の対象をどうするかとか、ドイツではこれはなかなか複雑なのですけれども、私もまだ十分理解していませんが、いわゆる企業会計の中で、損金算入で落とせていたものが例えば支払い利子をある程度制限するとか、そういうものの中で課税ベースを拡げたりして、色々税という世界でも拡げていますし、更に企業の負担といった時には、税だけではなくて社会保険料その他も当然入ってきます。そういったことをやはり総合的に考えていかないといけないのではないかと。我々も日本の企業が国内である意味では雇用をしっかりと守り、雇用を作り出し、そして利益を上げていただいて税収を上げると、これは大変望ましいことでございます。そして民間企業がアニマルスピリットを発揮して本当に成長を高めていただければ、日本経済の体質も強化されていくだろうというふうに思いますので、それはそういう方向に向かうことについてはウエルカムという立場ですから、そういうことで、今後経済産業省の皆さん方とも十分話し合いをする必要がある点の1つだろうと思っておりますし、秋の税調でも多分大きな課題になるのはないかと思います。 |
| 問) | 政府税調の専門家委員会等の論点整理や今後の税調の日程はどのように、今週、この時点では。 |
| 答) | この間、神野先生が色々な方向感をお話しされた時に、原口大臣がアメリカに行く直前、4月の終わりでしたか、電話をされた時にややニュアンスがそれぞれ違うというので、ある意味ではこの間3人集まってもらったということでございまして、それ以降、今その時の、皆さんもう菅大臣からぶら下がりでお聞きになったと思いますが、色々な論点、方向感は良いということなんですけれども、少し手直しの作業もあると同時に、おそらくまた専門家委員会の皆さんにもそういったものについての報告もしなくてはいけないということで日程調整もされているのだろうと思うので、その調整が今週中はつかなかったのではないかなと。先ほども確かめたのですけれども、私のところにはまだ日程が来ていないということなので、多分それは来週以降に専門家の皆さん方の方向感というものを集約するというところが出てくるのかなと思っています。それが出てからですから、ちょっと先になるかなというふうには思っております。 |
| 問) | 宮崎県の口蹄疫の感染の対策で昨日農水省から発表されていますけれども、今後農家の方が経営を再開していく時にどういう支援をするかということ、ややまだ検討中の課題が財政当局も含めてあるという状況なのですけれども、その辺りの進捗状況というのはいかがか。 |
| 答) | それはちょっと私も、主として予算面、主計局の側面なので、私は直接タッチしていないので無責任なことは言えないのですが、当然あれだけの被害が広がっていますし、この間閣僚会合が開かれました。そこでやはりお見舞金だとか1頭につき牛は幾ら、豚は幾らというふうに金額面も出ていますから、全体の被害額が出た段階で当然それは「国民の生活が第一」と言っている民主党でございますので、そこは政府としてもそれに対するきちんとした対応はなされるだろうと。なされなければならないのではないかなというふうには思っていますが、ちょっとそれ以上は、細かいことはつかんでおりません。とにかく早く被害を止めなくてはいけないです、広がりを。それをやらないと先の話にはならないのではないかと思います。 |
| 問) | GDPの一次速報で信用性の問題があるとはいえ、景気が四半期連続でプラス成長になったと。4.9%の高い伸びということですけれども、今回の景気の回復ムードが今各党でやっていらっしゃるマニフェストの検討作業とか、あるいは44.3兆円の国債の発行額の問題とか、そういった議論に何がしかの影響を与えるものかどうか、その辺いかがでしょうか。 |
| 答) | この四半期連続のいわゆる上昇ということですが、名目値の絶対水準の最高が2006年の517兆円が最高だったのかな。それからぐんと下がります。少し上がってきているけれども、まだ、デフレのせいもあるけれども、水準として見た時にはまだピーク時にまで回復していませんし、回復の過程にあるということは間違いないし、その点は大変良いことですが、それをどのようにとらえるかということだと思います。これからのいわゆる3年ごとの中期財政フレーム、あるいは中期財政指針を考えるに当たっても、ある意味ではこのまま順調にずっと上がり続けてまた元へ戻っていくという絵姿が描ければ良いというふうには思いますけれども、やはり経済は生き物ですから、ああいうEUの状況も、先ほどちょっと専門家の方に聞く機会があったんですけれども、まだどちらへ転んでいくものやら、世の中うまくいくのか、それともまだまだ危機的な状況が続くのか、非常に分かりにくい状況ですというふうにおっしゃっていましたので、なるほどと思って、そこら辺は十分慎重に見極めていかなくてはいけないのではないかなというふうに思います。特に、私はどちらかというと、経済あっての財政だということです。ですから財政再建のために財政の規律を求めるというのではなくて、ある程度はやはり経済を発展させていくということをしっかりと考えなくてはいけないし、国民生活はそういう経済の発展によって支えられているわけですから、雇用にしたって賃金にしても。そういうところをまずよく見て進めていかなくてはいけないのではないかなというふうに思っております。 |
| 問) | 本日の事業仕分けで、塩事業センターが保有資産の一部を国庫に返納しなさいと。それから塩の備蓄量も少し多過ぎるのではないかといったような判定あるいは評価がされましたけれども、このことの受け止めをお伺いしたいのと、もう1点、先ほど国民負担率の話をされましたけれども、この国民負担率の望ましい水準、それと将来負担も含めた潜在的国民負担率の望ましい水準、それぞれどの程度というふうにお考えなのか、その点をお聞かせください。 |
| 答) | 塩事業センターの問題は、率直に申し上げて塩というのは、非常にかつては重要なある意味では物資であった、専売制度というものの中に置かれておりました。今我々も資料を見せていただきましたけれども、今日指摘をされたことが、どういう指摘をされたかというのは詳しく私もまだ見ておりませんけれども、ここまで備蓄をする必要があるのかとか、色々やはり指摘をされる可能性があるなというふうに思っていました。私自身はそういう意味で、財務省としてこの事業仕分けで、本当に必要性、それからこれだけの資産を保有している意味があるのかどうか、こういった点は少しやはり厳しく見た方が良いのではないかなというふうに思っていますので、私は方向性としては、そこは仕分け人の方々がどうされたかはちょっと詳しくは分かりませんが、きちんとそこは仕分けをして不必要なものはどんどん国庫に返していったり、色々前向きに進めていったら良いというふうに思っております。 それから国民負担率ですが、50%が良いとか悪いとか、この間経団連も大分少し変わってきたように思いますが、私は前々からお話をしているように、世界の国々どこを見ても先進国でいわゆる社会保障を除いた基礎的な経費というのはそう大きな差はないのです。つまり公務員でやらなくはいけない分野、あるいは公共事業を含めて、教育費もそうですが、それほどいわゆる国の支出の大きさというのはそう差はありません。何で差がつくかというと、社会保障費の大きさによってつくのです。それは慶應大学の権丈先生がよく指摘をされている点でありますから、皆さんもそれをご覧になっていただきたい。ですから小さい政府であれば小さい社会保障と。大きい政府は大きい社会保障と。つまり我々がどんな社会保障水準を望むかによって決まってくるわけでありますから、我々がどんな社会保障を求めるのですかと、その作業は恐らく2年前の社会保障国民会議が医療、介護、年金、それから子育て、これらについてのシミュレーションをやったデータがございますから、それを見ていただくと分かると思います。ただ今日本はそのことを言っていれば済むかというと、GDP比で180%を超えるような財政赤字を持っていますから、これをどうするのだということも併せて考えないといけない時代になっているのではないかなというふうに思います。その意味で中期財政フレーム、あるいは中期財政計画というか、10年計画も含めて仙谷大臣のところで今作業が進められていますが、そのことは、その両方をしっかりと見ていかなくてはいけないというふうに思います。その意味で何%が良いのですかと言うと、私はどちらかというと社会保障を重視した方が良いというふうに思っている方ですから、それでいてもおそらく、これから全ての国民にお願いをする分担してもらう税だとか、社会保険料はちょっと別ですけれども、税の引き上げなどを全て例えば社会保障に回しますというふうにはなかなか言いづらい状況に来ているのかなというふうに思っています。ある程度やはりこの財政再建にも使わざるを得ない状況になっているのかなと。これは時間が経てば経つほどおそらく、それが膨らめば膨らむほど財政再建に費やす量が増えていくと。その分社会保障に回る分が少なくなるというふうに思っていますので、そこはぜひ国民の皆さん方にそういうふうに考えてもらった方が良いのかなと、私自身はそう考えているということでございます。東洋経済の経済特集の中で、何か社会保障重視派で大きい政府の中に私だけが名前が載っていましたので、多分そういう答え、そういうふうに私が考えているからそういうふうに載ってしまったのかなと思っていますけれども。菅さんが「…」と私の方に来始めているというふうな図が描いて、誰が作ったのかなと思って興味深く見ましたけれども。 |
| 問) | 塩事業センターの件で、繰り返しで恐縮ですけれども、法人としての組織形態も含めた見直しということになるのでしょうか。 |
| 答) | 仕分け人はそういうふうに言っていましたか。 |
| 問) | いや、そこまでは。 |
| 答) | そこら辺はどういうふうに民間の方々、仕分け人の方々が判断をされたのかなということを私もしかとつかめていませんので、そこら辺り、国がきちんと面倒を見なくてはいけないところなのかどうなのかというところの仕分けは仕分け人の方々の意見がどんなふうに出るのか、非常に注目はしておりましたので、それが出れば私は良いのではないかなと思ったりもしているのですけれども、どうしても最低限そうは言っても塩も重要物資だからということで、今備蓄しているところまでは要らないけれども、ある程度少し持っておいた方が良いのなら持っても良いけれども、それはある意味では世界的にいつでも自由化したり、色々したりすれば済むのではないかなというふうに思ったりします。この辺りは私よりも菅大臣が非常に塩については、お父さんが昔宇部曹達とかというところでお仕事をされていたということで非常に詳しかったですね。一度大臣にお聞きになったら良いかと思います。 |
| 問) | 行政事業レビュー、いわゆる省内版仕分けというか、財務省の中で事業をピックアップして外部の目を入れて予算などをチェックしていくというものですけれども、先般の行政刷新会議でも各省でどういう事業をやるのかというのが決まっているようですけれども、これはどういう観点で財務省の中では、たしか7事業ほどあったと思うんですけれども、選ばれたのかというところをお聞きしたいんですが。 |
| 答) | 今その資料は持っておりませんが、財務省としてはこの種のことについては率先してやっていこうという観点で、比較的行政刷新になじむものをきちんと出して、そしてそれを外部の目の皆さん方にやってもらおうということでやったのですけれども、全体でどれぐらいあって、そのうちなぜこれを取り上げたのかということについてはちょっと今資料を持っていませんので、今日のところは勘弁していただければと思います。来週月曜日に野田副大臣にも聞いていただければと思います。 |
| 問) | 先ほど、財政再建も重要な課題だが出口戦略の議論をしなくてはいけないと会見の最初の方でおっしゃいましたが、副大臣ご自身はその出口戦略の方策というのはいつ頃から実施した方が良いとお考えでしょうか。それから、今日の政務三役会議で出口戦略がテーマの1つになりましたか。 |
| 答) | 今日は、出口戦略はテーマになっていません。なっていませんが、この点はなかなか、要するに全治3年というふうに前総理大臣はおっしゃったわけです。麻生総理は全治3年とおっしゃったのですが、これは本当に、日本経済も完全に立ち直ったと、ついては財政支出をもう1回切り詰めていくという、そういう議論の問題だと思いますので、ここら辺はある意味ではマクロ経済全体、これからの日本経済、あるいは世界経済をどう見るかということについて率直に意見交換をされた方が良いと思いますが、なかなかやや私自身の個人的な見解からすると、1つはデフレの問題をどういうふうに考えたらよいのかということもあると同時に、ここまで十数年、1995年前後もデフレだというふうに言えば15年ぐらいデフレが続いているわけですけれども、そういう中でデフレが解消しなければなかなか新しい成長が出来ないのだというふうに見るかどうかという議論も当然出てくるだろうと思いますが、そのことはちょっと別にしても、世界的に見て、ヨーロッパのユーロの動きだとか、あるいはアメリカ経済も完全に本当の意味で立ち直ったのかどうかとか、特に金融の問題もあれだけのゼロ金利に近い金利に下げていただいて、実際上の支出する、融資している金利の差額が結構大きいですから。ですから非常に早く回復しているように見えますが、私の見ている、聞いている限りでは、実体経済、特にいわゆるローンの問題、住宅ローンの問題だとか、あるいは商業ローンの問題だとか、そういったところはそれほど良くなっているというふうになかなか見えていないところもあるのではないかと言っていますので、そこはやはり世界的な動きは慎重に見ておく必要があるし、お隣の中国もこの間ちょっと日中経済対話で行ってまいりましたけれども、地方自治体のいわゆる重複した投資に対する中央財政当局の非常に不安な気持ちを持っておられましたし、やはりバブルの問題というのは非常に残っているのかなと思ったりもしていますので、そういった点もよく見ながら、あまり急がないでしっかりと着実にやっていかなくてはいけない。ただし、そうは言っても財政の再建問題というのは大きい課題として我々の前に来ていると。そこら辺の兼ね合いの問題だろうというふうに思いますけれども。これは私の個人的な見解です。 |
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