5月13日 峰崎財務副大臣記者会見の概要
峰崎財務副大臣記者会見の概要 | |
(平成22年5月13日(木曜日)) | |
| 【冒頭発言】 | |
| 私の方から、1つは、税調の専門家委員会から税制調査会の方に、この間かなり急ピッチに議論してもらった論点の粗々のまとめを今週中にもぜひ実現したいものだと思っていたのですけれども、なかなか3人の大臣の集まるのが物理的に今週ちょっと難しいということで、一連の会合が来週以降に延びそうだということで、まずその点を報告しておきたいと思います。それから税制調査会の専門家委員会のもう1つの納税者環境整備小委員会が今日も第8回の会合が行われまして、いわゆる納税者の権利問題、あるいは手続の問題、そして今日は国税不服審判所のあり方の問題などについての議論が行われました。大体6月の初めぐらいにはこれも論点整理が出てくるのではないかなというふうに思っておりますが、その後の扱いについてはちょっと未定で、神野委員長ともお話をしていただく必要があるのかなというふうに思っております。 あと政務三役会議では、来年度の採用枠の問題を、特に国税、あるいは税関、こういったところの採用枠を8割削減というような議論がちょっと出ていたのですけれども、これは出来る限り、特に国税の場合は非常に人材が勝負というところもありますし、最近の実調率の低下などもありますので、そういったことも含めて出来る限り、明日閣議で何か方向性が出るやに聞いていますので、なるべく最後まで人材確保の努力を進めていくようにというような議論をいたしたところでございます。とりあえず私のほうからは以上です。 | |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 先ほどお話のありました税調のスケジュールなんですけれども、一連の会合が来週以降に延びそうということだったんですけれども、その一連の会合というのは、最初にちょっとどういう段取りなのかというところをもうちょっとイメージが分かれば教えてください。 |
| 答) | 税制調査会本体に報告をしてもらおうと思っているわけですけれども、それは行き着く先として神野委員長から3大臣の方に少し説明が要るのかなというふうに思っておりまして、そこで一応の報告を受けてその扱いについても少し議論をしようと。そうすると、その扱いを受けて議論するということを踏まえて税制調査会企画委員会、そして本体会合と。その前におそらくまた税制調査会の専門家委員会でこういう形で報告しますということも必要になるのかなというふうに思っておりますが、これは専門家委員会の運営の問題ですから神野委員長の意向などにもよるだろうと思いますけれども、そういう流れを予定していたのですけれども、今週ちょっとなかなかその一歩が入れなかったものですから、そういう流れを来週以降になるだろうと。なるべく来週中にはやりたいなというふうには思っております。なかなかそれぞれお忙しい人達が集まっているので、それが来週中に必ず実現出来るかどうかというのは今のところ未定ですけれども。 |
| 問) | 先日、大臣の方が国債の発行額を来年度の予算編成の際に、今年度の44兆円を超えないという方針を示されましたけれども、これについて副大臣はどう思われるか、また過去最大の発行額を考えると決して緩い水準でもないとも思うんですけれども、この水準についてどう思うかお聞かせください。 |
| 答) | 大臣が44兆3,000億円という、今年度これよりは下回るようにということで、これから来年度予算という問題を控えているだけに、やはりギリシャ問題を含めたEUのソブリンリスクが非常に高まっておりますので、その意味で日本のソブリンリスクに対する対応もきちんとしていかなければいけないと、そういう宣言的な意味合いがあったのではないかなというふうに思っております。そういう意味でこれから中期財政フレームがどんな形になっていくのか、あるいは2020年に向けてどんな財政再建の姿を打ち出していけるのか、こういったことにも関わってくると思いますので、そういった論議の中で国債発行額の問題も当然のことながら、歳入の見込み、それから歳出の見込み、そういったものの要調整額をどうするかとか、それに対してはどういう対応をするのかとか、国民の皆さん方の負担の問題なども当然出てくる課題としてあるわけですから、そういったことなどは中期財政フレームで展開をされる、それを我々としてはやはり仙谷大臣のところできちんとした方策が打ち出されるというふうに思っていますので、それに対する1つの発信かなというふうには思っていますけれども。 |
| 問) | 今日の民主党のマニフェストの企画委員会の方で、次の衆院選後の消費増税というものを明記するということを公約として打ち出すということのブリーフィングがあったんですけれども、これについてどう評価されるのか。特にその理由として危機的な財政状況を今のままでは乗り越えられないというようなことをご説明されていたんですけれども、何のために増税するのかという点についてご見解をお聞かせください。 |
| 答) | マニフェストの企画委員会の詳しい中身については私もつかんでいませんので分かりませんが、国民の皆さん方にやはり負担というか、菅大臣や私達は分担というふうに最近では発言をしたりしているのですが、国民の皆さんにそれをお願いするという時には当然のことながら、なぜそれが必要なのかということについての丁寧な、しかもしっかりと説得力のある考え方を打ち出していかなくてはいけないというふうに私自身はかねがね思っておりました。たしか自由民主党の最後の段階で、当時の与謝野財務大臣が、所得税法等の一部を改正する法律の附則104条にある程度書かれているわけで、その時に、これから引き上げていく消費税は社会保障に充てるのだという表現があったり、あるいは財政再建にも使うのだというような表現ぶりなんかもあったりで、そこら辺は野党の時代に随分私が、それはどちらに使うのですかということを追及したことがあります。その当時はまだリーマンショックなり、あるいは最近のソブリンリスクの問題なども抱えていませんでしたし、税収が37兆円まで落ち込むという異常な税収不足を経験する前でしたので、それだけに私は国民が政府に対する信頼、なるほど、こういう使い方をするのなら、我々が分担をする、負担をするということについてはやむを得ないなという信頼を得るということをきちんとしなくてはいけないのではないかと。そうすると、皆さんご存じのように、今OECDの中で医療費、これに対する政府のいわゆる財政の支出している割合が国際的に見て非常に低い。教育費、これもご存じのようにOECDの中で、GDP比で比較すると非常にこれまた低い。あるいはその他の社会保障を含めてそうですね。特に現金給付よりも現物給付のいわゆる政府負担といいますか、政府がそれを支出しているものが極めて低いわけです。それはなぜ低いかというと、国民負担率、国民分担率、それ自身が非常にもともと低いわけですから、それも赤字国債を出して多少はお化粧したとしても、もともと少ないわけです。だからそういう意味で国民の信頼を得るために、いわゆる社会保障の給付や教育、そういったところにしっかりと負担をして、やはりこういう政府なら我々はもっときちんと負担しても良いではないかという信頼を回復して、私はやはり国民の皆さんにお願いをするというふうにしていかなくてはいけないと思ったのですが、おそらくそれに加えて、今の世界的な、特にEUのPIIGSと言われているような国々のソブリンリスクを見ていると、日本もしっかりと財政再建ということについても国民にきちんと丁寧に話をしていかなくてはいけないなと。やはり2つ、国民生活に直結しているセーフティネットを張り替えていく、あるいはそれをしっかりとしたものにしていくという大きな支出要因と、それから財政をしっかりとして再建のメドを、方向性をちゃんと示すと、この2つがおそらく不可欠なのだろうなというふうに思っておりまして、そういう意味での発言が今日あったのかなというふうに思ったりもしますが、党の方のマニフェストの話ですから、それがどういうふうになっていくのかというのはちょっと注目をして見ていきたいなと思っています。 |
| 問) | マニフェストの関連ではあるんですが、あくまでも次期衆院選後ということで消費税を含む税制の抜本改革ということなんですが、今副大臣からも話がありましたソブリンリスク等を考えますと、足元の11年、12年、13年をどうしていくのかというようなところがやはり喫緊の課題かと思います。民主党のマニフェストや財政健全化にもかなり書き込む、書き込んでいくということなんですが、依然としてここの部分の歳入と歳出のギャップが現状の子ども手当の論議などを見ても大きいかと思うのですけれども、この辺やはりもう少し足元を引き寄せて見た時に、財務当局から見てマニフェストに対してもう少しこうした方がいいんじゃないかという部分についてお考えがあればお聞かせいただきたいんですが。 |
| 答) | マニフェストの中身の議論の中にあまり参加していませんから、またそれは党の側で今中心になってやられて、仙谷大臣ほか古川副大臣とか松井副官房長官等が入っておられますので、そういった中で財政当局的な観点というのは彼らも非常によく分かっていると思います。ペイ・アズ・ユー・ゴー原則であるとか、やはりしっかりとした歳入なくして歳出を野放図に増やしていくことは出来ないのだといったようなことはよく分かっていますし、この間の予算編成過程にそれぞれの方々皆経験済みですから、それと実際上の党が打ち出してくる政策とのすり合わせというものがやはりそこはきちんとなされるはずだし、当然なされるべきだというふうに私自身は思っていますし、確信はしています。 先ほど、私、国税の採用の8割減というふうに申し上げたようですけれども、これは5割減です。5割減でも厳しいのだということをちょっと内部で議論したということでございます。訂正させていただきます。 |
| 問) | 民主党のマニフェストの研究会の中で衆院選の時にも書いてあった租税特別措置の見直しについて原則廃止すると、必要なものは本則化する、恒久化するというふうなことも、また盛り込みたいという話がありましたけれども、これについて副大臣ご自身は去年の経験も踏まえてどう思われているのか教えてください。 |
| 答) | 租税特別措置を基本的には廃止する方向でということについては、私も原則的にはその方向が正しいと思っているのですが、ただ、いざ実際にやってみると法律に根拠があるものがあったりするのです。法律に根拠があるものというのは法律を廃止しないと、修正しなくてはなかなかいけないようなところもあったりして、非常に租特というのは一筋縄で行かないところがあるなという感じがします。と同時に、租税特別措置透明化法案も通って、色々実態をやはりきちんとつかまえていくというか、そういうものを踏まえた上での議論などもこれからしていかなくてはいけませんので、おそらく単年度で一気に廃止するということは、私はなかなか難しいと思っていますので、そういう作業を何年かやった上で改めて租特を見直していこうと。と同時に法人税率の引き下げ問題というのがありますので、この法人税率の引き下げ問題に絡んでやっぱり租税特別措置の見直しというのは、課税ベースの見直しをしていくという観点では非常に重要なポイントの1つだろうというふうに思っております。もちろん法人税率の課税ベースというのはこれだけではなくて、例えば減価償却だとか、あるいはドイツで私もちょっと先日調べたのですが、支払い利子のいわゆる損金算入というものを、今度はそれを損金算入しないで課税ベースを拡げたとか、色々なやり方をしているようですから、少し幅広く法人の課税ベースの問題は考えていかなくてはいけないなというふうに思っていますが、租特はその中の1つの重要なポイントだというふうに思います。 |
| 問) | 先ほどのマニフェストの消費税の関連なんですけれども、マニフェストに書くということは、このまま行けば、選挙は将来の消費増税ということを打ち出して戦うということになると思うんですけれども、党側がそういう決断というか、考えになったということについての評価はいかがでしょうか。 |
| 答) | そういうふうになったというふうにはまだ、要するにマニフェストの企画委員会でそういう発言があったということは聞いてはいるのですが、最終的に文書でどういうふうになったかというのを見ていないので、あまり断定的なことは、これはやはり消費税の扱いというのは非常にセンシティブですから、あたかもそれが前提の上で評価を加えるというのはあまり適切でないなと思っていますので、そこは党としてそういうマニフェストにするということになった場合にはまた私なりの見解も述べてみたいと思いますが、今の段階ではちょっとそこは触れない方が良いかなと思ってはいるんですけれども。 |
| 問) | 先ほどの採用枠の関係なんですが、5割減ということですけれども、実際これぐらい増やしてほしいということを明日要求するということになるんですか。 |
| 答) | 我々としては最低でもこれだけ増やしてほしいというのは、事務当局というか、向こうの政務三役のレベルでは話し合いをして、私なりに、私はちょっと税の関係は主税局ほか対応しているものですから、私の立場から、あれはたしか総務省の方だと思いますが、政務二役の方には要望を出しております。なかなか厳しいという答えは返ってきていますが、明日朝の閣議で、数まで決めるかどうかは別にして方向が定まるような話を聞いていますので、今日の夜辺りまでが1つのポイントかなと思っております。 |
| 問) | それは退職者との関係で人件費が膨らむというような懸念というのはないんでしょうか。 |
| 答) | 今の人件費が膨らむ、膨らまないの問題はちょっと別の問題として、やはり定数上、来年度、例えば今年何千人か自然退職されます。そうすると、それを埋めるべく採用枠を決めてやろうとしているわけです。それに対して5割減と話が来たわけです。5割減だとあまりにもひどいというのを、色々な感じで要求して、特に国税の関係は最近実調率が今から10年前ぐらいに比べて半分ぐらいに落ちていますから、そういう意味で税収が足りない時にますます人が減っていくということについて、あまり良い効果をもたらさないのではないかとか色々なことを私達それなりに発言しながら要求をしてきました。しかしそうはいっても今おっしゃった人件費が膨らむ可能性の問題についてどうなのだということで、多分そういう意味で来年の採用枠をうんと減らせというのはそこから来ているのではないかと思うのですが、人件費の枠の問題は当然のことながら、我々も国家公務員の人件費を減らせということを言ってきた立場ですから当然その問題はあるのですけれども、それは恐らく公務員制度を預かっている仙谷さんのところの方針が出てくると思いますので、それはそれでやらなくてはいけないけれども、少なくとも一律にやられると、特に税のところなんかは人が増えれば増やしただけの効果が上がっている分野で、1人当たり5,000万円ぐらいの、いわゆる税収の増が、費用対効果という意味で上がっている分野なんです。ですから、それはぜひ一律にやらないで、そういう分野はきちんとある程度増やしてほしいという要望は出していると、こういうことでございます。 |
| 問) | 先ほどの44.3兆円の話に戻らせていただくんですが、先ほど日本のソブリンリスクへの対応という意味での宣言的なものだというお話がありましたけれども、この44.3兆円という水準自体がかなり異例な水準だとは思うんですけれども、この水準を基準として大臣の方で一定の線を引いたということで、むしろもう少しこれよりも低く設定するべきだというような考え方もあるのではないかと思うんですが、その辺、44.3兆円という水準について副大臣としてはどういうふうにお考えでしょうか。 |
| 答) | 私は前の総理大臣が全治3年というふうにおっしゃったわけですけれども、いわゆる100年に一度と言われたリーマンショック以降の世界的な経済危機、意外と早く回復基調に入ってきたのかなというふうに一般的には見られているのですけれども、もう少し出口戦略に移行することが出来るかどうかといったことも相当慎重に考えた方が良いところなんです。ですから、これからの経済見通しをどういうふうに組み立てていくのかということがまず最初にあって、特に全治3年からするとちょうど来年度が3年目に入りますけれども、来年度の経済見通しを我々なりにしっかりと、よく見て検討して、その上でトータルとしての財政の規模をやはり決めていかなくてはいけないわけです。ですからそういう中期財政フレーム以前に、来年度はとりあえずどのような位置付けできちんとやるのか、いわゆる財政再建の方の道に入っていく前にそれをきちんとやはり分析して、その上で44.3というのはおそらく私は、それ以下にしていかなくてはいけないのではないかなというふうに思ってはいるのですが、果たしてそうなるかどうかというのは分かりませんけれども、大臣として見たら多分これ以上はソブリンリスクの問題も含めて、世界の市場の目はなかなか厳しいというふうに見ておられるし、私もやはりそこはきちんと見ておいた方が良いところかなと思ったりしています。ただ何度も言うように、国民の生活を一番に考えなくてはいけませんし、財政よりも経済というものがどう動くかということを考えなくては、つまり財政再建を目標にして物事を考えていくと失敗することも多いですから、その辺りもちゃんとよく考えていかなくてはいけない点ではないかなと思っています。もちろん基本は、財政はきちんと再建しなくてはいけないという立場ですけれども。 |
| (以上) | |
