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5月2日 菅副総理兼財務大臣記者会見の概要

菅副総理兼財務大臣記者会見の概要

(平成22年5月2日(日曜日))

於:タシケント

【冒頭発言】
 今日は、ASEAN+3の大臣会議に出席をいたしました。この会議では、経済情勢、地域金融協力のさらなる推進などを主な議題として意見交換を行いました。
 まずは、経済情勢については、世界的な経済危機からアジア諸国がいち早く力強い経済回復を示し、世界経済回復の牽引役となっていること、一方で世界経済・地域経済にまだリスクが依然としてあり、引続き適切なマクロ経済政策を講じていくことが重要であること、こういった点で意見が一致をいたしました。
 次に、地域金融協力については、チェンマイ・イニシアティブの発動を支える、いわゆるAMRO、ASEAN+3マクロ経済リサーチ・オフィスに関する全ての主要事項や、アジア企業が発行する債券を保証する、いわゆるCGIFと呼ばれる信用保証・投資ファシリティの設立について合意をし、その内容は皆さんのお手元にお配りした共同ステートメントに取りまとめられております。
 また、域内の貯蓄を域内の成長に向けた投資に結び付ける観点から、官民合同で、各国の規制や市場慣行の調和化に向け、議論を行うフォーラムASEAN+3債券市場フォーラム、ABMFを設置することで合意をいたしました。これに関連して我が国独自の取組みとして、JBICを活用してサムライ債の発行支援やプロ向け債券市場の創設についても、そうしたことに努力することを皆さんに紹介いたしました。
 さらに、ASEAN+3の金融協力を更に強化するために、マルチ化されたチェンマイ・イニシアティブの有効性を高めることや、ASEAN+3の金融協力の戦略的な方向性を提示するため、タスクフォースを設置することに合意をいたしました。
 こういった合意は全てお手元の合意のステートメントにありますが、大変中身の濃い合意ができたと、このように思っております。
 また、日本経済についてあまり多く議論する場はありませんでしたが、私の方から6月に向けて、中期財政フレームや財政運営戦略を策定して財政健全化の道筋を示すということを説明いたしました。また、税との関係で、税をとっても使い途を間違えずに、介護とか医療とか保育とか、あるいは環境技術の成長につながることに使えば、経済にとって必ずしもマイナスではなくてプラスになると、こういうことも検討しているということも申し上げました。
 そういったことで、あといくつかのことを、質問があれば答えたいと思いますが、中身の濃い議論ができたと、このように考えております。私からは以上です。
【質疑応答】
問) 今日のASEAN+3に先立つ日中韓財務大臣会合においてですね、今大臣が触れられました税負担をお願いしてもですね、経済成長に資するなど最近の大臣のお考えを紹介されたということなんですけども、これについて中国、韓国あるいはASEAN+3でもご発言されているということなので、他国からこの点について何らかの反応なり感想なりがあったのかどうかというのが一つ。あと、日中韓でご紹介されたときにですね、大臣としてまず増税、税を引き上げることについては公式に明言されたのでしょうか。
答) 日本の状況を説明する中で、日中韓の会議でもASEAN+3の会議でもほぼ同様のことを申し上げました。ただ、税を上げるということを確定的に言ったのではなくて、まさに今の状況の中ではこれ以上負債を増やすわけにいかないけれども、なかなか税については使い方を誤らなければ経済にプラスになると考えているけれども、なかなかそれを、理解を国民にしてもらうことは難しいと、現在そういう努力をしているところだと、そういう趣旨のことを申し上げました。あまり多くの感想はなかったのですが、いずれの国でもそういうことはあるということが一言くらいあった程度です。
問) 今日の東アジアサミットの会議では、どういった議論があったのかご紹介をお願いしたいのと、先ほどの財政健全化に絡んで財政健全化基本法案の提出の時期について新たな進捗があったのかどうか、この2点についてお聞かせください。
答) EAS財務大臣非公式会議では、いくつかの話がありました。特に、最初に韓国の方からG20との関係について、色々意見が出されまして、いくつかの国からそのことに関連した意見がありました。ASEANの国から、現在1カ国だけ正式加盟してG20に出ておりますが、インドネシアが出ております、ASEANとしてと言いますか、ASEANを代表して常にオブザーバー参加ないしは正式参加ができないだろうかというような趣旨のこともあり、また地域代表ということになると他の地域からもそういう要請が出るのではないかという議論もありました。いずれにしても、この地域が、東アジアが大変重要な地域だということを踏まえて、G20に対して、どういう形であるかを超えて、常に考え方が伝わるようにしていこうというそういう趣旨の話が一つありました。それから、この間の協力についても、特にオーストラリアが今金融とか証券について色々人材育成のプログラムを提供していておられるようで、我が国もこれまで色々と提供してきたわけですけれども、そういったことについてかなりの国から、オーストラリアからも紹介があったのですけれども、かなりの国から色々そういう支援を受けてありがたいというようなお礼の気持ちを込めての話もありました。それと議論の途中で、一度黒田アジア開発銀行総裁が、かなり踏み込んだといいますか、今のこの東アジアの中で大変重要なウェイトを持った地域だから、そういう点で東アジアの共同体的なところについても考えようという話もありました。私も一度その若干重なるところもありましたけれども、この地域は人口でも、ほぼ世界の半分、GDPでも世界の4分の1のところであって、そういう点でこの地域の協力はアジアにとってはもちろんですが、世界にとってもプラスになるし、またそれによっての安定はアジアや世界の平和にもつながってくると、鳩山総理が東アジア共同体ということも言われていて、そういうことに向かって一歩ずつでも前進できればという趣旨のことも私から申し上げ、同時にいわゆる気候変動問題などでも、このEASの枠組みで取り組めれば望ましいのではないかと、こういう趣旨のことも申し上げました。
 健全化法については、国内の記者会見でも申し上げましたが、法律そのものについては、実は4月中に取りまとめたいということで努力していましたが、やや調整不十分ということで総理の方からもう少し時間をかけてよく慎重にやるようにという指示もいただいて、連休明けからどういう形でそれを継続するか、多少考えているところです。ただ、いずれにしても法律がどうなるかは抜きにしてもいわゆる6月には中期財政フレームと財政運営戦略を出すということは決まっていますので、法案は逆にそれらの中身を法案にすることで与野党の議論の場に乗せたいというのが私の考えなものですから、必ずしも法案化がもし遅れたとしても、場合によっては国会情勢などで国会に出せないとしても、いずれにしても中身は、法案に盛り込もうと思った中身は、原案が元々さっきいった中期財政フレーム等の方が原案ですのでそれは固めなければいけないわけで、いずれにしても少し本格的な議論が必要だと思っております。この間も、ギリシャの問題はこのASEAN+3の中ではほとんど議題という形では議論されておりませんけれども、やはり今のギリシャの状況、ヨーロッパの状況を見ていると従来以上にソブリンリスクというのかそういうものに対する関心が高まっていますから、やはり我が国が置かれた状況というのは6月というものを、一応期限を切っておりますので、それに対しては相当しっかりした対応を取らなければならないと改めて感じています。
問) 共同声明の中にもあるのですが中期的な財政の持続可能性及び金融の安定性を確保するために適切な出口戦略を策定するということが盛り込まれていますが、菅大臣としては日本の出口戦略について現時点ではどのように考えていらっしゃるのか。また、ASEAN+3会合の中で、成長戦略についてどの程度詳しく話され、もし反応があればどのような反応があったのか教えていただけないでしょうか。
答) まず、出口戦略ですが、一般的に、ご承知のようにもう新興国は、出口を超えている国もありますし、わざわざ出口戦略というまでもなく成長軌道に戻っていると。それで主にヨーロッパの国、アメリカも若干含めて出口戦略を景気回復に伴ってそれに向かわなければいけないと、主には財政出動を大幅に、単年度の財政赤字が増えていますので、それを抑制するということが出口戦略の大きな柱になっていると理解しています。ただ、日本の場合は若干状況が違って、財政の赤字というかいわゆる債務残高が極めて高い水準にありますので、またこの状況は今回のいわゆるリーマンショックで生じたというよりは、それ以前から10年、20年に渡る財政運営の中で生じていますので、もちろんリーマンショックに対する対応で昨年、今年とかなり単年度の赤字も大きくなっておりますけれども、ただ単に単年度の赤字だけではない問題があるという認識です。ですから私の従来から申し上げているのは、急いで出口戦略に取り掛かって経済の回復が逆にマイナスになるようなことは避けたいと。かといってこれ以上今までのようなペースで赤字を積み上げることも、これはマーケットの信認等を含めてなかなかもう許されない状況にあると。そうするとやはり財政出動に必要な財源を、税制改革等によって確保する必要があるのではないかと、こういう考え方で先ほど来申し上げているように、これから中期財政フレーム等を考える上で、そういう考え方が国民の皆様にどこまで理解されるのか、まさにこれからがそのことの本番だと、だから他の国の出口戦略を考えるというのと若干この何と言いましょうか、見方をもっとこうより長い過去の問題を含めてどう解決していくかということで見なければならないと思っております。
 それから成長戦略については、基本的にはアジアの成長に対して、インフラとかあるいは環境、エネルギーなどの分野で協力することを通して我が国の成長にも繋げていきたいという、新成長戦略の環境やアジアとの連携ということを念頭に置いて説明をしました。
問) 今の成長戦略の話ですが、大臣また明日ADBの方にも出席されると思うのですが、昨日のインドの大臣の面会や各国への説明もされたと思うのですが、手応えといいますかそのあたりの感触をお聞かせください。
答) このASEAN+3、あるいはEASの会議はまさにかなり大勢のマルチの会議ですので、必ずしも我が国のそういう考え方に対して色々とそこは中心になって議論になるということではないので、直接的な反応という意味ではそうたくさんあったわけではありません。ただ、全体の構造でいうと、やはりこのチェンマイ・イニシアティブは、かつてのアジア危機から生まれて、非常にこのASEAN+3にとっては大きなインフラができたということでありますし、一方この明日から始まるアジア開発銀行それ自体が、大変ある意味で日本の出資がアメリカと並んで一番大きいわけですから、そういう形で色々な国々の成長に相当大きな寄与をしているわけですし、またJBICや国によっては日本のODAが、このウズベキスタンもそうですが、色々な分野でそれぞれの国の成長にも繋がっているわけです。そういう全体の構造を見ると、日本が説明した考え方はある意味これまでの延長上をさらに積極的にやりたいということで十分理解されているというふうに私は思っております。
問) 債券投資ファシリティについて日本は最大の出資国となるわけですが、改めて大臣としてのご所見をお聞かせください。2点目に、本日初めてアジアの財務大臣と話してみて、各国が日本に何か期待していることを、ざっくばらんに感じたことを教えていただければと思います。
答) このCGIFの設立というのは、やはりASEANの国々にとって、今回の金融危機の場合も国債発行が比較的上手くいったというふうにも各国聞いておりますから、そういう点では今後の各国の資金の流通にとっては大変大きな一歩というのか、これまたインフラになっているのではないかと、私もまだこの分野、特にアジアの状況をつぶさに詳しいわけではありませんが、G7とかG20に出てみて、ヨーロッパはそうはいっても色々なことの経験を積んでいるわけですけれども、ある意味ではアジアがそのヨーロッパのような経験を蓄積して色々なチェンマイ・イニシアティブというマルチができた、こういうCGIFという信用保証や投資のファシリティのインフラができている、私はかなり大きな前進だというふうに受け止めております。
 今も申し上げたように、G7とかG20、そして今回いわゆるASEAN+3、さらにはEASという会議に出てみて、やはりアジアの国々自身がかなりこう自信をつけてきているという感じがします。もちろん国にもよりますけれども、もちろん中国さらに韓国は、特にそういう自分たちももう世界の一線のプレーヤーという意識はありますし、他の国もたぶんこの間の経緯の中では比較的、自信というか成長軌道に早く戻れたということで自信をつけているのではないかと思います。そのことと日本との関係について、色々な意味で変化の時だと思います。かつてはやはりアジアにおいて日本の存在は、良くも悪くも大きいドナー国としては、アジアの中で唯一といっても良かったわけですから、そういう状況からだんだん相対化してきているということはあると思います。逆に言うと我が国にとっても、これまでのような形でアジアの国々と単純に延長上で付き合うというのではなくて、もう一度こうしっかりと戦略を立てて、改めてアジアとの関係を再構築するぐらいのことが必要ではないかと思っております。特に私はですね、非常に良いポジションにいると思っています、実は。つまり日本自身は、高齢化とか人口の減少とか色々なことが言われますが、一方ではかなり資金を蓄積しているわけですし、技術も持っているわけですし、ですからその資金と蓄積されている技術を積極的に活用すれば、アジアというのはまさに、日本もアジアなのですから、一番距離的にも関係的にも深い関係にある国々なわけですから、もっともっと大きなチャンスというか、日本の経済にとってプラスになるあり方というのがもっともっとあるのだろうと。たぶんこの5年、10年が非常に立ち遅れたのではないかと。特にやはり小泉・竹中政権の頃、これは中国に行ってみて感じたのですけれども先日、中国などでもODAがなくなった後、切り替えてJBICとかそういうものを活用してどんどん中国の成長に入っていけば良かったのに、特に小泉政権は若干政治的な問題も抱えていましたから、非常に中国などの成長が何と言いましょうか急速に伸びるところで、やはりヨーロッパとか他の地域にかなり立ち遅れています。私は全体にそうではないかと思います。そういう点でこの10年間の立ち遅れを大きく挽回することが必要ではないかと、幸い皆さんご覧になっても11名の閣僚が外に出ているというふうに多少面白く書かれていますが、私も全部は知りませんけれども、例えば仙谷さんは上海万博のスタートに行ってベトナムに行くと、あと何人かもトップセールスではありませんけれども、それぞれがそれぞれの地域の成長に関与することで日本の成長に繋げていこうということ、私はほとんどの閣僚がそういう意識を持って、今回外に出ている人はそういう意識を持って出ていると思いますので、そういう点は従来の政権とは、意気込みを含めて、かなり違っているということはぜひ皆さん大きく報じて書いてもらえればありがたいですね。
 (以上)
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