4月3日 菅副総理兼財務大臣記者会見の概要
菅副総理兼財務大臣記者会見の概要 | |
(平成22年4月3日(土曜日)) | |
於:中国・北京 | |
| 【冒頭発言】 | |
| 第3回日中財務対話を行うことができました。この第3回日中財務対話が私と謝中国財政部長と共同議長のもとに、両財務省、正確には財務省と財政部ですが、その幹部の参加を得て4月3日にこの中国北京で開催されました。 私と謝両大臣は、財務対話が、双方にとって意義あるフォーラムであり、それが経済政策運営についての相互理解を深めることに貢献し、経済分野における日中の戦略的互恵関係の更なる進展を支援するという見解を共有いたしました。 また、同対話において、双方は、世界経済の課題、地域経済の発展、両国経済の見通し、マクロ経済政策と新成長戦略、ASEAN+3とAPECを通じた地域協力、G20などのグローバルなフォーラムにおける協力などの議題について意見交換を行いました。 両大臣は、世界経済の漸進的な回復は強固ではあるが、不確実性が残っていることを認識しております。双方は、世界金融危機による諸課題に対応し、経済回復を確かなものとするため協力を続ける必要がある。また、両大臣は、両国においてこれまで採られた経済の刺激策と、出口戦略について意見交換を行いました。両大臣は、自国及び東アジア地域さらには世界経済全体において、強固で持続可能かつ均衡ある経済成長を促進するためには、両経済が、各々の状況に鑑み、経済成長のパターンの転換の促進や新成長戦略の実行を含めた、適切なマクロ経済・構造政策を採用することの重要性をお互いに強調いたしました。 両大臣は、両国間の経済協力を一層向上させるため、両省幹部間の対話を強化し、実務ミッションと客員研究員を交換することを合意いたしました。両大臣は、日中租税条約の改定に向けた共同作業を継続することを合意しました。両大臣は日中韓FTAの産官学共同研究と日中韓投資協定についての議論の進展を歓迎することを申し述べました。また両大臣は、国際協力銀行と中国輸出入銀行との間の協力の進展を歓迎いたしております。 日本の財務大臣として中国謝財政部長に対し、第3回日中財務対話の開催について謝意を表すとともに、両大臣は、第4回日中財務対話を日本で来年開催することに合意いたしました。 以上、全体の感想としては率直かつ実務的に色々な意見交換ができたのではないかと、特に日中ということもありますけれども、中国は中国で色々な国との間での協議をしておりますし、わが国も先日私も出たG7等色々な場を持っております。その両国が、両国の財務相同士のかなり実務的な部分を含めての意見交換を今後もより密接にしていこうということが合意されたことは、本当に戦略的互恵関係という政治的なこの意味合いを、より実質的なものにする一つの場がさらに進展したと受け止めております。私からは以上です。 | |
| 【質疑応答】 | |
| 問) | 人民元についてですが、先ほどの日中財務対話ではやりとりがあったのでしょうか。 |
| 答) | この件は午前中、朝の温家宝総理との会談でご報告したような話をいたしました。謝財政部長もその場に同席されておりましたので、改めてこのことについての議論は特にはいたしませんでした。 |
| 問) | 朝の温総理との会見の中で、かなり人民元について力を込めた説明があったとありましたが、具体的にはどういう説明だったのでしょうか。 |
| 答) | 温総理の方から、今の中国が置かれたといいましょうか、ある意味で色々なところから見られている立場について、自分たちとしては必ずしもそういう見られ方、一部から言われている見られ方について必ずしもそうではないのではないかという趣旨のお話はありました。ただ、あまり具体的にどこからどう言っていることがどうかとかいうことではなくて、色々な経済、あるいは貿易関係の中で総合的なものなので、決してここだけはこうだとかそういうことはちょっと違うのではないかとか、全体的な話でした。 |
| 問) | 今後の為替政策について何か言及はありましたでしょうか。 |
| 答) | それは特定的な形ではありません。 |
| 問) | 出口戦略について双方で意見交換されたということですが、日中それぞれの出口戦略について、認識で一致した部分、あるいは日中で出口戦略に向けた考え方で違いがあったとすればそれを教えてください。 |
| 答) | 出口戦略という表現をしておりますが、中国はもう出口戦略というものを超えて、積極的にさらに経済成長を目指してというか、そのペースを落とさないで色々積極的に対応したいというような趣旨で一貫しておられたという感じがいたしました。私の方は、今の日本の状況を申し上げて、その中で色々努力は必要だという、言葉としてストレートに申し上げたわけではありませんが、なかなかこの出口戦略をストレートに取るというところまでは、そこまでは言い切れないと、そういうニュアンスで申し上げました。 |
| 問) | 中国側から鳩山政権の現在の国内の状況であるとか、鳩山内閣が進める政策、例えば郵政改革とか財政再建とかそのようなことについて質問はありましたでしょうか。ご質問がなくても副総理のほうからご紹介したとかはありましたでしょうか。 |
| 答) | もちろん財政運営について、6月に中期財政フレームを出す予定だとか、また財政の状況が非常に、日本が厳しい状況にあると、そういったことについては申し上げました。それから一つ、冒頭申し上げればよかったのですが、温家宝総理にぜひそう遠くない時期に訪日をしていただきたいと。実は鳩山総理とも電話で話をしておりますので、総理からもそういうことを申しつかってきたということを申し上げました。温家宝総理からは、前向きに受け止める趣旨のお返事をいただきました。具体的なところまではいきませんが、そういう要請をし、そういう前向きの姿勢を示していただいたというところです。 |
| 問) | 鳩山総理の上海万博に絡む訪中については何かお話が出ましたでしょうか。また、金正日総書記の訪中に関して午前中の温家宝首相との会談で、何か話はありましたでしょうか。 |
| 答) | 上海万博については、いろいろ多少耳に入っていますが、まだどうということまで確たることは承知しておりませんし、確たる形での話ということにはなっておりません。それから、金正日総書記のことは全く話題に、どちらからも出ておりません。 |
| 問) | 今日の具体的な合意事項として実務ミッションと客員研究員の交換とか国際協力銀行のお話がありますが、もう少し具体的に何かありますでしょうか。 |
| 答) | 温家宝総理との話、さらには謝財政部長との話を通していえば、私の方から特に少し力を入れて申し上げたのは新成長戦略の中でアジア地域の発展をわが国の発展につなげていきたいというその趣旨を踏まえた事例といいましょうか提案といいましょうか、例えば、環境政策、あるいはもう少し個別にいえば水道事業とか高速鉄道、街づくりとか、さらに場合によっては中小企業のあり方とか、そういうことについては色々申し上げました。全体として日本の企業なり日本政府が努力されることについて歓迎だと趣旨の話でした。具体的な案件ではありませんが、私としてはこちらに来てぜひそういう扉をより開くことが必要かなと。この中でもJBICとこちらの銀行との協力ということも歓迎するとありますが、こういう問題の実務的なことを合わせて合意ができたと。私なりの見方を言うと、この5年、7年、特に小泉政権以来、日中関係のもっと大きな経済的な協力の進展の可能性が大きかった時期に、残念ながらそれほど大きな進展につなげられなかった。例えば、EU、ヨーロッパが色々な事業に参加しているのに比べ、もともと日本はODAとかかつての鉄鋼とか、非常に中国に対して色々な協力もしながら、共同の色々な物があったのに比べると、この5年、7、8年の中国の急激な伸びに対して日中間のそういう協力案件が少ない、あるいは大きな所をヨーロッパに取られた中の下請けにとどまっている。私はこのことは、この間の日中間の政治が特に経済の面においてやや停滞していたのではないか。いわゆるトップセールスという言葉で言えば特に小泉時代には全くできなかった状況だったのではないかと思います。まだ、鳩山政権ができて半年ではありますが、そういう一つの遅れを取り戻すスタートにしたいと、こう思っています。 |
| 問) | 高速鉄道ということを仰っていますが、中国は整備が進んでおりまして、最近外国への輸出をしようとしておりますが、その中国に対して日本がどういう形で高速鉄道事業に関わっていこうとお考えなのでしょうか。 |
| 答) | 現在の細かい状況を知って言っているわけではないのですが、私、数年前に日本のリニアモーターカーについて中国側が非常に関心を示していたことがありました。その後、残念ながらその話は進みませんでした。今色々ドイツの技術を入れたとか独自でやったとか言われていますが、日本のリニアモーターカーの技術とドイツなど他の国の技術は全く違います。いわゆる超電導使ったリニアモーターカーは、私が知っている限りでは日本だけです。日本の実験線で言えば、1秒間に1キロずつスピードが上がって500秒で500キロになって400キロで走ってまた500秒でストップするという実験が行われていますが、この技術は当時、数年前ですが日本の中でまだ実際の運用ができていませんでしたので、海外に技術が出ることを多分、当時の政府は恐れたのだろう思います。しかし、今回は日本においてもご存知のようにJR東海が東京、名古屋、大阪で引くことを決めていますので、私はこの技術は戦略的に非常に可能性を持っていると思っております。そういう意味で若干、日本のリニアモーターカーを他の国とは全く違う優れた技術であることも少し触れて申し上げたところです。 |
| (以上) | |
