財務総合政策研究所

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報道発表

平成19年6月8日

「人口減少、家族・地域社会の変化と就労をめぐる諸問題に関する研究会」
報告書

1.研究会の目的等

非正規雇用の増加と、その長期化による所得階層の固定化傾向、短時間労働者と長時間労働者が増加する労働時間の二極化などが進行する中で、地域による求人の差を人口移動で埋めるというメカニズムは弱まり、地域における雇用開発が重要になっている。

また、産業構造の変化により女性の雇用機会が増加しているが、仕事と生活の両立に様々な困難をともなう場合が多い現状に対しては、国の施策と同時に地域の施策が非常に重要になってきている。

家族の姿が変化し労働力人口が減少する中で、就業率の引上げは重要であり、国の政策と同時に、それぞれの自治体・地方の取組みがその成否を決めていくことを考えねばならない。グローバル化の進展、技術革新、少子化、高齢化、人口減少社会の進展、財政政策の限界といった社会環境の変化の下、地域の雇用戦略を開発する取組みが始まっている。

このような問題意識を出発点として、財務総合政策研究所では、「人口減少、家族・地域社会の変化と就労をめぐる諸問題に関する研究会」(座長:樋口美雄 慶応義塾大学教授)を開催し、平成18年10月から平成19年3月にかけて6回にわたり、家族・地域社会の変化と就労、高齢化社会の諸相、就労をめぐる諸問題、人口減少時代の経済社会政策などについて議論してきた。

本報告書は、これらの成果を踏まえ、研究会メンバーによる分担執筆により取りまとめたものである。

(注)本報告書の内容や意見は全て執筆者個人に属し、財務省あるいは財務総合政策研究所公式見解を示すものではありません。

2.報告書のポイント

  • (1) 人口減少下の「仕事」と「暮らし」

    我が国では、労働市場のゆがみ、仕事と暮らしのゆがみ、地域におけるゆがみ、地域の変貌、家族の役割の後退といった状況が進みつつある(樋口ほか序章)。

    • 1 労働市場のゆがみについては、非正規雇用の増加による労働市場の二極化現象が指摘される。これには、男女正社員の間や正社員と非正社員の間に大きな違いをもたらしている年功賃金カーブや、長期経済停滞の下で、正社員の雇用を守るためにより多くの非正社員が必要になったことによる面が大きい(八代論文)。

    • 2 仕事と暮らしのゆがみについては、女性の社会進出が進むなかで、正社員の長時間労働、仕事と子育ての両立の難しさが少子化につながっていることなどが指摘され、ワークライフバランス社会の実現が望まれるとしている(大沢論文)。

    • 3 地域におけるゆがみについては、

      • ・ 地域移動の主流である若年者において、90年代以降、県内就職の大幅減少、県内・県外進学の上昇といった変化があり、若年者が一人前になるまで期間が延長されるとともに、職業技術を身につけることが困難な無業者層の問題など、社会のリスクが普遍化している(佐藤論文)、

      • ・ 地域における求人と求職のミスマッチは、職種による違いが大きく影響しており、地域間のミスマッチではない。人々が理工系をきらい技術者になろうとしなくなったことや、いわゆる3Kの仕事のなり手がいないという能力・資格のミスマッチが大きい。このため労働市場の流動性を高めただけでは問題は解決せず、求人側で求めている能力に対応した求職側の能力開発の必要性が高まっている(大井論文)、

      といった指摘がある。

    • 4 地域の変貌については、

      • ・ 人口ピラミッド要因による現役世代の著しい減少が進む2007年以降、わが国では大都市でも地方でも、就業者数の大幅な減少が避けられないと考えるべきである。若者の集積に乏しい県や過疎の県だけでなく、首都圏や愛知県の人口ピラミッドも、今後、労働力の大幅な減少をもたらすことになり、大都市でもこれに備えた対策が求められる(藻谷論文)、

      などの指摘がある。

    • 5 家族の役割の後退に関しては、

      • ・ 被保険者1人あたりの介護給付費の増加は、65歳以上人口に占める85歳以上人口の割合の上昇とともに、高齢者のみ世帯の増加によって70%以上が説明できる(田原論文)、

      • ・ 家族、地域社会の変容に対し、社会保障の提供主体としての地域コミュニティ、市民活動への期待が高まっている(東論文)、

      • ・ 近隣の重要性、多世代混住の必要性が増している(清原講演)、

      などの議論がある。

    このような変化は我が国のみならず、先進各国において多かれ少なかれ経験してきているところであり、その結果生み出された多様性の下で、各国では地域の実情に即した経済・雇用開発戦略が必要とされているものと考えられる。そしてその中心にあるのが、地域による「仕事」と「暮らし」のトータルな支援という視点である(樋口ほか論文)。

  • (2) 「仕事」と「暮らし」の変化に対応した経済政策

    • 1 社会保障制度の課題

      地域が変貌し、家族の役割が後退するなかで、公的年金が高齢者の生活を支える柱になるなど、社会保障制度の役割が高まっている。しかし社会保障費は、マクロ経済の規模に比較して30年間で3倍に増加しており、租税への依存を高める傾向や、現役世代から高齢世代への所得移転の増加がみられる。

      社会保障制度を持続可能なものとするためには、生産性向上などによる長期的な経済成長に加え、給付の必要性を考慮して支出を抑制すること、制度の簡素化と統合化、市場の活用による無駄がなく効率的な制度の構築が求められる(加藤論文)。

    • 2 経済成長の重要性

      社会保障制度の課題をみても、生産性向上や就業率の引上げによる労働投入量の確保などによって経済成長を図ることが、人口減少下の「仕事」と「暮らし」の変化に対応するために重要な鍵を握ることがわかる。これについては、

      • ・ 個々の企業や労働者が、多様な働き方を選択できるような効率的な労働市場を目指すとともに、正社員という企業内部の労働市場だけに依存せず、政府の支援による職業訓練機会や職業紹介を含めた効率的な外部労働市場を形成することが、労働者の雇用安定と経済全体の生産性の向上に不可欠である(八代論文)、

      • ・ 正社員の総労働時間を抑制しつつ、雇用形態間の待遇や社会保険加入要件の差をなくし、政労使が協調することなどによってワークライフバランスを実現することが重要である(大沢論文)、

      などの指摘がなされている。

      さらには、人口減少社会における「仕事」と「暮らし」の多様性を考えると、地域によるトータルな支援が必要と考えられる(後掲(3))。

    • 3 高齢化・人口減少への対応

      加えて、高齢化社会への対応として、

      • ・ 要介護者を抱える世帯の負担を軽減するための柔軟な労働形態の提供(櫨論文)、

      • ・ 地方圏への引退行動は、消費者、納税者、あるいは労働者としての高齢人口への期待に沿うものであること(田原論文)、

      • ・ 地方圏では、高齢農業者の再生産を円滑に進め、産業としての農業につなげる仕組みづくりが必要となること(田原論文)、

      • ・ 過疎地がさらに過疎化していくことが予想されている現在、巨額の公的資金による過疎対策を続けていくことが本当に望ましい政策なのかは再考の余地がある。格段に住みやすくなってきている地方の中核都市を中心として、人々の生活圏を徐々にコンパクトにしていくことが望ましいこと(山重論文)、

      などが指摘されている。

      なお、高齢化社会については、

      • ・ 核家族世帯が減少し、高齢の夫婦のみ世帯が増加、さらに高齢の女性を中心に単独世帯が急増している。高齢者世帯の家計をみると、購入先の選択の余地が小さくなるとともに、相対的に購入単価が高くなる可能性や、食料、光熱・水道、教養娯楽といった規模の経済が働く費目で、一人当たりの消費支出金額が大きくなっている(櫨論文)、

      という分析がなされている。また、

      • ・ 英米において、主として後期高齢者が、臨時ないし例外的な支出に対応するためにリバースモーゲージを活用(自宅に居住したままで資産を流動化)している事例に鑑み、我が国においてもリバースモーゲージが住宅を主たる資産とする高齢者の選択肢を拡大し、豊かな老後生活を促進する可能性があること(永田ほか論文)、

      も指摘されている。

  • (3) 地域による「仕事」と「暮らし」のトータルな支援

    労働市場のゆがみ、仕事と暮らしのゆがみ、地域におけるゆがみ、地域の変貌、家族の役割の後退といった状況に対しては、長期的なマクロ経済の安定を図り、国レベルで政策を実施するだけでなく、地域が主体となり仕事と暮らしをトータルに支援することが重要(樋口ほか序章)になっており、それについて以下の点が指摘されている。

    • 1 ソーシャルキャピタルの視点

      共通の目的に向かって協調行動を導く「ネットワーク」「規範」「信頼」といったソーシャルキャピタルが注目されている。特に、社会保障の提供主体としての地域コミュニティ、市民活動への期待が高まっており、「社会的企業」の概念の確立とその活性化により、地域独自の様々な雇用形態を生み出していくことが急務である(東論文)。

      また、地縁型(自治会等)とテーマ型(NPO等)コミュニティの重層的バックアップの重要性(清原講演)も指摘されている。

       

    • 2 調和社会の創造

      公共事業を通じて観光産業の活性化を図るような手法は、収益性に問題があり、破綻しているケースも見られることから転換せざるを得ない。自立した生活が営めるようなバランスのとれた調和社会の創造が望ましい。このため、

      • ・ 権限・責任・財源のバランスのとれた分権社会の創造、

      • ・ 民間事業者による保育・介護サービス市場の育成、子どもたちの「居場所づくり」の支援、ゆとり教育からゆたかな教育への転換などによる新たな家族・地域の創造、

      • ・ 規制緩和や制度改革を基礎にして、多数の地域が創意工夫を行なう新たな地域産業の創造、

      を支援すべきである(山重論文)。

    • 3 内外における地域の取組み事例

      以下の内外の事例は、グローバルな経済社会であるがゆえに、ますます多様性を持った地域の取組みが重要性を増していることを示唆している。

    • (兵庫県の事例:清原講演

      兵庫県では、阪神・淡路大震災の経験と教訓を基盤にして、企業、地域団体、NPO、大学等との協働の下で、少子対策や仕事と生活の調和に向けた取組みを行なっている。

      兵庫県は全国の縮図といわれるように、大都市圏から農村・漁村地域まで擁しており、それぞれにシフトした施策をうつ必要があるが、協働のメニューとしては、

      • ・ 政労使では「仕事と生活の調和と子育て支援に関する三者合意」(06年)を結び、多様な働き方のモデル開発・普及、子育て応援企業との協定、先導的取組みを行う企業への支援、女性の再就職支援、男女の出会いの場づくり等、

      • ・ 地域団体等とは、子どものための「まちの子育てひろば」や「子育て応援ネット」、「まちの保健室」等、

      • ・ NPOとは「NPOと行政の子育て支援会議」、

      • ・ 大学とは「大学コンソーシアムひょうご神戸」(30大学10短大)との協定に基づく、学生参加による地域の子育て支援等の取り組みの他、政策評価や共同研究など、

      • ・ 市町とは、「県・市町少子対策協働会議」のもと、待機児童対策や乳幼児医療費助成等、

      を実施している。

    • (欧州の事例:樋口ほか論文

      欧州においても、欧州共同体と加盟国のパートナーシップを強化しようとする動きの一方で、人と地域の結びつきの重要性が再認識されており、地域のニーズに即した経済・雇用開発戦略が重要性を高めている。

      例えば、パリ郊外の小さな市における定住促進を目指した充実した保育サービスの提供、南仏あるいはスイス国境近くの町における高齢者サービスの提供は、暮らしに密着したニーズを満たしつつ、雇用機会の創出につながるものである。

      このように産業界を巻き込んだ地域戦略が多くの市町村で講じられており、少子化、高齢化の進展する、さらには国際競争の激化する社会において、安心して仕事をし、豊かに暮らしていける環境を作る上で、地域戦略は不可欠なものと位置付けられるようになってきている。国による個々の政策のあり方と同時に、それを地域がトータル・パッケージとして、うまく運用していくかどうかが成否の鍵を握っている。

3.各章の要約

序章 地域によるワークライフバランス戦略

樋口 美雄 (慶応義塾大学商学部教授)
平川 伸一 (財務総合政策研究所主任研究官)
永田 久美子 (財務総合政策研究所研究員)

我が国では、労働市場のゆがみ、仕事と暮らしのゆがみ、地域におけるゆがみ、地域の変貌、家族の役割の後退といった状況が進みつつある。この背景には、所得格差の拡大、労働時間の二極化、地域間格差の拡大、職場や家庭における性別役割分担の変化を求める動き、そして少子化、高齢化の進展と家族類型の変化という問題が存在している。

これに対しては、長期的なマクロ経済の安定を図り、国レベルで政策を実施するだけでなく、地域が主体となり仕事と暮らしをトータルに支援することが重要になっている。「地域の経済・雇用開発戦略」を追求することにより、人口減少下においても多様で豊かな経済社会を実現できるのではあるまいか。

第I部 家族・地域社会の変化と就労

第1章 家族・地域からみた仕事や暮らしの変化

佐藤 香(東京大学社会科学研究所准教授)

近代化開始以降の日本の人口移動には、移動する人口の主流が若年者かつ単身という傾向が著しい。90年代に若年者の地域移動は減少傾向にあったが、都道府県を超えた長距離の移動の主流はやはり若年者であった。

高卒時の移動状況(図表)をみると、90年代以降の経済不況のなかで、県内就職の減少を中心に就職率が男子半減、女子3分の1と大きく低下した。

他方、進学率の上昇はめざましく、大学の地方立地が進んでいるにもかかわらず、選択的な県外進学に伴う純粋移動が過半数を占めている。県外進学には大きな費用を要するため、家庭の経済力による格差を拡大させないように、奨学金等の充実などの方策を講じるべきである。

進学も就職もしない無業者層は、2000年をピークに減少しているが、地域による無業者比率の差は大きく、無業者析出メカニズムが男女で異なる可能性がある。この無業者の多くは非正規雇用に就くと考えられ、彼らが職業技術を身につけることは困難である。このため無業者層の減少には、景気回復だけでなく、地域の状況に応じたきめこまやかな支援策が必要である。

若年者が一人前になるまでの期間が延長されるなど、90年代以降の日本社会はリスクが普遍化した社会になりつつある。地域の条件を十分に勘案しつつ、若年者のリスク化を予防する方策が求められている。

図表3 高卒者の進路(全国・男女)

図表3高卒者の進路(全国・男女)のグラフ

第2章 労働市場における地域差

大井 方子(県立高知短期大学社会科学科准教授)

労働市場で地域格差が広がったことが問題視される。その根拠は有効求人倍率の差と思われるが、現在の格差の水準は85年頃と同水準にある。

就業率は地域の景気の良し悪しを示すと考えられ、有効求人倍率は就業者の増加を示すと想像されている。しかし、有効求人倍率と就業者数の増加との関係をみると相関が高いとはいえず、地域の雇用の状況を有効求人倍率が必ずしも反映していないことがわかる。

なぜ有効求人倍率と就業率の増加が無関係なのかというと、

  • 1 職業安定所の重要性が地域により異なること、

  • 2 有効求人には新規学卒者の求人が入っていないこと、

  • 3 就業者数の増加は、入職者数−離職者数であり、求人数の動きは入職側の状況をとらえているのに過ぎず、離職者数を引いた就業者数とは必ずしも連動しないこと、

があげられる。

地域における求人と求職のミスマッチには、職種による偏りが大きく影響しており、地域間のミスマッチではない。人々が理工系をきらい技術者になろうとしなくなったことや、いわゆる3Kの仕事のなり手がいないという能力・資格のミスマッチが大きい。このため、地域間の労働市場の流動性を高めたとしても、求人側で求めている能力と求職側のそれとの違いが存在することになり、理工系教育や大学生への職業訓練などにより偏りを解消する必要性のあることが指摘できる。また、外国人労働者の採用が日本人の就業を押さえていることも考えられる。

職種別月間求人数・求職者数・求人倍率 【平成19年1月】

全国:パートタイム以外(季節及び日雇を除く。)

職業別新規求人数新規求職
申込件数
新規求人倍率
3大
地域
その他合計
全職業 590,988 421,982 1.62 1.24 1.40
A 専門的・技術的職業 144,967 62,503 2.77 1.98 2.32
B 管理的職業 1,651 1,397 1.06 1.33 1.18
C 事務的職業 72,880 116,014 0.67 0.59 0.63
D 販売の職業 86,097 53,242 1.96 1.37 1.62
E サービスの職業 44,871 27,286 1.99 1.42 1.64
F 保安の職業 14,665 2,930 5.69 4.44 5.01
G 農林漁業の職業 2,289 2,173 0.59 1.28 1.05
H 運輸・通信の職業 37,040 19,381 2.42 1.60 1.91
I 生産工程・労務の職業 186,528 113,469 2.06 1.43 1.64

(I−1 製造・制作の職業)

115,125 53,116 2.52 1.98 2.17

(I−2 定置機関・建設機械運転、電気作業の職業)

10,762 3,941 3.79 2.14 2.73

(I−3 採掘・建設・労務の職業)

60,641 56,412 1.47 0.89 1.07

75 採掘の職業

187 160 1.65 1.07 1.17

76 建設躯体工事の職業

6,334 975 9.31 5.24 6.50

77 建設の職業

9,832 4,548 3.37 1.60 2.16

(76と77の合計)

16,166 5,523 4.38 2.25 2.93

78 土木の職業

11,062 5,582 3.65 1.60 1.98

79 運搬労務の職業

19,490 12,528 1.88 1.35 1.56

80 その他の労務の職業

13,736 32,619 0.59 0.34 0.42
99 分類不能の職業 0 23,587

(注)1 各数値は実数である。季節調整値でないことに注意する必要がある。

 ・  2 有効(新規)求人倍率は、有効求職者数(新規求職申込件数)が0のときは「−」としている。

 ・  3 職種によっては求人数・求職者数が極端に少ないので、数値を利用する場合にはその点に留意する必要がある。

筆者注)3大地域とは、千葉、埼玉、東京、神奈川、愛知、大阪、京都、兵庫、滋賀、奈良、和歌山である。

出所)財団法人雇用情報センター。新規求人倍率は筆者集計。

第3章 「現役世代減少問題」の実相

藻谷 浩介(日本政策投資銀行地域振興部参事役)

20−59歳の日本在住者を便宜的に「現役世代」と呼ぶことにすると、この世代は1996年をピークに減少に転じており、今世紀を通じて低下し続けることが予測されている。

少子高齢化という言葉で語られている問題は、本来、「現役世代減少」と「高齢者増加」に分けて論ずるのが妥当である。少子化(=出生者数の減少)は出生率と出産適齢女性の数で決まるものであり、今後仮に出生率が増加に転じることがあっても簡単に出生数の減少に歯止めがかかるものではない。ましてや過去の高出生率に起因する今後の高齢者の増加は、最近と今後の出生率動向とは無関係の既定事項と受け止めるべきである。

人口ピラミッドに起因し構造的に進む「現役世代減少」により、全国においても首都圏においても就業者数の大幅な減少は避けられない。2007年以降、高度成長期に団塊世代を集めたが、その後のサービス経済化に乗り遅れ若者の集積に乏しい県で「現役世代減少」の影響がもっとも大きく、過疎県でもさらなる現役減少が生じる。首都圏や愛知県の人口ピラミッド要因も、大幅な人口の減少を予想させる。

現役世代の動向は個人所得や個人消費に対する影響が大きく、今後の減少の影響に対処するとすれば、生産性向上努力や外国人労働者の受入れでは不十分であり、女性就業率の向上こそが数少ない選択肢である。なお、女性の就労が出生率を下げるという説は、事実により反証されている。

図表3−9 小売販売額と個人所得の関係

小売販売額と個人所得の関係のグラフ

(出所)個人所得:総務省「市町村税課税状況等の調」による課税対象所得
小売販売額:経済産業省「商業統計」

第II部 高齢化社会の諸相

第4章 家族形態による家族経済の分析

櫨 浩一(ニッセイ基礎研究所経済調査部長)

核家族世帯は減少を続けており、夫婦のみの世帯の増加が目立っている。今後は、子供の独立後の比較的年齢層の高い夫婦のみ世帯の増加が予想されている。さらに顕著なのは単独世帯の増加であり、年配の夫婦のみ世帯から高齢の女性単独世帯への移行の増加などが予想される。

高齢者世帯では、貯蓄の取り崩しが実際に行なわれており、マクロの貯蓄率の低下に大きく寄与している。高齢者世帯の購買行動をみると、購入先の選択の余地が小さくなるとともに、相対的に購入単価が高くなる可能性があり(図表)、移動が困難になった場合の高齢者の生活に影響が出ることが予想される。また、単独高齢世帯の増加は、食料、光熱・水道、教養娯楽といった規模の経済が働く費目で、一人当たりの消費支出金額を大きくしている。

同じく高齢化によって増加が予想される、要介護者を抱える世帯の所得消費をみると、労働時間の制約などが収入を低下させている可能性や、貯蓄の余裕の小さいことなどがわかる。世帯の負担を軽減するためには、介護との両立が可能な、柔軟な労働形態を提供することが重要であることを示唆している。

また、地域経済と家計の観点から高齢化の影響をみると、税や財政支出以外に、公的年金制度を通じた地域間の所得移転が拡大していることが示唆される。

図表 購入先による支出の押し上げ効果

全世帯29歳以下30歳代40歳代50歳代60歳代70歳以上
1集計対象(円/年) 1,149,753 1,156,315 1,156,779 1,200,128 1,267,453 1,134,174 944,728
価格調査項目 837,030 802,909 806,618 844,237 901,891 846,149 758,130
購入頻度調査項目 312,723 353,406 350,161 355,891 365,562 288,025 186,598
2消費支出(円/年) 3,606,377 2,997,051 3,331,236 4,057,320 4,192,616 3,447,518 2,848,137
31÷2 31.9% 38.6% 34.7% 29.6% 30.2% 32.9% 33.2%
4押し上げ効果 25,940 -16,246 -21,068 -28,957 38,044 60,166 73,341
価格調査項目 15,122 -21,409 -18,167 -12,340 23,602 30,702 46,195
購入頻度調査項目 10,818 5,162 -2,902 -16,618 14,442 29,464 27,147
54÷(14) 2.3% -1.4% -1.8% -2.4% 3.1% 5.6% 8.4%

(出所)総務省統計局「全国消費実態調査」を用いて試算

第5章 高齢者を取り巻く環境の地域差と居住地移動の可能性

田原 裕子(國學院大學経済学部准教授)

高齢人口移動の現状をみると、後期高齢者の市内移動率が高まっており、未だに量的には少ないとはいえ、60歳〜高齢前期において大都市圏から非大都市圏へ向かう引退行動と思しき動きがみられる。

高齢者の就労状況の地域差をみると、大都市圏よりも地方圏において就労が盛んであること、地方圏においては農業か、製造業・建設業の就業機会が、大都市圏では製造業、卸売・小売業、サービス業の就業機会が就労の鍵を握っていることなどがわかった。

介護保険給付の地域差をみると、被保険者一人当たりの介護給付費は、65歳以上人口に占める85歳以上人口の割合と高齢者のみ世帯の割合で70%以上が説明できた。

これらの知見の含意として、

引退時の
移動

・大都市圏から地方圏への引退移動の活発化は、消費者、納税者、あるいは労働者としての高齢人口への期待に沿うものであり、積極的に受けとめられること

高齢者の
就業機会

・大都市圏では高齢者の就労意欲・就業機会ともに高まる見込みであること

・地方圏では、高齢農業者の再生産を円滑に進め、産業としての農業につなげる仕組みづくりが必要となる。

集積方向
の再分布

・自由で積極的な選択の結果として、これまでの生活において馴染みのある地域の内部で、生活の便のよい場所へ集積する方向での高齢者の再分布には積極的な側面が大きいこと

などが考えられる。

第6章 人口減少時代の社会保障−財政動向と改革課題

加藤 久和(明治大学政治経済学部教授)

社会保障費は、マクロ経済の規模に比較して30年間で3倍に増加しており、租税への依存を高める傾向や、現役世代から高齢世代への所得移転の増加がみられる。また、モデルを用いた計算によれば、社会保障費はさらに増加することが予想される(注)。

(注) 賃金上昇率(実質)2.1%、物価上昇率1%、利回り(名目)3.2%のベースケースについて試算すると、社会保障給付額は、2006年の89.8兆円に対し、旧人口推計では2025年131.0兆円、2050年186.1兆円、新人口推計ではそれぞれ138.3兆円、197.8兆円になる。社会保障負担額は、2006年の54.0兆円に対し、旧人口推計では2025年78.2兆円、2050年96.0兆円、新人口推計ではそれぞれ77.6兆円、92.1兆円になる。

公的年金は高齢者の生活を支える柱になっており、少子高齢化などへの対応のため2004年度改革が行なわれているが、制度を維持可能なものとするための負担の程度は、これからの人口動向や経済成長に依存している。モデルを用いた試算でも、特に経済環境の厚生年金財政への影響は非常に感応的である。

国民医療費も高齢化の進展により、国民所得の2倍の速度で増加している。

マクロ経済・財政との関連における社会保障制度の課題は、現役世代の負担の増加、財政・公共政策への制約、経済成長への重荷(図表)、世代間の公平性である。社会保障制度を持続可能なものとするためには、生産性向上などによる長期的な経済成長に加え、「必要な人に必要な給付を」の原則により支出を抑制すること、制度の簡素化と統合化、市場の活用により無駄がなくかつ効率的な制度の構築が求められる。

図表4−2 経済成長率と社会保障支出の増加

経済成長率と社会保障支出の増加のグラフ

〔説明〕

OECD26か国における1981-2001年の501サンプル(アンバランスド・パネル)を用い、社会支出の増加率と経済成長率の関係を実証的に示したもの

(出所)加藤(2006)

第III部 就労をめぐる諸問題

第7章 働き方のルール確立を目指した労働市場改革

八代 尚宏(国際基督教大学教養学部教授)

非正規雇用の増加による労働市場の二極化現象は、労働市場改革の結果ではなく、経済の長期停滞やグローバリゼーションの進展の下で、経済社会環境の大きな変化にもかかわらず、それに見合った十分な改革が行なわれなかったという「政策の不作為」による面が大きい。

労働者間の格差の要因は、男女正社員の間や正社員と非正社員の間で大きな違いがある年功賃金カーブ(図表)や、長期経済停滞の下で、正社員の雇用を守るためにより多くの非正社員が必要になったことによる面が大きい。

このため労働法制は、正社員・非正社員、直接雇用・間接雇用の区別なく、働き方の共通ルールを定める必要がある。具体的には、請負や研修生への労働法の適用、在宅勤務の裁量性の増大、手続き重視の解雇規制、雇用機会均等法の強化、派遣労働者保護に重点を置いた労働者派遣法、職業紹介の効率化が課題になる。

また、長時間労働とその偏在化に対処するためには、一人当たりの労働時間全体について総量規制を行なうとともに、働き方の裁量性の大きな労働者については定額の残業代を支払い、他の労働者については残業割り増し賃金率を引き上げることにより、フルタイム労働者の労働時間を削減する必要がある。

こうしたなかで政府の役割は、労働者の技能形成への支援、労働市場に影響する規制や税制などの制度の中立性の確保である。

年齢別賃金の比較

(2004年)

年齢別賃金の比較のグラフ

出所:厚生労働省「賃金センサス」

第8章 ワークライフバランス社会の実現はなぜ必要か

大沢 真知子(日本女子大学人間科学部現代社会学科教授)

経済のグローバル化、IT革命、金融革命という経済の構造変化が、労働市場に正社員の減少と非正社員の増加という影響を与えている。

一方、学歴やキャリアの蓄積が女性就業の決定要因になり、性別役割分業の合理性が低下するなかで、女性の社会進出が進んでいる。しかし、正社員の長時間労働は結婚を遅らせており、仕事と子育ての両立の難しさとともに少子化につながっている、という特徴が日本にはある。さらに配偶者手当や社会保障などの制度は、既婚女性の労働供給に影響を与えており、再就職へのインセンティブを弱めるとともに、パートタイム労働者の賃金を低く抑えてしまう結果になっている。

また、社会保障などの社会制度には、国民年金の適用除外など、企業が非正規雇用者を採用するインセンティブがある。年金制度を空洞化させるとともに、非正規労働者の拡大がワーキングプアを生み出す一因になっている。

このようななかで、経済の国際化に柔軟に対応し、出生率の低下を止め、多くのひとが参加することによって長期に維持可能な社会保障や医療保険の制度を構築するために、ワークライフバランス社会の実現が望まれるようになっている。今日のワークライフバランスは、両立支援といった福祉的施策の枠組みを超えて、生活と仕事の両面から、その質を向上させるという認識が広まっている。

日本でワークライフバランス社会を実現するためには、総労働時間を抑制しつつ、雇用形態の間での待遇や社会保険加入要件の差をなくし、政労使が協調することなどが必要である。

職場の柔軟性の分類

(スローン財団:Workplace Flexibility 2010)

1週40時間のフルタイムの仕事における時間と場所の柔軟性

2(正社員の)短時間就労の選択

3生涯のなかで仕事を重視する時期と個人の生活を重視する時期をもち、その双方の行き来が可能なこと

4個人や家族の事情にあわせて働き方を柔軟に選べること

5育児や介護のための休業制度

ワークライフバランスの効果

(Corporate Voicesの2005年調査結果)

Talent Management(有能な人材の定着。従業員の離職率を低めることによって多額の人件費を節約)

Human Capital Outcomes(働く時間と場所の選択が可能になったことで、仕事の満足度、仕事に対するコミットメント、会社への帰属意識が高まり、ストレスが減少)

Financial Performance, Operational and Business Outcomes(柔軟性は、企業の業績と生産性を上げる重要な牽引役。顧客にもよい影響。影響は、すべての部門、ホワイトカラーだけでなく、ブルーカラー労働者にも共通。柔軟性を支える企業文化の育成が重要)

第9章 欧州における少子高齢化と地域の経済・雇用開発戦略

樋口 美雄 (慶応義塾大学商学部教授)
平川 伸一 (財務総合政策研究所主任研究官)
永田 久美子 (財務総合政策研究所研究員)

欧州では、少子高齢化が進行するなかで、新しい経済社会を模索する動きが続いている。

欧州連合は極めて異質で多様な国家から構成される一方、市場統合や通貨統合などにより共通市場がそこには形成され、活発な人口移動を伴うコスモポリタン的な地域の様相を強めており、共同体と加盟国のパートナーシップをさらに強化しようとしている。

他方で、人と地域の結びつきの重要性が再認識され、地域のニーズに即した経済・雇用開発戦略が重要性を高めている。フランスの事例をみても、南部や西部のサービス産業が重要な地位を占める地域を中心に、消費者である住民を誘致する動きがある(図表)。

このため、産業界を巻き込んだ地域戦略が多くの市町村で講じられており、少子化、高齢化の進展する、さらには国際競争の激化する社会において、安心して仕事をし、豊かに暮らしていける環境を作る上で、地域戦略は不可欠なものと位置付けられるようになってきている。国による個々の政策のあり方と同時に、それを地域がトータル・パッケージとして、うまく運用していくかどうかが成否の鍵を握っている。

年齢別人口移動(1982年から1999年の年平均稼働率)

イル・ド・フランス
ノール・パ・ド・カレー
ラングドック・ルシヨン

第IV部 人口減少時代の経済社会政策

第10章 地域社会の変容とソーシャル・キャピタル

東 一洋(株式会社日本総合研究所主任研究員)

ソーシャル・キャピタル(SC)とは、「ネットワーク」「規範」「信頼」といった社会組織の特徴で、共通の目的に向かって協調行動を導くものとされる。この新しい概念が、物的資本や人的資本などと並ぶ概念として、近年注目を集めつつある。

SCには、基本的な分類として「結合型」と「橋渡し型」がある(図表)。

SC蓄積の源泉は家族、学校、地域コミュニティ、企業、市民社会であり、社会経済的効果として、集合行為のジレンマの解決、健康の増進、教育成果の向上、犯罪発生率の低下、経済成長などが指摘されている。他方、排他性の危険、偏在、悪用の恐れなどの負の側面もある。

我が国においても、家族、地域社会の変容に対し、社会保障の提供主体としての地域コミュニティ、市民活動への期待が高まるなど、特に「社会的企業」(図表)を中心にSCが注目されている。社会的企業の概念の確立とその活性化により、地域独自の様々な雇用形態を生み出していくことが急務である。

基本的分類

タイプ特性
結合型ソーシャル・キャピタル 組織の内部における人と人との同質的な結びつきで、内部で信頼・協力・結束を生むもの。例えば、家族内や民族グループ内のメンバー間の関係。
Bonding
橋渡し型ソーシャル・キャピタル 異なる組織間における異質な人や組織を結び付けるネットワーク。例えば、民族グループを超えた間の関係とか、知人、友人の友人などとのつながり。その繋がりはより弱く、より薄いが、より横断的であり、社会の潤滑油とも言うべき役割を果たすとみられている。
Bridging

社会的企業の特徴

4つの経済的基準5つの社会的指標

1財とサービスを供給するものである

2高度の自治をもつ

3高水準のリスクを引き受ける(能力を有する)

4賃金に下限をもつ

1社会的目的を有する

2市民によるガバナンスによる事業活動である

3資本の所有にウェートなし(一人一票の意思決定権を持つ)

4参加型であること

5利益分配に制限があること→活動の利潤最大化を抑制する意味で

第11章 資産流動化による高齢者の選択肢の拡大

永田 久美子 (財務総合政策研究所研究員)
廣部 直子 (在仏日本国大使館専門調査員)
平川 伸一 (財務総合政策研究所主任研究官)

英米では主として後期高齢者が、臨時ないし例外的な支出に対応するためにリバースモーゲージを活用しており、自宅に居住したままで資産を流動化し、必要な資金を得ている。また、フランスにおいても近年、高齢化の進展を背景として、リバースモーゲージを普及させるために必要な制度の整備が行なわれた。

我が国においても、1長生きリスク、不動産価格下落リスク、金利上昇リスクなどを負担する保険制度、2中古住宅市場の整備、3事業者の資金調達環境の改善、などによってリバースモーゲージの普及が促されるならば、住宅を主たる資産とする高齢者の生活の選択肢を拡大し、豊かな老後生活を促進するとともに、日本経済全体や財政にとっても好ましい影響を及ぼす可能性がある。

世帯主の年齢階級別資産状況

世帯主の年齢階級別資産状況のグラフ

(出所)総務省「H16年全国消費実態調査」

第12章 地域社会の構造変化と政策的対応 〜活性化から調和社会の創造支援へ〜

山重 慎二(一橋大学大学院経済学研究科准教授)

少子高齢化、グローバル化、女性の社会進出といった構造変化に十分対応ができていないために発生している様々な不調和に対しては、「調和社会の創造支援」によって対応すべきである。そのためには、

1新たな分権社会の創造支援

・多様な地域を内包する都道府県(あるいは道州)に、地域内の効率性と調和を高めるための権限・責任・財源を付与し自立性を高める。

・これによって市町村の負担を軽減し、住民に近いという特性や機動性を有する基礎自治体(市町村)の多様性と自立性を高めることが可能になる。

2新たな家族・地域の創造支援

・規模の経済を活かすことができる業務は、都道府県(あるいは道州)に委譲し、民間事業者による保育・介護サービス市場の育成、子どもたちの「居場所づくり」の支援、ゆとり教育からゆたかな教育への転換などの新たな家族・地域の創造支援を基礎自治体の役割とする。

3新たな地域産業の創造支援

・公共事業を通じて観光産業の活性化を図るような手法は、収益性に問題があり、破綻しているケースも見られることから転換せざるを得ない。

・政府が環境変化に対応した規制緩和や制度改革といったインフラを積極的に整備。その上で多数の地域が創意工夫を行うことで、地域の特性を活かした新しい産業社会が創造されることを支援するという発想が必要。

という方向性により、構造変化に対応した調和ある社会を実現することが望ましい。

なお、地方の問題を考えるに際し、夕張市の事例は、人口減少のスピードや債務の隠蔽などの点において、やや極端なケースであるが、同様に人口減少・高齢化が進行し、歳出に占める税収の割合が極めて低く、様々な交付金や補助金によって財政運営を行なっている「基礎自治体」は少なくない。このような地域において市町村合併は安定性や効率性を高めることにはつながらず、むしろ基礎自治体の多様性を生かす方向で適切な役割分担をしていくことが望ましい。

[特別講演]少子対策、仕事と生活の調和に向けた兵庫県の協働の取り組み

清原 桂子(兵庫県理事兼少子対策本部事務局長)

兵庫県の少子対策は、阪神・淡路大震災の経験と教訓を基盤として、企業、地域団体、NPO、大学等との協働の下に進められている。

政労使の協働として「仕事と生活の調和と子育て支援に関する三者合意」(06年)を結び、多様な働き方のモデル開発・普及、子育て応援企業との協定、先導的取組みを行う企業への支援、女性の再就職支援、男女の出会いの場づくり等を行っている。その他の協働として、地域団体等とは、子どものための「まちの子育てひろば」や「子育て応援ネット」、「まちの保健室」等、NPOとは「NPOと行政の子育て支援会議」、大学とは「大学コンソーシアムひょうご神戸」との協定に基づく共同研究や政策評価など、市町とは「県・市町少子対策協働会議」のもと待機児童対策等を進めている。

震災の経験と教訓

家族と地域の
面から

・家族を地域にひらくことが逆に家族の絆を結ぶ

・近隣の重要性

・地縁型(自治会等)とテーマ型(NPO等)コミュニティの重層的バックアップの必要

・多世代混住が持続可能なコミュニティと生きる意欲につながる

働き方の見直
し、両立支援
の面から

・男女の働き方・生き方の見直し

・広い意味の「しごと」とそれを通じた仲間づくりが生きがいにつながる

・政労使の協働

・地域が働く親を支える仕組みづくり〜子どもの周りに多くの人間関係を〜

連絡先:財務省財務総合政策研究所 研究部

TEL 03‐3581‐4111

主任研究官 平川 伸一 (内線)5223

研 究 員 永田 久美子(内線)5348

※ 本報告書の内容や意見は全て執筆者個人に属し、財務省あるいは財務総合政策研究所の公式見解を示すものではありません。


(参考)

「人口減少、家族・地域社会の変化と就労をめぐる諸問題に関する研究会」メンバー

(敬称略、肩書きは平成19年6月現在)

座長
樋口 美雄 慶応義塾大学商学部教授
執筆メンバー(50音順)
東 一洋 株式会社日本総合研究所主任研究員
大井 方子 県立高知短期大学社会科学科准教授
大沢 真知子 日本女子大学人間社会学部現代社会学科教授
加藤 久和 明治大学政治経済学部教授
佐藤 香 東京大学社会科学研究所准教授
田原 裕子 國學院大學経済学部准教授
櫨 浩一 ニッセイ基礎研究所経済調査部長
藻谷 浩介 日本政策投資銀行地域振興部参事役
八代 尚宏 国際基督教大学教養学部教授
山重 慎二 一橋大学大学院経済学研究科准教授
非執筆メンバー(50音順)
岩田 三代 日本経済新聞社編集局生活情報部編集委員
成川 秀明 連合総合生活開発研究所上席研究員
特別講演者・特別協力者(50音順)
清原 桂子 兵庫県理事兼少子対策本部事務局長
廣部 直子 在仏日本国大使館専門調査員
財務総合政策研究所
牧野 治郎 財務総合政策研究所長
荒巻 健二 財務総合政策研究所次長
鵜瀞 由巳 財務総合政策研究所次長
高木 隆 財務総合政策研究所研究部長
星屋 和彦 財務総合政策研究所大臣官房企画官
平川 伸一 財務総合政策研究所研究部主任研究官
中本 淳 財務総合政策研究所研究部研究官
永田 久美子 財務総合政策研究所研究部研究員