「経済の発展・衰退・再生に関する研究会」報告書
2001年6月
財務省財務総合政策研究所
はじめに
「経済の発展・衰退・再生に関する研究会」は平成12年12月から平成13年4月までの間、6回にわたり、諸外国を対象に経済再生過程に焦点を当てて研究会を開催した。
研究対象国として、経済改革に成功したと思われる国の中から、イギリス、フィンランド、オランダ、ポーランド、スペイン、スイス、アルゼンチン、ニュージーランド、香港、台湾の10カ国・地域をとりあげた。
この研究会ではこれらの国・地域について経済の繁栄・衰退の過程を簡単に振り返った上で、これらの諸国が経済危機を迎えた際、どのような施策を講じ、どのようなプロセスを経て衰退局面を打開し、経済再生を遂げることができたかを検討し、我が国が経済再生を図るための手掛かりを提供することを目的とした。
このため、研究会のメンバーとして、研究対象国・地域に造詣の深い専門家の方々のほか、国際関係、経済史、雇用・労働、財政など各分野の専門家の方々にもご参加を頂いた。
研究会ではメンバーが各国・地域の経済再生過程に焦点を合わせた報告を行い、この報告を中心に参加者全員が自由に議論を進めていく方式をとった。こうした進め方により、各メンバーから様々な角度から自由闊達な意見が出され、我が国が今後経済改革を進めるに当たって参考になるような事例を掘り下げて検討することができた。
この報告書の構成は、1章から10章までは各国・地域の経済再生に至る過程の分析とともに、そこから得られた我が国への示唆を記した研究会メンバーの論文であり、最終章では各国・地域が実施した経済改革とその経済成果に関する横断的な比較とともに、各章で指摘された我が国への示唆が取りまとめの形で盛り込まれている。
これまで、諸外国の経済改革をテーマとした調査・研究では、一国のみを対象としたものが多く見受けられるが、この報告書では10カ国を相互に研究することにより、改革の共通点や相違点など各国の特色が浮き彫りにされた。また、対象国も、米国やアジアに比べ、これまで焦点が当てられる頻度が少なかった欧州諸国にウェイトが置かれていることも、この報告書の特徴の一つとして挙げることができる。
我が国経済はバブル崩壊後長期にわたって停滞が続き、財政も極めて厳しい状況にある。このため、経済の再生を図り、経済を安定的な成長軌道に乗せることが我が国の喫緊の課題になっている。
もちろん、この研究会で報告されたような経済再生をもたらした各国の施策が、歴史、文化、制度が異なる我が国にもそのまま当てはまるわけではない。しかし、本報告書が、今後我が国が経済低迷を打開し、持続的な成長を遂げる上での手掛かりを提供できるものとなれば幸甚である。
最後にご多忙中にもかかわらず、終始熱心に議論に参加して下さったメンバーの方々に心から感謝の意を表したいと思う。
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| 座長 斎藤 次郎 (東京金融先物取引所理事長) |
(2001年6月1日現在)
| 座長 | 斎藤 次郎 | (財務総合政策研究所顧問、東京金融先物取引所理事長) |
執筆委員(50音順) | ||
| イギリス | 安部 悦生 | (明治大学経営学部教授) |
| スイス | 黒澤 隆文 | (京都大学大学院経済学研究科助教授) |
| 台湾 | 佐藤 幸人 | (アジア経済研究所研究員) |
| アルゼンチン | 佐野 誠 | (新潟大学経済学部教授) |
| 香港 | 谷垣真理子 | (東京大学大学院総合文化研究科助教授) |
| フィンランド | 寺岡 寛 | (中京大学経営学部長) |
| スペイン | 戸門 一衛 | (神田外語大学外国学部教授) |
| オランダ | 長坂 寿久 | (拓殖大学国際開発学部教授) |
| ポーランド | 本間 勝 | (預金保険機構総務部長) |
| ニュージーランド | 宮尾 龍蔵 | (神戸大学経済経営研究所助教授) |
非執筆委員(50音順) | ||
| 猪木 武徳 | (大阪大学大学院経済学研究科教授) | |
| 杉原 薫 | (大阪大学大学院経済学研究科教授) | |
| 中平 幸典 | (国際経済研究所副理事長) | |
| 原 洋之介 | (東京大学東洋文化研究所長) | |
| 若林 洋夫 | (立命館大学経済学部教授) | |
オブザーバー | ||
| 木村 嘉秀 | (信州大学経済学部教授) | |
事務局 | 渡辺 裕泰 | (財務省財務総合政策研究所長) |
| 墳崎 敏之 | (財務省財務総合政策研究所次長) | |
| 原田 泰 | (財務省財務総合政策研究所次長) | |
| 水野 哲昭 | (財務省財務総合政策研究所研究部長) | |
| 葛見 雅之 | (財務省財務総合政策研究所主任研究官) | |
| 鳥生 毅 | (財務省財務総合政策研究所研究員) | |
| 寺井 寛 | (財務省財務総合政策研究所研究員) |
「経済の成長・衰退・再生に関する研究会」開催実績
| 開催日 | 報告者 | |
第1回会合(メンバーの報告) | ||
| 平成12年12月12日(火) | イギリス アルゼンチン | (安部明治大学教授) (佐野新潟大学教授) |
| 第2回会合(メンバーの報告) | ||
| 平成13年 1月 9日(火) | オランダ ニュージーランド | (長坂拓殖大学教授) (宮尾神戸大学助教授) |
| 第3回会合(メンバーの報告) | ||
| 1月23日(火) | スペイン ポーランド | (戸門神田外国語大学教授) (本間預金保険機構総務部長) |
| 第4回会合(メンバーの報告) | ||
| 2月20日(火) | フィンランド スイス | (寺岡中京大学中小企業研究所長) (黒澤広島大学講師) |
| 第5回会合(メンバーの報告) | ||
| 3月27日(火) | 香港 台湾 | (谷垣東京大学助教授) (佐藤アジア経済研究所研究員) |
| 第6回会合(財務総合政策研究所報告) | ||
| 4月23日(月) | 経済改革の成果分析に関する一考察と我が国への教訓 | |
| (葛見財務総合政策研究所主任研究官) | ||
| 第1章 イギリス[130kb,PDF] 安部悦生(明治大学経営学部教授) |
| 第2章 フィンランド[81kb,PDF] 寺岡 寛(中京大学経営学部長) |
| 第3章 オランダ[122kb,PDF] 長坂寿久(拓殖大学国際開発学部教授) |
| 第4章 ポーランド[98kb,PDF] 本間勝(預金保険機構総務部長) |
| 第5章 スペイン[161kb,PDF] 戸門一衛(神田外語大学外国学部教授) |
| 第6章 スイス[97kb,PDF] 黒澤隆文(京都大学大学院経済学研究科助教授) |
| 第7章 アルゼンチン[117kb,PDF] 佐野誠(新潟大学経済学部教授) |
| 第8章 ニュージーランド[153kb,PDF] 宮尾龍蔵(神戸大学経済経営研究所助教授) |
| 第9章 香港[102kb,PDF] 谷垣真理子(東京大学大学院総合文化研究所助教授) |
| 第10章 台湾[185kb,PDF] 佐藤幸人(アジア経済研究所地位研究第1部研究員) |
| 第11章 経済改革の成果分析に関する一考察と我が国への示唆[185kb,PDF] 葛見雅之(財務省財務総合政策研究所主任研究官) 鳥生毅(財務省財務総合政策研究所研究員) 寺井寛(財務省財務総合政策研究所研究員) |
| 参考資料[584kb,PDF] |
本報告書に示された意見はすべて執筆者個人に属し、財務省あるいは財務総合政策研究所の公式見解を示すものではない。