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「PRE戦略検討会」(第3回)における有識者ヒアリング 議事要旨

「PRE戦略検討会」(第3回)における有識者ヒアリング
「議事要旨」

1.日 時:平成22年11月17日(水)13:00〜14:30

2.場 所:財務省第三特別会議室

3.出席者

〔有識者〕

奥田かつ枝氏 不動産鑑定士
上安平洌子氏 放送プロデューサー
崎田裕子氏 ジャーナリスト・環境カウンセラー
西久保浩二氏 山梨大学 教育人間科学部教授

〔財務省〕

吉田泉 財務大臣政務官
中村明雄 理財局長ほか

4. 概要

  • ○ 冒頭、吉田財務大臣政務官より、概要以下のとおり挨拶。

    • ・ 財務省では、国有財産の一層の有効活用を図るべく、本年6月に「新成長戦略における国有財産の有効活用について」を取りまとめ、庁舎・宿舎を含む国有財産について、「PRE戦略」の考え方等を踏まえた検討を行うこととしております。

    • ・ 昨年11月の事業仕分けの評価結果を踏まえ、公務員宿舎の在り方について検討する必要があり、本日は公務員宿舎の在り方をテーマとして、有識者の皆様からご提案を伺いたい。

  • ○ 財務省事務局より、資料に沿って説明。

  • ○ 西久保氏より、概要以下の通りコメント。

    • ・ 日本の民間企業は、福利厚生として、従業員への住宅提供に注力。大企業では、法定外福利費の50%弱を住宅に投入。

    • ・ 民間社宅は、独身寮、業務用社宅、厚生用社宅に大別される。独身寮は、全国から学生を採用する企業にとって、採用力に直結するもの。年功序列賃金下における若年層は低賃金であるため、独身寮の提供は、優秀な学生を確保するために重要。業務用社宅は、転勤など企業内の人的資源の柔軟な回転のために重要。厚生用社宅は、福利厚生の中心的な柱で、従業員間の公平のため、入居者に一定の自己負担を求めることが多い。

    • ・ 民間企業は、社宅や持ち家支援策などトータルな住宅政策によって従業員の安定生活を支援し、従業員の企業へのロイヤルティ、健全な勤務態度を確保。

    • ・ 宿舎の必要性について、国が労働市場で日本経団連加盟企業並に優秀な学生を採用するためには、トータルな住宅支援として宿舎があっても良いのではないか。

    • ・ 宿舎使用料について、民間企業でも社宅賃料は引き上げており、その結果、現在の社宅賃料水準となっている。宿舎使用料の引上げにより、社宅賃料との間で官民格差が生じるのは望ましくない。

  • ○ 崎田氏より、概要以下の通りコメント。

    • ・ 公務員に宿舎を提供し、暮らしの安定、生活の質を確保することは重要。災害時の緊急対応等の必要性もあり、公務員が職場から遠いところに住むことは、社会全体でプラスとならない。但し、提供すべき宿舎の必要戸数は分析するべき。

    • ・ 宿舎を廃止して住宅手当を提供することは、必ずしもコスト削減につながらない。

    • ・ 経済環境が悪化し、民間では経営危機や解雇の不安がある中、宿舎に対する社会の納得が得られるよう、使用料水準を見直すべき。

    • ・ 社会が大事と思っている保育園や福祉施設を宿舎に併設するのは大事なこと。

    • ・ 人の近くにある里山は原生林と違い、適切な管理が必要。緑を残すところ、計画的に使うところを区別して、人と自然が共生するようにすることが重要。計画の策定に際しては、例えば、地方自治体が多様な選択肢を示して、計画の早い段階で、地域の参加を得て意見を聴き、住民の理解を得るようにするという方法もある。

    • ・ 公務員は、実際には日夜努力して働いているが、一般社会では、マスコミ報道も含め、公務員は優遇されているとイメージされている。情報公開を徹底していくことが重要。

  • ○ 上安平氏より、概要以下の通りコメント。

    • ・ 公務員だから宿舎を提供するという考え方ではなく、公務員の中で住居の提供が必要な人に宿舎を提供するという考え方を取るべき。宿舎を提供すべき公務員を厳選し、仕事の内容によって厳格に入居を制限するべき。宿舎供給戸数も、最小限とするべき。

    • ・ 公務員の住生活を安定させることは大事。特に、中央官庁の職員は転勤も多く、中堅・若手職員は深夜まで勤務している。勤労者としての生活権のために、宿舎を提供することは必要。

    • ・ 宿舎に係る政府の負担(年間約150億円)を少なくする努力は必要。

    • ・ 民間企業は、近年、社宅を売り払って借上げに移行してきたが、最近になって、社宅が見直されている。宿舎においても、保有・借受けの選択に際しては、柔軟に、効率の良い安いものを選択すべき。

    • ・ 一般に、日本の「衣食住」の中で、「住」の満足度が低い。そのため、普通の人の感覚として、快適な良い場所にある低家賃の宿舎に対する批判は厳しい。宿舎については、質素な仕様とすることも重要。

    • ・ 公務員は特権を持っていると思われているが、宿舎に関する十分な説明を行えば、共感してくれる人は沢山いる。

    • ・ 宿舎の建設において、福祉施設の併設など、宿舎ならではの利益を地域にもたらすことに期待。

  • ○ 奥田氏より、概要以下の通りコメント。

    • ・ 公務員として、優秀な人材を確保するという点で、宿舎が必要であることに異論はない。

    • ・ 国にとって、宿舎の提供は、住居手当の支給よりも負担が少ないと言える。

    • ・ もっとも国有財産の有効活用の観点から、宿舎に係る国の負担を減らすことは大事。使用料の算定に際して、各種コストに加え、地価に一定の利回りを乗じた額も考慮に入れることが必要ではないか。

    • ・ 23区内におけるc・d規格の使用料は、民間家賃水準よりも高いが、b規格は民間よりも安く、国民の納得感が得られにくいのではないか。

    • ・ 合同宿舎化を進めることに異論はない。民間においても、ファシリティマネジメントの考え方から、複数物件をまとめることにより、コスト縮減を行っている。

    • ・ 都心の商業地にある、未利用容積率の残った老朽宿舎は、建替えを行い、郊外に移転させることも重要。

    • ・ 古い建物は省エネが進んでおらず、維持管理コストが高いため、結果的にライフサイクルコストも高い場合が多い。

    • ・ 事業仕分けを受けて契約済事業を凍結しているようだが、これに伴い、無駄なコストがかかるため、早期に方針を固めるべき。

    • ・ 売却もなかなかできないような財産は、保有コストがかかっているが、こういった財産は地方公共団体と協議して何らかの対策(活用策)の検討が必要。

  • ○ 意見交換における、各有識者の発言の概要は以下のとおり。

    • (西久保氏)

      • ・ 民間の場合、社宅に係る費用に見合う負担を居住者に求めることはあり得ない。社宅は、人的資源への投資である。

      • ・ 厚生用社宅では、年齢等による入居制限をかける場合もあるが、老後のための持ち家を手に入れてもらうため、住宅支援政策もある。業務用社宅に、そのような入居制限はない。

      • ・ 営利目的でない社宅の賃料算定において、機会費用などを加味しないと思われるが、宿舎使用料を算定する際にどうするべきかについては、議論が分かれるところだろう。

    • (奥田氏)

      • ・ 宿舎使用料の算定は、すべてを民間と同じくする必要はないのではないか。土地の機会費用も、国債金利を適用して、国と入居者が折半するという考え方もある。

      • ・ 最近の建物は耐用年数も延びているが、高度成長期やバブル期の建物の中には継続的に使用すると、維持管理コストが高くなるものもあるため、老朽化建物は建替えも検討すべき。

    • (上安平氏)

      • ・ 古いものを新しいものに置き換えることが合理的な場合もあるだろうが、古いものを大事に使うという考え方も、残しておいて欲しい。

  • ○ 中村理財局長より、以下の通り閉会の挨拶。

    • ・ 公務員宿舎の在り方に関して、貴重なご提案をいただいた。皆様から伺ったご提案をもとに、より効率的な国有財産行政を推進していく所存。