| ○冒頭、野田財務副大臣より、挨拶として、概要以下のとおり発言。 ・昨年の鳩山政権成立以降、財政健全化と経済成長の両立が課題となっているが、成長戦略においては国有財産を政策ツールとして活用を図る案を検討するよう理財局に指示してきた。 ・先週実施された第一回のヒアリングでは、有効活用における貸付の活用など、大変示唆に富んだご意見を頂いた。今回も忌憚のないご意見をお願いしたい。 ○財務省事務局より、「新成長戦略」における国有財産の有効活用の在り方に関する検討状況について、資料(“「新成長戦略」における国有財産(未利用国有地等)の活用について(素案)”、“未利用国有地の管理処分の現状と問題点”)に沿って説明。 ○望月氏より、資料(“新成長戦略における未利用国有地等の活用について”)に沿って、概要以下のとおり説明。 ・基本的な考え方としては2つのポイント。1つは、経済成長そのものでなく、その結果もたらされる国民の幸福をゴールとして政策判断を行うべきということ。もう1つは、民間主導ということなので、民間ができるところは民間に任せるべきで、国が収益事業を行うべきではないという一線は画すべき。 ・これを踏まえて土地活用の原則を考えると、市場原理に任せても国民の幸福度が向上するような場合には民間に任せる一方、市場原理からは合理的でなくても国民の幸福度の向上という点から利用価値が認められるところで活用を考えるべき。このため、まず国民のニーズの洗い出しが重要。その上で貸付等の手段を考えるべき。 ・さらにマーケティング的な観点から考えると、まずは現状の未利用地について個々の特性を把握し、「仕分け」を行うことが必要。「幸福度」「環境貢献度」といった新たな尺度を加えて利用価値を判断する。 ・ただし、具体的な活用にあたっては、最低限の保有コストは回収するなどミニマムな条件を考えることも必要。 ・こうした方法を現実的に機能させるため、決定プロセスとして、土地のポテンシャル、市場性とニーズのマッチングを判断する仕組み、体制を整えておくべき。 ・いずれにせよ、最終的なゴールとして国民幸福度アップのためのニーズをどう拾い上げていくかが重要。エリアマネジメントの考え方も踏まえ、国有地が地域の中でどのような役割を果たすべきかという視点も取り入れることが必要。 ○根本氏より、資料(“国有財産の有効活用と成長戦略の提言”)に沿って、概要以下のとおり説明。 ・国民の目からは、公の財産について「国」「地方」、「行政財産」「普通財産」といった区別はなく、効率性の観点から、タテ割を避け同じ土俵で検討することが必要。 ・日本の公的部門においては、減価償却資産の老朽化により更新投資の圧力が高まっている。国、地方をあわせて、年間で、現在の公的資本形成の約4割にあたる約8.1兆円、国の行政財産だけでも約2,680億円の更新投資が必要となる。 ・今後はどういう更新投資が必要か、国民への情報開示が必要となる。この点について、藤沢市など一部の自治体で既に行われている「公共施設マネジメント白書」の取組みが国にとっても参考となる。 ・公共施設マネジメントにおいては、国と地方自治体の連携が必要。別々に利活用を考えていることは国民の目からは不合理であり、制度的な連携により、価値の最大化を図るべき。先進的な自治体との間でモデル事業を実施し、将来的にはマネジメントのワンストップ化を目標とすべき。 ・また公的資産の活用においては、民間の知恵と創意工夫を活かすためPPPの手法も使い民間の提案を積極的に導入すべき。資料に示したような例が参考となる。 ・奈良県の例は、特別な手法を用いなくても、知恵さえあれば、現行法制度の中でも様々な手段での有効活用が可能であるというものである。 ・横浜市の例は、アイディア募集に応募したものだけが入札に参加できるとすることで、アイディアを提案するインセンティブを確保した。民間から提案してもらうには動機付けが必要。ただし、実施方法によっては、国の場合、政府調達ルールに抵触しないかも確認しておく必要がある。先に述べた横浜市の例は政府調達ルールにも抵触しないよう工夫している。 ○持永氏より、資料(“国有財産の有効活用のあり方について”)に沿って、概要以下のとおり説明。 ・有効活用の意思決定に当たって、基本的な考え方としては、グランドデザインを定め、具体的な比較衡量による順位付けを行い、棚卸しをしてから有効活用を考えていくことになるが、逆に有効活用から順位付けしていくことも可能。 ・有効活用に関する留意点としては、まず検討に用いる数字の正確性が重要。これまでの収益性の議論においては、売却収入と賃貸収入との比較であったが、それだけでなく、取得価額との比較の観点も必要。民間では固定資産の取得価額について資本的支出や維持管理の収益的支出も含め厳しく精査しているが、国有財産の台帳管理においても取得価額を重視すべき。 ・棚卸については、現況の把握に努めるための実地調査が重要。 ・不動産は点で考えるだけでなく、線、面として展開していくことが付加価値を高めるために重要。六本木や表参道等のヒルズ等の開発がよい例である。 ・特会、独法、国立大学法人、三セクの土地なども他の公有地が近くにあったとしても面としての展開がなく、付加価値が高められていないように見える。 ・CRE(Corporate Real Estate)戦略の考え方をPRE(Public Real Estate)戦略として公的部門に適用することが有用。この考え方では、価値が高くコア事業での価値が少ないような場合、賃貸が有効と考えられる。 ・国有地の有効活用においては、まず、政策との整合性が重要であるが、そのプレーヤーを考えておく必要もある。最近の日本企業は、資金繰りは改善しているが、設備投資には資金が回っておらず、資本効率や生産性が上がっていない。さらに土地については、国内では製造業の保有が減る一方、非製造業、特に不動産業の保有が増えている。こうした点から、土地の有効活用を行う民間プレーヤーとしては、国内であれば不動産業者であり、さらに海外ファンドなども視野に入れておくべき。 ○世田谷区より、資料(“国有財産の有効活用のあり方について”)に沿って、概要以下のとおり説明。 ・世田谷区においては、保育施設や介護施設の整備に当たって用地確保を行っているが、区有施設の洗い出しだけでは追いつかない状況にある。 ・特に保育施設については、公園や区有住宅の一部、学校用地や学校教室の活用も図っているが、それでも待機児童は全国有数のレベルにある。 ・高齢者施設についても、介護認定者は増加の一途と予想され、今後、特別養護老人ホーム等の用地確保が課題となってくる。 ・世田谷区には国家公務員宿舎も多くあるが、その中には今後廃止を予定しているものもあると聞いている。それらの跡地を区が国から定期借地で借り受け、区が選定した福祉事業者に転貸できないかと考えている。転貸としているのは、区は福祉事業者を日々指導監督する立場にあり実態的に関与することが望ましいためである。 ・また、こうした福祉施設の整備にあたっては、20〜30年先を見通すことは難しいので、定期借地を利用できれば、一定期間ごとにその時点でのベストな選択ができるので都合がよい。 ・地方自治体としては、こうした施設整備には準備に時間がかかるので、早めの情報提供を頂けるとありがたい。 ・国有地の有効活用に関しては、国の庁舎整備に関連し、世田谷区では国税事務所敷地と都税事務所敷地を一体利用する国、東京都、区の三者との合築の計画もある。これについても動きがあれば、早めの情報提供をお願いしたい。 ○上記説明に続いて行われた意見交換における各有識者の発言は以下のとおり。 〔望月氏〕 ・(エリアマネジメントの現状について)要は、地域再生の問題が発生した時に個々の土地だけでなくエリア一帯で考えていこうということ。主体はいろいろありうるが、個々の利害にとらわれず横の連携を図るためNPOが中心になることもあり、地方の中心市街地活性化や、高齢化したニュータウンの再生などで用いられる考え方である。 〔根本氏〕 ・(公共施設マネジメントのワンストップ化について)現状ではワンストップ化を実現しているところはない。エリアマネージメントもそうだが、要は公共部門と民間部門が一体となって地域の資源配分を考えていこうということ。こうしたものは国が旗振り役を務めるべき。こうした中ではまずは関係者が協議会のような形で集まり、認識や情報を共有していくことが必要。さらに民間からのアイディアを募るためには、民間はビジネスの可能性がないと動かないので、何らかのインセンティブを与えるための枠組みを作っておくことが必要である。 ・(具体的な活用策の検討のあり方について)公有地の具体的な活用を提案しようとしても、国や地方自治体で管轄が異なると前に進まないので、たらい回しにならないようネットワークを構築し適切に紹介できる仕組みがまず必要。その上で、具体的な提案の受け方について制度化し、仕組みを作るべき。現在、有効活用に係るアイディアを募集しているが、具体的な国有財産の情報を開示したうえで、意見募集を行うことも検討すべき。 〔持永氏〕 ・(具体的な土地活用のプレーヤーについて)外国ファンドなどは収益として効果があれば参加してくるため、一つのオプションとして考えられるが、その場合でも集まった資金を地域のためにどう活用していくかが考えられるのではないか。 ・ワンストップマネジメントについては、財務省理財局が束ねるべき。 ・エリアマネジメントにおいては、面としての活用を考えることで、隣り合った土地の容積率や空中権を活用することでお互いの付加価値を高めることができる。 〔世田谷区〕 ・(地域のニーズに応えるため自治体の個々の要望を聞く手段について)現在、世田谷区においては、国有財産を所管している関東財務局を窓口として相談や情報交換をしており、具体的アドバイスも頂いている。現状で特に問題はない。 ○大串財務大臣政務官より、閉会の挨拶として、概要以下の通り発言。 ・今回も大変、有意義なご示唆を頂いた。引き続き理財局をファシリテイターとして内にこもらず外の意見を取り入れていくことをモットーに頑張っていきたい。 ・今後ともご意見を賜っていきたいので、ご協力をお願いしたい。 |