米州開発銀行(Inter-American Devilopment Bank:IDB)
更に詳しい情報は下記インターネットホームページをご参照ください。
http://www.iadb.org/ (英語)
http://www.idb.or.jp/ (駐日事務所、日本語)


経済的苦境から脱却し、持続的成長を目指す。


 米州開発銀行(IDB)は中南米・カリブ加盟諸国の経済・社会発展に貢献することを目的として設立された国際開発金融機関です。IDBの活動を補完するために、米州投資公社(IIC)が設けられています。
 

組織と運営

 IDBの本部は米国のワシントンにあります。IDBの最高意思決定機関は総務会ですが、総務会は、一部の権限を除いて日常業務を理事会に委任しています。総裁は日常業務の運営にあたる事務局の長です。IDBの政策や融資案件等は事務局が企画・立案し、理事会の審議で承認されたのち、実施されます。


米州開発銀行(IDB)
 中南米・カリブ加盟諸国に対して各種開発プロジェクトやセクター改革等を対象とした融資を行っており、通常資本(OC)による準商業ベースの融資や特別業務基金(FSO)による長期・低利の融資を行っています。OCの資金は国際資本市場で調達されており、FSOの資金源は、主に加盟国の拠出です。



 IDBの出資割合

IDBの出資割合


米州投資公社(IIC)
 IDBグループのメンバーとして、IDBの活動を補足し、中南米諸国の民間中小企業に対する投融資を通じて域内経済の発展に寄与することを目的に、1986年に設立されました。加盟国からの出資及び借入金を原資として、中小企業への投融資やアドバイザリー・サービスを通じた技術やノウハウを提供しています。なお、2002年度には123百万ドルの投融資を行いました。


バルバドスの初等教育プログラム
photo:Willie Heinz,ID


多数国間投資基金(MIF)
 1990年にブッシュ米大統領(当時)は、中南米諸国における市場指向の経済改革を支援する目的で、貿易・投資・債務の3つの柱からなる「中南米イニシアティブ」を提唱しました。MIFはこの提唱に基づいて、中南米地域における民間投資の促進を図る目的で設立された基金として、IDBが管理・運営しています。本基金は加盟国からの拠出金により構成され、無償資金協力や投融資を通じた、技術援助、人的資源開発及び零細・小企業育成を行っています。なお、2002年度には99百万ドルの投融資及び技術支援に対する拠出を行いました。

 
   目的と課題


 中南米・カリブ地域は、90年代に入って広く民主制が定着し、経済面でも開放型市場経済体制への移行が急速に進展しました。今なお失業、不平等といった問題や一部域内国での通貨危機の発生という問題がありますが、域内経済全体は回復に向かっている兆しも見られます。IDBは世界銀行・IMFと協調して緊急融資をはじめとする経済危機対策に取り組むと共に、地域開発銀行として、従来から行っている地域内・国内の経済格差の解消や環境に配慮した開発課題に引き続き取り組むことで、中南米・カリブ地域の持続的な経済発展支援を行っています。



 IDB部門別融資状況(2002年)

〔単位:億ドル〕
IDB部門別融資状況(2002年)



 IDB国別融資状況(2002年)

〔単位:億ドル〕
IDB国別融資状況(2002年)


 

IDBの歩みと日本

「アジアと中南米との架け橋を目指して。」

ウルグアイの保健医療プログラム
ウルグアイの保健医療プログラム
photo:David Mangurian,IDB

 日本は1976年の加盟以来、アジアからの唯一の加盟国として、人材、資金の両面から貢献してきました。人材的貢献としては、現在17名の日本人職員がIDBの各部局で働いています。資金的貢献としては、銀行の通常資本への出資に加え、特別業務基金、多数国間投資基金(MIF)、日本特別基金への拠出、さらに奨学金制度や日本コンサルタント信託基金への拠出があります。また、IDBは主に債券市場等を通じて中長期的な資金調達を行っていますが、我が国の金融資本市場は重要な資金調達先の一つとなっています。加えて、95年9月には東京に駐日事務所が開設され、我が国と中南米・カリブ地域の交流を維持し、更により緊密なものとするため活動しています。
 また、2005年のIDB年次総会・IIC年次総会の開催地が沖縄に決定し、現在、受入準備が着々と進められています。
 我が国は、アジアからの唯一の加盟国として、中南米諸国とアジア諸国の架け橋となることを目指しています。

 

1959  IDB設立
設立当初は、加盟資格を米州機構構成国に限定していました。原加盟国(設立当初の加盟国)は、中南米の19か国と米国の計20か国
1976  日本、欧州等9か国の域外国加盟
1986  IIC設立
1991  第32回IDB年次総会・第6回IIC総会を名古屋で開催
1993  MIF設立
1995  IDB駐日事務所設立
2005  第46回IDB年次総会・第20回IIC年次総会を沖縄で開催予定

 

日本人スタッフの声
   日本と中南米の架け橋として
宮川 裕子 (広報部渉外官)

宮川裕子広報部渉外官 私は上智大学のポルトガル語学科を卒業後、カリフォルニア大学バークレー校中南米研究の修士課程を修了し、ワシントンのIDB本部の広報局に入行しました。私の担当はイベント企画・運営で、ビジネスセミナー(IDBグループの業務全般、物資及び役務調達手続き、プロジェクト・セクター情報を企業に紹介)の開催を主要な業務としています。またIDB加盟国の政府、市民団体及び民間部門を対象に、中南米・カリブ地域開発に関して協議するさまざまな会議を企画しています。広報局では、他に約70名の専門職員が、プレス、インターネット、情報公開、出版、米国議会渉外、文化芸術、青少年育成、家庭内暴力追放キャンペーンといった多岐な分野に亘って活躍しています。
 IDBの公用語は、英語、スペイン語、ポルトガル語、フランス語の四カ国語で、IDBで業務を行うには少なくともそのうちの2ヶ国語が堪能であることが必要とされています。その中でも、スペイン語が一番重要で、ワシントン本部の周辺を歩いている観光客が、「ここはアメリカの首都なのに、スペイン語ばかりが聞こえてくる。」と言っているのをよく耳にするほどです。実際、ワシントン本部、各国事務所と合わせて約2000名の職員が勤務していますが、そのうち約8割が、中南米・カリブ諸国出身です。彼らの文化の多様性、奥深さが日常業務の隅々にまで表れるという点で、IDBはまさに中南米・カリブ諸国のmicrocosmo(縮図)といえます。
 他のMDBsと同様、IDB職員の職種も多様で、経済、金融、法律、教育、医療、都市計画、インフラ全般、貿易、農業、環境、コミュニケーション、コンピューターなど、皆それぞれの分野で情熱的に開発事業に取り組んでいます。
 中南米・カリブ地域は、日本から地理的には最も遠い地域ですが、移民、経済・文化協力などを通じ、伝統的に日本と良好な関係を築いてきました。日本の皆さん、開発事業を通じて、日本と中南米・カリブ諸国の掛け橋になってみませんか?


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