7か国財務大臣・中央銀行総裁会議声明
(ポイント・仮訳)
(2001年4月28日 於:ワシントンDC)

 

我々は、最近の世界経済の動向、国際金融システムの強化、国際開発金融機関改革及び国際的開発問題への対応策を議論するために本日会合した。我々は、ロシアの財務大臣及び中銀総裁とEC代表とも会合し、最近のロシア経済の動向について議論した。

 

1. G7諸国経済の動向(パラ2)

世界経済の成長は、過去一年減速したが、経済拡大に向けた基礎は健全である。確かに世界の生活水準向上の見通しは注目に値する。我々は、各国経済がその潜在能力に近い成長を果たしていくことが世界経済全体の利益であると信じている。我々は、力強い生産性の伸び、健全なマクロ政策、構造改革及び国際経済協力を促進する政策を、注意深くまた将来に向けて維持及び実施していくべきであるという点につき合意した。我々は自由貿易の達成のため協力していく。我々はエネルギー価格の低下と石油市場の安定が重要であることを認識する。

  • 米国では、経済成長は急激に減速した。しかし、生産性の上昇や要素市場の柔軟性など、長期的な経済のファンダメンタルズはなお強い。金融政策は、引き続き持続的成長と物価安定の維持に資することを目指すべきである。財政政策は、長期的ファンダメンタルズを強化することを目標とすべきである。
  • カナダの経済成長も減速しており、英国では経済成長の減速は緩やかなようである。両国の失業率とインフレ率は依然として低い。インフレ目標を充足しつつ、中期的に持続的成長と雇用の基礎を支える政策を継続すべきである。
  • ユーロ圏では、成長見通しは全体として依然良好ながらも鈍化している。政策は、労働及び製品市場の効率的な働きを増加させる更なる構造改革を通じて、潜在成長力を強化し失業を低下させることに引き続き力点を置くべきである。財政政策は、財政再建のペースを維持しつつ、特に税制改革などを通じ、経済効率の向上を目指すべきである。
  • 日本では、経済活動は弱含んでおり、物価は引き続き下落している。この背景の下、金融政策は消費者物価上昇率が安定的にゼロ以上となるまで、引き続き潤沢な流動性を供給すべきである。中期的な回復を支えるために金融・企業部門の改革の力強い実施が必要である。
2. 為替レート(パラ3)

我々は、為替・金融市場の動向について議論した。我々は、主要通貨間の為替レートは経済ファンダメンタルズを反映すべきとの考え方を再確認した。我々は、引き続き動向をよく注視し、為替市場において適切に協力していく。

 

3. その他諸国の経済動向(パラ4、5)

世界経済の減速は、新興市場・発展途上経済の成長見通しにも影響を与えている。アジアでも、地域全体で減速の兆候が明確で、持続可能な力強い成長を強化するために構造改革の実施が不可欠。開かれた市場は、効率性と生産性を増加し、全ての国において発展と貧困削減を促進する。先進国・途上国双方における貿易障壁の削減に繋がるWTO新ラウンド立上げに向けた努力を強く支持。また、最貧国からの輸出の市場アクセスを改善する先進国のイニシアティブを歓迎。

 

4. トルコ(パラ6)

トルコの強い経済改革プログラムを歓迎。これにより、トルコは国際社会の公的及び民間セクターによる支援の継続をもたらす支援パッケージについて、IMFと合意に至ることが可能となった。トルコが必要とされる施策を積極的に実施することを期待。IMFと世銀が追加支援を決定したことを歓迎。

 

5. ロシア(パラ7)

継続するロシアの経済成長を歓迎し、経済改革の加速を要請。外国投資・国内投資双方に資する経済環境の形成のための措置が必要であり、IMF・世銀の専門的知識が活用されることを希望。また、包括的資金洗浄対策法の整備など、欠陥の早急な是正を強く要請。

 

6. 危機の予防・解決とIMF(パラ8〜11)

強力で効果的な危機予防が最重要。IMFサーベイランスの強化が危機の予防の中心。国際基準の実施を慫慂。IMFの国際資本市場局の創設を歓迎。IMFの融資条件の見直し作業を歓迎。民間関与及びIMFのクォータについてIMF理事会で更なる議論がなされることが必要。

 

7. 国際開発金融機関改革(パラ12〜15)

国際開発金融機関による開発の効果を向上させるため、国際開発金融機関相互の協調とそれぞれのガバナンスの向上を図るとともに、途上国における公的セクターの管理運営能力を強化すべき。また、開発の効果を高める観点から、国際開発金融機関に対し融資金利政策のあり方の検討を速やかに行うことを要請。世銀に対しては、中所得国への支援のあり方及び国際開発協会による支援のあり方に関する検討を更に継続し改善を行うことを要請。

 

8. 重債務貧困国(HIPC)イニシアティブ及び債務救済を越えた取組み(パラ16〜18)

既に22ケ国がイニシティブの債務救済を受けている。他のHIPC、特に紛争の影響を受けた国が、イニシアティブから裨益するため必要な措置を取ることを強く要請。債務削減は開発の一側面に過ぎず、強固な改革プログラムにより補完される必要があることを強調。ジェノヴァサミットに向け、貿易機会の拡大、民間投資のための環境整備、及び社会分野への投資に焦点を当てた議論を期待。特に、結核、マラリア、HIV/AIDSといった感染症対策のイニシアティブにつき建設的に作業。

 

9. 国際金融システムの濫用に対する行動(パラ19)

資金洗浄防止などに対する多国間取組みへの支持を再確認。適切な進展があった非協力国・地域をリストから外すために技術支援を供与する一方、十分な進展がなかった非協力国・地域に対しては対抗措置を実施するとの意図に留意。IMFと世銀が、金融活動作業部会の40の勧告を資金洗浄対策の国際的基準と認識したことを歓迎。

 

(以 上)


       「国際会議」一覧に戻る

ホームページに戻る