報道発表
8年連続で過去最高の差止件数を記録
〜平成20年の税関による知的財産侵害物品の差止状況〜
財務省は、平成20年の全国の税関による偽ブランド品等の知的財産侵害物品の差止状況をまとめました。平成20年の差止状況の特徴は、次のとおりです。
1.8年連続で過去最高の差止件数を記録、さらに進む小口化
○ 平成20年の税関における知的財産侵害物品の輸入差止件数は26,415件で、前年と比較すると16.6%増加し、8年連続で過去最高の件数となりました。
○ 輸入差止点数は、一件あたりの平均輸入差止点数が前年の46点、前々年の50点を下回る36点と輸入の小口化が一層進んだことから、約94万点(前年比9.2%減)となりました。
○ 輸送形態別の輸入差止実績を見ると、郵便物による輸入が増加し、平成20年は件数ベースで全体の約97.1%、点数ベースで全体の約52.7%を占めました。郵便物による輸入の増加が、小口化の傾向を進めた大きな要因です。
2.強まる中国来貨物への一極化
○ 中国から輸出された知的財産侵害物品の差止件数は21,529件で、前年と比較すると33.6%増と大幅に増加しており、全体の81.5%を占めました。これは中国単独で、平成19年の差止件数(22,661件)に迫る差止件数を記録したことになります。
○ 韓国又は中国から輸出された知的財産侵害物品の割合は、平成17年及び18年にはほぼ同水準でしたが、その後、徐々に韓国来のものが減少し中国来のものへの一極化が進んでいます。
3.バッグ類の減少、煙草の増加
○ バッグ類の差止点数は前年の約26万点から約14万点へ減少する一方で、煙草及び喫煙用具の差止点数が前年の3,619点から98,611点へ、CD、レコード類の差止点数が前年の1,468点から34,624点へ増加しました。
○ 医薬品の差止めは501件(構成比1.5%、前年比391.2%増)、94,684点(構成比10.0%、前年比2.0%減)と、前年から引き続いての高水準となりました。
○ 平成20年に税関において輸入が差し止められた知的財産侵害物品の総価額(正規品であった場合の推計価格)は約206億円であり、前年の約385億円から大幅に減少しました。正規品価格が比較的高価なバッグ類の差止めの減少が、総価額の大幅減につながりました。
【お問い合わせ先】
財務省関税局業務課
TEL:03-3581-4111(代表)
03-3581-3041(直通)
担当:大澤、野中(内線5398、5572)
平成20年における知的財産侵害物品の差止状況(詳細)
- 平成20年の税関における知的財産侵害物品の輸入差止件数は26,415件で、前年と比較すると16.6%増加し、8年連続で過去最高の件数となった。
- 輸入差止点数は約94万点で前年と比較して9.2%の減少となった。
- 件数が増加する中、点数は減少しており、一件あたりの平均輸入差止点数は約36点で前年の46点、前々年の50点と比較しても一層の小口化が進んでいることを示している。
- ニセモノ業者が独自のウェブサイトにより注文を受け、海外から我が国へ国際郵便等により少量の偽ブランド品を発送するなど、依然としてインターネットを介した手法が多く用いられていることが背景にある。
- 平成20年における知的財産侵害物品の輸出差止件数は4件で、点数は5,691点であった。
(注) 差止件数は差し止めた知的財産侵害物品があった輸入申告又は郵便物の数であり、差止点数は差し止めた知的財産侵害物品の数である。
知的財産侵害物品の輸入差止実績(平成16年〜平成20年)
○ 仕出国(地域)別輸入差止実績
- 輸入差止件数は中国から輸出されたものが21,529件(構成比81.5%、前年比33.6%増)と過去最高を更新し、5年前の平成16年から約6倍の増加となった。次いで韓国から輸出されたものが、3,287件(構成比12.4%、前年比27.4%減)と前年から引続き減少傾向が続いており、最も差止件数が多かった平成18年からは約62%の減少となっている。
- 輸入差止点数についても輸入差止件数と同様の傾向であり、中国から輸出されたものが699,533点(構成比74.1%、前年比0.8%増)と、平成14年から7年連続で過去最高を更新している。次いで韓国から輸出されたものが、109,490点(構成比11.6%、前年比33.7%減)と平成18年から減少傾向が続いており、最も差止点数が多かった平成17年からは76%の減少となっている。
- 韓国又は中国から輸出された知的財産侵害物品の割合は、平成17年及び18年にはほぼ同水準であったが、その後、徐々に韓国来のものが減少し、中国来のものへの一極化が進んでいる。
中国・韓国来の知的財産侵害物品の差止件数の推移
|
平成16年 |
平成17年 |
平成18年 |
平成19年 |
平成20年 |
| 件数 |
構成比 |
件数 |
構成比 |
件数 |
構成比 |
件数 |
構成比 |
件数 |
構成比 |
| 中国 |
3,358 |
36.7% |
6,278 |
46.6% |
9,440 |
48.2% |
16,116 |
71.1% |
21,529 |
81.5% |
| 韓国 |
4,598 |
50.3% |
6,045 |
44.9% |
8,720 |
44.5% |
4,527 |
20.0% |
3,287 |
12.4% |
| その他 |
1,187 |
13.0% |
1,144 |
8.5% |
1,431 |
7.3% |
2,018 |
8.9% |
1,599 |
6.1% |
○ 知的財産別輸入差止実績
- 輸入差止件数は、例年の傾向から大きな変化は見られず、偽ブランドバッグなどの商標権侵害物品が26,140件(構成比98.7%)で大きな割合を占めた。次いで海賊版DVDや偽キャラクターグッズ等の著作権侵害物品が226件(構成比0.9%)となった。
- 輸入差止点数は、商標権侵害物品が685,529点(構成比72.6%)であり、次いで著作権侵害物品が97,487点(構成比10.3%)、意匠権侵害物品が91,472点(構成比9.7%)となった。
- 平成18年に新たに取締対象に追加された不正競争防止法違反物品について、初の差止めがあった。
○ 品目別差止実績
- 輸入差止件数は、ハンドバッグや財布などのバッグ類が19,793件と全体の60.6%を占め、次いでキーケース類が2,853件(構成比8.7%)、時計類が2,477件(構成比7.6%)となった。
- 輸入差止点数は、バッグ類が約14万点と全体の14.9%を占め、次いでファスナーや衣類用ひも止め具等の衣類付属品が約13万点(構成比14.1%)、煙草及び喫煙用具が約10万点(構成比10.4%)となった。前年と比較すると、バッグ類が45.8%の減少となった一方、煙草及び喫煙用具が約27.2倍、CD、レコード類が約23.6倍に増加した。
- バッグ類の大幅減少については、海上コンテナ等を利用して一度に大量の偽ブランドバッグを輸入する事案が減少したことが原因である。
- 「煙草及び喫煙用具」及び「CD、レコード類」の大幅増加については、それぞれ紙巻煙草と海賊版DVDの大量差止事案があったためである。
- 医薬品の差止めは501件(構成比1.5%、前年比391.2%増)、94,684点(構成比10.0%、前年比2.0%減)と、前年から引き続いての高水準となった。
品目別差止実績構成比の推移(点数ベース)

○ 輸送形態別輸入差止実績
- 輸入差止件数は、郵便物が25,638件(構成比97.1%)、一般貨物が777件(構成比2.9%)となった。前年と比較すると郵便物が16.8%、一般貨物が10.7%増加した。
- 輸入差止点数は、郵便物が497,114点(構成比52.7%)、一般貨物が446,927点(構成比47.3%)となった。前年と比較すると郵便物が55.2%増加した一方で、一般貨物は37.8%の減少となった。
- 郵便物による輸入の増加が、小口化の傾向を進めた大きな要因となった。
輸送形態別差止実績の推移(件数ベース)

輸送形態別差止実績の推移(点数ベース)

○ 差止申立ての状況
- 平成20年末現在において税関が受理している輸入差止申立ての件数は690件で前年末と比較して、16.8%の増加となった。
- 知的財産別では還流防止措置の対象となっている商業用音楽CDを対象とする著作隣接権に係る申立てが427件(構成比61.9%)、次いで商標権に係る申立てが146件(構成比21.2%)、意匠権に係る申立てが54件(構成比7.8%)となっている。
各年末時点における有効な輸入差止申立ての件数の推移
○ 最近の摘発事例
事例1
平成20年7月、名古屋税関は、中国から中部外郵出張所に到着したEMSを利用し、商標権及び特許権を侵害する錠剤約5千錠を密輸入しようとした日本人男性らを関税法違反で告発した。
事例2
平成20年10月、東京税関は、中国から成田国際空港に入国する際、意匠権及び商標権を侵害するパチンコ景品の偽造品約7千点を携帯して密輸入しようとした韓国人男性らを関税法違反で告発した。
事例3
平成20年12月、東京税関は、中国から神戸外郵出張所に到着したSALを利用し、著作権を侵害するDVD等約500枚を密輸入しようとした日本人男性を関税法違反で告発した。
別添資料へ