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MDBsパンフレット(2013年版)

MDBsでのキャリアを志す皆さんへ −人事担当者からのメッセージ−

昨今の経済・金融危機や気候変動などグローバルな課題への対応が求められるなか、MDBsの果たす役割はますます重要となっています。我が国は、より多くの熱意ある日本人職員の採用を各MDBに強く働きかけており、各MDBもリクルート・ミッションの我が国への派遣等、その声に応えているところです。

MDBsでは専門分野での経験・実績のある即戦力の人材が求められていますが、その他にも、若手専門職員養成プログラムであるヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)や、将来の正規職員となるために必要な知識・経験を積む機会を提供するジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)等、様々な採用プログラムが設けられています。

〔執筆者の役職については2013年4月現在のもの〕

世界銀行グループSenior Recruitment Officer  Roberto Amorosino

世界銀行グループは、世界中の開発途上国に対する資金面及び技術面での支援において重要な役割を担っています。具体的には、譲許的な資金の提供に加えて、途上国政府に対する政策提言や、調査・分析、技術協力などを行っています。

貧困に国境がないのと同様、有望な人材も国境を越えて存在します。それゆえ、世銀は、世界中から有能で才能のある人材を求めており、性別も国籍も、民族的背景も様々な職員で構成されています。

優秀な人材を確保するためには、常に成長できる職場環境を提供する必要があります。世銀は、説得力のある使命と目標、挑戦的でやり甲斐のある仕事、多様な人材が活躍する職場、知的ダイナミズムのある環境、継続して学び、キャリアや自分の価値を向上させるチャンスを提供することを約束します。

同時に、世銀職員には、専門家としての高い成果を挙げること、技能の質を高く維持し続けること、必要に応じて途上国を含む様々な地域で任務に就くこと、専門知識を効果的に活用することを期待しています。

世銀は、関連分野での修士号又は博士号を有し、職務経験が豊富な開発の専門家を求めています。政策レベルでの開発問題に対する広範な理解と、国際的な業務経験は非常に有益です。加えて、英語の他にも第二外国語ができるなど高い言語能力が期待されています。

私たちの職場では、世界170カ国から10,000人以上の、経済、公共政策、国際金融、教育、エネルギー、社会科学、環境科学、その他様々な分野の専門家が働いています。世銀本部はワシントンD.Cにありますが職員の3分の1は全世界100カ所以上の現地事務所で働いています。世銀の仕事は、常に変化する開発ニーズに対応し続けることであり、そのためにも最も適合する人材を新規・中途問わず採用することが求められています。

アジア開発銀行予算・人事・経営システム局長 神崎 康史

アジア開発銀行(ADB)には加盟諸国から様々な価値観、文化的背景を持った職員が集まってきています。その中で成功する為には、それぞれの専門分野において深い知識、優れた能力を持っていることに加えて、アジアの貧困を無くし、人々のより良い生活を目指すADBの使命に対する情熱を持っていることも大切です。開発の為に最良の問題解決方法を、アジアの人々と一緒になって考え実行していくには、創造力、忍耐力も求められます。

我々は、ADBがこれからどの様な人材を求め育成し、どの様なリーダーシップを醸成し、また、どの様な職場環境を作り出そうとしているかを記した、「ピープルストラテジー」というものを策定致しました。職場としてのADBに興味のある方は是非御一読下さい。

日本はADBの最大拠出国です。日本人職員は140人以上を数え、各所で重要な職務に就き、不可欠の存在になっています。

ADBは今、次の時代に向けて大きく飛躍し、アジアの国々の更なる発展の為に尽力していこうとしています。日本の皆様と、同じ目的を共有しながら一緒の職場で働けるのを楽しみにしております。

米州開発銀行人事局長 Claudia Bock-Valotta

米州開発銀行(IDB)は中南米カリブ地域における持続可能な開発を使命とする開発金融機関です。1959年に設立され、地域開発金融機関では最も古い歴史を有しています。融資、保証、技術協力、政府との対話といったツールを用いて、開発途上各国のあるいは地域全体の経済・社会開発の促進に貢献しています。IDBは今後10年にわたり、(i)貧困削減及び格差是正、(ii)気候変動及び再生可能エネルギー対応という2つの大きな課題の達成に取り組む予定です。

IDBが開発途上各国のパートナーとして使命を実現するためには、組織の貴重な資産である人材が重要な役割を果たします。ワシントン本部、中南米カリブ地域の26地域事務所、東京、マドリッド事務所で毎年約150人を採用しています。募集はホームページ(URL:http://www.iadb.org/en/careers/careers-at-the-idb,1165.html新しいウィンドウで開きます)に随時掲載されます。現在は、人材の多様化、特にジェンダーバランス・管理職への女性の登用を進めています。

新規職員は各種研修プログラムに参加します。また、多様な分野における経験を積ませることで様々なキャリア開発支援の機会を提供します。

IDBは、高い専門性とともに、固定観念にとらわれない柔軟な考え方、何より開発途上国支援への熱い想いを持つ人材を求めています。皆様のご応募をお待ちしています。

アフリカ開発銀行人事局長代理 Clement Opare

1964年に設立されたアフリカ開発銀行(AfDB)は、アフリカにおける持続可能な経済成長及び貧困削減を実現することを使命としています。現在、(1)インフラ投資、(2)ガバナンス、(3)民間セクター開発、(4)高等教育・科学技術・職業訓練の4点を重点セクターとして活動しており、また、ジェンダーや環境、気候変動など分野横断的なテーマにも取り組んでいます。

加盟77カ国の結束を基盤とした、文化および国籍の多様性がAfDBの強みです。そのため、日本のように職員数が少ない国籍からの採用を進めています。また、ジェンダーバランスに鑑み、女性の応募もお待ちしています。

AfDBは、各部署で必要とされる専門的能力の他、多文化環境への適応力があり、アフリカ開発に意欲的な人物を求めています。AfDBが現在取り組んでいる重点セクターは、日本人が高い能力を持つと評判の分野であり、皆さんがこれらのセクターで活躍していただくことを期待しています。

正規職員に加えて、32歳以下の人材を対象にしたヤング・プロフェッショナル・プログラムや30歳以下の修士課程在籍者を対象としたインターンシップも実施しています。

AfDBは福利厚生も手厚く、フレックスタイムを採用しており、働きやすい職場環境です。リクルートミッションを実施していますので、アフリカ開発に熱意のある方々は是非ご応募下さい。また、2012年10月に開所した東京事務所でも、詳しい情報を入手できます。

欧州復興開発銀行人事局アソシエート・マネージャー Paula Gilroy

−違いをもたらす投資−

欧州復興開発銀行(EBRD)は、20年以上にわたり市場での資金調達が困難なプロジェクトを支援してきています。EBRDは、64カ国、欧州連合(EU)及び欧州投資銀行(EIB)によって構成され、中央アジアや地中海南部及び東部地域の国々を含む欧州30カ国以上を対象に支援を行っています。EBRDの活動は民間及び公的セクターの両方にわたり、また国家などを株主とする点において、民間商業銀行に比べリスクに対する耐性が高いという強みを持っています。

たとえばチェルノブイリ原子炉の長期にわたる安全性確保やアラブの春を受けての民主主義経済への移行促進など、様々な課題をもつプロジェクトへの取組みをはじめ、EBRDにおける職務経験は他では経験できないかけがえのないものとなるはずです。あなたが下す決断や調達した資金により、支援対象国全体への支援が行われ、そこに暮らす数多くの人々の生活が変わることもあります。時には、我々の支援対象先の中でも最も辺境な地における小規模ビジネスを可能とするかもしれません。

あなたが銀行家であれ、エコノミストや弁護士、IT専門家であれ、EBRDはあらゆる場で様々な挑戦しがいのある機会を幅広く提供します。EBRDは支援対象地域において、その能力を最大限発揮する真の国際機関となるため、特に日本人の皆様のご応募を大歓迎しております。

最新の募集状況やメーリングリストへのご登録は、以下のウェブサイトを御覧ください。

www.ebrdjobs.com新しいウィンドウで開きます

We invest in changing lives.

アジア開発銀行年次総会(2010年5月、於 タシケント)の写真

アジア開発銀行年次総会(2010年5月、於 タシケント)

MDBsでのキャリアを志す皆さんへ ―YPP(Young Professional Program)採用者からのメッセージ―

世界銀行

ワシントンDCの世銀本部の正面入口に掲げられた「Our Dream is a World Free of Poverty」という言葉。世銀にとって、また世銀を株主として所有し活用する188ヶ国にとって、貧困のない世界はいつどのように「夢」から「現実」になるのでしょうか。

ミレニアム開発目標1A(所得が1日1.25ドル以下の人口比率を2015年までに1990比で半減)は中国を始め多くの国の成果により5年前倒しで達成されましたが、初等教育、幼児死亡率など多くの分野で目標達成は遅れています。2008年以降の経済成長減速に加え気候変動や自然災害が貧困に影響を増し、安定国から紛争・脆弱国へ、農村部から都市部へと貧困の重心が移行するにつれ、求められる政策支援もマクロな構造調整や大規模インフラ中心の公共投資から社会保障をはじめラストマイルの行政サービス、またジェンダー、貿易・食料価格から雇用・産業競争力まで範囲の拡大を続けています。他方でG20や地球サミットのようなハイレベルフォーラムから各国前線での民間主体や市民社会の活躍まで、地球規模課題を取り巻く政策対話・資金拠出・知識協業の幅と深みは増す一方で、個別の開発機関には自らの比較優位を活かし他と補完し合う選択的な関与の仕方、すなわち戦略が益々求められています。

世銀グループは世界中で、経済成長と貧困削減に関わるほぼあらゆる部門で仕事をしています。担当国・地域や課題分野の実情、また協業相手の機関や当事者個人が直面する状況に応じて、私達が実務家として日々体験する困難や達成感或いは未達感は実に様々です。たかだか1万人強の組織、借入国120ヶ国強のGDPの0.2%に満たない融資規模の世銀が、これほど圧倒的に複雑で困難な課題解決を如何ほど左右しうるのか。誤解を恐れず私見を述べるなら「世銀で出来なければ世界で他の誰に出来るだろうか」との自負が、多くの世銀職員を突き動かす原動力に思えます。

国際社会また借入国政府や民間主体を含めた政治的合意、資金動員、政策知見の蓄積を触媒するグローバル機関としての存在感。前線の国別課題解決と地球公共財を両立しうる課題関与の幅。透明で開かれたガバナンス、厳格な調達・社会環境配慮基準などに由来する正統性のみならず、各分野で随一の専門家を擁し重要課題に即応的な提言を続けてきたことへの信頼。幾つかの機関を内外から経験した立場から、これら世銀の提供価値は比類の無いものと感じます。他方、取り扱う課題やそれを取り巻くステークホルダーの利害の複雑さをそのまま内在化した形で、世銀の意思決定や資源配分や組織や業務過程の現在の在り方は、完璧とは程遠いものです。

私は入行してまだ数年ですが、こうした世銀の提供価値を担う幹部や職員をよく知るにつれ、その能力と規律と情熱、また謙虚さや親身に後進を育てる姿勢に感銘を受ける毎日です。世銀が至らない部分につき改善や改革を続ける必要があるのは当たり前ですが、益々複雑化し緊急度を増す開発を巡る諸課題を上回る速度で課題解決の組織能力を強化しようとする現在の取り組みは、おそらく過去10数年で最も抜本的なものです。貧困のない世界を現実にする仲間が、日本からもより多く参画してくれることを願ってやみません。

松田康彦の写真

金平 直人(かねひら なおと)

1977年富山県出身。2000年慶応大学総合政策学部卒、2008年ハーバード大学ケネディ行政大学院・MITスローン経営大学院修了。大学在籍時モバイルインターネット分野で起業、卒業後マッキンゼー・アンド・カンパニーにて主に通信・電機・自動車業界の成長戦略策定に携わる。留学を機にUNDPマケドニア事務所およびコソボICO/EUSR(欧州連合特別代表部)にて民族融和と民間セクター開発に従事。非営利法人ソケット代表を務める傍ら2010年にYPとして世界銀行入行、欧州地域の産業競争力研究およびイノベーション政策を担当。現在は機構改革・戦略局にて世銀改革に関わる経営層の意思決定と施策実施を支援。

アジア開発銀行

大学時代は土木工学を学んでいましたが、当初、途上国は意識していませんでした。転機となったのは興味本位で受講した「途上国開発論」の先生に勧められて参加型農村調査法(PRA)を学びにタイに行ったことです。PRAを用いて村落の抱える問題を理解する行為は、自分の人生について考える契機にもなりました。貧困の要因は多様ですが、そこでは一つに水不足が根底にあるように思え、社会インフラ整備を通じて経済発展に貢献できるようなキャリアを歩む決心をしました。技術を軸とする開発コンサルタント会社に就職し、調査から施工管理までプロジェクト・サイクルの様々なフェーズを泥まみれになって体験したことが今日の礎となっています。

国際開発金融機関(MDB)を意識しはじめたのはアチェの津波復興事業だったと思います。緊急復興案件の形成に携わった際、切迫する復興ニーズ、限られた事業実施能力、ドナーの予算や援助方針などをマッチさせ、効果的な案件を形成する挑戦にやりがいを感じました。

自分の現場経験を活かせばより良い案件が作れるはずであるという自負と、日本人として国際的な環境で勝負したいという思いが醸成されましたが、技術力だけでは不安もあったので、まずは体系的に開発経済や公共政策などを学ぼうと考えました。しかし、インフラ回帰の流れに巧く乗ったのか、幸いにもYPの年齢制限を目前にADBに採用されました。

YPの一年目は横断的に複数の案件の技術面をサポートすることが多かったため、無理なくADB業務に順応できました。二年目からは何件かの案件実施管理を任されるようになり、二年間のYPプログラムを「卒業」する頃にアフガニスタンの大型案件を形成する機会が与えられました。貧困削減と治安改善に寄与する案件を作り上げることができた達成感に浸るのもつかの間、動乱が続く同国において案件を実施する難しさを痛感する毎日が続いています。案件形成時に予期できなかった点を迅速に改善するため現地を頻繁に訪れ、実施管理から得られた教訓を新規案件に反映すべく、ADB内のみならず他ドナーとの情報共有を心掛けています。また、政策や開発方針に対する我々の提言は一国の未来を左右しかねないだけに、各国の実情に合った的確な提言ができるように切磋琢磨しています。

新卒採用を行わないMDBの職員は皆、様々な職歴を経て来ています。MDBを目指す方々は今、何を習得すれば将来的に貧困削減に貢献できるか意識してもらいたいと思います。途上国の抱える課題は実に多面的なので、一見無関係であっても、皆さんの専門と熱意こそが貧困問題を抜本的に解決する鍵になるかもしれません。 。

葛野高文の写真

葛野 高文(かどの たかふみ)

エネルギー専門家、ベトナムを中心にカンボジアやラオスの電力セクターを担当。2006年アジア開発銀行の東アジア局農業・環境・天然資源課にYPとして入行。中央西アジア局エネルギー課を経て2001年より現職。入行前は日本工営(株)に7年間勤務。エンジニアとして水力発電を中心にアジアや中南米の多様なセクターに従事。東京大学大学院社会基盤工学専攻にて工学修士号、同社会基盤工学科にて工学学士号取得。