MDBsパンフレット(2013年版)
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沿革
欧州復興開発銀行(EBRD:European Bank for Reconstruction and Development)は、中東欧諸国における市場指向型経済への移行並びに民間及び企業家の自発的活動を支援するため、1991年に設立されました。現在の支援対象国は、中東欧の旧社会主義国及び旧ソ連構成国など30カ国。市場経済化・民営化を進めるための民間部門に対する投融資及び技術支援等を中心に業務を行っています。
中東欧諸国の市場経済化の進展に伴い、EBRDは活動を中東欧諸国から、市場経済への移行の達成度の低いCIS諸国や南東欧諸国へ重点を移しており、2006年にはモンゴルが、2008年にはトルコが支援対象国に加わりました。今後は、モンゴルや中央アジアの国々を含む体制移行の進んでいない国(Early Transition Countries:ETC(注1))への支援活動を中長期的に拡大していくこととしていますが、さらに、2010年末からのアラブの春を受け、エジプトなど地中海東南岸地域にも支援対象を広げることが、G8ドーヴィル・サミットの要請を経て、総務会で決定されました。2012年8月には設立協定18条の改定を行い、潜在的受益国であるエジプト、ヨルダン、チュニジア、モロッコ向けに特別基金を活用した投融資を開始しています(注2)。一方で、2004年にEUに加盟した国(チェコ、ポーランド、ハンガリー、スロバキア、スロベニア、エストニア、ラトビア、リトアニアの8カ国。うち、チェコは2007年12月にEBRD支援を卒業済み)については、市場経済化が進展したとして、2015年末までにEBRD支援からの卒業が期待されています。
(注1)アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、グルジア、キルギス、モルドバ、モンゴル、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン
(注2)エジプト等の地中海東南岸が完全な受益国となるためには、設立協定1条の改定が必要(全加盟国の批准が必要。我が国は批准済。)。
業務
● 投融資業務
EBRDの中心業務は、プロジェクトファイナンスを中心とした商業ベースの投融資業務ですが、市場経済化の支援という使命に鑑み、投融資の実施にあたっては、
市場経済への移行促進の効果(Transition Impact)、
商業銀行では代替できない支援の実施(Additionality)、
健全な金融判断に基づく融資(Sound Banking)の3原則を満たすことが求められています。また、EBRDの投融資は、民間部門に対するものを中心に行うこととされており、投融資残高のうち、民間部門に対する投融資は、全体の約8割程度となっています。
● 技術支援業務
EBRDは、投融資のほか、各国から拠出された資金をベースに、市場経済への移行を支援するにあたって、投資環境に関係する法制度整備支援や、エネルギー効率化のための助言、中小零細企業への経営指導などの技術支援を行っています。
課題
世界的金融危機の後、EBRDは支援地域における危機からの回復や持続的な成長のための支援に重点を置いた支援を行っていくことを明らかにしています。今後も引き続き、開放的で透明性の高い市場経済への移行を支援していくほか、現地通貨建て資本市場の育成や、気候変動対策のためのエネルギー効率化、低炭素エネルギー経済への移行にも力を入れていくこととしています。

■EBRD出資割合(2011年12月末現在)

■融資状況(2011年度:承認ベース)【単位:億ユーロ】

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キルギスでの小売企業経営指導プロジェクト 「民営化・市場経済化へ」 投資環境の改善・制度整備等に貢献 我が国は設立当初よりEBRDに加盟し、米国に次ぎ、英独仏伊と並ぶ第2位の出資(約8.6%)を行っています。EBRDの技術支援業務に対しても、日本・欧州協力基金(JECF)、体制移行の遅れた国々を対象としたETCマルチ・ドナー基金を通じて、支援対象国における中小企業支援に資する投資環境の改善や制度整備等を支援しています。 また、EBRDの支援対象国は、東は極東ロシア、モンゴルまで広がっています。こうした我が国に隣接する地域におけるEBRDと日本・アジア企業のビジネス連携を促進する観点から、2013年2月、駐日代表(Senior Representative)が着任しました。 |
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日系自動車メーカーのロシア現地法人設立支援 EBRDは、日系自動車メーカーによるロシア現地法人の設立にあたって、株主として出資しました。 これは、日系大手自動車メーカーがロシアに車両生産工場を初建設するために設立した現地法人で、工場起工式にはロシア大統領も出席されるほど、現地で期待され歓迎されています。 EBRDの業務は、公共部門向けよりも、民間部門を中心とすることとされています。そのため、国営企業が民営化する際に、EBRDが株式を取得(出資)するなど、他のMDBsで一般的な融資だけでなく、出資という支援形態があることは特徴的です。出資により企業の経営に参画し、民営化や市場型経済への移行を支援していくのです。 ここに紹介したプロジェクトは、ロシアへの直接投資を促進し、現地での雇用を生み出すだけではなく、ものづくり大国日本の製造技術や生産効率、品質管理や経営戦略など各種ノウハウが現地に伝授されることが見込まれます。BRICsの一角をなす新興国ロシアでは、自動車の需要拡大が見込まれるので、日本の自動車メーカーにとっても、新たな販路開拓となります。このように、ロシアにおける民間製造業の振興をEBRDが支援することで、ロシアの経済基盤を多様化し、市場型競争が根付くようになり、天然資源のみに依存しない厚みのある経済体制作りにも貢献していくこととなります。 なお、EBRDはプロジェクト形成にあたって、環境面での審査を行います。日本の自動車製造業は、製造工程におけるCO2排出や騒音、廃水の処理など環境への負荷を抑制する点においても進んでいますので、このような環境を意識した取組みを現地法人がEBRDと共に推進することは、地元市民や現地業者へ良い影響をもたらします。 |


