MDBsパンフレット(2011年版)
CONTENTS: 表紙 | はじめに | MDBsと日本 | 地域開発金融機関の域内加盟国分布図 | 世界銀行グループ | アジア開発銀行 | 米州開発銀行 | アフリカ開発銀行 | 欧州復興開発銀行 | 国際開発金融機関の一覧表 | MDBsで活躍する日本人職員 | MDBsでのキャリアを志す皆さんへ | 問い合わせ
昨今の経済・金融危機や気候変動などグローバルな課題への対応が求められるなか、MDBsの果たす役割はますます重要となっています。我が国は、より多くの熱意ある日本人職員の採用を各MDBに強く働きかけており、各MDBもリクルート・ミッションの我が国への派遣等、その声に応えているところです。
MDBsでは専門分野での経験・実績のある即戦力の人材が求められていますが、その他にも、若手専門職員養成プログラムであるヤング・プロフェッショナル・プログラム(YPP)や、将来の正規職員となるために必要な知識・経験を積む機会を提供するジュニア・プロフェッショナル・オフィサー(JPO)等、様々な採用プログラムが設けられています。
〔執筆者の役職については2011年12月現在のもの〕
| 世界銀行グループ人事局マネージャー Helen Diaz Page 世界銀行グループは、世界の貧困削減に向けかつてないほど積極的な役割を果たすことが期待されおり、才能あふれる優秀な人材を必要としています。採用の候補は、若い幹部候補生から中堅のエキスパート、様々な管理職レベルまで含まれます。一人ひとりの経験や知識が、世界中から集まるエキスパートと混ざりあい途上国の人々の生活の向上に役立っているのです。 世界銀行のスタッフは、途上国政府と連携し、政策アドバイスの提供や開発プロジェクトの実施など、開発に関するすべての領域において支援をしています。金融改革、インフラ開発、民営化、規制といった分野の他、最近では、教育支援、汚職対策などにも力を入れています。 世界160カ国から集結した1万人以上からなるスタッフの3分の2がワシントンD.C.本部で、そして残りの3分の1が100以上のカントリーオフィスで勤務しています。様々な分野の専門家が、それぞれのスキルと組織のリソースを最大限活用して、途上国経済の支援や持続的な貧困削減に取り組んでいます。 世界銀行はスタッフの多様性促進を重視しています。また優秀な人材を世界中から集める取組だけでなく障害を持つ方でも働ける環境作りのための努力も惜しみません。こうして採用されたスタッフは性別や国籍、人種、文化、教育、経歴といった面で実に多様で、まさにスタッフ自らが180カ国以上の多様な世銀加盟国を体現していると言えます。 |
| アジア開発銀行予算・人事・経営システム局長 神崎 康史 アジア開発銀行(ADB)には加盟諸国から様々な価値観、文化的背景を持った職員が集まってきています。その中で成功する為には、それぞれの専門分野において深い知識、優れた能力を持っていることに加えて、アジアの貧困を無くし、人々のより良い生活を目指すADBの使命に対する情熱を持っていることも大切です。開発の為に最良の問題解決方法を、アジアの人々と一緒になって考え実行していくには、創造力、忍耐力も求められます。 我々は2010年初に「People Strategy」を策定致しました。その中には、ADBがこれからどの様な人材を求め育成し、どの様なリーダーシップを醸成し、また、どの様な職場環境を作り出そうとしているかが記されています。職場としてのADBに興味のある方は是非御一読下さい。 日本はADBの最大拠出国です。日本人職員は130人以上を数え 、各所で重要な職務に就き、不可欠の存在になっています。 第五次一般増資が合意され、我々は今、次ぎの時代に向けて大きく飛躍し、アジアの国々の更なる発展の為に尽力していこうとしています。日本の皆様と、同じ目的を共有しながら一緒の職場で働けるのを楽しみにしております。 |
アジア開発銀行年次総会(2010年5月、於 タシケント)
| 米州開発銀行人事局長代理 Claudia de Colstoun 米州開発銀行(IDB)は中南米・カリブ地域において中心的役割を果たす開発金融機関です。1959年に設立され、地域内の開発途上にある加盟国の個別的かつ共同的な経済・社会開発の促進に寄与することを使命としています。 この使命を達成するため、IDBは今後10年にわたり、現在直面している2つの大きな課題(貧困削減及び格差是正、気候変動及び再生可能エネルギー需要に対応する持続可能な成長の達成)に取り組む予定です。 IDBが地域開発のパートナーとして上記使命を実現するためには、組織の貴重な資産である人材が重要な役割を果たします。人事部は、人材の募集及び活用、人事プログラムや支援政策を通じた職員の育成を行っています。 人材募集、採用、キャリア開発はIDB人的資本管理フレームワークの主要な柱です。高度な専門性及び廉潔性をもった人材の発掘・選抜・確保は人材管理部門の主要テーマです。また、人材の多様性やマイノリティの確保も重要です。 IDBはワシントン本部、中南米・カリブ海の26地域事務所、東京・パリ事務所で毎年約150人を採用しています。候補者は、能力及び経験によって選抜され、最終決定が90日以内に行われます。新規職員はIDBに柔軟に適合できるよう研修プログラムに参加します。 また、IDBは多様な分野における経験を積ませることで、様々なキャリア開発支援の機会を提供します。 現在の目標は、ジェンダーバランス・管理職への女性の登用です。結果として、地域の成長及び開発が促進され、多様な国籍・倫理的・学問的背景を持つ人材の登用につながります。 |
| アフリカ開発銀行人事局長 G.O.Archer-Davies アフリカ開発銀行(AfDB)は1964年に設立された、アフリカにおける持続可能な経済成長及び貧困削減を実現することを使命とした国際開発金融機関です。その目的は、開発支援や解決策の提示に特化した高い開発効果を提供するアフリカにおける優先的なパートナーとなることです。 AfDBは現在、(1)インフラ投資 (2)ガバナンス (3)民間セクター開発 (4)高等教育・科学技術・職業訓練の4点に焦点をおき活動を行っています。こうしたオペレーションへの特化により、AfDBは農業、保健に関するミレニアム開発目標(MDGs)の推進、地域統合、脆弱国・中所得国支援に対して有効な貢献を行うことが可能となります。また、AfDBの活動全体において重要な横断的テーマである、ジェンダー・環境・気候変動対応の主流化にもつながります。 AfDBは多様な価値観を認め、人材や技術革新に焦点を当てた柔軟な労働環境を提供しています。加盟77カ国の結束を基礎とした文化及び国籍の多様性がAfDBの強みです。 AfDBは戦略的目的に資する能力や豊富な経験による多様な文化的背景を有する人々を募集・採用しています。適切なジェンダーバランスを確立・維持するため、特に女性の応募を推奨しています。 |
欧州復興開発銀行人事局長 Anne Sahl −市場の育成、キャリアの形成− 欧州復興開発銀行(EBRD)は、20年にわたり市場での資金調達が困難なプロジェクトを支援してきています。EBRDは、61カ国、欧州連合(EU)及び欧州投資銀行(EIB)によって構成され、中欧から中央アジアの国々を対象に支援を行っています。EBRDの活動は民間及び公的セクターにおよび、現在のプロジェクト総額は約1800億ユーロとなっています。 個々のプロジェクトはそれぞれ独自の課題を持っていますが、全てのプロジェクトは民間投資を慫慂し、市場の確立及び安定を促進するという共通の目的をもっています。その目的の実現は、EBRDにとっての成功であるだけでなく、支援対象国の経済安定化にとっても極めて重要なものです。これは大きな挑戦ですが、それゆえEBRDが現在及び将来の市場を形成する潜在能力を備えた優秀な人材−社会的責任をもち、持続可能な環境をもたらすことを約束する人材−を求める理由です。 あなたがInternational Professionals Programmeにおいて自分の経歴を充分に発揮したいと思う意欲にあふれた人材であれ、人々の生活を変えることに挑戦したいと思う経験豊富な人材であれ、EBRDはあらゆる場で様々な挑戦しがいのある機会を幅広く提供します。EBRDは中でも、グローバルな支援対象地域において、その能力を最大限発揮する真の国際機関となるため、日本人の皆様のご応募を大歓迎しております。 最新の募集状況やメーリングリストへのご登録は、以下のウェブサイトを御覧ください。 We invest where it matters most. |
| 世界銀行 貧困の激しい途上国の道端で子供に物乞いされたことがありますか。見るからにお腹をすかせ哀れな顔を見るとかわいそうに感じるのは当然です。でもそこで小銭を上げたとしてもそれで返ってくる笑顔が本当の意味での貧困削減につながらないのは開発の専門家でなくてもすぐに理解できると思います。物乞いをする子供は通行者の同情を買う目的で背後に隠れている大人に操られていることが多いのです。ひどい場合には、せっかくもらったお金や食べ物が子供には届かないようなケースも多々あるようです。結局この子供たちにとっては自ら教育を受け、まともな職に就く以外には、貧困から脱出するすべはないのです。 社会あるいは国全体のレベルでの開発、貧困削減も根本的には同じような問題だといえるでしょう。持続的に貧困を削減するにはそれぞれの国・社会が自力で開発を進めていけるための援助が必要なのです。確かに中国など急速な経済成長を達成し大規模な貧困削減に成功した国もあります。しかし、こういった成功例を政治環境や文化的背景のまったく違う他の国で再現させることはできるのか。私は世界銀行に勤めて13年になりますが、いまだに答えが分かりません。おそらく世銀から退職する日が来てもまだ分からないでしょう。だからこそ私にとっては開発の仕事はやりがいがあります。 開発のプロとして功績を上げるには、常に自分の専門分野の実践的な知識を更新し、現場で状況に応じて使えるようにしておく必要があります。また現場では、特に決まったやり方に従って毎回ノルマを繰り返すのではなく、自分の知識と経験を元にその時に応じて判断を下して問題解決にあたることを余儀なくされます。 私にとって開発の仕事の魅力とは、世界の貧困と不平等の削減に多少なりとも貢献できる可能性はもとより、複雑な開発問題に知的な面で常にチャレンジされる仕事内容、派遣先の国の実情を直接経験できる機会、そして特に世銀の場合世界各国から集まったスタッフが多文化環境を創りあげながらお互いの見解を主張するなかで切磋琢磨していける組織のバイタリティーといったところにあります。 道端の子供の笑顔のように自分が善意でしたことの結果がすぐに目に見える場合と違い、開発の仕事は結果が出たとしても何年、あるいは何十年もかかるのが普通なので、自分の仕事の成果をすぐに実感したいという人には物足りないところがあるかもしれません。しかし、常に自分に挑戦しながら世界を歩いてみたい人、そして貧困と不平等が生み出す不正に憤慨を感じる人には、是非仕事(job)というより生涯を費やすキャリアとして考えてみてもらいたいと思います。 松田 康彦(まつだ やすひこ) 1965年大阪出身。1989年、早稲田大学政治経済学部政治学科卒業後留学。ピッツバーグ大学政治学博士。世界銀行には1996年にコンサルタントとして入行、1997年ヤングプロフェッショナルプログラム合格。アフリカ、ラテンアメリカおよび東アジア地域に行政専門家として勤務。 |
| アジア開発銀行 大学時代は土木工学を学んでいましたが、当初、途上国は意識していませんでした。転機となったのは興味本位で受講した「途上国開発論」の先生に勧められて参加型農村調査法(PRA)を学びにタイに行ったことです。PRAを用いて村落の抱える問題を理解する行為は、自分の人生について考える契機にもなりました。貧困の要因は多様ですが、そこでは一つに水不足が根底にあるように思え、社会インフラ整備を通じて経済発展に貢献できるようなキャリアを歩む決心をしました。技術を軸とする開発コンサルタント会社に就職し、調査から施工管理までプロジェクト・サイクルの様々なフェーズを泥まみれになって体験したことが今日の礎となっています。 国際開発金融機関(MDB)を意識しはじめたのはアチェの津波復興事業だったと思います。緊急復興案件の形成に携わった際、切迫する復興ニーズ、限られた事業実施能力、ドナーの予算や援助方針などをマッチさせ、効果的な案件を形成する挑戦にやりがいを感じました。 自分の現場経験を活かせばより良い案件が作れるはずであるという自負と、日本人として国際的な環境で勝負したいという思いが醸成されましたが、技術力だけでは不安もあったので、まずは体系的に開発経済や公共政策などを学ぼうと考えました。しかし、インフラ回帰の流れに巧く乗ったのか、幸いにもYPの年齢制限を目前にADBに採用されました。 YPの一年目は横断的に複数の案件の技術面をサポートすることが多かったため、無理なくADB業務に順応できました。二年目からは何件かの案件実施管理を任されるようになり、二年間のYPプログラムを「卒業」する頃にアフガニスタンの大型案件を形成する機会が与えられました。貧困削減と治安改善に寄与する案件を作り上げることができた達成感に浸るのもつかの間、動乱が続く同国において案件を実施する難しさを痛感する毎日が続いています。案件形成時に予期できなかった点を迅速に改善するため現地を頻繁に訪れ、実施管理から得られた教訓を新規案件に反映すべく、ADB内のみならず他ドナーとの情報共有を心掛けています。また、政策や開発方針に対する我々の提言は一国の未来を左右しかねないだけに、各国の実情に合った的確な提言ができるように切磋琢磨しています。 新卒採用を行わないMDBの職員は皆、様々な職歴を経て来ています。MDBを目指す方々は今、何を習得すれば将来的に貧困削減に貢献できるか意識してもらいたいと思います。途上国の抱える課題は実に多面的なので、一見無関係であっても、皆さんの専門と熱意こそが貧困問題を抜本的に解決する鍵になるかもしれません。 葛野 高文(かどの たかふみ) エネルギー専門家、中央西アジア局 エネルギー・天然資源課。主にアフガニスタンやキルキスタンの電力セクターを担当。2006年アジア開発銀行にYPとして入行。東アジア局 農業・環境・天然資源課YPを経て現職。入行前は日本工営(株)に7年間勤務。エンジニアとして水力発電を中心にアジアや中南米の多様なセクターに従事。東京大学大学院社会基盤工学専攻にて工学修士号、同社会基盤工学科にて工学学士号取得。 |
