第41回AfDB・第32回AfDF年次総会 日本国総務演説(平成18年5月17日 於:ブルキナファソ・ワガドゥグー)
| 第41回アフリカ開発銀行・第32回アフリカ開発基金年次総会 |
| 1. 序: |
| 議長、総裁、各国総務各位、並びにご列席の皆様、 |
| 第41回アフリカ開発銀行(AfDB)・第32回アフリカ開発基金(AfDF)年次総会の開催にあたり、主催国であるブルキナファソ政府及びワガドゥグー市民の暖かい歓迎に対し、日本政府を代表して感謝します。また、AfDB総裁として始めての総会を迎えられるカベルカ総裁を歓迎します。 |
| 2. アフリカの現状: |
| 最近のアフリカ経済は、世界経済の好調、一次産品の好況、域内の紛争の減少等により好調であり、なかでも、ここ3年連続してアフリカの成長が5%を超え、GDP per capitaも2年連続して3%の伸びを示していることは勇気づけられる材料の一つです。 |
| マクロ経済は好調ですが、MDGsの進捗状況を見ると、特にサブサハラ地域において多くの分野で達成が困難になっています。貧困層の割合は1990年代からほとんど変わらず、乳幼児死亡率や妊産婦の健康の改善なども進み方が順調ではなく、一部には後退している国さえあります。また、サブサハラには世界のHIV/AIDS感染者の約70%が住んでいます。 |
| 3. アフリカ開発銀行の課題: |
| そうした問題に応えるために、AfDBは重要な地位を占めていると思います。これまでに築かれた関係諸国・機関とのパートナーシップを活かしながら、アフリカの課題へ取り組むために、以下の点を指摘したいと思います。 |
| 第一に、AfDBの人事制度・組織体制の強化です。人事制度・組織体制の確立は業務を遂行する上での基盤となるものであります。人事制度については、適切な能力を有し、アフリカの開発に心を砕く職員を透明な手続きにより確保し、配置することが不可欠です。組織体制については、カントリー・フォーカスに重点を置いた組織再編を確実に進めていくことが重要です。新体制への移行が原因となって、オペレーションに悪影響が発生することは避けなければなりません。 |
| さらに、AfDBの関係するプロジェクトに関する汚職への取組みを強化すると共に、事務局運営の透明性の向上を図ることを含め、ガバナンスの改善を図ることも重要です。 |
| 第二に、AfDBのオペレーションの促進やポートフォリオの改善です。2006年におけるAfDFプロジェクトの承認目標は15億UAですが、今年1月からワガドゥグー総会までの間に理事会で承認されたプロジェクトは10件1.25億UAです。さらにAfDBのプロジェクト承認件数は2件0.65億UAにすぎません。他方、問題プロジェクトの比率(Project at risk)が高い水準にあり、ディスバース率も10%強に留まっています。プロジェクトの承認に重きを置く考え(approval culture)は排除し、プロジェクトの質により大きな注意を払う必要がありますが、それと同時に、新たなプロジェクトの組成も進めていかなくてはなりません。そのためには、上記のように人事制度・組織体制を強化するとともに、プロジェクトの調達手続きを始めとして現地事務所に対する監査体制を強化しつつ、事務所の現地化を進めていくことも重要です。 |
| 第三に、カベルカ総裁が、AfDBの業務のうち重点をおくべき分野として示されているインフラ、民間セクター等についてです。我が国は「魚を与えられるよりも釣竿を持つほうがよい」という開発に関する考え方に従って、Enhanced Private Sector Assistance for Africa (EPSA)を提案しました。この新たな枠組みは、AfDBのインフラ支援及び民間セクター支援を後押しするとともに、借入国・企業の能力構築にも資すると考えます。わが国は5年間で10億ドルの譲許的ローン資金(ACFA)と20百万ドルのグラント資金(FAPA)を提供することとしており、各国の参加を期待します。昨年末には、第一号のソブリン向け協調融資案件として、セネガルとマリを結ぶNEPAD関連の道路案件プロジェクトが理事会で承認されました。今後、ノンソブリン向け融資拡充のためのAfDBとの融資取決めの締結、更なるソブリン向け協調融資や技術支援の案件の発掘・形成を始めとして、EPSAイニシアティブ全体が着実に推進されることを期待します。 |
| 第四に、グレンイーグルス・サミットで打ち出された、マルチ債務削減イニシアティブ(MDRI)の着実な実施です。MDRIの実施に向けて、各国が総務投票及び応募証書の寄託を速やかに行うことを期待します。また、追加的な債務救済によって得られる財政的余裕を借入国が確実に成長やMDGsの進捗などの開発課題へ活用するために、AfDBは、他の国際金融機関と協調しつつ、公共財政管理の強化を進めていくべきです。 |
| 4. 結び: |
| アフリカという地域は、豊かな天然資源と有能な人材に恵まれており、大きな潜在性を有する大陸です。今年がアフリカとAfDBがその潜在的可能性をさらに実現して、飛躍の年となることを期待しております。ご静聴ありがとうございました。 |
| (以上) |
