第37回AfDB・第28回AfDF年次総会 日本国総務演説(平成14年5月28日 於:エチオピア・アジスアベバ)
第37回アフリカ開発銀行(AfDB)
第28回アフリカ開発基金(AfDF)
年次総会
日本国総務演説
|
| 第37回アフリカ開発銀行、第28回アフリカ開発基金年次総会の開催にあたり、総会を主催したエティオピア政府及びアジスアベバ市民の皆様の暖かい歓迎に心より感謝申し上げます。 |
|
| 近年、幾つかの国で紛争が沈静化したこと等から、複数の地域において実質経済成長率が増加し、また、NEPADに見られるように、アフリカ自身のイニシアティブによる着実な経済開発への足場固めが進んだことを喜びたいと思います。 しかしながら、アフリカ地域のおよそ半分の人々が未だ一日1ドル以下で生活をするという、他の地域に比べて極めて厳しい貧困状態にあることから、引き続き貧困削減が最重要課題であることは言うまでもありません。 |
|
| 貧困削減を推進するためには、限られた経済的・社会的資源を効果的、効率的、公平に活用することが大切です。そのプロセスを人々の意見を反映させながら、透明に行っていくことがまさに良き統治であり、それを司るのが公的部門であります。公的部門は民間セクターの環境を整備する役割も担っています。したがって、公的部門の能力強化を通じた良き統治の推進が中・長期的な貧困削減の鍵を握っています。 特に公的部門の予算・支出管理や徴税制度の改善は、まさに政府能力の根幹であり、こういった分野を担当する官庁・人材の強化は喫緊の課題です。また、各種法制度の整備、公正な司法制度の確立、会計検査院や調達制度といった透明性の向上も、広い意味でのガバナンスの改善に必要です。 こういったガバナンス向上への努力の成果は、一朝一夕に得られるものではありません。早急に結果を求めることは、かえって開発における当事者のオーナーシップの醸成を妨げることとなります。ガバナンスの向上への取り組みは大変時間がかかるものであり、我が国は、こういった努力を後戻りせず地道に一歩一歩づつ重ねていくことが重要であり、これを注意深く見守っていきたいと考えます。 |
|
| ここでアフリカ開発銀行の課題に触れたいと思います。 |
| 【援助資源の戦略的な配分】 銀行ヴィジョンで特定された優先分野への資源の集中や、AfDFにおけるPerformance Based Allocationの導入等、ここ数年で援助資源の戦略的な配分について、新たな動きを見せつつあると認識します。 今後も、昨年に締結された世銀とのMOUに基づき、HIV/AIDS、ガバナンス、地域統合、ポスト・コンフリクト国支援といった開発テーマに十分配慮するとともに、農業・農村開発、インフラ整備、社会開発といったセクターに焦点を絞った配分を行うべきです。 国別戦略ペーパーは、こういった考え方をしっかりと反映するとともに、PRSPとの整合性が一層強化されていることが重要です。 【援助効果の測定】 援助効果については、AfDBが実施したプロジェクト・プログラムが、セクター、国といったレベルでもたらしたインパクトを、測定可能な指標により定量的に把握することが肝要であるとともに、これら指標には反映されないプロジェクト・プログラムの情報をLessons Learnedとして抽出し、将来の事業改善へと生かすフィードバック・メカニズムを確立することが重要です。この点については、他のMDBsと協調しつつ取り組まれることを期待します。 【組織改革について】 アフリカ開発銀行が、2002年1月、時宜を得た組織改革を遂行したことを歓迎いたします。今後は、組織改革を実りあるものとするため、新しい組織の下でのAfDBの業務活動における効率化が図られる等、具体的な成果が見られるよう、事務局の一層の努力を期待します。 |
|
| 我が国は、NEPADがアフリカ諸国自身のイニシアティブによる取り組みであるという点を強く支持しています。 その一方で、NEPADについては、より広範なアフリカ諸国のコミットメントの獲得、開発計画の一層の具体化など、その実施にかかる課題が多く残されています。AfDBグループは、インフラ開発、銀行・金融セクター開発といったNEPADの技術的なタスク・グループのメンバーとして参加していますが、AfDBグループが、こういった活動を通じてNEPADの推進に貢献することを期待します。 日本も来年後半に開催される第3回アフリカ開発会議(TICAD III)の開催に向け、TICADとNEPADの間の対話を行っていく考えです。 |
|
| HIPCイニシアティブの下、アフリカ諸国で既に適用決定時点を迎えている22ヶ国への我が国の債務救済は、あわせると総額約19億ドルにも及ぶ予定です。これは、債権国中最大の貢献となります。重債務国が、この好機を十分有効に生かして、効果的な貧困削減につなげていくことを期待します。 |
|
| AfDF-9については、先般、Interim Financial Arrangementについて、基本的な合意が形成されたことを歓迎したいと思います。AfDFは、アフリカ地域加盟諸国に対し極めて譲許性の高い資金を供給するアフリカ開発には不可欠な機関であると認識しています。そのため、我が国も、極めて厳しい財政状況ではありますが、このInterim Financial Arrangementのもと、65億円に上る貢献を行う予定です。 一方、AfDF-9本体については、早期に本体交渉が妥結されることが必要と考えます。 |
|
| アフリカ開発は今後とも国際開発において最も重要な課題の一つであります。アフリカ開発銀行はNEPADの進展とあいまって、引き続きアフリカ開発に重要な役割を担っていくことを期待しつつ、私の演説を終わらせていただきます。 |