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第35回AfDB・第26回AfDF年次総会 日本国総務演説(平成11年5月25日 於:エジプト・カイロ)

English

第35回アフリカ開発銀行(AfDB)

 

第26回アフリカ開発基金(AfDF)

年次総会

 

 

日本国総務演説

 

会期: 5月25日〜27日
場所: エジプト・カイロ
演 説: 八木 大蔵省大臣官房審議官
(現地時間5月25日午後4時30分頃)

 

 

お問い合わせ先

大蔵省・国際局・開発機関課3/4係

電話3581−4111(代) 内線2912

 


1.序文

 議長、各国総務、総裁並びにご列席の皆様、

 第35回アフリカ開発銀行及び第26回アフリカ開発基金合同年次総会の開催に当たり、私は、日本国政府を代表して、主催国であるエジプト・アラブ共和国政府及びカイロ市の皆様の暖かい歓迎に対して心から感謝申し上げます。
演説をはじめるに当たり、まず、AfDBが、カバジ総裁のリーダーシップの下、組織・業務両面に渡り実施してきました銀行改革の努力を評価したいと思います。

2.アフリカにおける課題とアフリカ開発銀行の役割

 議長

 アフリカ経済は、各国の改革努力等を背景として、90年代前半にみられた低迷に比べ、ここ数年回復を続けております。しかしながら、依然として貧困問題は深刻であり、アフリカ諸国の最大の課題となっております。また、特にサブサハラ諸国において民間資金が十分に流入せず、それを一因とする累積債務問題が深刻化していることも大きな課題です。更に、砂漠化問題、特定の一次産品に過度に依存した経済構造といった困難な課題も引き続き存在しています。

 アフリカ諸国が、こうした課題を解決し持続した成長を遂げていくためには、何より、アフリカ諸国がオーナーシップをもって自国の課題に立ち向かい、その努力を国際社会が対等なパートナーシップに基づき支援することが最も重要であると考えます。AfDBは、このような文脈の中で重要な役割が期待されており、アフリカ大陸に根ざした開発金融機関としての特質を生かしつつ、アフリカ諸国のガバナンス改善についても積極的に関与し、アフリカ諸国と政策対話を深めながら、農業開発、社会開発といった貧困削減に直結した領域を優先課題として取り組んで行くことが望まれます。3月に、とりまとめられた Agenda for Moving Foward と最近の世銀との連携強化の動きはこの方向性に沿うものであり評価したいと思います。

 なお、累積債務問題について付言しますと、我が国は、重債務貧困国の債務返済負担が縮減され、開発に取り組む力を取り戻すため更なる債務救済策を国際社会がとるべきと考えております。我が国は、この方針に基づき、二国間ODA債権の削減率を、現行の67%から100%に拡大すること等を提案しております。しかしながら、この問題を解決するためには、債権国間の負担の公平が図られることに加え、先程強調したように重債務貧困国の主体的責任とオーナーシップの存在が前提となるべきと考えます。特に、当該国の健全な経済運営、経済改革に向けての不断の努力が進められなければ、モラル・ハザードの問題を惹起させるだけで、この問題は解決しないと認識しております。

3.アフリカ開発銀行の課題

 議長

 アフリカ開発銀行が、取り組む課題として以下の3点について述べたいと思います。

 第一に、AfDBグループがアフリカ開発に主導的な役割を果たすためには、同グループの資金基盤の強化が重要です。この観点からは、数年来の加盟国の努力により合意に達したGCI−Vの発効の確定及びAfDF−VIII増資交渉の速やかな完結という極めて意義深い進展が見られたことを強く歓迎致します。

 我が国は、GCI−V協定改正を受諾したことに加え、AfDF−VIII総務決議へ賛成を投票しており、今後とも、AfDBグループへの支援を行う方針です。両増資が、他加盟国からの支援により速やかに実施されることを期待します。

 第二に、AfDBの財務面で、最近、経済的理由からのアリアが増加している点について注視が必要です。アリアの増加は、AfDBの資金調達コストに悪影響を及ぼし、ひいては、借入国全体へ影響が波及します。従って、AfDBが、従来にも増して、アリア国に対し、アリア解消を求めるとともに、アリア国は、財政支出歳入構造の改善といった点や具体的な債務管理の向上といった点について一層の改善努力を行うべきと考えます。我が国は、こうした努力に対しPhRDを通じ支援していく用意があることを表明しているところであり、AfDBが具体的な検討を進めています。

 第三に、アフリカ諸国がオーナーシップを確立していくための前提となる条件は、人材育成であると考えます。我が国は、これまでAfDB内に設置されたPhRDを通じ種々の人材育成を支援してきましたが、今般、AfDB自身もIMF・世銀とともに共同研修所を設立し、人材育成に一層注力するイニシアティブを取ったことを歓迎します。同研修所から多くの人材がアフリカ諸国に輩出され、アフリカ諸国のオーナーシップの基盤となることを期待します。我が国は、今後、同研修所に対し、どのような貢献が可能か検討していきたいと考えます。

4.TICAD−IIフォローアップ

 議長

 次に、我が国が昨年10月に東京で開催しました「第2回アフリカ開発会議」(TICAD−II:the Second Tokyo International Conference on African Development )につき簡単に述べたいと考えます。
会議では、アフリカ諸国、アジア諸国、欧米諸国及び国際機関より数多くのハイレベルの参加者を得て、社会開発、経済開発及び開発の基盤に関する包括的な議論が行われた結果、具体的なアフリカ開発の指針を示す「東京行動計画」が採択されました。
我が国は、今後この「東京行動計画」に記されている初等教育就学率を2005年までに80%に向上させるといった様々な具体的数値目標をアフリカ諸国及び他の開発パートナーと協力しつつ達成するために努力したいと考えております。
また、会議開催の折に得られた国際社会よりのアフリカ開発へのモメンタムを維持するために「第3回アジア・アフリカ・フォーラム」や「アフリカ・アジア・ビジネス・フォーラム」等一連の行事を、関係諸国、諸機関の協力を得つつ今年度中に開催することと致しております。

5.結び

 議長

 最後に、AfDB自身が、効率的かつ健全な組織体制を確立し、より一層、アフリカ諸国の開発に対し効果的な支援を行っていくためには、今後とも、AfDB総裁を始め、スタッフが、従来行ってきました銀行改革に自己満足に陥らないよう注意が必要です。AfDBの現体制が発足時に有していた危機感をもって、引き続き、銀行改革に努力し、AfDBグループの使命をよりよく実現するよう期待して、私の演説を終わります。

 御静聴ありがとうございました。

(以上)