現在位置 : トップページ > 国際政策 > 国際通貨制度等〜国際通貨基金(IMF)等〜 > IMF国際通貨金融委員会(IMFC) > 第28回IMFC コミュニケ(ポイント)(平成25年10月12日)

第28回IMFC コミュニケ(ポイント)(平成25年10月12日)

English 印刷用(PDF)

第28回国際通貨金融委員会(IMFC)コミュニケ(仮訳)
[2013年10月12日 於:米国・ワシントンD.C.]

 

 世界経済の回復は継続している。しかし成長は未だ低調であり、下方リスクが続く中、新たなリスクが出現している。先進国における経済活動の改善に心強い兆候が見られる一方、多くの新興国において成長は緩やかになっている。低所得国における成長は概して引き続き強靭である。我々は、最近の進展に加えて、市場の変動を低減させつつ、強固で持続可能かつ均衡ある成長に向けた、より意欲的で一貫した政策を実施する。このためには、成長のダイナミクスのシフト、世界的な金融状況の正常化、財政の持続可能性の達成、世界の需要のリバランス、及びより安定した国際金融システムへの移行を含む、多面的な移行を注意深く管理することが必要である。生産性を高め、失業を減らし、より包摂的な成長を達成する構造政策が多くの国で必要とされている。我々は、専務理事のグローバル政策アジェンダで示されている方向性を歓迎する。

先進国 米国における回復は着実なものとなっており、日本では刺激策が回復を生んでおり、ユーロ圏は不況から脱しつつあり、また、英国を含むいくつかの先進国では成長は既に始まっている。緩和的な金融政策は、安定した価格を維持しつつ世界の成長を支える助けとなっており、依然として適切であるが、信頼に足る財政政策と更なる金融セクター改革・構造改革を伴うべきである。強化された持続的な成長の文脈における、金融政策の将来的な正常化への移行については、適切なタイミングで、注意深く測定され、明確にコミュニケーションが行われるべきである。国の状況が許す場合は、中期的な財政計画は、政府債務を持続的な道筋に乗せる一方、成長と雇用創出を支えるために、短期の経済状況を考慮して機動的に実施されるべきである。これらの行動は、資本フローの変動の増加から生じるものも含め、リスクを緩和し、波及効果を管理するとともに、強固で持続した均衡ある成長を達成する助けになる。米国は短期的な財政の不確実性に対処するために緊急の行動をとる必要がある。ユーロ圏は、銀行同盟に向けた進展を更に進め、金融市場の分断化を更に低減させるべきである。日本は中期的な財政健全化と成長を活性化させるための構造改革を実施するべきである。

新興国・途上国 新興国の成長は引き続き世界の成長の大部分を占めているものの、緩やかになっており、少数の国においてはより持続可能な水準へ向かっている。ファンダメンタルズと政策枠組みは概してより強固であるが、国内の構造的な課題が残されている。資本フローと金融市場の最近の変動は、いくつかの国において、新たな課題を引き起こしている。為替政策を含むマクロ経済政策は健全である必要がある。大きく不安定な資本フローから生じる、マクロ経済または金融の安定に関するリスクに対応する時には、必要なマクロ経済政策調整は健全性のための政策措置と、適切な場合には資本フロー管理政策により支えられうる。財政健全化は、大きな財政の不均衡のある国々において引き続き高い優先事項である一方、他の国々は成長が大幅に悪化しない限りバッファーを再構築するべき。構造的な障害に対処し、生産性を高める政策が、強固で持続可能かつ均衡ある成長に向けた進行中の努力として行われている。我々は、とりわけアフリカの、多くの比較的小さな途上国における、より高い成長を維持し、参加を増加し、その経済構造を変革するための努力を認識する。我々はIMFの小国への関与の強化を歓迎し、これらの国を支援するための作業計画の実施を期待する。我々は移行期にあるアラブ諸国が直面している課題を認識し、これらの国に持続可能な成長と雇用創出に必要な改革を実施することを慫慂する。当該地域からの顕著なドナーによる支援が提供されており、我々はバイ及びマルチのパートナーに、改革への支援に対する貢献を適切な場合には強化することを求める。我々は、IMFが引き続き各国個別のニーズと状況に応じて強化された金融支援、政策アドバイス、キャパシティー・ビルディングを提供することを慫慂する。

低所得国 成長は概して引き続き強靭である。歳入の強化、補助金の対象の限定等を通じて、財政と外貨準備のポジションを強化することは、下方リスクが実現した場合に使用しうるバッファーを提供することができる。継続的でより包摂的な成長は、金融の深化、生産性の高い的な公共投資とサービス、天然資源の健全な資産管理を促進する、継続した行動を必要とする。我々は、低所得国へのIMFの譲許的融資を持続可能とするために必要な同意の受領が得られたことを歓迎するとともに、加盟国が意図表明を実行することを求める。

政策の一貫性 IMFは、将来的な歓迎すべき金融政策の正常化から生じるものも含め波及効果を管理し、リスクを緩和し、強固で持続可能かつ均衡ある成長と雇用創出を支援するため、政策の一貫性と協調した行動を促進する分析及び多国間対話を活性化するための場を引き続き提供すべきである。グローバル・インバランスは、構造的及び景気循環的要因により減少しているが、リバランスは依然として重要な優先事項である。今後、多くの国で政策は、調整を継続する上でより大きな役割を果たす必要がある。赤字国は引き続き国内貯蓄と競争力を高めるべきである一方、黒字国は国内の成長の源泉を強化するべきである。我々は通貨の競争的な切り下げとあらゆる形の保護主義を回避することへのコミットメントを再確認する。「大きすぎて潰せない」問題、国際的な資本基準、国境を越えた破たん処理、デリバティブ市場、及びシャドー・バンキングの潜在的なシステミック・リスクへの対処といった分野を含む国際金融改革は迅速にかつ一貫して実施される必要がある。データ・ギャップを縮小し、財政の透明性を向上し、マネロン・テロ資金と闘い、国境を越える脱税や租税回避と闘うために更なる進展が必要である。我々は、IMFがこれらの課題をバイ及びマルチのサーベイランスの一部として検討し、他の国際機関と協働することを慫慂する。

IMFサーベイランス 我々は、金融サーベイランス戦略、暫定版対外セクターレポート、スピルオーバー報告書、4条協議におけるマクロ・金融市場の連関性の分析の強化、及び包摂的な成長と雇用創出を促進する状況に応じたアドバイス等を通じた、IMFの強化されたサーベイランス枠組みの実施の進展を歓迎する。我々は来たる3年おきのサーベイランス見直しに加え、金融政策とマクロ・プルーデンス政策とこれらに関連する波及効果、外貨準備の十分性、グローバルな流動性指標、資本フロー、及び公的セクターと民間セクターの脆弱性の相互作用の更なる分析に期待している。

IMF融資 予防ベースのものを含む対外ファイナンスは、秩序ある調整の促進を助けることができる。IMFは引き続き、適切な調整と改革を支援するため資金提供する用意がある。我々は、IMFと地域金融取極の間で、柔軟かつ自発的な対話が継続的に行われること、及びいくつかの主要な手段(FCL/PLL/RFI)の見直し、危機プログラム見直しのフォローアップ、重債務状況の国へのIMFの融資政策の更なる検討を期待する。我々は、全ての利害関係者による持続可能なファイナンスの慣行を強化し、促進することの重要性を認識し、IMFの債務上限ポリシーの見直しの完了を期待する。

ガバナンス 我々は、IMFの信頼性、正当性、有効性を高めるため、IMFのガバナンスとクォータの改革に引き続き最も高い優先度を付与している。2010年の改革の批准を完了していない全ての加盟国に、遅滞なくそれを行うよう求める。我々は、2014年1月までに第15次クォータ一般見直しを完了させることに引き続きコミットしており、理事会が、その見直しの一部として新しい計算式に合意することを強く求める。我々は、クォータ・シェアの調整の結果、ダイナミックな国々のシェアが、これらの国々の世界経済における相対的な地位に沿って増加し、その結果、新興市場国・途上国全体としてのシェアが増大しうることが期待されることを再確認する。最貧国のメンバーの発言権と代表性を保持するための手段が講じられるであろう。

次回IMFC会合 我々の次回会合は、2014年4月11-12日にワシントンD.C.で開催される。