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第25回IMFC コミュニケ(ポイント)(平成23年4月21日)

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第25回国際通貨金融委員会(IMFC)コミュニケ(仮訳)
[2012年4月21日 於:米国・ワシントンD.C.]

 

シンガポール副首相兼財務大臣のターマン・シャンムガラトナム議長の下で開催。

世界経済は徐々に回復しつつある。我々が前回会合して以降、ユーロ圏の各国レベル及び地域レベルで、ユーロ圏のファイアーウォールの強化を含む重要な政策対応が取られてきた。米国における経済指標は改善してきた。新興市場国・途上国は、全体として、依然、世界経済の力強さの源となっている。しかし、行うべきことが残っている。世界の成長見通しは依然として緩やかであり、リスクは高止まりしている。我々は、信認を回復し、成長を再活性化させ、雇用を創出するため、引き続き共同して行動する。

  • 先進国では、過度の緊縮財政政策を回避しつつも、信頼に足る財政健全化と政府債務の削減を達成するための更なる行動が多くの国において必要である。状況が許す場合には、財政自動安定化装置を機能させるべきでる。すべての国において、実効的な中期的財政健全化策が策定されているべきである。金融政策は、インフレ見通しがよく管理され、弱い成長が続く限り、引き続き、緩和的であることが必要であろう。こうした政策の潜在的な影響と国境を越える波及(スピルオーバー)は緊密に監視されるべきである。潜在的な生産力と雇用を押し上げる構造改革は重要であり、更なるモメンタムが必要である。ユーロ圏では、債務の持続可能性や金融安定の確保及び大胆な構造改革の実施を引き続き進展させることが、信認と生産性を引き上げ、ユーロ圏内でのリバランスを容易にし、強固で均衡のとれた成長を促進するために重要であろう。

  • 新興市場国・途上国は、先進国からの波及に直面しつつも成長を続けている。欧州でストレスが継続していることや、石油・一次産品価格が高く、変動が大きいことや、資本フローが大規模でかつ変動が大きいことは、重要な政策課題を提起している。これにより、成長を支えるための適切な政策による下方リスクの緩和とインフレ圧力の抑制との間の適切なバランスが必要となっている。いくつかの国における急速な信用拡大には注意が必要である。低所得国は、開発目標を追求し、潜在成長力を拡大するためにインフラ整備におけるギャップに対処しつつ、マクロ経済の安定と債務の持続可能性を維持すべきである。我々は、加盟国に対して、2012年の我々の年次総会までに、2014から2015年にかけての貧困削減・成長トラストを用いた低所得国向け資金パッケージを完成させるよう求めるとともに、その長期的な持続可能性を確保するための提案を検討する。我々は、IMFに対し、この歴史的な時期に、政策アドバイス、技術支援、適切な融資によって、移行期のアラブ諸国の取組みを支援するよう求める。我々は、ドーヴィル・パートナーシップと協働すること等を通じ、金融の安定を守りつつ経済的移行を助けるためのこれらの取組みを支援する。我々は、IMFに、小国、特に外的ショックに対して最も脆弱な諸国への監視を強めるよう奨励する。

  • グローバルな協調は、世界各国の成長を維持し、安定を確保するカギである。グローバルな不均衡の削減に関するこれまでの進展に加えて、更なる行動が必要である。一般的には、赤字国は、輸出競争力を強化しつつ国内貯蓄を増加させるための取組みを継続する必要があり、黒字国は、為替レートの柔軟性拡大を達成するための継続的な取り組みに支えられつつ、内需を強化するための構造改革の取組みを継続する必要がある。バーゼル基準、デリバティブ、及び、金融機関の国境を越えた破たん処理の分野を含む、合意した国際金融改革のアジェンダを国際的に整合的かつ非差別的に完了させ、実施することにより、協調して金融システム強化を進めていくことも重要である。加えて、投資の促進と保護も世界経済の回復のために重要である。我々は、あらゆる形の保護主義を回避するための我々の集合的な責任を再確認する。

次回の統合マルチ・サーベイランス・レポートは、我々の取組みの進捗を評価する機会を提供する。

我々は、IMFが加盟国を効果的に支援するための手段と資金基盤を有することを確保し、専務理事の行動計画に示された方向性を歓迎する。

  • 資金基盤:我々は、国際金融の安定を確保するために必要な行動をとることに引き続きコミットしている。我々は、幅広い改革努力の一環としての欧州のファイアーウォールを強化するためのユーロ圏諸国による3月の決定、及び、中央銀行のスワップ・ラインが利用可能であることを歓迎する。我々は、G20とともに、危機の予防と解決のためにIMFの資金基盤を拡大するとの合意に達した。これは、多数の国々を含む、幅広い国際協調のための努力の成果である。2010年改革における増資に加えて、IMFの利用可能資金を増加させるという確実なコミットメントは4300億ドルを上回っている。この資金はIMFの全ての加盟国に利用可能であり、いかなる特定の地域にも限定されるものではない。この資金は、時限的なバイ融資や債券購入契約を通じて、IMFの一般資金勘定に提供されるだろう。仮にこれらの資金の使用が必要となった場合、十分なリスク緩和策、コンディショナリティ、及び、公的な貸し手の間の十分な負担の分担が、理事会の承認に従って適用されるだろう。この取組みは、各国及び各地域において過去数ヶ月とられてきた構造政策、財政政策及び金融政策上の措置とともに、国際金融の安定を守り、世界経済の回復をより確実なものにするという国際社会のコミットメントを示すものである。

  • ガバナンス:我々は、IMFの正当性と信認を確保するために、2012年の年次総会までに2010年クォータ・ガバナンス改革を発効させることの緊急性を再確認する。加盟国に対し迅速にこれを批准するよう促し、IMFに対して、透明性のある方法でより頻繁に進捗をモニターするよう求める。我々は、加盟国の世界経済に占める相対的な地位をより良く反映した、簡素で透明性のあるクォータ計算式について、2013年1月までに合意することを期待する。我々は、2014年1月までに第15次クォータ一般見直しを完了するという我々のコミットメントを再確認する。調整の結果、ダイナミックな国々のクォータ・シェアが、これらの国々の世界経済における相対的な地位に沿って増加し、従って新興市場国・途上国全体としてのシェアが増大しうることが期待される。最貧国のメンバーの発言権と代表性を保持するための手段が講じられるだろう。我々は、IMFに対し、我々の代理からのインプットを受け、我々の次回会合において、進捗を報告するよう求める。

  • サーベイランス:我々は、IMFのサーベイランスについての最近の進捗を歓迎し、現在のサーベイランスの枠組みが大幅に強化されるべきことに合意する。我々は、統合されたサーベイランス決定の検討を前進させるIMFによる進捗を歓迎し、その決定のためのプロセスを支持することにコミットする。サーベイランスを強化することにより、IMFの政策アドバイスにおけるバイとマルチの視点は統合され、経済・金融の安定に対する世界及び各国レベルのリスクと波及に関するより良い評価が可能になるとともに、政策当局者をより効果的に関与させることができるはずだ。IMFCは、IMFのサーベイランスの戦略上かつ実施上の優先分野を定期的に指導するに当たって、果たすべき重要な役割を有している。

次回のアクション・プランは、進捗報告の機会を提供する。

次回のIMFC会合:我々の次回会合は、2012年10月12-13日に東京で開催される。