第20回IMFC コミュニケ(ポイント)(平成21年10月4日)
第20回国際通貨金融委員会(IMFC)コミュニケのポイント
[2009 年10月4日 於:イスタンブール]
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国際通貨金融委員会は、2009年10月4日、エジプト財務大臣であるユースフ・ブトロス・ガーリ議長の下、イスタンブールにおいて20回目の会合を行った。
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持続可能な回復と金融安定のための政策
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1 断固とした調和した政策行動が早期回復の兆しを生じさせている。我々は、持続的な回復が確保されるまで、財政、金融、金融セクター支援のための政策を維持することにコミットし、信用供与を回復させ、失われた雇用を取り戻し、貧困削減の後退を巻き戻すため、必要に応じ更なる行動をとる準備をしておく。我々は、合意された金融セクターと規制改革が遅滞無く完了されるべきことを強調する。我々は、あらゆる形の保護主義を排斥する共同責任を再確認する。長期の開発計画を実施し、貧困と闘う低所得国の努力に対する国際的支援を継続し、これらの経済への危機の影響を引き続き注視することも重要である。
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2 我々は、ピッツバーグでのG20サミットの結果を歓迎し、世界経済の強固で持続的かつ均衡ある成長のための政策を検討するとのコミットメントを支持する。二国間及び多国間のサーベイランスにおけるIMFの中心的な役割に基づき、我々は、IMFに対し政策が世界経済のより持続可能かつ均衡ある成長と、集合的に整合的かどうかに関する予測分析を作成することで、G20の相互評価を支援するよう要請する。我々は、金融セクターの過剰及び持続不可能な世界的不均衡の再蓄積を防止するよう引き続き警戒する。このために、全ての国が、健全な財政・金融政策、為替政策及び金融セクター政策に支えられた構造改革のアジェンダを再活性化する必要がある。我々は次の会合時までに、これらの努力に関するアップデートがなされることを期待する。
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3 経済回復が確実になるにつれて、我々は、金融セクターに対する公的支援の撤回、金融政策による支援の秩序ある巻き戻し、長期の持続可能性確保のために必要な財政再建といった、信頼に足る、調和した出口戦略の検討と実施に協働することにコミットする。我々は、IMFに対し次の会合時までに、各国の固有の状況を考慮した秩序ある協力的な出口戦略の原則を作成し、出口政策の作成とその世界的回復及びマクロ・金融の安定との整合性に関して助言するよう要請する。
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ガバナンス改革
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4 クォータ改革は、IMFの正統性と有効性を増大させるために決定的に重要。我々は、IMFがクォータを基礎とする機関であり、引き続きそうあるべきであることを強調する。我々は、クォータ・シェアの配分は、ダイナミックな新興国・途上国の力強い成長をうけ大きく変化した、世界経済におけるIMF加盟国の相対的地位を反映すべきであると認識する。この文脈において、我々は、現在のクォータ計算式を作業の基礎として用いて、過大代表国から過小代表国への少なくとも5%の、ダイナミックな新興国・途上国へのクォータ・シェア移転を支持する。また、我々は、IMFにおける最貧国の投票権の保護にコミットしている。我々は、未だ実施されていない2008年のクォータ及び代表権改革に、全加盟国が速やかに同意するよう促す。我々は、第14次クォータ見直しを2011年1月に完了するという合意済みの目標期限を達成するよう理事会に要請する。我々は、IMFに対し、次回会合においてこれらの分野で達成された進展についての報告を行うよう求める。
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5 我々は、IMFのガバナンス改革に関するレポートを作成した理事会に謝意を表明する。我々は、ガバナンス改革全体の検討を継続するよう理事会に要請する。理事会は、次回会合において、これらの課題に関する進展について報告する。我々は、次回会合において、開かれた、能力本位で、透明なIMFマネジメントの選任プロセスを採択する予定である。
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IMFのサーベイランスとマンデート
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6 IMF-金融安定理事会(FSB)の早期警戒機能の立ち上げ、金融セクターや各国横断的な分析の強化について継続されている努力を含む、IMFのサーベイランス向上における重要な進展がなされた。我々は、IMFに対し、金融セクター評価プログラム(FSAP)の新しい柔軟な枠組みを迅速に実施し始め、より質の高いマクロ・金融サーベイランスと、二国間サーベイランスへのより良い統合の実現を確保するよう要請する。特にシステム上重要な国々による、FSAPの定期的な見直しと更新の実施は、効果的なマクロ・金融サーベイランスに貢献する。我々は各国横断的、地域及び多国間サーベイランスの一層の強化を慫慂し、IMFの透明性政策の見直しと向上を期待する。我々は更新されたサーベイランスの優先事項を是認し、その目標を達成するために加盟国にIMFと協働するよう要請する。
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7 より広い視点からは、危機がIMFのマンデートの更なる再評価が必要とされていることを示した。我々は、IMFに対し、世界的な安定に関係するマクロ経済・金融セクター政策全体をカバーするためにマンデートを見直し、次回総会までに委員会に報告するよう要請する。
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IMFの資金支援と国際流動性
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8 我々は、危機への対応として、貸付能力の3倍以上の増加を可能にしたIMFへの一時的な資金提供にコミットした加盟国に感謝し、第14次クォータ見直しの結果に照らして見直される、5000億ドル以上拡大された、新しくより柔軟なNABについて合意が期待されていることを歓迎する。この見直しにおいて、IMFは、クォータを基礎とする機関であるというIMFのあり方と整合性を保ちつつ、加盟国のニーズを長期的に満たす能力を確保するために必要な資金の適切な規模と構成を精査すべきである。我々は、クォータ・シェアの変化の促進を助けることにもなる、クォータ全体の増加規模について議論することを期待している。
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9 我々は、加盟国の資金面のセーフティネットを改善するIMFの革新的な努力を称賛する。2830億ドル相当のSDR配分と、多くの加盟国へのIMFの資金支援は、信認を回復するのに役立った。特に、フレキシブル・クレジット・ライン(FCL)は、多くの新興国に重要な支援を提供した。同時に、譲許的支援の増加は、低所得国が景気後退に対応する政策を実施するための追加的余地を提供した。
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10 IMFは、金融市場の変動を含む対外収支上の問題への加盟国による対処を支援する能力の強化を継続し、過度の外貨準備の蓄積が必要との認識を低減させるべきである。我々は、IMFに対し、次回の年次総会時までに、将来のIMFの融資の役割に関し研究し報告するよう求める。フレキシブル・クレジット・ライン(FCL)と高アクセス予防的アレンジメントの成功を基に、この研究は、融資制度の更なる向上の必要性があるか、またこれが適切な資金の安全性を確保しつつ、自己保険に対し信頼できる代替手段を提供できるかどうか、につき検討すべきである。我々はまた、IMFに対し、長期的な世界の安定と国際通貨システムの適切な機能を促進する他の政策手段について調査するよう求める。
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11 IMFの譲許的貸付枠組みの包括的見直し及び譲許的貸付を2倍以上に増額するとのコミットメントは、歓迎すべき重要な前進である。これらは、債務の持続可能性を十分考慮しつつ、低所得国の資金需要の増加に応えることに役立つ。我々は、金売却に関する合意を含む、新歳入モデルと追加的な補給金を提供するとのコミットメントの完全な実施を期待する。我々は、いくつかの加盟国による、融資及び補給金の追加的な貢献のコミットメントを歓迎する。我々は、IMFの譲許的貸付について合意された増額のための十分な資金を確保するために、融資や補給金に対する貢献を迅速に増やしていくよう他の潜在的貢献国に強く要請する。
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12 次回IMFC会合は、2010年4月24日にワシントンD.C.で開催予定。IMFC代理会合が、次回会合の準備と進捗状況を確認するために開催される予定。
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