現在位置 : トップページ > 国際政策 > 国際通貨制度等〜国際通貨基金(IMF)等〜 > IMF国際通貨金融委員会(IMFC) > 第13回IMFC コミュニケ(ポイント)(平成18年4月22日)

第13回IMFC コミュニケ(ポイント)(平成18年4月22日)

English 印刷用(PDF)

第13回IMF国際通貨金融委員会コミュニケのポイント
[2006年4月22日 於:ワシントンD.C.]

 
(世界経済と金融市場―見通し、リスク及び政策対応)

高い石油価格にも関わらず、世界経済が引き続き力強く拡大していることを歓迎。拡大は地理的により広範なものとなっており、世界経済の成長は、今後数年間は、引き続き力強いとの見通し。インフレ及びインフレ期待はよく抑制されているが、引き続き警戒が必要。金融市場環境の急激な反転の可能性とあわせ、高く不安定な石油価格、保護主義の高まり及び鳥インフルエンザ発生の可能性が下方リスク。拡大しつつある世界的不均衡によるものも含め、潜在的な脆弱性がもたらす主なリスクについては、包括的な対応がなされる必要。
   

秩序立った中期的な世界的不均衡の解決のための行動は、共同の責任であり、個別行動をとるよりも、加盟国及び国際社会に大きな利益をもたらす。不均衡に伴う中期的なリスクを減じるには、より協調的かつ持続的な実施が必要。不均衡是正への対処のために合意されている戦略が、引き続き有効であることを確認。主要な事項としては以下が含まれる。米国における、財政赤字削減及び個人貯蓄促進による、国民貯蓄の引上げ;ユーロ圏及びその他の幾つかの国における、潜在成長力の維持と内需拡大のための構造改革の実施;日本における、財政健全化を含む更なる構造改革;新興アジア地域の多くの黒字国における、更なる為替レートの柔軟性の許容;石油輸出国における、強固なマクロ経済政策による、石油歳入増の効率的な吸収の促進。経済的に相互に連関している中、全ての国と地域が、自国経済の柔軟性を増し、変化する世界的な需要パターンに適応することにつき、果たすべき役割がある。IMFに対して、不均衡の縮小に必要な行動を慫慂する方法について作業し、次回会合において報告を行うことを要請。中期的戦略の実施に関する専務理事報告で記載されているように、新たなマルチのコンサルテーションが多国間の行動を促進することにつき役割を果たすことができる。
   

石油生産能力の制約に対して既に取られている行動を歓迎。石油生産者、石油消費者及び石油会社が、より緊密な対話を行うことを含め、各々の役割を果たし、中期的な石油市場の需給バランスを改善するための更なる措置を実施することを要請。上流・下流における更なる投資、エネルギー効率化・省エネルギー・代替エネルギー推進策、石油製品に対する補助金の削減及び、石油市場データの質と透明性の向上のための更なる努力の重要性を強調。
   

中期的な財政状況の強化に向けた取組は、成長と安定を支え、将来のショックへの耐性を増す上で引き続き不可欠。財政赤字を削減し、年金・医療制度の持続可能性を確保するための改革を進める上で、経済の拡大をより活かすべき。また、グローバル化の恩恵を受けるためには、労働・製品市場における成長への制約の除去と、企業・投資環境の改善を、より迅速に進めることが重要であることを強調。国際金融システムが引き続き力強いことを歓迎し、特にクレジット・サイクルの変化の潜在的影響に関して、金融監督者に対し引き続き警戒することを要請。加盟国に対し、鳥インフルエンザのリスクに対応するための広範な戦略の一環として、重要な経済・金融インフラの強度を確保することを要請し、この点につき、金融機関の事業継続計画を推進するIMFのアウトリーチ・イニシアティブを支持。
   

世界経済の成長及び貧困削減のための、2006年末までのドーハ・ラウンドの野心的かつ成功裡の成果の重要性を強調。全ての加盟国に、貿易及び直接投資の両方において保護主義に対抗することを要請。より強固な多国間貿易体制を支持する包括的パッケージの主要項目についての合意達成に、全ての加盟国は迅速に貢献すべき。また、野心的な貿易自由化により生じる機会を各国が最大限に活かすことができるよう支援するため、引き続き努力することを要請。特に貧困国のために、国家開発戦略に強固に裏打ちされた「貿易のための援助」、そして既存の又はより強化された貿易関連技術支援のメカニズムの活用を促す。
   

サハラ以南のアフリカ諸国を含む貧困国における成長見通しの改善は心強いもの。ミレニアム開発目標(MDGs)達成には、貧困国とドナーの間のパートナーシップが必要。途上国は、健全なマクロ経済政策及び成長に不可欠な改革を追求し続けることが必要。国際社会は、追加的な資金供与を行うというコミットメントを迅速に履行すべき。
   
(IMFの中期的戦略の実施)

IMFの中期的戦略の実施に関する専務理事報告を歓迎。マネジメントと理事会に対し、検討を完了し、実施に迅速に移行することを要請。
   
公正な発言権と代表性が重要であることを強調し、協同的組織としてのIMFの実効性と信頼性が保持され、そのガバナンスが一層強化されねばならないことを再度確認。世界経済における諸国の比重及び役割の大きな変化を反映するためにクォータの配分を改善するに当ってアド・ホック増資が果たす役割を強調。抜本的な改革に合意。専務理事に対し、年次総会における合意に向けての具体的提案を提出するため、IMFC及び理事会と協働することを要請。
   

サーベイランスをより効果的にすることの重要性を再度表明し、1977年のサーベイランスに関する決定をレビューすることを支持。以下の4つの要素からなるIMFのサーベイランスのための新たな枠組みを提案。第1に、国際金融問題、特にある国から他国への波及効果を含む多国間の問題に対し焦点を当てること。;第2に、協定4条のもとでの加盟国及びその機関による再度のコミットメントを改訂していくこと。;第3に、マルチのサーベイランスに関する、IMFC及び理事会が関与する新たな手続きについての提案の実施。;第4に、IMFCがバイ及びマルチのサーベイランス両方について新たに年毎の付託事項を設定すること。これにより、専務理事、理事会及びそのスタッフは、サーベイランスの質について説明義務を負うこととなる。
   

新興市場国は、健全な政策を追求し、国際貿易・資本市場に統合されるなかで、世界経済の安定と金融危機の回避に歓迎すべき貢献をしている。新興市場国の新たな課題及びニーズに対応するためのIMFの努力を歓迎。金融・資本市場に関する論点が、これらの国に対するIMFの取組において、一層中心となっていくべき。強固なマクロ経済政策の実施などを行っていながらも、ショックに対して脆弱な国々に対する、高次アクセスの偶発的融資を提供する新たな融資制度に係る専務理事の提案の更なる検討を支持。外貨準備のプーリングのための地域的な取極を支援する上でIMFが果たしうる役割について、IMFが更に検討することを慫慂。また、債務履行遅滞国に対するIMFの融資政策運営上の見直しが必要。
 

IMFは、債務救済を含む援助フロー増が効果的に吸収されることを確保することなど、低所得国において重要な役割を有する。「マルチ債務救済イニシアティブ(MDRI)」等の下、IMFとその他の機関が行う債務救済を歓迎。また、「重債務貧困国(HIPC)イニシアティブ」の潜在的適格性を有する加盟国のリストの最終版に関する合意を歓迎。IMF-世銀共同の債務持続性分析枠組みの改良を通じて、借入国における債務持続性を確保すること等の重要性を強調。全ての債権者に対し、責任ある貸付を行うためIMF及び世銀と協働することを慫慂。IMFの政策提言、能力構築支援及び融資が、各国のニーズ等の変化に緊密に沿ったものであり、また、マクロ経済問題に重点を置いていることが、低所得国におけるIMFの取組の実効性のために不可欠。
   

IMFと世銀の責任と説明責任の分担を明確化し、両者の協調体制を改善する取組を支持。世銀・IMFの協調に関する外部検討委員会の創設を歓迎するとともに、その結論に期待。
   
IMFの予算状況は最近のIMFの貸付の減少により変化し、歳入・歳出両面における行動を必要としていることに留意。専務理事に対して、より予測可能で安定的な収入源の提案を早急に検討することを要請。中期戦略が予算中立的に策定されていることを歓迎するとともに、IMFに対して、その業務の更なる優先順位付け、合理化を慫慂。
   
(その他)
資金洗浄・テロ資金対策(AML/CFT)に関する強力なプログラムを構築するため、全ての国に対し、引き続き行動するよう要請。
   
独立評価機関(IEO)のIMFの作業に対する継続的な貢献に期待。
   
次回IMFC会合は2006年9月17日にシンガポールで開催予定。