第12回IMFC コミュニケ(ポイント)(平成17年9月24日)
| 第12回IMF国際通貨金融委員会コミュニケのポイント |
| (世界経済と金融市場―見通し、リスク及び政策対応) | ||
| ・ | 成長格差が依然として大きいことに留意する一方で、世界経済が拡大しつつあることを歓迎。特に最近、ハリケーン「カトリーナ」の影響により拍車がかかった石油価格の高騰、世界的不均衡の拡大、保護主義的風潮の拡大及び金融市場情勢の逼迫の可能性といった見通しに対する下方リスクが増大しているものの、世界経済の成長は続く見込み。コア・インフレは概して抑制されており、インフレ期待は依然として適切に抑えられている一方、石油価格の高騰が価格の安定に対するリスクとして残存。 | |
| ・ | 産油国、消費国、石油会社は、石油市場の一層の安定化の促進に向けて協働する上で、それぞれ果たすべき役割があることを強調。第一に、国際エネルギー機関(IEA)の加盟国及び産油国による供給拡大継続の行動を歓迎。第二に、供給網を通じた、とりわけ精製能力の面における、更なる投資、良好な投資環境を育むための更なる努力を要請。第三に、新技術や代替エネルギー源、石油製品補助金に対する取組等の、省エネルギー、エネルギー効率性・持続可能性を推進する政策の重要性を強調。第四に、産油国と消費国の間のより緊密な対話及び石油市場のデータと透明性の改善に向けた努力を奨励。第五に、IMFは加盟国とりわけ貧困国の石油価格ショックへの対処を助ける制度を提供する準備ができているべき。 | |
| ・ | 世界的不均衡への対処及び成長の促進のため、最近、政策実施が進んでいることを歓迎する一方、リスクの高まりに鑑み、秩序ある調整を促進するため更なる行動を促す。このような活動には、米国における国民貯蓄を増やすための財政健全化、新興アジア諸国における為替相場制度の一層の柔軟性、欧州における潜在成長力を強化するための更なる構造改革及び、経済が勢いを回復している日本における財政健全化を含む更なる構造改革が含まれる。多くの新興市場国を含む国々における、投資家にとってより良好な環境の整備を促進する措置は、不均衡の縮減に貢献するであろう。石油輸出国もまた、石油歳入の効率的な吸収等を通じて、役割を果たす必要。 | |
| ・ | 中期的財政状況の強化に向けた取組は、世界的成長と安定を支える上で、今後も不可欠。多くの先進国において、財政赤字は更に削減される必要があり、また、人口高齢化がもたらす圧力を克服し、年金及び医療制度の持続可能性を確保するための改革を加速させる必要。多くの新興市場国の財政状況・債務構造の改善は歓迎すべきものであるが、公的債務が高水準にある国々においては、財政健全化の努力を今後も継続する必要。加えて、多くの国における労働・製品市場の硬直性を克服する更なる野心的な努力を要請。規制・監督機関は、潤沢な世界的流動性等に、引き続き注意せねばならない。 | |
| ・ | ドーハ・ラウンドの成功は、世界的成長と貧困削減のために、引き続き重要。WTO香港閣僚会合の合意に至る上で重大な課題が残存。WTO加盟国の財務大臣及び中銀総裁として、多国間貿易自由化の成功に積極的な関心を有する。全ての国に対し、早急に、野心的な貿易自由化を確実に推進することを要請。特に開発途上国にとっての市場アクセスの増大;貿易歪曲的な国内支持の著しい減少;すべての形態の農業輸出補助金の撤廃;金融サービスを含むサービス分野における重要な進展、が主要な行動分野。低所得国が、貿易自由化の恩恵を十分に享受することを可能にするための提案を行ったIMF・世銀共同のスタッフ・レポートを歓迎し、理事会にこれらの提案を迅速に検討することを促す。 | |
| ・ | 最貧国の成長と成長見通しが強化されていることを歓迎。ミレニアム開発目標(MDGs)達成までの期限が10年となった今、これらの国々は、持続可能な成長と貧困削減に必要な政策を、健全なマクロ経済ファンダメンタルズ及び成長を促進し活力ある民間セクターを支えるために不可欠な健全で説明責任があり透明性の高い制度構築等を通じて、より迅速に強化しなければならない。加えて、国際社会は、追加的な資金供与を行うという新たなコミットメントを迅速に遂行せねばならない。ドーハ・ラウンドの野心的な成果もまた成長及び貧困削減に必要不可欠。 | |
| (IMFの目標と中期戦略) | ||
| ・ | IMF専務理事による、IMFの加盟国支援の実効性を向上させるためのIMFの中期戦略に関する報告を歓迎し、その中で提示された大まかな優先項目を支持。今後数年間、IMFは、マクロ経済及び金融の分野において与えられた権限の範囲内で、グローバル化に伴う経済的課題に向き合う加盟国への支援を継続。IMFの中期的予算枠組み等の下で、中期戦略において明示された主要なタスクに関する具体的な提案・タイムラインが理事会の作業計画で示されることを期待。 | |
| ・ | 専務理事の報告において提示された大まかな優先項目は以下の通り。 | |
| ― | サーベイランスの有効性の向上 | |
| ― | 様々な国における新しい課題と需要への適応 | |
| ― | 制度構築及び能力構築への支援 | |
| ― | 健全な中期的予算の下でのIMFの業務の重点化と再編 | |
| ― | クォータとボイスに関する問題への取組 | |
IMFは、グローバル化に関する分析を深め、今後も引き続き、グローバル化がもたらす長期的な課題に対応するための戦略を策定することが必要。 | ||
| (低所得国に対するIMFの支援の強化―インストルメント、ファイナンシング及び債務救済) | ||
| ・ | IMFが、政策助言、技術支援及び資金支援を通じ、低所得国への支援に重要な役割を果たすことを再確認。PRGFは、今後も引き続き、低所得国に対するIMFの主要な資金支援の手法。IMFによる譲許的融資の財源は適切に確保されるべき。 | |
| ・ | IMFの低所得国支援を強化するための新しい手法の導入に向けた進展を歓迎。政策支援インストルメント(PSI)は、IMFの資金支援は不要であるが、自らの政策に対するIMFからの支持と継続的な評価を必要とする低所得国にとって有用。PRGF信託基金に設ける新たなウインドゥもまた、IMFとの間に通常のPRGF取極を持たない低所得国が外生ショックに直面した場合にタイムリーな譲許的支援を行うことにより、現行制度を補完。 | |
| ・ | 重債務貧困国(HIPCs)がIMF、国際開発協会(IDA)、アフリカ開発基金(AfDF)に対して有する債務を100%削減するとの提案を支持。この提案は、MDGs到達に向けた各国の努力への追加的資金供与となり、長期の債務持続性を強化するものと認識。IMFの低所得国への資金供与能力を確保することの重要性を強調し、G8諸国の追加的資金供与へのコミットメントを歓迎。また、債務救済から利益を得る国々がその前に健全な政策と高水準のガバナンスを示すべきことを強調。これらに関する合意がなされたことを受け、IMF専務理事は、債務救済を実行するための取極を2005年末までに承認するよう要請。また、今後のIMFC会合における進捗報告を要請。 | |
| ・ | 非パリクラブ債権者及び民間債権者を含む全ての債権者が、拡大HIPCイニシアティブの実施に貢献することの重要性を強調。2006年の早い時期に、HIPCイニシアティブ適格国のリストを完成させるための、2004年末時点で持続不能な債務を有する低所得国を選別する作業に留意。 | |
| (その他) | ||
| ・ | 国際的なソブリン債における集団行動条項の導入の急速な広がり、及び「新興市場における安定的な資本フローと衡平な債務再編のための原則」に関する広範な合意形成に向けた努力を歓迎。債務履行遅滞国に対するIMFの融資政策の実行を含め、秩序立った金融危機の解決についての更なる作業を期待。 | |
| ・ | 資金洗浄・テロ資金対策(AML/CFT)に関する強力なプログラムを開発するため、全ての国に対し、行動を続けるよう要請、本分野におけるIMFの努力を支持。 | |
| ・ | 協力的な機関としてのIMFの実効性及び信頼性が守られ、強化されなければならない。全ての加盟国のボイスと参加が確保されるとともに、クォータの配分は世界経済の進展を反映すべき。第13次クォータ見直しが、本問題に取り組むための機会を提供。この問題に関する進展と、次回IMFC会合における報告を期待。 | |
| ・ | グリーンスパンFRB議長の、IMFC・暫定委への過去18年にわたる貢献に謝意。 | |
| ・ | 次回IMFC会合は2006年4月22日にワシントンで開催の見込み。 | |
